不動産会社の相続の集客:「相続した家 売却」に地元の答えは0件だった

「福山市 相続した家 売却」の1ページ目には、2026年9月24日の時点で、9件のうち3件、地元の不動産会社のページが入っていました。題に「相続」を含むページは、その3件にも、残りの6件にもありません。高知市でも上田市でも同じでした。三つの市の27件で、題に相続を掲げたページはゼロです。

同じ日に、「実家 売る」と「古家付き土地 売却」も三つの市で打ちました。三つの言葉を合わせた1ページ目は84件で、地元の不動産会社のページは24件入っていました。24件とも、会社のトップページか、売却や土地の売却を一般的に説明したページか、物件の一覧です。親の家を相続した人、実家を売ろうとしている人、古い家の建つ土地を持て余している人の問いに、その問いの形で答えた地元のページは一つもありませんでした。

使った検索の道具は各語9件か10件しか返さず、地図枠と広告は見えていません。九つの言葉と21社のサイトの全体は不動産会社のホームページ集客(3つの市で数えた記録)にまとめています。

相続のページを持つ会社でも、出ていたのは総合ページだった

地元の会社に、相続のページがないわけではありません。三つの市で開いた21社のうち、相続か空き家の専用のページや相談の欄を持つ会社は12社ありました。

「相続した家 売却」に出ていた地元の9件を見直すと、そのうち5件は、サイトの中に相続を扱うページや欄を持つ会社のものでした。1ページ目に出ていたのは、その相続のページではありません。会社のトップページか、売却の総合ページです。相続のページはあるのに、「相続した家を売りたい」と打った人の前に出ていたのは、別の一枚でした。

当社はこれを、ページがあることと、その問いに一枚で答えていることの違いだと見ています。福山の八社で確かめた範囲では、名義の手続きと売却のどちらを先に考えるのか、古い家を解体してから売るのかそのまま売るのか、といった順番に沿って書いたページは見当たりませんでした。相続の相談を受けることや、連携する専門家がいることを伝える案内は、それだけでは、相続した家を前に止まっている人の最初の問いに答えていません。

反対の考え方もあります。相続した家の相談は、司法書士や税理士、知り合いからの紹介で来るのだから、検索に出なくてもよい、というものです。紹介で十分に相談が来ている会社には、これが当たっていると思います。ただ、「相続した家 売却」の1ページ目は、三つの市とも9件のうち4件が一括査定のサイトでした。題を見るかぎり、どれも相続した家に向けたページではなく、市の単位の売却や査定のページです。紹介の当てがない人は、そこから何社もの査定を同時に頼むところへ進みやすくなります。

1ページ目を埋めていたのは、一括査定と、市の入札と、名字の話だった

答えるページがない言葉は、別のもので埋まります。三つの言葉で、それが何だったかを書いておきます。

「相続した家 売却」では、一括査定のサイトのほかに、市が自分の持っている土地や建物を売る「市有財産の売却」の一覧が、福山と上田で入っていました。上田では、この一覧が「相続した家 売却」「実家 売る」「古家付き土地 売却」「空き家 売却」の四つの言葉に出ています。家を売りたい人の1ページ目に、市の入札が並んでいたことになります。

「実家 売る」は、福山と高知では一括査定やポータルが5件と7件、地元が3件ずつでした。実家を売る話として題に「実家」を掲げていたのは、福山に出た他の都市の会社の1件だけです。上田では、10件のうち8件が上田という名字の芸能人の実家の話で、実家を売る話は1件もありませんでした(地名が名字と重なるときの確かめ方は検索語の取り違えに書きました)。

「古家付き土地 売却」で題に「古家」を含んでいたのは、福山で1件、高知で2件、どれも土地を買う人向けの物件一覧です。上田はゼロでした。古い家を壊してから売るか、そのまま売るかを、売る人の側から書いたページは三つの市のどこにもありません。

三つの市の三つの言葉で、同じことが起きていました。一括査定のサイトは市ごとに同じ形のページを持っていて、どの言葉にも同じ一枚で入ってきます。地元の会社も、同じ一枚の総合ページで入っています。問いの言葉を題に掲げた一枚を置いた人が、まだ誰もいません。

相続した家のページは、売る人が止まる順番に一枚ずつ置く

相続した家を売る人には、価格の話の前に止まりやすい段があります。その順番に沿って書くことを勧めます。

  1. 名義。 家が亡くなった親の名義のままなのか、相続の手続きがどこまで進んでいるのか。ここは不動産会社が答えきる段ではありません。登記は司法書士、税金は税理士というように誰に相談すればよいかと、御社がどの段階から話を聞けるのかを書けば足ります。
  2. 誰が決めるのか。 兄弟姉妹で相続した家は、売るかどうかを一人では決められないことがあります。遠くに住む家族とどう話を進めたのかは、御社が扱った事例で書ける段です。
  3. 家の中。 家財の片付けを誰がするのか、売る前にどこまで空にするのか、御社で手配できるのか。
  4. 家そのもの。 古い家を壊して土地で売るのか、古家付きのまま売るのか、買取に出すのか。三つの市で、売る側からこの問いに答えたページはありませんでした。
  5. 費用。 仲介の手数料と、2024年7月に始まった800万円以下の空き家などの報酬の特例。この特例は、仲介の契約を結ぶときに報酬の額をあらかじめ説明し、合意しておくことが条件です(高知県「空き家等に係る媒介報酬規制の見直しについて」)。21社でこの特例に触れた会社はありませんでした。手数料と査定の書き方は仲介手数料と査定の根拠についての記事に分けました。

一枚に五つを全部詰める必要はありません。ただ、題には市の名前と問いの言葉を入れます。「福山市で相続した家を売るとき」「高知市で古家付きの土地を売るなら、壊すか残すか」のように、どこの、どういう家の話なのかを題で言い切ります。総合ページが六つの言葉に出ていた福山の例は、問いの言葉を題に掲げた一枚がないとき、何が代わりに出るかを示していました。

留保も書いておきます。三つの言葉の1ページ目が空いているのは、探す人が少ないからかもしれません。検索回数は有料の道具を使わないと分からず、今回は見ていません。また、相続した家や古家付きの土地を扱った事例が手元にないなら、ページは作らないほうがよいと考えます。二つ目の段に書くことがなく、来た人の問いに答えられないからです。

今日、御社の市で三つの言葉を打つ

道具は要りません。当社が三つの市でやった順番のまま書きます。

  1. 御社の市の名前に「相続した家 売却」「実家 売る」「古家付き土地 売却」を足して、三回検索します。「実家 売る」は、市の字を付けない形でも打ってください。当社の記録は「福山 実家 売る」のように市の字を外した形で、上田ではそれで名字の話に埋まりました。
  2. 1ページ目を題とアドレスだけ見て、地元の会社のページを数え、それがその言葉に答えた一枚なのか、トップや総合ページなのかを分けます。
  3. 残りのページに、何が埋めているかを一言ずつ書き添えます。三つの市で見たのは、一括査定のサイト、市有財産の売却の一覧、名字の話、買う人向けの物件一覧でした。
  4. 御社のサイトで相続や空き家のページを開き、題に市の名前と問いの言葉が入っているか、上の五つの段のどこまで書いてあるかを見ます。

三つの言葉のどれかで地元の答えがゼロで、御社がその言葉に当てはまる家を実際に扱ってきたなら、その家の話が最初の一枚になります。