税理士を変えようか迷っている経営者が、地域の名前に「税理士 変更したい」と付けて検索したとします。1ページ目に並ぶのは、税理士の紹介サイトや比較サイト、会計ソフト会社の税理士検索がほとんどで、地元の事務所のページは、あっても事務所のトップページでした。2026年9月24日に、金沢市、大分市、松山市の三つの市で同じ言葉を検索して数えた結果です。
この記事では、その数と、税理士の変更についてのページを持っている事務所が、その言葉ではなぜか出てこなかったことを書きます。そのうえで、変更のページを作る、あるいは書き直すなら、どこから手を付けるかを書きます。三つの市の検索結果の全体は税理士事務所のホームページ集客にまとめています。
三つの市で、迷いの言葉の1ページ目を数えた
数えた言葉は二つです。「地域名 税理士 変更したい」と「地域名 個人事業主 税理士 頼むべきか」。税理士を探す言葉の中でも、まだ決めかねている人が打つ言葉です。三つの市で合わせて六回の検索、1ページ目は延べ54件でした。
「変更したい」の1ページ目で、地元の事務所は金沢で9件中1件、大分で9件中1件、松山で9件中4件でした。三つの市で27件中6件です。残りは、紹介サイト、比較サイトの「おすすめ◯選」、会計ソフト会社の税理士検索などが19件、求人のページなど用件の違うものが2件でした。「頼むべきか」では、金沢1件、大分1件、松山3件で、やはり27件中5件です。22件がポータルと比較サイトでした。
地元の11件の中身を見ると、10件が事務所のトップページで、1件が料金表のページでした。変えるならいつ、どうすればよいか。そもそも頼むべきかどうか。その問いそのものに答えている地元のページは、三つの市のどこにもありませんでした。
松山は、地元の枠がほかの二つより広い市でした。「変更したい」で4件です。それでも、4件ともトップページです。検索の側は地元の事務所に席を空けているのに、そこに座っているのは、事務所を案内するためのページだった、ということになります。
限界も書いておきます。使った検索の道具は各語9件か10件しか返さず、地図枠(地図と事務所の一覧が出る枠)と広告は見えません。どの言葉が月に何回検索されているかも数えていません。「変更したい」と打つ人が、その地域では月に数人しかいない可能性は残ります。数え方そのものは検索結果の1ページ目を数えるに書きました。
変更のページは24の事務所のうち5つにあった。どれも、その言葉では出てこない
三つの市では、検索に繰り返し出てきた地元の事務所を八つずつ、合わせて24のサイトを開き、同じ項目で確かめています。その項目の一つが、税理士の変更についての専用のページがあるかどうかです。
金沢は八つのうち四つが専用のページを持っていて、ほかに、よくある質問の中で触れている事務所が一つありました。大分は、開いた範囲ではゼロです。松山は一つでした。24のうち5つです。
そして、その5つのページは、どれも自分の市の「変更したい」の1ページ目に入っていませんでした。金沢では四つの事務所がページを持っているのに、1ページ目に入った地元の1件は、変更のページではありません。松山で唯一の専用ページは、変える理由の説明から書き起こしたページでしたが、やはり入っていません。
なぜ出てこないのかは、外から見た範囲では分かりません。ポータルの多い言葉に押し出されているのかもしれませんし、ページの題や書き出しが、探す人の打つ言葉と離れているのかもしれません。一つだけ書き留めておくと、松山で「変更したい」に出てきたトップページのうち一つは、検索結果に出る説明文に「税理士の変更の相談も受け付けている」という一文を入れていました。それが効いたのかどうかは、一件では判断できません。
言えるのは、変更のページをすでに持っている事務所は、これから作る事務所より一歩先にいる、ということです。書き直しで届くかもしれない場所に、もうページが置いてあります。
乗り換えを考えている人は、頼むことはもう決めている
「頼むべきか」と「変更したい」は、同じ迷いの言葉でも、打つ人の立っている場所が違います。
「頼むべきか」の人は、税理士に頼むかどうかから迷っています。「変更したい」の人は、そこはもう済んでいます。税理士に頼む値打ちは知っていて、いまの頼み先に何か引っかかるところがある。その人が知りたいのは、税理士が何をしてくれるかでも、事務所の理念でもありません。変えるとしたら、何が起きるかです。
当社の見立てでは、中身は三つにまとまります。
- 手間:いまの税理士にどう切り出すのか。帳簿や過去の申告書の控えは、どう引き継がれるのか。自分の側で何をしなければならないのか。
- 時期:決算や申告の直前でも変えられるのか。いつ変えるのが、いちばん負担が少ないのか。
- 費用:いまの顧問料と比べてどうなるのか。切り替えの月に、二つの事務所へ払う期間が出るのか。
トップページは、事務所が何者かを伝えるためのページで、この三つには答えていません。比較サイトの一覧も、事務所を並べて比べることはできますが、「この事務所に変えたら、最初の一か月に何をするか」は書けません。そこは、実際に引き継ぎをしてきた事務所にしか書けないところです。三つの市の1ページ目に地元の答えが一つもなかったのは、裏を返せば、書ける人がまだ書いていない、ということでもあります。
題と最初の段落を、その人の言葉で書く。変えないほうがよい場合も書く
変更のページを作る、あるいはいまあるページを書き直すなら、手を付けるのは二か所です。
一つは、題と最初の段落です。題には、探す人が打つ言葉を入れます。「変えたい」「乗り換え」「切り替え」のような言葉と、地域の名前です。最初の段落では、事務所の紹介より先に、手間・時期・費用の三つに短く答えるか、少なくとも、ページのどこに答えがあるかを示します。事務所の強みや所長の考えは、そのあとで構いません。変えようとしている人は、変えた先で何が待っているかを確かめてから、誰に変えるかを考えるはずだからです。
もう一つは、変えないほうがよい場合を書くことです。たとえば、申告の期限が迫っていて、引き継ぎの時間が取れないとき。不満の中身が一度の行き違いで、話せば直りそうなとき。顧問料だけが理由で、任せる範囲を見直せばいまの事務所で足りそうなとき。どんな場合に変えないほうがよいかは、事務所ごとに見立てが違います。御事務所が実際に「今回はやめておいたほうがいい」と伝えたことのある場合を、そのまま書けば足ります。
自分の事務所に不利なことを書く理由は二つあります。一つは、読んだ人に「この事務所は、自分の都合で乗り換えを勧めていない」と伝わることです。いまの頼み先に不満を抱えている人には、そこが伝わるかどうかが大きいはずです。もう一つは、変えないほうがよい人が、問い合わせる前に自分で気づけることです。問い合わせの件数は少し減るかもしれませんが、残る相談は、顧問契約の話まで進みやすい相談のはずです。
「費用」に答えようとすると、料金を具体的に出すかどうかの判断に行き当たります。その考え方は料金を載せるべきかに書きました。
こう書いたページが1ページ目に出る、とまでは言えません。ただ、出たときに読まれて相談までつながるのは、トップページよりこちらだと考えています。金沢市×税理士の商圏調査の見本では、乗り換えや「頼むべきか」という問いに、自分の事務所に不利な答えも含めて書けることを、その商圏で見込みが立つ条件の一つに挙げました。
御事務所の地域で、今日数えられること
道具は要りません。スマートフォンで足ります。
- 「御事務所の地域名 税理士 変更したい」で検索し、1ページ目を上から見ます。地元の事務所のページが何件あるかを数え、その一件ずつが、トップページなのか、変更の問いに答えるページなのかを見ます。題とアドレスの末尾で、たいてい見分けがつきます。
- 「地域名 個人事業主 税理士 頼むべきか」でも、同じことをします。
- 御事務所に変更のページがあるなら、開いて、題と最初の三行だけを読みます。変えようか迷っている人が打つ言葉が入っているか。手間・時期・費用のどれかに触れているか。事務所の紹介から始まっていないか。
- そのページが、1の1ページ目に入っていたかどうかを書き留めます。
変更のページがなく、紹介だけで新しい顧問先が足りているなら、急いで作る必要はありません。1ページ目に地元の答えが一つもなく、御事務所にすでに変更のページがあるなら、新しい記事を書く前に、そのページの題と最初の三行を直すところから始めてください。