記事を減らすとき、削除か統合かnoindexかは「入口」で決める

21本を16本にしたとき、基準は一つだけでした

2026年9月22日、当社はこのサイトで公開していたコラム21本を読み直し、16本にしました。

基準は「当社にしか書けない核があるか」の一つだけです。当社が実際に見たこと、実際にした判断、実際に使っている手順。そのどれも入っていない記事は、書いてあることが正しくても、他社のブログに同じものが載っています。そういう記事を下書きに戻すか、近い記事にまとめました。

まとめた例を二つ挙げます。「制作会社が更新してくれないとき」の記事は、保守契約の範囲の記事に寄せました。更新してもらえるかどうかは、突き詰めると契約で何を頼んでいるかの話になり、二本が答えている問いが半分重なっていたからです。「Web担当者がいない会社」の記事は、運用の丸投げの記事に寄せました。担当者がいないから丸投げになる、という一本の流れで読めたほうが、読む人の迷いが一つで済みます。

記事を減らすことには、反対の考え方もあります。記事の数だけ検索の入口が増えるのだから、薄くても残しておけばいい、というものです。当社はそう考えていません。入口が増えても、そこで読まれるのがどこにでもある説明なら、その入口は「この会社も他と同じだ」と伝える入口になります。検索から来る人の多くは、一本読んで帰ります。その一本が、会社の顔になります。

なお、減らしたことで検索の評価が上がるかどうかは、当社にもまだわかりません。減らしたのは、読む人のためです。

どう減らすかは、その記事に外からの入口があるかで選ぶ

減らし方は、削除する、下書きに戻す、別の記事にまとめる、URLは残して検索には出さない(noindex)、のいずれかです。どれを選ぶかは、記事の出来ではなく、その記事のアドレスに外から来る道があるかどうかで決めています。外から来る道というのは、検索結果に表示されていること、他のサイトやSNS、メールや資料にリンクが貼られていること、誰かがブックマークしていることです。

入口がない記事は、下書きに戻すか削除すれば済みます。当社がまとめた二本は、どちらも公開から数日の記事でした。外から来る道は、まだほとんど無いと判断しました。そこで転送(リダイレクト。古いアドレスに来た人を新しいアドレスへ自動で送る設定)は入れていません。行き止まりにぶつかる人がいないのに、設定だけを増やす理由がないからです。削除ではなく下書きに戻しておけば、書いた材料は手元に残り、別の記事に使えます。

入口がある記事を消すと、そこから来た人は「ページが見つかりません」に着きます。同じ問いに答える別の記事があるなら、そこへまとめて転送します。答える先がないなら、URLは残して検索に出さない設定にします。

2024年から公開していた古い記事1本は、この最後の方法にしました。二年近く公開していた記事には、当社が把握していないリンクやブックマークが残っているかもしれません。一方で、核のない記事を、検索から新しく人が来る場所に置いておきたくはない。消せば前者を切り、残せば後者が続く。その間をとるのが noindex でした。

もう一つ、減らさないという判断もあります。入口があって、しかも答えている問いが相談に近い記事は、減らす側ではなく書き直す側です。書き直すか新しく書くかの順番は過去の記事を書き直すべきか、新しく書くべきかに書きました。

転送、noindex、canonical は、検索エンジンへの別々の頼みごと

言葉が似ていて混ざりやすいので、何を頼む設定なのかで分けておきます。説明は Google の公式の案内に沿っています。

転送(301)は、「この記事は、ずっとこちらへ引っ越しました」という頼みです。301 は恒久的な転送を表す番号で、Google はこれを、転送先を正式なアドレスとして扱う強い合図と受け取り、検索結果にも転送先を出します。Google の案内では、転送はできるだけ長く、少なくとも一年は残すよう勧めています。転送先は、元の記事と同じ問いに答えるページにしてください。関係のないトップページにまとめて送れば、来た人はそこでもう一度探し直すことになります。転送を何段もつなげるのも避けます。WordPress では、転送はプラグインかサーバーの設定で入れることが多く、どちらでできるかはサイトの作りによります。

noindex は、「ここに置いておくが、検索結果には出さないでください」という頼みです。ページは消えないので、リンクから来た人は今までどおり読めます。気をつけることが二つあります。一つは、検索エンジンがそのページを読みに来て、はじめて設定が伝わることです。読みに来る間隔はページによって違い、数か月かかることもあると Google は書いています。急ぐなら、Search Console の「URL 検査」から「インデックス登録をリクエスト」で読み直しを頼めます。もう一つは、robots.txt(検索エンジンに、読みに来てよい場所を伝えるファイル)で同じページを読ませないようにすると、noindex そのものが読まれず、効かなくなることです。念のために両方、はかえって逆の結果になります。記事ごとに noindex を付けられるかどうかは、使っているテーマやプラグインによります。

canonical は、「よく似たページが複数あるが、代表はこちらです」という頼みです。同じ内容が複数のアドレスで見られるとき(印刷用のページや、並べ替えの条件がアドレスに付いたページなど)に、どれを検索結果に出してほしいかを伝えます。Google はこれを強い合図として扱いますが、最終的にどれを代表にするかは Google が決めます。ページ自体はどちらも残り、読む人からはどちらも見えます。つまり、記事を減らす道具ではありません。内容の違う二本の一方に canonical を付けて「まとめたこと」にしても、読む人の迷いは減りません。反対に、よく似たページのどちらを代表にするかを noindex で決めるやり方も、Google は勧めていません。

最後に削除です。消したページは「見つかりません」(404)を返し、Google はそのアドレスを検索結果から外します。Google の案内では、それでサイト全体の評価が下がるわけではありません。困るのは検索エンジンではなく、リンクをたどって来た人です。

減らす前に、この一年で一度も表示されなかった記事を数える

Search Console を入れているなら、次の順で見ます(画面の名前は変わることがあります)。

  1. 「検索パフォーマンス」を開き、期間を「過去12か月」にします。
  2. 「ページ」のタブに切り替えます。この一年で一度でも検索結果に表示されたページが、表示回数と一緒に並びます。
  3. 御社の記事の一覧と見比べて、ここに出てこない記事を数えます。

表示回数がゼロの記事は、この一覧に「0」として並ぶのではなく、そもそも一覧に出てきません。探すのは「数字の小さい記事」ではなく「名前のない記事」です。表示回数の少ない順に並べ替えて終わりにすると、いちばん下にいるはずの記事を見逃します。

数えたら、その記事ごとに入口を確かめます。同じ Search Console の「リンク」のレポートで、外からリンクされているページに入っていないか。社内の資料や、お客様に送る案内文にそのアドレスを使っていないか。検索には一度も出ていなくても、手順の説明として毎回お客様に送っている記事なら、それは入口のある記事です。消さずに、必要なら noindex を選びます。

表示がゼロで、外からのリンクも見当たらず、公開から日が浅い記事は、下書きに戻しても困る人がいません。公開から何年も経っている記事は、見えていない入口が残っている前提で、転送か noindex を選びます。

Search Console を入れていない場合は、検索窓に site: とドメインを続けて入れる検索で、検索エンジンが把握しているページを並べて見比べられます。そのやり方と、意図せず検索に出ない設定になっている記事の見つけ方は、先の書き直しの記事に書いています。表示がゼロの理由が中身ではなく設定のほうにあるなら、それは減らす話ではなく、直す話です。

その記事のアドレスを知っている人が外に一人でもいそうなら転送か noindex を、一人もいなければ下書きに戻すことを選んでください。