「名古屋 ホームページ 補助金」と検索すると、上位には制作会社の記事が並び、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、名古屋市の補助金と、使える制度の名前が一通り出てきます。ただ、記事によって書かれた時期が違い、いま申請できるのか、もう締め切られたのかが分からないまま読み進めることになります。この記事は、名古屋市や愛知県の中小事業者・士業事務所で、ホームページの制作や作り直しに補助金を使えないかと考えている方に向けて、当社が2026年10月3日に各制度の公式サイトと公募要領で確かめた内容をまとめたものです。補助金は年度ごとに中身も日程も変わるので、申請する前には各制度の最新の案内を見てください。
先に結論を三つ書きます。
- 2026年10月3日時点で、ホームページの制作費をこれから申請できる制度として当社が確かめられたのは、小規模事業者持続化補助金の第20回(申請受付は2026年11月5日〜12月15日)でした。ウェブサイト関連費に充てられる補助金は30万円まで、ホームページだけでは申請できない、という決まりがあります。
- IT導入補助金(2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」)は、ホームページ制作そのものは対象になりません。名古屋市と愛知県の制度は、ホームページに使える余地があるものの、2026年度の受付はどちらも終わっています。
- 補助金は後払いで、交付決定(補助金を出すと正式に決まること)の前に発注した費用は対象外です。持続化補助金の第20回で作るなら、発注できるのは早くて2027年の春になります。「補助金で実質無料」という案内は、この仕組みと合いません。
2026年10月3日時点の公募状況:名古屋・愛知でホームページに関係する4制度
まず、ホームページに関係する制度の受付状況を一枚にまとめます。数字と日付は、いずれも各制度の公式サイト・公募要領で2026年10月3日に確かめたものです。
| 制度 | ホームページ制作の扱い | 補助率と上限 | 2026年10月3日時点の受付状況 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回(国) | 「ウェブサイト関連費」として対象。補助金は30万円まで、ほかの経費と組み合わせが条件 | 3分の2、上限50万円(賃金引上げ・インボイスの特例で上乗せあり) | 受付前。申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時。商工会議所・商工会の「事業支援計画書(様式4)」の発行受付締切は12月4日 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(国、旧IT導入補助金) | ホームページ制作は登録対象外。登録済みのソフトウェア等を入れる費用が対象 | 2分の1(条件により3分の2)、5万円〜450万円 | 1次〜6次の締切が2026年10月30日17時。7次以降は未公表 |
| 名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金(名古屋市) | よくある質問で、WEBサイトの立ち上げにかかるデザイン料などを対象と案内 | 2分の1、通常枠100万円・賃上げ枠150万円 | 通常枠・賃上げ枠は2026年6月1日16時で受付終了 |
| 小規模事業者経営革新支援事業費補助金(愛知県) | 経営革新計画の承認が前提。広告宣伝費は対象区分にあるが、単なる会社のPRは対象外 | 3分の2、上限100万円 | 2026年6月19日で締切。7月17日に交付先15件を決定 |
この4制度のうち、今からホームページの費用で申請に向けて動けるのは、持続化補助金の第20回だけでした。以下、制度ごとに、ホームページの費用がどこまで対象になるかを見ていきます。
小規模事業者持続化補助金:ウェブサイト関連費は30万円まで、単独では申請できない
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自分で作った経営計画にもとづいて行う販路開拓などの取り組みを支援する国の制度です。名古屋市内のように商工会議所がある地区と、商工会がある地区とで事務局が分かれていますが、第20回の日程は同じでした。
対象になる事業者
「小規模事業者」は常時使用する従業員の数で決まります。第20回の公募要領では、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。従業員がこの人数を超える会社は、この補助金の対象になりません。
補助率・上限と、ウェブサイト関連費の決まり
通常枠は補助率3分の2、上限50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の要件を満たせば200万円が上乗せされます。
ホームページの費用は「ウェブサイト関連費」という区分に入ります。公募要領での定義は、販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム等の開発、構築、更新、改修、運用に要する経費です。決まりは次のとおりです。
- この区分の補助金交付申請額の上限は30万円。
- ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、ほかの経費と一緒に申請する。
- 50万円(税抜き)以上の費用で作ったウェブサイトは「処分制限財産」になり、一定期間は事務局の承認なく処分できない(目的に沿った改良や機能強化は処分に当たらない)。
- ウェブサイトやシステム開発に関するコンサルティング・アドバイスの費用、補助事業の期間内に運用に至らなかったホームページやランディングページは対象外。
金額の目安:ホームページ部分は45万円の支出で30万円
補助率3分の2で計算すると、ウェブサイト関連費の補助金30万円に届くのは、ホームページの対象経費が45万円のときです。それより高い制作費をかけても、ホームページ部分の補助金は30万円で止まります。通常枠の上限50万円まで使うには対象経費の合計が75万円要り、そのうちホームページ以外の区分(チラシなどの広報費、展示会への出展費など)で30万円分を組むことになります。ホームページ以外の取り組みが計画の中で必要かどうかから考えるのが、この補助金の組み立て方です。
当社が確かめた公開料金表では、下層ページは1ページ9,350円から30,000円ほど、CMS(管理画面から更新できる仕組み)の導入は50,000円〜132,000円でした(ホームページ制作の費用と依頼前に決めること)。同じ記事で見たホームページ制作プロの料金表には、5ページで45万円(原稿は依頼者が用意)という例が載っていました。補助金の上限に合わせて見積もりを膨らませる必要はなく、必要なページから見積もった額が45万円を下回るなら、補助金はその3分の2になります。
日程:発注できるのは交付決定の後、入金は事業が終わった後
持続化補助金の流れは、申請、採択、見積書等の提出、交付決定、補助事業の実施、実績報告、補助金額の確定、請求、入金の順です。第20回の公募要領に書かれた日程を並べると次のようになります。
| 段階 | 第20回の日程(公募要領より) |
|---|---|
| 商工会議所・商工会への事業支援計画書(様式4)の発行依頼 | 2026年12月4日(金)まで |
| 電子申請(GビズIDというアカウントが必要) | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17時 |
| 採択の発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 交付決定 | 採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある |
| 補助事業の実施(発注・支払い) | 交付決定日から2028年3月31日(金)まで |
| 実績報告の期限 | 2028年4月10日(月) |
公募要領は、補助金交付決定通知書を受け取る前の経費の支出はできないとしています。今月ホームページを発注した場合、その費用は第20回の対象になりません。また、補助事業の遂行には自己負担が必要で、補助金は後払いだと明記されています。制作会社には先に全額を支払い、実績報告と検査を経てから補助金が入る順番です。採択審査があり、不採択になることもあります。
申請するのは事業者自身
持続化補助金は、事業者自身が商工会議所・商工会の支援を直接受けながら計画を作る制度です。公募要領は、社外の代理人だけで商工会議所・商工会への相談や様式4の発行依頼をすることはできないとしています。また、商工会議所・商工会以外の第三者から支援を受けた場合は、支援料の有無にかかわらず、相手と金額(着手金、成功報酬など名目を問わない)を申請時に記載することになっていて、記載がなければ虚偽の報告として不採択や交付決定取消になるとされています。
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)でホームページは作れるか
2026年度のIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」という名前で公募されています。対象は、IT導入支援事業者が事務局に事前に登録したITツール(ソフトウェア、クラウドの利用料、導入にかかる費用)です。
ホームページについては、ITツール登録要領に、登録できないものとして次の記載がありました。
- ホームページ制作、サイト制作、WEBアプリ制作などの制作ツールで、追加開発の費用が含まれているもの(すでに完成していて、追加開発の費用を含まない制作ツールは登録の対象)。
- ホームページ制作ツールやブログ作成システムで作った、入力・保存・検索・表示などの簡易的な機能しかないものや、ホームページと同様の仕組みのもの(分析、演算処理などのプログラムは登録の対象)。
- 広告宣伝に類するものや、広告宣伝費用が含まれるもの。
つまり、会社案内のホームページを作ってもらう費用は、この補助金の対象になりません。予約や受発注、顧客管理などの登録済みのツールを入れる費用は対象になりえますが、その場合もホームページの制作部分は別の費用として考えることになります。2026年10月3日時点の締切は、通常枠を含む各枠の1次〜6次分が10月30日17時で、7次以降の日程はまだ公表されていませんでした。
当社の見立てでは、「IT導入補助金でホームページ制作」という案内を受け取ったら、何が登録済みのITツールなのか、ホームページの部分の費用は誰がいくら負担するのか、の二点を書面で確かめると判断しやすくなります。
名古屋市・愛知県の独自の制度:ホームページに使えたが、2026年度は受付終了
名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金
名古屋市の制度で、窓口は名古屋産業振興公社の名古屋市新事業支援センターです。デジタル技術を活用した販路開拓や生産性向上の取り組みが対象で、2026年度は通常枠(上限100万円)、賃上げ枠(上限150万円)、ロボット枠(上限500万円)がいずれも補助率2分の1でした。採択予定件数は通常枠10件、賃上げ枠30件、ロボット枠5件で、先着順ではなく審査で選ばれます。
この制度のよくある質問では、WEBサイト等の立ち上げにかかるデザイン料や、WEBサイトに掲載する動画の制作費用が対象経費の例として挙げられ、販路開拓の例としてECサイトの構築も挙がっています。リニューアルの場合は、単なる更新ではなく、動画の掲載や機能の追加などでリニューアル後のサイトに付加価値があることを事業計画書で示す必要がある、とされています。広告費は対象外で、交付決定通知書が届いた後に契約・発注したものに限る点は持続化補助金と同じです。
ただし、通常枠と賃上げ枠の受付は2026年6月1日16時で終了していました。2027年度に同じ形で募集されるかどうかの案内は、当社が確かめた範囲では見当たりませんでした。
愛知県 小規模事業者経営革新支援事業費補助金
愛知県の制度で、県知事から「経営革新計画」(新しい商品やサービスに取り組む計画)の承認を受けた小規模事業者が対象です。上限100万円、補助率3分の2で、2026年度は4月30日から6月19日まで募集され、7月17日に32件の応募のうち15件の交付先が決まりました。
公募要領の対象経費には広告宣伝費の区分がありますが、単なる会社のPRは対象外です。クリック課金型など配信実績に応じて金額や内容が変わる広告、効果や作業内容を客観的に確かめにくいSEO対策・MEO対策(地図検索での表示対策)も対象外とされています。経営革新計画の承認が先に要るので、ホームページを作るために使う制度というより、新しい事業の販路開拓の一部としてホームページを含める制度だと当社は読んでいます。
「補助金で実質無料」の案内で確かめること
補助金を前提にした営業の中には、「補助金を使えば実質無料」「自己負担ゼロ」とうたうものがあります。公式の資料と照らすと、次の点で確かめる必要があります。
- 持続化補助金の公募要領は、購入額を減額・無償にするなどして、実際に支払われた金額と一致しないものを補助対象外としています。また、虚偽の申請による不正受給や目的外利用があった場合は、交付決定の取消だけでなく、加算金を課したうえで返還を求めるとしています。
- デジタル化・AI導入補助金の事務局は、購入費用を後日IT導入支援事業者や第三者から返金される、GビズIDを他者に共有して申請手続きをさせる、といった例を不正行為として挙げ、補助金の返還、交付決定の取消、事業者名の公表などの対象になると案内しています。
- どちらの補助金も後払いです。採択されても、いったんは全額を自社で支払います。
- 採択審査があり、申請すれば受け取れるものではありません。
- 補助事業の期間が終わった後の保守費や更新費は、自社の負担です。公開後の月額はホームページの保守費用の相場で、公開料金表の一番下のプランが月8,800円から22,000円(税込)だったことをまとめています。
返金や値引きで支払額を実際より小さく見せる仕組みは、受け取った補助金を返すことになるだけでなく、申請した事業者自身が責任を問われます。「実質無料」の説明を受けたら、誰に、いつ、いくら払い、その後に何が戻ってくるのかを、順番に書き出してもらうと判断しやすくなります。
申請の相談先
- 持続化補助金:名古屋市内の事業者は名古屋商工会議所、それ以外の地域は地元の商工会議所または商工会。様式4の発行には時間がかかる場合があるとされているので、12月4日の締切より前に相談を始めます。
- 名古屋市の補助金:名古屋市新事業支援センター(名古屋産業振興公社)。
- 補助金を含む経営全般の相談:愛知県よろず支援拠点(国が設置する無料の経営相談所。名古屋市中村区名駅のウインクあいち14階と、豊橋市にサテライト)。ただし、補助金の申請書類やホームページ・チラシの制作代行は行っていないと案内しています。
補助金を待つか、先に作るか
ここからは当社の見立てです。持続化補助金の第20回でホームページを作る場合、発注は2027年春以降、公開はさらにその後になります。補助金のために半年待つことが合うのは、今のサイトでも当面は困らず、ホームページ以外の販路開拓(チラシ、展示会など)も同じ計画の中で必要な事業者です。逆に、開業や移転ですぐにサイトが要るなら、補助金を前提にせず、小さく作って始める方が合う場合があります。自分たちで作るか依頼するかは会社のホームページは自作か依頼かで、ノーコードとWordPressと依頼の分かれ目を比べています。
補助金で作ったサイトも、公開した後に誰が手を入れ続けるかで成果が変わります。当社は、作った後に問い合わせが来るようになるまで手を入れ続ける運営を月額でお引き受けしていて、料金は低く始めて問い合わせが増えるにつれて上がる形です(料金)。補助事業の期間が終わった後の運営費をどう見込むかも、申請の計画に入れておくと後で困りません。
確かめた一次情報(2026年10月3日確認)
- 中小企業庁・商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回 公募要領(第8版、2026年7月21日)」https://r6.jizokukahojokin.info/
- 商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「第20回公募のスケジュール」
- 中小企業基盤整備機構・デジタル化・AI導入補助金事務局「スケジュール」「通常枠 公募要領」「ITツール登録要領」「不正行為にご注意ください」https://it-shien.smrj.go.jp/
- 名古屋産業振興公社「名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金」「よくあるご質問」https://www.nipc.or.jp/digitalgrants/、名古屋市「中小企業デジタル活用支援補助金」
- 愛知県「2026年度小規模事業者経営革新支援事業費補助金の補助対象事業者の公募を開始します」「同 交付先を決定しました(2026年7月17日)」、愛知県商工会連合会「経営革新支援補助金 公募要領」
- あいち産業振興機構「愛知県よろず支援拠点について」
今日、自社で確かめられること
- 常時使用する従業員の数を数え、持続化補助金の「小規模事業者」(商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下)に当たるかを確かめる。
- ホームページ以外に、来年度にやりたい販路開拓(チラシ、展示会など)があるかを書き出す。ホームページだけなら持続化補助金は使えない。
- 2027年春まで待てるかを決める。待てないなら、補助金を前提にしない作り方と予算を考える。
- 持続化補助金に申請するなら、GビズIDのアカウントの有無を確かめ、12月4日より前に名古屋商工会議所(または地元の商工会議所・商工会)に相談の予約を入れる。
- 手元に「補助金で実質無料」「自己負担ゼロ」という案内があれば、支払う金額、時期、戻ってくるお金の流れを書面でもらい、上の公募要領の記載と照らす。