ホームページ制作の見積もりの見方:項目ごとの費用の幅と、依頼前に決める五つ

ホームページの制作を頼もうとして料金を調べると、4ページで22万円(税別)という見積もり例を載せている会社もあれば、15ページで125万円という例を載せている会社もあります(前者は東海オフィスクリエイト、後者はホームページ制作プロの料金表。どちらも2026年10月2日確認)。ページ数の違いだけでは説明がつかず、手元の見積もりが高いのか安いのか、どこを比べればよいのかが分からなくなります。この記事は、中小事業者や士業事務所で、これから制作会社に依頼しようとしている方、または今の制作会社から移ることを考えている方に向けて書いています。

先に結論を三つ書きます。

  1. 制作費は「どの作業が入っているか」「それがどれだけあるか」「原稿と写真を誰が用意するか」の掛け合わせで決まります。2026年10月2日に当社が確かめた4社の公開料金表では、各社の最低額で比べても、CMS(管理画面から文章を書き換えられる仕組み)の導入が50,000円〜132,000円、トップページのコーディングが35,000円〜110,000円と、2倍以上の開きがありました(税込・税別は各社の表記のまま)。
  2. 見積もりは、「一式」を項目に分け、数える単位(ページか型か、デザインは何案か)と、含まれないもの(原稿、写真、ドメインとサーバー、公開後の修正)をそろえてから比べます。
  3. 依頼の前に決めておきたいのは、目的と成果の数え方、原稿と写真の用意、ドメインとサーバーの名義、著作権の扱い、公開後に誰が手を入れるか、の五つです。著作権は、料金を払って頼んでも、契約で決めなければ作った側に残ります(文化庁の資料)。

ホームページ制作の費用の内訳:4社の公開料金表で見る項目ごとの幅

「ホームページ 制作 費用」で検索すると、上位の記事には「会社案内のサイトなら◯万円から◯万円」といった相場の早見表が並びます。目安にはなりますが、どの会社の料金表をもとにした数字なのかが書かれていないことが多く、手元の見積もりの行と突き合わせることができません。

そこで当社は、項目ごとの料金を自社のサイトで公開している制作会社の料金表を開き、2026年10月2日時点の金額を項目別に並べました。見たのは、AmotDesign(神奈川県相模原市)、メディアマックスジャパン株式会社、株式会社東海オフィスクリエイト(静岡県駿東郡長泉町)、ホームページ制作プロ(東京都世田谷区)の料金表です。

項目何をする作業か公開料金表の例(2026年10月2日確認)
企画・ディレクションサイト全体の構成を決め、進行を管理するAmotDesign:企画・設計・構成が制作費の20%(33,000円〜)、進行管理費が制作費の15%(22,000円〜)/東海オフィスクリエイト:基本料金(構成考案・基本SEO対策・操作説明等)25,000円/ホームページ制作プロ:全体企画50,000円〜
トップページのデザイン入口になるページの見た目を作るAmotDesign:1案57,200円〜/メディアマックスジャパン:110,000円〜/東海オフィスクリエイト:サイト全体のデザイン50,000円
トップページのコーディングデザインを、ブラウザで表示できる形に組み上げる東海オフィスクリエイト:35,000円/AmotDesign:39,600円〜/メディアマックスジャパン:110,000円〜
下層ページ(トップ以外のページ)ページごとのデザインとコーディングAmotDesign:デザイン、コーディングとも1ページ9,350円〜/東海オフィスクリエイト:コーディング1ページ25,000円/ホームページ制作プロ:ページ制作1ページ30,000円/メディアマックスジャパン:デザイン、コーディングとも「1種類あたり」55,000円〜(シンプルなもの)
CMSの構築WordPressなど、管理画面から更新できる仕組みを入れる東海オフィスクリエイト:50,000円(簡易操作説明書の作成を含む)/ホームページ制作プロ:50,000円〜/AmotDesign:60,500円〜/メディアマックスジャパン:132,000円〜(HTMLで作ったサイトをWordPressに変換)
お問い合わせフォームサイトから問い合わせを送れる仕組み東海オフィスクリエイト:10,000円〜/AmotDesign:19,800円〜/メディアマックスジャパン:33,000円〜/ホームページ制作プロ:40,000円〜
原稿ページに載せる文章を書くAmotDesign:原稿作成代行1ページ14,300円〜/ホームページ制作プロ:取材ありの新規原稿1ページ30,000円〜、手直し1ページ15,000円〜
写真カメラマンを手配して撮影するホームページ制作プロ:50,000円〜

税の表記は、AmotDesignとメディアマックスジャパンが税込、東海オフィスクリエイトが税別で、ホームページ制作プロの料金表には税の表記が見当たりませんでした。料金は改定されることがあるので、検討するときは各社の最新の料金表を見てください。公開後の保守(更新や障害時の復旧)の月額は、ホームページの保守費用の相場で別に扱っています。

この表から、見積もりを読むときに効いてくることが三つ読み取れます。

ディレクション費は「制作費の◯%」で増えることがある

AmotDesignの料金表では、企画・設計・構成が制作費の20%、進行管理費が15%で、合わせて35%です。デザインやコーディングなどの制作費が30万円なら、この二つで10万5,000円になる計算です(それぞれに下限の金額があります)。定額で書く会社もあれば、制作費に比例させる会社もあるということです。

ディレクションは目に見えにくい作業ですが、ページの構成を決めることも、原稿や写真の到着を待って段取りを組み直すことも、ここに入ります。当社の見立てでは、依頼する側の原稿や確認が遅れて打ち合わせが増えると、まずこの部分の手間が膨らみます。

「1ページ」と「1種類」は違う単位

下層ページの料金を、AmotDesignと東海オフィスクリエイト、ホームページ制作プロは1ページ単位で、メディアマックスジャパンは「1種類あたり」、つまりページの型の単位で書いていました。たとえば「会社概要」「業務内容」「アクセス」が同じ型で作れるなら、型で数える料金表では1種類分、ページで数える料金表では3ページ分です。見積もりに「下層ページ×10」とあったら、それがページの数なのか型の数なのかで、比べる前提が変わります。

デザインの「1案」も同じです。AmotDesignのトップページは「1案」の料金でした。複数の案から選びたいなら、案の数と、修正を何回まで受けてもらえるかを見積もりの段階で確かめておきます。

原稿と写真を誰が用意するかで、金額がいちばん動く

ホームページ制作プロの料金表には、規模別の料金例が載っていました。5ページで45万円(原稿は依頼者が用意)、10ページで75万円(原稿の手直しを含む)、15ページで125万円(取材をして原稿を新しく作る)です。同じ料金表で原稿を新しく書いてもらうと1ページ30,000円からなので、10ページなら原稿だけで30万円からになります。写真もカメラマンを手配すれば50,000円からです。

デザインやコーディングの単価は、発注する側にはほとんど動かせません。一方、原稿と写真を自社で用意するか、どこまで頼むかは、依頼の前に自社で決められます。見積もりの額を大きく動かす項目のうち、発注する側が決められる数少ないものです。

見積もりの読み方:比べる前にそろえる四つのこと

「ホームページ 制作会社 比較」で調べると、会社の選び方の観点が並んだ記事が多く出てきます。ただ、実際に手元にある複数の見積もりを比べる段になると、観点より先に、見積もりの書き方がそろっていないことが壁になります。当社は、次の四つをそろえてから比べることを勧めています。

  1. 「一式」を項目に分けてもらう。「制作費一式 50万円」だけでは比べられません。上の表の項目(企画・ディレクション、デザイン、コーディング、CMS、フォーム、原稿、写真)に沿って分けてもらいます。
  2. 数える単位と回数をそろえる。下層ページはページ単位か型の単位か、デザインは何案か、修正は何回までか、スマートフォンでの表示が含まれるか。東海オフィスクリエイトの料金表では、スマートフォン表示への対応(レスポンシブ対応)が100,000円(税別)の別項目でした。
  3. 含まれないものを書き出す。東海オフィスクリエイトの料金表には「ドメイン・レンタルサーバー料金は含まれておりません」と書かれていました。原稿、写真、公開後の修正も、別の扱いになっていることがあります。
  4. 税込か税別かをそろえる。上の4社でも表記が分かれていました。

複数の会社に見積もりを頼むときは、依頼の内容を一枚にまとめて、同じものを各社に渡すと、返ってくる見積もりの形がそろいます。書いておくのは、目的、ページの数と種類、原稿と写真をどちらが用意するか、ドメインとサーバーの名義、公開後に誰が手を入れるか、です。次の章の五つとほぼ重なります。

そして、比べるのは制作費だけでなく、公開後の分を足した総額にします。仮に制作費40万円で公開後の保守が月1万円なら、3年で76万円です。制作費20万円でも、更新を頼むたびに見積もりになる契約なら、3年でいくらになるかは更新の頻度しだいです。制作費0円で月額を払う形や、成果に応じて払う形の契約期間と3年の総額は、ホームページの成果報酬型とはで整理しています。ドメインとサーバーの実費は、当社が前述の保守費用の記事で確かめた範囲では、.co.jp のドメインと一般的なレンタルサーバーで年17,578円(月あたり約1,465円)でした。

ホームページ制作を依頼する前に決めておく五つのこと

見積もりをそろえるための一枚に何を書くかは、そのまま依頼の前に決めておくことの一覧になります。

1. 目的と、成果を何で数えるか

目的が「問い合わせを増やすこと」なら、何を一件と数えるか(フォームの送信か、電話番号のタップも含めるか)と、その数字を誰がいつ見るかを決めておきます。数え方が決まっていないと、公開してから半年たっても、作ったことでよくなったのかどうかを誰も答えられません。問い合わせの数を計測する設定が見積もりに入っているか、入っていなければ誰が設定するかも、このときに確かめます。

採用のためのサイト、取引先に見せる会社案内のサイトなど、目的が問い合わせ以外なら、数えるものも変わります。どちらにしても、一つに決めておくと、ページの構成と見積もりの項目が決めやすくなります。採用のためのサイトに載せる項目は、採用ページの作り方:中小企業の求人を見た人が応募前に確かめる項目と書き方に書いています。

2. 原稿と写真は誰が用意するか

料金、対応する範囲、これまでに扱ってきた仕事、事務所としての方針は、依頼する側しか持っていない情報です。原稿を頼む場合でも、取材に答える時間と、書き上がった原稿を確かめる時間は要ります。士業事務所なら、所属する会の広告の決まりに照らして確かめるのも、依頼する側の仕事です。原稿を自社で書くなら、いつまでに何ページ分を渡すかを、制作の日程と一緒に決めておきます。

写真やイラストの素材にも注意が要ります。素材サイトのPIXTAは、よくある質問(単品購入)で、制作会社が購入した素材をクライアント向けの制作物に使うことはできるが、クライアントが使えるのはその納品物の中に限られ、別の用途に使うにはクライアント自身の購入が必要だ、という趣旨を案内しています。チラシに流用する、別の会社に作り直してもらう、といったときに使えるかどうかは、素材ごとの規約しだいです。自社で撮った写真を使うか、素材を自社名義で買ってもらうかも、依頼の前に決めておける項目です。

3. ドメインとサーバーを誰の名義で契約するか

ドメイン(example.co.jp のようなサイトの住所)とサーバー(サイトのデータを置く場所)を、制作会社がまとめて自社の名義で取ることがあります。作る段階では手早く進みますが、契約を終えるときや制作会社を変えるときに、手続きを相手に頼まなければならなくなります。自社の名義で取ってもらうよう、依頼の前に伝えておくのがいちばん手間がかかりません。確かめ方と頼むときの文面はドメインの名義が制作会社のままになっていないかにまとめています。

4. 著作権をどちらに置くか

当社は法律の専門家ではありません。ここに書くのは、文化庁の公開資料で当社が確かめた範囲です。契約書の文言は弁護士に確認してください。

文化庁の「著作権テキスト」(令和3年度)は、著作権は著作物が創られた時点で自動的に与えられ、登録などの手続きは要らないこと、そして創作を他人や他社に委託(発注)した場合は、料金を支払ったかどうかにかかわりなく、実際に創作した受注者の側が著作者になることを説明しています。つまり、制作費を払っただけでは、サイトのデザインや文章の著作権は依頼した側に移りません。

同じく文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」は、依頼した側が著作権を取得するには、完成した著作物の著作権は依頼した側に帰属する、というように契約で合意しておく必要があるとしています。全部を譲り受けるなら「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」と明記する必要があり、明記しないと、翻案(元の著作物に手を加えて作り変えること)などの二次的著作物に関する権利は譲渡の対象ではないと推定される(著作権法第61条第2項)、とも書かれています。また、著作者人格権(作った人の名誉や意に反する改変から守る権利)は譲渡できず、財産としての著作権を譲っても作った人に残ります。そのため、著作者人格権を行使しない旨を契約に定める例がある、と同じマニュアルは紹介しています。

ホームページで実際に困るのは、公開した後に、自社や別の会社が文章やデザインを書き換えるときだと当社は見ています。ですから、契約で読み取れるようにしておきたいのは「自社や、自社が頼んだ別の会社が、このサイトを改変して使い続けてよいか」です。譲り受ける形にするなら第27条と第28条を含める旨を、譲り受けずに使ってよい範囲を決める形(利用許諾)にするなら、改変と他社への委託を許される範囲に入れておきます。なお、有料のテーマ、素材の写真、フォントのように、制作会社が自分で作っていない部品は、制作会社が著作権を持っていないので、譲渡の対象にはなりません。部品ごとに、誰の名義のどんな条件の利用なのかを一覧にしてもらうと、後で迷いません。

5. 公開後に、誰が、どれだけ手を入れるか

ホームページの中身は、公開した日から少しずつ古くなります。料金、営業時間、お知らせ、担当者は、作った後も変わっていきます。問い合わせを増やしたいなら、ページを書き足したり直したりする手も要ります。この手を誰が出すかで、作り方も見積もりも変わります。

社内に書き換える人がいるなら、CMSが入っているか、操作の説明が見積もりに含まれているかを確かめます。東海オフィスクリエイトの料金表では、基本料金に操作説明、CMSの設置に簡易操作説明書の作成が含まれていました。外に頼むなら、制作と同時に、公開後の契約の範囲と月額を見積もりに入れてもらいます。当社が公開料金表で確かめた範囲では、保守の一番下のプランが月8,800円から22,000円(税込、保守費用の記事)、更新作業の時間単価が1時間5,000円(税抜)から1万円(税別)でした(運用代行の相場の記事)。保守で買えるのはサイトが止まらずに動き続けることで、問い合わせを増やすための書き直しは、たいてい別の仕事です。

当社は、作ることよりも、作った後に問い合わせが来るようになるまで手を入れ続ける運営を、月額でお引き受けしています。他社が作ったサイトもそのまま引き受け、料金は、始めるときの契約料20万円と実費のほかは月額で、低く始めて、問い合わせが増えるにつれて上がる形です(料金)。制作会社を選ぶ段階なら、作った後を誰が担うかを先に決めておくと、CMSにするか、どこまで自社で触れるようにするか、といった作り方も決めやすくなります。制作会社に頼むか自社で作るか自体を迷っている段階なら、会社のホームページは自作か依頼かで、ノーコードとWordPressと依頼の分かれ目を比べています。名古屋市内の制作会社に絞って、11社の公開料金表をページ数、CMS、原稿、写真、公開後の費用で並べた結果は、名古屋のホームページ制作の相場と費用にまとめています。

制作会社を変えるときは、見積もりに「移る手間」が入っているか

今のサイトを作った会社から別の会社に移る場合は、新しい見積もりに、今のサイトからの移行がどう入っているかを見ます。作り直すのか、今のサイトをそのまま引き継いで手を入れるのかで、金額も日程も変わるからです。

このとき、上の五つのうち三つがもう一度効いてきます。ドメインとサーバーが誰の名義か、前の契約で著作権や改変がどう決められていたか、素材の写真がどの名義で買われているか、です。前の会社との契約書に著作権の定めがなければ、文章やデザインを流用してよいかを、移る前に前の会社に確かめておきます。変えるかどうかをまだ迷っている段階なら制作会社を変えるタイミングを、変えると決めた後なら引き継ぐ前に確かめることを先に読んでおくと、移るときの手間が見積もれます。制作費に補助金を充てられるかどうかは、名古屋・愛知でホームページに使える補助金で、2026年10月時点の公募状況を確かめています。

今日、自社で確かめられること

  1. 手元の見積もり(または今のサイトを作ったときの見積書)を出し、企画・ディレクション、デザイン、コーディング、CMS、フォーム、原稿、写真の七つに分けて、どの項目が入っていて、どれが入っていないかに印をつける。
  2. 下層ページの数え方がページか型か、デザインは何案か、修正は何回までか、スマートフォンでの表示が含まれるかを、見積もりの中で探す。書いていなければ聞く項目として書き出す。
  3. 原稿と写真を自社で用意するか頼むかを決める。頼むなら、1ページあたりの原稿の単価にページ数を掛けて、原稿代を出してみる。
  4. 今のサイトがあるなら、whois検索でドメインの登録者名を見る。
  5. 契約書か発注書で、著作権の扱いが書かれているかを見る。「第27条及び第28条」の文言と、改変や他社への委託ができるかどうかを探す。
  6. 公開後に誰がどれだけ手を入れるかを決め、制作費に公開後の月額の36か月分を足した、3年の総額で見積もりを比べる。

業種ごとの制作の費用と、その業種の決まりで作りが変わるところは、士業なら弁護士、司法書士、税理士、社労士、行政書士、土地家屋調査士、店や施設なら美容室、飲食店、学習塾、整骨院・接骨院、介護事業所、葬儀社、自動車整備工場、住まいと建設なら工務店、リフォーム会社、建設会社、不動産会社、そのほかに保険代理店の記事に分けて書いています。