不動産会社のホームページ集客:3つの市で検索結果と21社のサイトを数えた

「不動産 集客」で調べると、ポータルサイトへの物件の載せ方、反響への返し方、一括査定サイトとの付き合い方、チラシやSNSといった記事が目立ちます。書かれていることは間違いではありません。ただ、どれもどの町の会社にも当てはまる形で書かれていて、御社の町で親の家を手放そうとしている人が何と打ち、その1ページ目に誰がいるのかは、そこからは分かりません。売却の相談が増えないと感じているときに要るのは、たぶんそちらの情報です。

当社はホームページの運営を引き受ける前に、その商圏で検索結果を数えます。家や土地の売却の仲介と買取をする地元の不動産会社について、2026年9月24日に、広島県福山市、高知県高知市、長野県上田市の三つの市で同じやり方を試しました。世帯数は、福山市が21万9千あまり、高知市が15万3千あまり、上田市が7万1千あまりです(各市の公表。福山市は2026年8月末、高知市と上田市は9月1日の時点で、高知市は推計、ほかの二市は住民基本台帳の数です)。

数えたのは、中心の言葉三つ(「不動産 売却」「不動産会社」「不動産 買取」)と、暮らしや困りごとから出てくる言葉六つ(「空き家 売却」「相続した家 売却」「実家 売る」「土地 査定」「古家付き土地 売却」「空き家 管理」)に、市の名前を付けたものの1ページ目です。そのうえで、1ページ目によく出てきた地元の会社のサイトを、福山と高知で八社ずつ、上田で五社、合わせて21社を同じ項目で確かめました。上田が五社なのは、九つの言葉の1ページ目に出てきた地元の会社が五社しかなかったからです。検索に出ていない会社で補うと「上位の顔ぶれ」の意味が変わるので、補っていません。福山については商圏調査の見本として一本にまとめてあり、この記事では三つの市を並べます。

限界も先に書きます。使った検索の道具は一つの言葉につき9件か10件を返し、見えるのは題とアドレスだけです。地図枠と広告は、27回の検索すべてで見えていません。売却の言葉は一括査定のサイトが広告を出しやすい言葉なので、実際の画面は、ここに書くよりもポータルの側に寄って見えている可能性があります。どの言葉が月に何回探されているかも分かりません。各社のサイトは主にトップページと売却のページで確かめていて、下層のページやよくある質問を見落としている可能性は残ります。数え方そのものは検索結果の1ページ目を数えるに書きました。

この業種を選んだのは、当社が、相続の手続きを扱う事務所のサイトと相続の情報サイトの運営に携わり、相続した家の売却や空き家の話を扱ってきたからです。不動産会社のサイトを運営してきたという意味ではありません。

「売却」「買取」の1ページ目には、福山と高知では地元の会社が並んでいた

中心の言葉三つを合わせると、福山では28件のうち地元の会社が15件、全国のポータルや一括査定・比較のサイト(以下まとめてポータルと呼びます)が11件でした。高知は27件のうち地元17件、ポータル9件です。「高知市 不動産 買取」では、9件のうち7件が地元でした。同じ日に同じ形で数えた工務店では、「地名 工務店」の1ページ目は三つの市ともポータルの場所でしたから、不動産の売却と買取の言葉は、形が逆です。

上田は違いました。中心の三つで、地元7件、ポータル15件、他の都市の会社が4件です。その中に、松本市の会社が「上田市での不動産売却」を題にして書いたコラムが一本あり、「不動産 売却」「不動産 買取」、それに「相続した家 売却」の三つの言葉に入っていました。隣の大きな市の会社が、上田の言葉を記事で取りに来ている形です。

地元の会社の出方にも町の差がありました。福山では九つの言葉に二十社が顔を出し、二つ以上の言葉に出たのは七社です。高知は十四社で、そのうち一社が九つのうち八つの言葉に入っていました。その多くは、本体とは別に作った売却専用のサイトです。上田は五社しか出てこず、そのうち二社で地元の14件のうち11件を占めていました。

中心の言葉は、どの市でも、すでに地元の誰かが座っている場所です。とくに福山と高知では、後から一枚置いて並ぶのは簡単ではありません。

困りごとの言葉で出ていた地元のページは、どれも売却の総合ページだった

暮らしや困りごとの六つの言葉(各市55件)になると、形が変わります。ポータルは福山で27件、高知で30件、上田で22件で、そのうち一括査定や査定の比較のサイトが19件、16件、15件でした。地元の会社は、福山19件、高知17件、上田7件です。

件数よりはっきりしていたのは、地元のページの中身です。「相続した家 売却」「実家 売る」「古家付き土地 売却」の三つの言葉で、三つの市の1ページ目は合わせて84件ありました。そこに地元の会社のページは24件入っていましたが、24件とも、会社のトップページか、売却や土地の売却を一般的に説明したページか、物件の一覧でした。福山では、一つの会社の同じ一枚の売却のページが、九つのうち六つの言葉に出ていました。

題で見ると、もっとはっきりします。「相続した家 売却」の27件に、題に「相続」を含むページはありませんでした。「実家 売る」の30件で、実家を売る話として題に「実家」を掲げていたのは、福山に出た他の都市の会社の1件だけです。「古家付き土地 売却」の27件で題に「古家」を含んでいたのは、土地を買う人向けの物件一覧の3件だけで、古い家を壊してから売るか、そのまま売るかという、売る人の側の問いに答えたページはゼロでした。「上田 実家 売る」は、10件のうち8件が上田という名字の芸能人の実家の話で埋まっていました(地名が名字と重なるときの確かめ方は検索語の取り違えに書きました)。

もう一つ、売りたい人の言葉に意外なものが出ていました。市が自分の持っている土地や建物を売る「市有財産の売却」の一覧です。福山では三つの言葉に、上田では四つの言葉に入っていました。家を売りたい人の1ページ目に、市の入札の一覧が並んでいたことになります。答えるページがない言葉は、用件の違うページで埋まります。

「土地 査定」は別の形でした。福山と上田では9件のうち8件がポータルで、多くは市の単位の相場と一括査定です。上田では、一括査定のサイトが町名の単位で作ったページまで入っていました。高知だけは地元が4件入り、その中に、ある会社の「エリア別の土地相場」のページがありました。売る人に向けて地区ごとにまとめたページが1ページ目に入っていたのは、三つの市でこの一件だけです(そのページの中身は、今回開けていません)。一括査定のサイトが取りに来ない言葉から置いていく考え方は地方の会社と全国ポータルに書きましたが、相続した家、実家、古家付きの土地は、一括査定のサイトも地元の会社も正面からは答えていない言葉でした。この三つは不動産会社の相続の集客についての記事に分けて書いています。

空き家は、町によって市が先に答えていた

「空き家 売却」は、三つの市で顔ぶれがまったく違いました。福山は9件のうち6件が地元で、そのうち4件は題に空き家を掲げた専用のページです。4件とも、九つの言葉を通して一度しか出てこない会社でした。高知は地元が3件で、代わりに全国の買取会社や比較サイトの「高知県で空き家の売却に強い会社」といった県単位の記事が4件入っていました。「高知」は県の名前でもあるので、「高知市」と打っても県単位のページが混ざります。上田では、上の2件が市の空き家バンクで、市や業界団体のページが9件中4件でした。

「空き家 管理」になると、地元の会社はさらに減ります。福山で2件、高知と上田は0件です。高知では9件中7件が市と県のページで、市は見守りの担い手としてシルバー人材センターを案内していました。上田では市のページが6件で、市はふるさと納税の返礼品として空き家の管理の代行を案内しています。福山では、市のページのほかに、市が指定した空き家の管理や活用を支える法人(全国や県外の会社)のお知らせが2件、市外の会社が福山市の制度の名前を入れて書いた記事が2本並んでいました。

規模の手がかりとして、福山市の空き家は、2018年の住宅・土地統計調査で30,110戸でした。そのうち、賃貸にも売却にも出ていない「その他の住宅」は13,470戸で、2013年から五年で1,380戸増えています(福山市「第2期福山市空家等対策計画」)。2023年の数字は今回読み出せていません。高知市の数字は市の計画の資料で確かめきれず、上田市の数字は見つかりませんでした。

空き家を持つ人が、すぐに売ると決めるとはかぎりません。まず管理を考え、何年かして売ると決める人もいます。管理の言葉を市が押さえている町では、市のページと並んで上に出ようとするより、市の空き家バンクや管理の案内を見た人が、売ると決めたときに何が起きるのかを書くほうが、地元の会社にしか書けないページになると当社は考えています。

21社のサイトは、買う人に向けてよくできていて、売る人の手前が薄かった

21社を同じ項目で並べると、三つの市で揃っていたのは、買う人に向けた作り込みです。成約や取引の事例を載せていたのは21社のうち14社、お客様の声も14社でした。町名や学区ごとのページを持つ会社は11社ありました。2026年9月に入ってからの更新があったのは、福山で七社、高知で一社、上田で三社で、中身の多くは物件の価格の変更や新しい物件、休みや相談会のお知らせです。

薄いのは、売ることを決める前の人が知りたいことでした。売却の仲介手数料を書いていたのは、21社のうち1社です。2024年7月に始まった、800万円以下の空き家などの報酬の特例に触れていた会社はありません。査定の価格を何から決めるのか、どういう方法で出すのかに一文でも触れていたのは4社で、机上の査定と訪問の査定の違いを書いていたのは1社でした。その一方で、査定の依頼のフォームは16社が置いていて、そのうち4社は入力にかかる秒数を掲げていました。頼む入口は作り込まれていて、頼む前に知りたいことは書かれていない、という形です。この二つの空白は仲介手数料と査定の根拠についての記事に分けて書きました。

町名や学区のページを持つ11社は、すべて買う人か借りる人に向けたページでした。売る人に向けて、その町で何が売れてきたのかをまとめたページは、21社のどこにもありません。上田では、一括査定のサイトの側が町名の単位のページを作っていました。相続か空き家の専用のページや欄を持つ会社は12社ありましたが、先に書いたとおり、「相続した家 売却」の1ページ目に出ていたのはそうしたページではなく、総合ページのほうです。9月の更新のうち読み物の記事は4社で、売る人に向けた記事はそのうち2社、どちらも売却の一般的な解説でした。

これはサイトを外から見ただけの話で、サイトが薄い会社が売却の相談に困っているという意味ではありません。紹介や店頭でどれだけ相談を受けているかは、外からは分かりません。

広告の決まりで、書けないことと、書いてよいこと

不動産の広告には、法律と業界の規約の二つの層の決まりがあります。公式の資料で確かめた範囲を書きます。

宅地建物取引業法は、物件の所在や規模、利用の制限、交通などの利便、代金や支払い方法などについて、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示を禁じています(誇大広告等の禁止、第32条)。売買の広告では、自社が売主になるのか、代理か、仲介かを明示しなければなりません(第34条)。報酬の額は国土交通大臣が定め、事務所ごとに見やすい場所に掲示する義務があります(第46条)。

業界の規約は、不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」です。「最高」「格安」「完全」「日本一」「当社だけ」「業界一」「厳選」といった言葉は、裏付けとなる合理的な根拠の資料を持っていなければ使えません(第18条)。ほかに、二重価格の表示の制限、おとり広告の禁止、比較広告の基準、取引の条件や事業者の信用などについて実際より優良・有利と誤認されるおそれのある表示の禁止があります(第20〜23条)。

ホームページに当てはめると、次のようになります。手数料を載せること自体は禁じられていません。上限は告示で決まっていて、事務所には掲示の義務があります。800万円以下の空き家などの特例では、仲介にかかる費用を勘案して上限が30万円の1.1倍まで上がる代わりに、仲介の契約を結ぶときに報酬の額をあらかじめ説明し、合意しておくことが求められています(高知県「空き家等に係る媒介報酬規制の見直しについて」)。「地域で一番」「取扱件数一位」のような言葉は、規約の特定用語に当たりうるので、何を、いつ、誰が数えたのかという根拠の資料が要ります。今回開いたサイトにも、この種の言葉を掲げたものがありました。成約の事例とお客様の声は規約で直接禁じられてはいませんが、実際より良く見せる書き方は不当な表示の問題になりえますし、価格や町名をどこまで出すかは売主の了解が前提です。

会社の案内のページやコラムに、規約の表示事項がどこまでかかるのかは、今回の資料では確かめきれていません。迷うときは、所属する団体や地域の公正取引協議会に確かめてください。料金を載せるかどうかの一般的な考え方は料金を載せるべきかに書いています。

ホームページが効きにくい不動産会社と、今日の見分け方

ここまで数えて、当社の立場はこうです。不動産会社がホームページに手を入れるなら、「地名 不動産 売却」で上に出ることより先に、売ると決める前の人の問いに一枚ずつ答えることです。相続した家をどういう順番で考えるのか、古い家は壊してから売るのか、手数料はいくらで、査定の価格は何から決まるのか、自分の町で何が売れてきたのか。三つの市とも、その問いに答えたページは1ページ目にほとんどなく、21社のサイトの中でも少数でした。

反対の考え方もあります。売却は査定の依頼から始まるのだから、査定のフォームを目立たせ、一括査定のサイトから来る依頼に早く返せば足りる、というものです。一括査定の依頼で十分に媒介の契約が取れている会社には、これが当たっていると思います。ただ、一括査定から来る依頼は、同じ家に何社もの査定が並ぶ依頼で、査定の額や返事の速さで比べられやすいものです。御社のサイトを読んでから来る人は、その手前で、手数料や査定の決め方、相続した家の順番を知ったうえで来ることができます。どちらの依頼が媒介の契約まで進みやすいかは、御社の記録を分けて数えてみるまで分かりません。

効きにくい場面も、数えた範囲で挙げておきます。福山と高知の中心の言葉のように、すでに地元の会社が並んでいる言葉では、後から一枚置いても並ぶのは簡単ではありません。「土地 査定」のように一括査定のサイトが8件並ぶ言葉も、正面から取りに行く場所ではないと考えます。売却の言葉は広告が画面の上を占めやすく、今回はそれを見ていません。空いて見える言葉が、探す人の少ない言葉である可能性も残ります。上田のように世帯が7万あまりで、1ページ目に出てくる地元の会社が五社という町では、空白そのものが小さいこともありえます。市が空き家の相談を自分で受けている町では、市の窓口が最初の相談先になっているかもしれません。

御社の場合にどちらなのかは、道具がなくても、スマートフォンで今日見分けられます。当社が三つの市で差を見た順です。

  1. 御社の市の名前に「相続した家 売却」「古家付き土地 売却」「空き家 管理」を足して検索し、1ページ目の地元の会社のページが、その言葉に答えたページなのか、トップや売却の総合ページなのかを数えます。市有財産の一覧や、名字の話が混ざっていないかも見ます。
  2. 「地名 実家 売る」を、市の字を付けた形と付けない形の二通りで検索し、顔ぶれが入れ替わるかを見ます。
  3. 御社のサイトをスマートフォンで開き、手数料と、査定の価格の決め方が書いてあるところまで、それぞれ何回で届くかを数えます。
  4. 成約の事例を三つ開き、町名のほかに、相続した家だったか、空き家だったか、古家付きの土地だったかが書いてあるかを見ます。
  5. この三か月の査定の依頼を、一括査定のサイト、御社のサイト、電話、紹介に分けて数え、それぞれ何件が媒介の契約に進んだかを並べます。分けて記録していなければ、次の依頼から「何を見てご連絡いただいたか」を一行だけ残します。数え方は問い合わせの数え方にまとめています。

一括査定から来た依頼で媒介の契約が十分に取れていて、三つの言葉のどれにも御社が答えられる事例がないなら、いまホームページに時間をかける理由は薄いと思います。逆に、相続した家や古家付きの土地を実際に扱ってきたのに、それがサイトのどこにも書かれていないなら、最初の一枚はそこです。

この記事にたどり着いた道筋

この記事は、「不動産会社 集客」のような、業種と悩みを掛け合わせた言葉で読まれることを想定して書いています。その言葉で検索すると、上位には業種の名前を入れ替えただけの一般論が並びやすいものです。そこに、三つの市で実際に数えた中身のあるページを置きました。

御社に売却を頼む人も、同じように探しています。「福山市 相続した家 売却」「高知市 空き家 管理」のように、地域と用件と困りごとを掛け合わせた言葉です。当社が御社の商圏でするのは、それと同じことです。誰が上位にいて、どこが空いていて、御社が実際に知っていることで答えられる場所はどこかを数え、そこにページを置く。見込みが立たなければ、調べた結果とともにそうお伝えします。調べ方の中身は商圏調査に書いています。