大分市の税理士事務所の集客:検索結果と地元7事務所のサイトを数えた(商圏調査の見本)

この見本について

これは、当社が商圏調査として報告書にまとめている中身を、実物に近い形でお見せするための見本です。金沢市と松山市の税理士の見本と同じ形で、今回は大分県大分市で、中小企業や個人事業主の記帳・申告・顧問、それに創業と法人化の相談を受けている税理士事務所を想定しました。相続税の申告は、同じ税理士の仕事でも探され方がまったく違うため、この見本では扱っていません。

どこかの事務所からご依頼を受けて作ったものではありません。大分市と、顧問を受ける税理士事務所という組み合わせを、当社の側で選びました。調査時点は2026年9月で、使ったのは公開されている情報だけです。公的統計を探して読み、九つの言葉で検索し、1ページ目に出てきた地元の事務所のサイトを開いて確かめました。開いたのは七つで、ほかの二つの見本の八つより一つ少なくなっています。九つの言葉の1ページ目に出てきた地元の税理士事務所が、七つしかなかったためです。三つの市の比べ方は税理士事務所のホームページ集客にまとめています。

実際にお引き受けする調査では、ここに二つが加わります。一つは御事務所の記録です。いま問い合わせが月に何件あり、そのうち何件が顧問契約や単発の申告の依頼になり、何件が紹介経由で、何件がホームページ経由なのか。紹介で来るお客様がどれだけいるかは事務所ごとに違い、外からは分かりません。もう一つは検索回数の実数です。どの言葉が月に何回検索されているかは、有料の道具を使わなければ確定できません。以下で「探され方」と書いているのは、検索したときに何が並ぶかであって、何人が探しているかではありません。

地元の事務所の名前は出さず、件数だけで書きます。どこが上手いかを論じるための調査ではなく、この商圏に、これから入る余地があるかを見るための調査だからです。

商圏の規模

最初に確かめるのは、顧問先になりうる事業者がどれだけいるかです。税理士事務所の場合、生活者の人口よりも、法人と個人事業主の数のほうが直接の手がかりになります。

大分市の人口は470,172人、世帯数は215,782世帯です(令和7年国勢調査の人口速報集計、2025年10月1日現在、大分県「令和7年国勢調査結果(人口速報集計)」)。2020年の国勢調査と比べると、人口は5,442人(1.14%)減り、世帯数は6,243世帯(2.98%)増えています。速報の数字なので、確定した数字とは違うことがあります。市の住民基本台帳では、2026年8月31日現在で468,996人、236,135世帯です。

民営の事業所の数は21,428です(令和3年経済センサス-活動調査、大分県「令和3年経済センサス-活動調査結果(確報)大分県の概要」)。5年前の平成28年の調査と比べると、745(3.6%)増えています。この比べ方は県の資料の表によるもので、調査の方法の違いについての注意書きまでは確かめきれていません。

顧問先の数に、もう一歩近づける統計があります。熊本国税局の統計情報では、大分税務署の管内で法人税の申告をした普通法人は12,043法人でした(2024年4月から2025年3月までに事業年度が終わり、2025年7月末までに申告のあった法人)。大分県全体の24,738法人のうち、ほぼ半分がこの管内にあることになります。資本金1億円未満が11,995法人で、ほぼすべてが中小の法人です。

個人のほうでは、令和6年分の申告所得税で「事業所得者」として区分された人員が、大分税務署管内で13,141人でした(大分県全体では32,551人)。ほかの二つの見本と同じく、この区分に還付申告だけの人が含まれるかどうかなど細かな定義は確かめきれていないため、規模の目安としてだけ使います。

気をつけたいのは、大分税務署の管内が大分市だけではないことです。国税庁のサイトにある熊本国税局の「大分県の税務署」の一覧では、大分税務署の管轄は大分市と由布市です。上の法人数と事業所得者数には、由布市の分が入っています。

では、この需要に対して、税理士はどれだけいるか。大分県の税理士が属するのは南九州税理士会です。日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、南九州税理士会の大分支部に表示された登録は263件です(2026年9月24日閲覧。サイトの表示では2026年8月31日現在の登録情報)。大分支部の範囲が大分税務署の管内と重なるかは、今回確かめていません。また、この263件は事務所の数ではなく、税理士法人や事務所に勤めている税理士も含む登録の件数です。

同じ日に調べた二つの見本では、金沢税務署の管内で申告した普通法人が13,851、事業所得者が17,293人、北陸税理士会の金沢支部の登録が424件、松山税務署の管内では普通法人が14,240、事業所得者が18,605人、四国税理士会の松山支部の登録が351件でした(金沢市の税理士の見本と松山市の税理士の見本、2026年9月24日時点)。管内の広さも数え方の細部も違うため目安にとどまりますが、大分は法人も事業所得者も登録の件数も、三つの中でいちばん少ない、という形です。一回り小さい商圏だということ以上は、この数からは言えません。事業者の側も、全員が税理士に頼んでいるわけではないからです。

周辺も見ておきます。同じ速報で、由布市は人口32,612人(0.49%減)、世帯13,783世帯(4.61%増)、別府市は人口112,267人(2.65%減)、世帯55,115世帯(1.43%増)でした。大分県全体では人口が4.18%減っていて、速報の表で人口の増えた市町村は見当たりませんでした。

まとめると、法人と個人事業主の数は金沢や松山より一回り小さく、登録している税理士の件数も少なめです。人口の減り方は5年で1%あまりと、松山(2.77%減、松山の見本による)よりゆるやかで、世帯と民営の事業所は増えています。同じ管内の由布市も、人口はほぼ横ばいで、世帯は増えています。新しく生まれる顧問先がない町ではありませんが、問い合わせの源として大きいのは、すでに誰かに頼んでいる事業者の乗り換えや、個人事業主が法人になる変わり目だろう、と見ています。ここは推測で、確かめるには御事務所の記録が要ります。

探され方

九つの言葉で検索し、1ページ目に何が並ぶかを記録しました。検索したのは2026年9月24日です。言葉は金沢と松山の見本とそろえ、地名だけを大分に替えています。

限界を先に書きます。検索結果は、見る人、時点、地域の設定で変わります。ここに書いたのは、ある検索の道具を通して見えた並びで、大分で経営者がスマートフォンから検索した画面と同じとはかぎりません。この道具はタイトルとURLの一覧を返すだけなので、地図枠(ローカルパック)が出ていたか、広告が出ていたかは分かりません。九つすべてで、この二つは不明です。また、返ってきた件数は言葉によって9件か10件で、九つで延べ83件でした。

中心の言葉から見ます。

「大分 税理士」(10件):地元の事務所2、全国ポータル・比較サイト・電話帳6、公的機関・会2(税理士会連合会の検索サイトと、税理士会の大分支部のサイト)。

「大分市 税理士 顧問料」(9件):地元の事務所2、全国ポータル・比較サイト7。

「大分 確定申告 税理士」(9件):地元の事務所3、全国ポータル2、隣の別府市の事務所1、無関係3(求人)。

「大分 会社設立 税理士」(9件):地元の事務所3、全国ポータル・比較サイト6。地元の3のうち1は、税理士法人が開業と会社設立を名前に掲げて作った、事務所名とは別の名前のサイトです。

周辺の言葉、迷いの言葉です。

「大分 記帳代行」(9件):地元の事業者5、全国ポータルと全国向けの代行サービス3、無関係1(求人)。地元の5は、税理士事務所の業務や記帳代行のページが3、税理士事務所ではない記帳代行の会社が2です。

「大分 個人事業主 税理士 頼むべきか」(10件):地元の事務所1、全国ポータル・比較サイト9。

「大分 創業融資 相談」(9件):地元の税理士事務所0、公的機関・会5(市の制度のページ3、商工会議所、信用保証協会)、全国向けの解説2、地元の金融機関と共有オフィスのページが1件ずつ。

「大分 税理士 変更したい」(9件):地元の事務所0、全国ポータル・比較サイト7、公的機関・会1(税理士会の大分支部のサイト)、無関係1(求人)。

「大分 法人化 タイミング 相談」(9件):地元の事務所0、全国向けの解説3(会計ソフト会社)、他都市の事業者4、公的なページ2(県のNPO法人の設立相談と、創業支援の公的な窓口)。

延べ83件の内訳は、地元の事業者が18件(うち税理士事務所14件)、ポータルと全国向けのページが45件、他都市の事業者が5件(うち1件は別府市)、公的機関・会が10件、無関係が5件です。ポータルが1ページ目の過半を取ったのは、九つのうち「税理士」「顧問料」「会社設立」「頼むべきか」「変更したい」の五つでした。地元が過半なのは「記帳代行」だけで、その中にも税理士事務所ではない会社が二つ入っています。

松山の見本では、同じ九つの言葉の延べ82件のうち地元の事業者が29件、九つ全体に出た地元の税理士事務所が12でした。大分では地元の事業者が18件、税理士事務所は七つです。いちばん多く出た事務所は四つの言葉に出ていて、次が三つの言葉、残りは一つか二つでした。金沢のように一つの事務所が七つの言葉に出る形でもなく、松山のように12の事務所に散らばる形でもありません。地元の枠そのものが少なく、それを七つの事務所が分けている形です(金沢の数は税理士事務所のホームページ集客、2026年9月24日時点)。

もう一つ目立ったのは、ページの種類です。「税理士」「顧問料」「確定申告」「頼むべきか」の四つで出た地元の8件は、すべて事務所のトップページか、事務所の拠点を案内するページでした。「変更したい」には、地元のページが1件もありません。これに対して「記帳代行」では業務のページが、「会社設立」では創業向けの別のサイトが入っていました。業務の名前で作ったページがある言葉では、そのページが出ている、という形は松山と同じです。

同じ日に柱記事のために検索したときとは、並びが少し動いた言葉があります。「大分 税理士」の地元は3件から2件に、「変更したい」の地元は1件から0件になり、「頼むべきか」は9件中8件がポータルだったのが、10件中9件になっていました(税理士事務所のホームページ集客、2026年9月24日時点)。地元の枠が狭いという見え方は、どちらでも変わりません。

上位の顔ぶれ

九つの言葉に出てきた地元の税理士事務所は七つで、七つすべてのサイトを開き、同じ項目で確かめました。項目は金沢と松山の見本とそろえています。規模は、複数の拠点を持つ税理士法人から、一人の事務所までさまざまです。一つは、創業向けの別の名前のサイトが1ページ目に出ていたため、そのサイトを中心に見ています。

  • 料金の明示:顧問料や決算料の金額を確認できたのは、七つのうち三つです。売上の段ごとの月額と、決算料を月額の何か月分とする形の表が一つ、創業向けの別のサイトの料金のページで、初年度と2年目以降を分けた表が一つ、業種と年商を置いたモデルケース一つで年額の幅を示していたのが一つです。三つとも、トップページでは金額が見えず、料金のページや業務の説明のページを開いてはじめて出てきます。残る四つは、金額を確認できませんでした。
  • お客様の声・事例:掲載が確認できたのは二つです。一つはトップに3件を並べて一覧へつなぐ形、もう一つは創業向けのサイトに声と事例を合わせて十件以上を載せる形でした。残る五つは、掲載が見当たりませんでした。
  • コラム・お知らせの更新:2026年9月に入ってからの記事が確認できたのは一つです。2026年の日付が読めたのがほかに二つ、最新が2024年だったのが一つ。残る三つは、お知らせに日付がなく読み取れなかったか、お知らせそのものが見当たりませんでした。
  • 周辺市町の扱い:由布市・別府市などの専用ページを持つ事務所は、七つのうちゼロでした。対応地域として県内の市町村名を並べていたのが一つ、大分市と並べて別府市の名前を出していたのが二つ、「県内全域」と一言書いていたのが一つです。
  • 相談への導線:電話と問い合わせのページは、七つすべてで確認できました。ウェブでの面談予約を置いていたのが一つ、LINEのアイコンを置いていたのが一つです(相談の窓口かどうかは確かめきれませんでした)。オンラインでの面談を明記していた事務所はありませんでした。
  • 税理士の変更についてのページ:専用ページを持つ事務所はゼロでした。トップや案内の文の中で変更の相談に触れている事務所も、見当たりませんでした。
  • クラウド会計:会計ソフトの名前を挙げていたのは二つで、どちらも同じ会社の製品の名前でした。
  • 創業と法人化:会社設立や開業の専用ページ、または創業向けの別のサイトを持っていたのが四つです。ほかの三つも、業務の一覧の中で開業や設立に触れています。法人成りの専用ページを持つ事務所はありませんでした。

一つ、書き留めておきたいことがあります。料金を表やモデルケースで出していた三つは、どれも「大分市 税理士 顧問料」の1ページ目に入っていません。その言葉で入っていた地元の2件は、料金を載せていない事務所の、トップページと拠点の案内のページでした。松山でも料金のページは「顧問料」で出てきませんでしたが、松山では八つのうち七つが金額を載せていたのに対し、大分では七つのうち三つです。載せている事務所がまだ少ないうえに、載せたページがこの言葉では出てこない。料金の問いに、地元の答えがほとんど届いていない形です。

どの項目も、サイトから読み取れたことだけです。顧問先が何件あるのか、紹介でどれだけ来ているのか、ポータルに掲載料を払っているのかは、外からは分かりません。サイトが薄い事務所が繁盛していない、という意味ではありません。

書けることと、書けないこと

税理士の広告の決まりは、名前ははっきりしているのに、本文が外から読めません。各税理士会には「会員の業務の広告に関する細則」がありますが、現行の本文は会員向けのサイトで確かめるよう案内されていて、当社は公開の場所で読めていません。以下は、税理士の広告規制で読んだ公開の資料からの整理です。当社は法律の専門家ではありません。

税理士法は、信用や品位を害する行為を禁じ(第37条)、業務で知った秘密を漏らすことを禁じ(第38条)、所属する税理士会と日本税理士会連合会の会則を守ることを求めています(第39条)。事務所を二つ以上設けることも禁じられていて(第40条第3項)、国税庁の「税理士制度のQ&A」は、ウェブサイトへの表示を、この決まりにかかわる「外部に対する表示」に含めています。細則の運用指針は、古い版(平成14年版の写しで、公式の掲載ではありません)だけが読めました。そこでは、誤導のおそれのある広告の例として「割安な報酬で引き受けます」「巧みに節税します」などが並び、特定の事務所と比べる広告は禁じられる側に入っていました。現行の版が同じとはかぎりません。

大分の七つで見えたことに当てはめると、次のようになります。

  • 料金:載せること自体は、古い指針でも禁じられていません。七つのうち三つしか載せていない大分では、載せるだけでも隣の事務所との違いになります。そのぶん、書き方に気をつけます。「月額◯円〜」と書くなら、年商や仕訳の量の区分、決算料が別かどうかを同じ場所に書きます。安さを前に出す書き方は、古い指針が誤導の例に挙げた「割安な報酬で引き受けます」に近づきます。
  • 創業向けの別サイトと地域のページ:大分では七つのうち一つが、事務所名と違う名前の創業向けのサイトを持っています。こうしたサイトや、由布市などのページを作るときは、そこに事務所があるように読める名前や住所を置かず、どのページからも事務所の正式な名前と本拠の所在地が読めるようにします。二か所事務所の決まりにかかわるところです。
  • 件数と事例:何を数えた件数か、いつ時点の数かを書きます。事例は第38条の守秘があるため、依頼した人の了解と、特定されない書き方が前提です。
  • 変更と法人化のページ:変更のページは、いまの税理士を下げる書き方にしません。法人化のページは、いくら税が減るかを約束するのではなく、どういう場合に法人が向き、どういう場合に向かないかを書く形にします。顧問契約を条件に設立の手数料をなくすような書き方は、所属の税理士会で確かめてからにします。

迷う書き方は、所属する南九州税理士会で確かめてください。

入る余地

ここまでの観察から、空いている場所を挙げます。それぞれ、何を見てそう言うのかを書きます。

一つ目、法人化の言葉。 「大分 法人化 タイミング 相談」は、9件のうち4件が他都市の事業者、3件が会計ソフト会社の全国向けの解説、2件が公的なページでした。公的な2件は、NPO法人の設立相談と創業支援の窓口の案内で、個人事業主が法人にするかどうかを迷う問いに答えるページではありません。地元の事務所は0件です。同じ日に柱記事のために検索したときも、地元は0件、他都市が5件でした(税理士の法人化相談ページ、2026年9月24日時点)。数え直すと並びは少し動きましたが、地元の事務所がこの問いに答えたページが一つもない点は変わっていません。開いた七つにも、法人成りの専用ページはありませんでした。他都市の一般論に書けないのは、この町で法人にしたあとの手続きの流れと、御事務所への報酬が法人にするとどう変わるかです。大分で料金表を出している事務所はまだ少ないので、個人のままの年額と法人にしたときの年額を同じ売上の例で並べるだけでも、他の町の記事にも隣の事務所のサイトにもない中身になります。

二つ目、料金と変更のページ。 松山ではここを「余地が狭い」と見ましたが、大分では事情が違います。料金を表やモデルケースで出しているのは七つのうち三つ、税理士の変更の専用ページは七つのうちゼロでした。ただ、「大分市 税理士 顧問料」も「大分 税理士 変更したい」も9件中7件がポータルで、地元は2件と0件です。1ページ目の枠は狭く、検索だけを見ればポータルと取り合う場所です。それでも余地に挙げるのは、ポータルの一覧を読んだ経営者が、候補の事務所のサイトを開いたときに、料金と乗り換えの手順が読めるかどうかは別の話だからです。大分では、それが読める事務所がまだ少ない。検索の枠よりも、比べられたときの中身で差がつく場所だと見ています。書き方は顧問料のページについての記事と税理士の変更のページについての記事で扱いました。

三つ目、迷っている段階の言葉。 「大分 個人事業主 税理士 頼むべきか」は10件中9件がポータルで、地元は1件、それもトップページでした。松山では地元の事務所が3件入っていて、地元の枠にトップページが並んでいる言葉に、問いに答えるページを置けば入れ替わる形がありえました。大分では、その枠自体がほとんどありません。問いに答えるページを置く意味はありますが、1ページ目に届くかどうかは、一つ目と二つ目よりさらに不確かです。

四つ目、由布市。 大分税務署の管内には由布市が入っていて、人口はほぼ横ばい(0.49%減)、世帯は4.61%増えています。民営の事業所も、平成28年から4.6%増えていました(令和3年経済センサス-活動調査、県の資料による)。開いた七つに由布市の専用ページはなく、由布市の名前が出てくるのは、県内の市町村名を並べた一つだけです。ただし、「由布 税理士」のような言葉で何が並ぶかは、今回の九つには入れていません。余地として挙げますが、根拠は他の三つより弱いです。

逆に、余地とは言えない場所もはっきりしました。「大分 記帳代行」は地元が過半で、税理士事務所の業務のページに加えて、税理士事務所ではない記帳代行の会社も入っています。「大分 創業融資 相談」は、市の制度のページ、商工会議所、信用保証協会、地元の金融機関などで埋まっていて、地元の税理士事務所は一つもありません。ここは、もともと公的な窓口の場所です。「大分 会社設立 税理士」は9件中6件がポータルで、残る地元の枠には、すでに創業向けの別のサイトを立てて取りに来ている事務所があります。

この商圏に、これから入る事務所の見込みはあるか

この範囲の情報からは、「条件つきで見込みはある。ただし、検索で入れる言葉は松山より少ない」と見ています。

判定の形は金沢・松山と同じですが、中身は違います。松山では、地元の枠が12の事務所に散らばり、迷いの言葉にも地元のトップページが並んでいました。大分では、九つの言葉の延べ83件のうち地元の税理士事務所は14件で、迷いの言葉と変更の言葉には、ほとんど入っていません。検索の枠は松山より狭いと言えます。その一方で、サイトの中身は薄く、料金を出しているのは七つのうち三つ、変更のページはゼロ、声や事例が見当たらない事務所が五つあります。検索で入れる場所は少ないけれど、比べられたときに差をつけられる場所は多い、という商圏です。

規模の面では、足りています。大分税務署の管内で申告をした法人が1万2千あまり、事業所得者が1万3千人あまりいます。金沢や松山より一回り小さい商圏ですが、人口の減り方はゆるやかで、世帯と民営の事業所は増えています。問い合わせの源は、乗り換えや法人化といった変わり目の人だと考えるのが自然です。この点は、御事務所の記録で確かめる必要があります。

競争の面では、中心の言葉はここでもポータルが厚く、「顧問料」は9件中7件、「頼むべきか」は10件中9件がポータルです。ポータルは全国の地名ごとに同じ形のページを持っていて、ホームページだけで上から抜くのは現実的ではありません。この点は地方の会社と全国ポータルでも書きました。地元に残った枠は、一つの事務所が押さえているわけではありませんが、そもそも数が少ない。後から入る事務所が検索でまず狙えるのは、ポータルが過半を取っていない「法人化」の言葉です。

ですので、条件は三つです。法人化の問いに、自分の事務所に不利な答えも含めて書けること。料金と乗り換えの手順を、ポータルから来た人が一枚で読めるように書けること。そして、検索からの問い合わせがすぐには増えなくても、紹介やポータルから来た人がサイトで確かめるときの中身を整えることに、意味を見いだせることです。反対に、紹介だけで手いっぱいで新しい顧問先を急いでいない事務所であれば、この商圏でホームページに時間をかける意味は薄いと見ます。

判定を確かにするために足りていないのは、次の四つです。

  • 各言葉の検索回数。特に「法人化 タイミング 相談」は、月に探す人が数人しかいない可能性があります。その場合、一つ目の余地は小さくなります。
  • 地図枠と広告。税理士の言葉では、地図枠や広告が1ページ目の上を占めていることが考えられますが、今回は確認できていません。地元の枠が少ない大分では、地図枠が出ているかどうかで、地元の事務所の見え方が大きく変わる可能性があります。
  • 由布市の言葉と、「法人成り」のような言い換えの検索結果。四つ目の余地は、実際に検索して並びを見るまでは仮説です。
  • 御事務所の記録。いまポータル経由の問い合わせがあるのか、紹介とホームページのどちらから何件来ているのか、法人化の相談をこの一年に何件受けたのか。紹介が十分に回っている事務所と、紹介が細ってきた事務所とでは、同じ余地の意味がまったく違います。

もし引き受けるなら、最初の半年に何をするか

以下は、この商圏で一般的にどういう順番になるか、という話です。お約束の形ではなく、御事務所の現状によって順番は入れ替わります。当社が税理士の顧問分野で運営の実績を持っている、という意味でもありません。

  • 問い合わせの入り口を分けて数える。 紹介、ポータル、ホームページ、商工会議所などの窓口経由。どこから来て、そのうち何件が顧問契約や申告の依頼になったか。税理士事務所では紹介の比率が高いことが多く、ここを数えないまま直すと、ホームページが効いたのか紹介が増えたのかが分からなくなります。
  • 法人化の相談のページを一本置く。 法人にしないほうがよかった相談、法人にしたあとに事務所と何をやり取りしたか、個人のままの年額と法人にしたときの年額。了解の取れる範囲で、特定されない書き方にします。一般的な目安は他の記事がすでに書いているので、繰り返しません。
  • 料金のページを一枚にする。 売上の区分ごとの月額と決算料に加えて、よくある売上の例で年額を示し、トップや各業務のページから一本の道でつなぎます。個人と法人の欄を分けるなら、同じ売上の例で並べます。料金を載せるかどうかの考え方は料金を載せるべきかに書いています。
  • 変更の手順のページを置く。 いまの税理士への切り出し方、帳簿や過去の申告書の引き継ぎ、切り替えの時期と費用の重なり。変えないほうがよい場合も書きます。ポータルの一覧から候補として開かれたときに、読まれる一枚です。
  • 由布市を検索で確かめてから決める。 「由布 税理士」などの言葉で何が並ぶかを見て、空いていれば、実際に顧問先がいる範囲で置きます。顧問先がいない地域のページは作らず、そこに事務所があるように読める作りにもしません。

半年で問い合わせが増えるかというと、そこは動き始めるかどうかの時期です。当社が運営に携わっている相続の事務所でも、数字が動き始めたと感じたのは半年ほど経ってからでした。業種も探され方も違うので、同じ時間で動くとは言えません。

この見本で分からないこと

  • 検索結果は、見る人・時点・地域の設定で変わります。ここにあるのは2026年9月24日の一つの記録です。同じ日に柱記事のために検索したときとも、「大分 税理士」「頼むべきか」「変更したい」「法人化 タイミング 相談」の並びが少し違っていました。
  • 地図枠と広告の表示は、九つすべてで確認できていません。各言葉の検索回数も扱っていません。
  • 由布市や別府市の言葉(「由布 税理士」など)、業種を絞った言葉、「法人成り」のような言い換えは検索していません。
  • 法人数12,043と事業所得者13,141人は大分税務署の管内(大分市と由布市)の数で、大分市だけの数ではありません。事業所得者の区分の細かな定義も確かめきれていません。国税局の表は、要約を介して読み取りました。管轄の市も、国税局のページを要約を介して読んだ範囲です。
  • 人口と世帯は、令和7年国勢調査の速報の数字です。確定した数字とは違うことがあります。
  • 民営の事業所数21,428と、平成28年からの増え方は、県の資料を要約を介して読み取ったもので、比べ方についての注意書きまでは確かめきれていません。
  • 税理士会大分支部の263件は登録されている税理士の件数で、事務所の数ではありません。支部の範囲が税務署の管内と重なるかも確かめていません。
  • 開いたのは七つで、柱記事で開いた八つとは顔ぶれが一部違う可能性があります。柱記事の時点で1ページ目に出ていて、今回は出てこなかった事務所があると見ています。
  • サイトの確認は、主にトップページと、料金・お客様の声・お知らせの各ページを開いて行い、要約を介して読み取った部分があります。サイト内の別の場所に、見落とした情報がある可能性は残ります。
  • 各事務所の顧問先の数、紹介の割合、ポータルへの掲載料の支払いは、外から分かりません。

御事務所でも、今日できること

調べる道具を入れていなくても、次の三つは今日のうちにできます。

  • 「地域名 法人化 タイミング 相談」を検索し、1ページ目を、地元の事務所、他の町の事業者、全国向けの解説、公的なページに分けて数える。地元の事務所のページがあれば、それが問いに答えるページかを見る。
  • 「地域名 税理士 変更したい」を検索し、1ページ目に並んだポータルの一覧から御事務所のサイトを開いたつもりで、料金と乗り換えの手順が、トップから迷わずに読めるかを見る。
  • 御事務所の料金表を開き、同じ売上の例で、個人のままの年額と法人にしたときの年額が、計算せずに読めるかを確かめる。

大分で今回やったのは、この三つを九つの言葉と七つのサイトに広げたものです。

この記事にたどり着いた道筋

この記事は、「税理士 集客」のような、業種と悩みを掛け合わせた言葉で読まれることを想定して書いています。その言葉で検索すると、上位には業種名を入れ替えただけの一般論が並びやすいものです。そこに、実際に数えた中身のあるページを置きました。

御事務所のお客様になる経営者も、同じように探しています。「大分 法人化 タイミング 相談」のように、地域と用件と迷いを掛け合わせた言葉です。当社が御事務所の商圏でするのは、それと同じことです。誰が上位にいて、どこが空いていて、御事務所が実際に知っていることで答えられる場所はどこかを数え、そこにページを置く。見込みが立たなければ、調べた結果とともにそうお伝えします。調べ方の中身は商圏調査に書いています。

御事務所の商圏でも、同じ形で調べます

この見本は大分市と税理士を題材にしましたが、形はどの商圏でも同じです。規模を見て、探され方を見て、上位の顔ぶれを見て、業種の決まりを確かめ、入る余地を挙げ、見込みを判定する。同じ税理士でも、金沢、松山、大分では空いている場所が違いました。見込みが立たないときは、その理由をお伝えしてお引き受けしません。

同じ商圏で同業の事務所を同時にお預かりすることはありません。すでにお預かりしている商圏では、お受けできない場合があります。御事務所の商圏でこの形の報告書を見てみたい段階でしたら、相談するからご連絡ください。

出典

  • 大分県「令和7年国勢調査結果(人口速報集計)」 https://www.pref.oita.jp/site/toukei/census2025-soku.html
  • 大分県「令和7年国勢調査 人口速報集計 表2(市町村別)」 https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2269439.pdf
  • 大分市「大分市の統計」(住民基本台帳人口) https://www.city.oita.oita.jp/o001/shisejoho/annai/tokei-jinko.html
  • 大分県「令和3年経済センサス-活動調査結果(確報)大分県の概要」 https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2223996.pdf
  • 熊本国税局「統計情報 令和6年度 法人税(税務署別の普通法人数及び通算法人数)」 https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/statistics/r06/pdf/4-2.pdf
  • 熊本国税局「統計情報 令和6年度 申告所得税(税務署別人員)」 https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/statistics/r06/pdf/2-2.pdf
  • 熊本国税局「大分県の税務署」(管轄区域) https://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/location/oita.htm
  • 日本税理士会連合会 税理士情報検索サイト「南九州税理士会 大分支部」 https://www.zeirishikensaku.jp/NzBranchMembersListPerson/List/MTMw/MjEx
  • 税理士法(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000237
  • 国税庁「税理士制度のQ&A 5 税理士事務所」 https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/05.htm
  • 「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」(平成14年版の写し。税務の出版社のサイト掲載で、公式の掲載ではありません) http://www.taxcom.co.jp/lib/doc_zeirishi_cm.htm