AIで作ったホームページの注意点:誤り・著作権・広告の決まりと検索での扱い

AIで作ったこと自体は、ホームページの問題にはなりません。問題になるのは、公開した中身です。公開前に確かめるのは次の5つです。①事実の誤り(AIは事実を調べて書いているのではなく、言葉の並びを予測して書くため)。②他人の文章や画像との類似(AIで作ったものも、通常と同じ基準で著作権の侵害かどうかが判断されます)。③広告の表現(根拠のない「No.1」や作られたお客様の声は、景品表示法や士業の広告の規程に触れるおそれがあります)。④同じような文章の量産(Googleは、利用者に価値を加えずに大量のページを作ることを、スパムポリシーの違反になりうるとしています)。⑤AIに入力した情報(お客様の個人情報やパスワード)。

放っておいてよいのは、言い回しの好みや小さな表記の揺れくらいです。会社概要・料金・資格・実績の数字・お客様の声・人物の写真は、公開前に一つずつ確かめてください。この記事は、文化庁、Google検索セントラル、消費者庁、個人情報保護委員会の公式の資料を、2026年10月8日に当社が読んだ範囲で書いています。当社は法律の専門家ではないので、個別の判断が要るときは弁護士などに相談してください。

公開前に確かめる5つの一覧

確かめること起こりうること公式の説明確かめ方
事実の誤り住所、料金、設立年、資格、制度の説明がそれらしく間違うGoogleは、生成AIは事実を取り出すのではなく言葉の並びを予測するため、不正確な情報が含まれうるとし、公開前の事実確認を勧めている手元の書類や公式の情報と照らす
他人の著作物との類似他社のサイトや写真に似た文章・画像を公開してしまう文化庁は、AI生成物を公開する場合も、通常と同じ基準(類似性と依拠性)で侵害かどうかを判断するとしている特徴的な一文で検索する。画像は画像検索にかける
広告の表現根拠のない「No.1」「実績多数」、作られたお客様の声景品表示法は、実際より著しく優れていると示す表示などを禁じている。士業は各会の規程もある言い切りの言葉をページ内検索し、根拠を同じページに書けるかを見る
同じような文章の量産地名だけ違うページ、どの会社にも当てはまる文章が並ぶGoogleは、利用者に価値を加えずに大量のページを作ることをスパムポリシーの違反になりうるとしている自社にしか書けない事実が、各ページにあるかを見る
入力した情報お客様の個人情報や、サーバーのパスワードをAIに渡してしまう個人情報保護委員会は、個人データを入力する場合の注意を事業者に呼びかけている名前や番号を伏せてから入力する。パスワードは入れない

誤り:AIの文章は「調べた事実」とは限らない

Google検索セントラルの「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」(2026年10月6日更新)は、生成モデルは事実を取り出すのではなく単語の並びを予測するため、不正確な情報が含まれる可能性があるとして、公開前に手動で事実を確かめることが重要だと書いています。確かめる範囲は本文だけでなく、ページの題(title)、検索結果に出る説明文(メタディスクリプション)、構造化データ(検索エンジン向けにページの内容を決まった形で書き添える記述)、画像の代替テキスト(alt。画像の内容を文字で書いたもの)にも及ぶとしています。

会社のホームページで間違いが起きやすいのは、次のような箇所です。

  • 会社概要:設立年、資本金、所在地の番地、許認可の番号
  • 料金:税込か税別か、何が含まれるか、追加でかかる費用
  • 営業時間と定休日、対応地域
  • 資格や加盟団体の名前
  • 法律や制度、補助金の説明(年度や金額が古い、あるいは別の制度と混ざる)

もう一つ気をつけたいのは、AIが入力していない情報を「補う」ことです。「信頼感のある会社紹介を」と頼むと、実績の件数、お客様の声、創業の物語のような文章が足されることがあります。当社は、AIに書かせた記事でも、数字や固有名詞は出典を確かめ、作り話の事例や数字は入れないことにしています。確かめ方の順番は記事の公開前チェックは、誤字より先に「数字の出どころ」を見るに書きました。

著作権:AIで作った文章や画像も、他人の作品に似ていれば侵害になりうる

文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(文化審議会著作権分科会法制度小委員会、令和6年3月15日)の概要によると、AIで生成した画像などを公表したり、複製物を販売したりする場合は、通常の著作権侵害と同様の基準で、侵害になるかどうかが判断されます。既存の著作物との類似性(似ていること)と依拠性(その著作物をもとにしたこと)が認められれば、侵害になりうるということです。

ホームページを作る人にとって大事なのは、依拠性についての次の考え方です。概要には、生成AIの開発・学習の段階で既存の著作物が学習されていた場合、AIの利用者がその著作物を知らなくても、通常、依拠性があったと推認される、とあります。「自分は真似したつもりがない」だけでは足りないということです。

文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)は、AIを使う事業者に、次のことを勧めています。

  • 生成物を公開などで利用する前に、既存の著作物と類似していないかを確かめる。方法として、文章や画像のインターネット検索が例に挙がっています。類似性は、作風やアイデアが共通しているだけでは認められず、創作的な表現が共通しているかで判断される、と説明されています。
  • 既存の著作物そのものや、作品の題名、キャラクターの名前などの固有名詞を入力すると、その著作物を知っていたことが推認され、依拠性が認められやすくなる。
  • 生成に使った指示(プロンプト)などを、あとから確かめられる状態にしておく。
  • 使うAIサービスの利用規約を先に確かめ、それに従って使う。

ホームページに置き換えると、他社のサイトの文章を貼り付けて「言い換えて」と頼む、他社の施工写真を入れて「似た画像を作って」と頼む、といった使い方が当たります。チェックリスト&ガイダンスは、入力した既存の著作物と類似するものを作らせる目的で入力する場合には、権利者の許諾が要る場合があるとしています。

自社の側の権利にも関係します。概要には、人が何も指示せず、または簡単な指示を与えるだけで「生成」のボタンを押して作ったものは、著作物に当たらないと考えられる、とあります。当社の見立てでは、自社の事実や経験を自分で書き加え、構成を自分で決めた部分こそが、他社と区別できる自社のページの中身になります。

広告の決まり:根拠のない言い切りと、作られたお客様の声

消費者庁の説明によると、景品表示法は、商品やサービスの品質などを実際より著しく優れていると示す表示(優良誤認表示)と、価格などの取引条件を実際より著しく有利だと誤認させる表示(有利誤認表示)を禁じています。効果や性能の表示について、消費者庁は根拠となる資料の提出を求めることができ、提出されない場合などは不当な表示として扱われます(不実証広告規制)。また、令和5年10月1日からは、事業者の広告であることが分かりにくい表示(いわゆるステルスマーケティング)も景品表示法の違反になりました。

AIに会社紹介を書かせると、「地域No.1」「業界トップクラス」「実績多数」「満足度100%」のような、よく見かける言い回しが入ることがあります。AIは多くの文章に出てくる言葉の並びを出しやすいので、こうした言い回しが入るのは自然なことだと当社は見ています。問題は、その根拠を同じページで示せるかです。示せないなら、取り扱う業務の名前、料金、手順、かかる期間に置き換えます。

お客様の声と事例は、実在するものだけを載せます。AIが作った「お客様の声」や、AIで作った人物の写真を「お客様」「スタッフ」として載せることは、実在しないものを実在するように見せる表示になります。載せ方と同意の取り方は事例ページの作り方に書いています。

弁護士、司法書士、行政書士、社労士、税理士の事務所は、景品表示法に加えて、それぞれの会の広告の規程があります。「専門」「No.1」「実績◯件」の扱いは士業ごとに違うので、士業の「専門」「No.1」「実績◯件」の表示と、弁護士・司法書士・行政書士・社労士・税理士の広告の決まりの記事で確かめてください。

Googleの検索での扱い:AIを使ったかどうかより、中身と作り方

Googleは、AIを使ったこと自体を問題にしているわけではありません。先のガイダンスは、生成AIはトピックの調査やオリジナルのコンテンツへの構造化データの追加に役立つとしたうえで、利用者に価値を加えずに大量のページを生成すると、大量生成されたコンテンツに関するスパムポリシーに違反するおそれがある、と書いています。生成AIを使う場合も、検索の基本事項とスパムポリシーを満たす必要がある、という立場です。

Googleのスパムポリシーでは、「大量生成されたコンテンツの不正使用」を、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成すること、と定めています。例として、生成AIなどで価値を加えずに大量のページを作ること、フィードや検索結果など他から集めた内容を、言い換えや翻訳で加工して大量のページを作ること、検索キーワードを含むが閲覧者にとってほとんど意味のないページを大量に作ること、などが挙がっています(2026年9月2日更新)。

もう一つ、Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」は、コンテンツの「誰が、どのように、なぜ」を考えるよう勧めています。「どのように」については、AIによる生成などの自動化を使っていることを、開示などで利用者に明確にしているか、どう使ったかを説明しているか、という問いが挙がり、読み手が「これはどうやって作られたのだろう」と思うようなコンテンツでは、AIや自動化の使用を開示するのは有益だとしています。運営者の情報のページなどに「下書きにAIを使い、人が事実を確かめてから公開している」と書いておくのは、この考え方に沿った方法の一つです。

AIの回答(GoogleのAIによる概要やChatGPTの検索)に自社の名前が出るかどうかは別の話で、AIの検索で地域の会社が見つかるには:ホームページで今日からできることに公式の説明を並べています。

同じような文章が量産される問題

AIを使うと、ページを増やすこと自体は速くなります。そのぶん起きやすいのが、どのページも同じ型で、地名や業種名だけが違う、という状態です。「名古屋の〜」「豊田の〜」「岡崎の〜」と地域ページを並べても、中身が同じなら、読み手にとっては一枚で足ります。Googleのスパムポリシーの例にある「価値を加えずに大量のページを作る」に近づきます。地域や業種のページを作るかどうかの判断は業種別・地域別のページは、名前を入れ替えるだけなら作らないに書きました。

もう一つは、他社と区別がつかない文章です。AIは多くの文章に共通する言い方を出しやすいので、「お客様一人ひとりに寄り添い」「地域に根ざして」のような、どの会社のサイトにも置ける文が並びがちです。それ自体は違反ではありませんが、読み手が比べる材料になりません。

区別がつくのは、その会社にしか書けない事実です。料金とその内訳、対応する地域の範囲、依頼から完了までの手順と期間、電話でよく聞かれる質問、自社で撮った写真、自社で数えた記録。こうした事実を人が先に書き出し、AIには並べ方と言い回しを手伝わせる、という順番にすると、量産の文章になりにくくなります。指示の書き方はAIでホームページを作るときの指示の書き方にまとめました。すでに同じ型のページが並んでいる場合の減らし方は記事を減らすとき、削除か統合かnoindexかが参考になります。

入力してはいけない情報:個人情報、問い合わせの中身、パスワード

個人情報保護委員会は、2023年6月2日の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、事業者が個人情報を含む指示をAIに入力する場合は、特定した利用目的を達成するのに必要な範囲かを十分に確かめるよう呼びかけています。本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反するおそれがあるとして、AIサービスの事業者がその個人データを機械学習に使わないことなどを十分に確かめるよう求めています。利用規約やプライバシーポリシーを十分に確かめることも挙げています。

ホームページづくりで、うっかり入れてしまいやすいのは次のものです。

  • お客様の名前が入った問い合わせメールや相談の記録(「これをお客様の声にして」と頼む場合など)
  • スタッフの個人的な情報(住所、生年月日など)
  • サーバー、FTP、WordPressのログイン情報、APIキー(AIを外から使うための鍵)
  • 公開前の取引や価格の情報

事例やお客様の声の下書きをAIに手伝わせたいときは、名前や会社名、地名、日付を伏せ字にしてから入力し、公開するのは本人の同意を取った内容だけにします。パスワードやAPIキーは、手順を聞くときにも貼り付けません。WordPressとAIをつなぐときの認証情報の扱いはClaudeでWordPressのホームページを作る方法に書きました。

公開前の確認手順

AIで作ったページを公開する前に、次の順で確かめます。このうち1〜3が済んでいないページは、公開を待ちます。

  1. AIに「入力した情報にないことで、補ったものを一覧にしてください」と頼み、出てきたものを一つずつ、出典を確かめるか消します。
  2. 会社名、所在地、電話番号、料金、営業時間、資格、許認可の番号を、手元の書類と照らします。
  3. お客様の声、事例、人物の写真が、実在し、掲載の同意を取ったものかを確かめます。
  4. ページ内検索で「No.1」「一番」「専門」「実績多数」「100%」「業界最安」を探し、根拠を同じページに書けないものは、業務の名前や手順の説明に置き換えます。
  5. 他社の文章や画像をAIに入力して作った箇所がないかを確かめます。特徴的な一文で検索し、似た文章が出てこないかを見ます。画像は画像検索にかけます。
  6. 題、説明文、画像の代替テキストも、本文と同じように読みます。
  7. 同じ型で地名だけ違うページが並んでいないかを見ます。
  8. 使った指示と、確かめた出典の記録を残します。

言い回しの好み、細かい表記の揺れ、見出しの言葉選びは、公開後に直しても大きな問題にはなりにくい部分です。逆に、事実・権利・広告の表現は、読まれたあとに直しても、読んだ人の中には残ります。

当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを引き受けています。当社自身もAIで記事を下書きし、別のAIの校閲と人の確認を経て公開しているので、AIで作ったページの点検の仕方もお伝えできます。すでにAIで作ったページがあり、公開してよいか迷っている場合は、相談するからページのアドレスをお送りください。

参考にした公式の説明

※内容は、2026年10月8日に各機関の公式の資料で確かめたものです。

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