この見本について
これは、当社が商圏調査として報告書にまとめている中身を、実物に近い形でお見せするための見本です。金沢市の税理士の見本と同じ形で、今回は愛媛県松山市で、中小企業や個人事業主の記帳・申告・顧問、それに創業と法人化の相談を受けている税理士事務所を想定しました。相続税の申告は、同じ税理士の仕事でも探され方がまったく違うため、この見本では扱っていません。
どこかの事務所からご依頼を受けて作ったものではありません。松山市と、顧問を受ける税理士事務所という組み合わせを、当社の側で選びました。調査時点は2026年9月で、使ったのは公開されている情報だけです。公的統計を探して読み、九つの言葉で検索し、1ページ目に出てきた地元の事務所のうち八つのサイトを開いて確かめました。同じ九つの言葉は、同じ日に金沢市と大分市でも調べていて、三つの市の比べ方は税理士事務所のホームページ集客にまとめています。
実際にお引き受けする調査では、ここに二つが加わります。一つは御事務所の記録です。いま問い合わせが月に何件あり、そのうち何件が顧問契約や単発の申告の依頼になり、何件が紹介経由で、何件がホームページ経由なのか。紹介で来るお客様がどれだけいるかは事務所ごとに違い、外からは分かりません。もう一つは検索回数の実数です。どの言葉が月に何回検索されているかは、有料の道具を使わなければ確定できません。以下で「探され方」と書いているのは、検索したときに何が並ぶかであって、何人が探しているかではありません。
地元の事務所の名前は出さず、件数だけで書きます。どこが上手いかを論じるための調査ではなく、この商圏に、これから入る余地があるかを見るための調査だからです。
商圏の規模
最初に確かめるのは、顧問先になりうる事業者がどれだけいるかです。税理士事務所の場合、生活者の人口よりも、法人と個人事業主の数のほうが直接の手がかりになります。
松山市の人口は497,041人、世帯数は242,764世帯です(令和7年国勢調査、2025年10月1日現在、愛媛県「令和7年国勢調査 地方集計結果」)。2020年の国勢調査と比べると、人口は14,151人(2.77%)減り、世帯数は1,530世帯(0.63%)増えています。市の推計では、2026年9月1日現在で491,561人、245,685世帯です。
事業所の数は20,693です(令和3年経済センサス-活動調査、市の統計ポータルの主要統計の表)。このうち17,819が第3次産業です。この数が民営の事業所だけのものか、5年前の調査からどれだけ動いたかは、今回確かめきれていません。
顧問先の数に、もう一歩近づける統計があります。高松国税局の統計情報では、松山税務署の管内で法人税の申告をした普通法人は14,240法人でした(2024年4月から2025年3月までに事業年度が終わり、2025年7月末までに申告のあった法人)。愛媛県全体の29,020法人のうち、ほぼ半分がこの管内にあることになります。資本金1億円未満が14,156法人で、ほぼすべてが中小の法人です。
個人のほうでは、令和6年分の申告所得税で「事業所得者」として区分された人員が、松山税務署管内で18,605人でした(愛媛県全体では40,006人)。金沢の見本と同じく、この区分に還付申告だけの人が含まれるかどうかなど細かな定義は確かめきれていないため、規模の目安としてだけ使います。
気をつけたいのは、松山税務署の管内が松山市だけではないことです。民間の案内サイトによれば、管内は松山市、伊予市、東温市、上浮穴郡、伊予郡です。国税局のページからは管轄の記載を読み取りきれず、この点は民間の案内で確かめた範囲です。上の法人数と事業所得者数には、周辺の市町の分が入っています。
では、この需要に対して、税理士はどれだけいるか。日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、四国税理士会の松山支部に表示された登録は351件でした(2026年9月24日閲覧)。松山支部の範囲が松山税務署の管内と重なるかは、今回確かめていません。また、この351件は事務所の数ではなく、税理士法人や事務所に勤めている税理士も含む登録の件数です。
同じ日に調べた金沢の見本では、金沢税務署の管内で申告した普通法人が13,851、事業所得者が17,293人、北陸税理士会の金沢支部の登録が424件でした(金沢市の税理士の見本、2026年9月24日時点)。管内の広さも数え方の細部も違うため目安にとどまりますが、松山は法人と事業所得者がやや多く、登録の件数は少ない、という形です。これだけで競争がゆるいとまでは言えません。事業者の側も、全員が税理士に頼んでいるわけではないからです。
周辺も見ておきます。同じ令和7年国勢調査で、東温市は人口48,601人(3.01%減)、世帯20,684世帯(1.52%増)、松前町は人口29,004人(2.11%減)、世帯12,205世帯(2.58%増)でした。伊予市は人口98,665人(5.85%減)、砥部町は19,597人(4.31%減)です。この中に人口の増えている市町はなく、世帯が増えているのは東温市と松前町です。
まとめると、法人と個人事業主の数は金沢と同じくらいの規模で、登録の件数から見た税理士の多さは金沢より控えめです。一方で、人口は5年で3%近く減っていて、周辺の市町も減っています。新しく生まれる顧問先よりも、すでに誰かに頼んでいる事業者が乗り換える、個人事業主が法人になる、といった変わり目のほうが問い合わせの源として大きい可能性があります。ここは推測で、確かめるには御事務所の記録が要ります。
探され方
九つの言葉で検索し、1ページ目に何が並ぶかを記録しました。検索したのは2026年9月24日です。言葉は金沢の見本とそろえ、地名だけを松山に替えています。
限界を先に書きます。検索結果は、見る人、時点、地域の設定で変わります。ここに書いたのは、ある検索の道具を通して見えた並びで、松山で経営者がスマートフォンから検索した画面と同じとはかぎりません。この道具はタイトルとURLの一覧を返すだけなので、地図枠(ローカルパック)が出ていたか、広告が出ていたかは分かりません。九つすべてで、この二つは不明です。また、返ってきた件数は言葉によって9件か10件で、九つで延べ82件でした。
中心の言葉から見ます。
「松山 税理士」(10件):地元の事務所5、全国ポータル・比較サイト3、公的機関・会1(税理士会連合会の検索サイト)、無関係1(求人)。
「松山市 税理士 顧問料」(9件):地元の事務所3、全国ポータル・比較サイト6。
「松山 確定申告 税理士」(9件):地元の事務所2、全国ポータル・比較サイト6、無関係1(求人)。
「松山 会社設立 税理士」(9件):地元の事務所5、全国ポータル・比較サイト4。地元の5のうち4は、二つの事務所の創業向けのサイトやお知らせです。
周辺の言葉、迷いの言葉です。
「松山 記帳代行」(9件):地元の事業者5、全国ポータル・比較サイトと全国向けの代行サービス4。地元の5には、税理士事務所の記帳代行のプランや業務のページのほかに、運営者を確かめきれなかった記帳代行のサイトが一つ入っています。
「松山 個人事業主 税理士 頼むべきか」(9件):地元の事務所3、全国ポータル・比較サイト6。
「松山 創業融資 相談」(9件):地元の事務所0、公的機関4(市の制度のページ3、日本政策金融公庫1)、全国向けの解説2、他都市の事業者3。
「松山 税理士 変更したい」(9件):地元の事務所4、全国ポータル・比較サイト5。
「松山 法人化 タイミング 相談」(9件):地元の税理士事務所1、地元の司法書士・行政書士事務所1、全国向けの解説1(会計ソフト会社)、他都市の事業者6。
延べ82件の内訳は、地元の事業者が29件(うち税理士事務所27件)、ポータルと全国向けのページが37件、他都市の事業者が9件、公的機関・会が5件、無関係が2件です。ポータルが1ページ目の過半を取ったのは、九つのうち「顧問料」「確定申告」「頼むべきか」「変更したい」の四つでした。地元が過半なのは「松山 税理士」を除けば「会社設立」と「記帳代行」です。
金沢の見本とは、地元の枠の取られ方が違います。金沢では、一つの事務所が九つの言葉のうち七つで1ページ目に入っていました。松山でいちばん多く出た事務所は五つの言葉で、九つ全体に出た地元の税理士事務所は12を数えます。枠は少数の事務所に集まらず、散らばっています(金沢の数は税理士事務所のホームページ集客、2026年9月24日時点)。
もう一つ目立ったのは、ページの種類です。「税理士」「顧問料」「確定申告」「頼むべきか」「変更したい」の五つで出た地元の17件は、すべて事務所のトップページでした。料金の言葉にも迷いの言葉にも、その問いに答えるページとしては入っていません。これに対して「記帳代行」では記帳代行のプランや業務のページが、「会社設立」では創業向けのサイトが入っていました。業務の名前で作ったページがある言葉では、そのページが出ている、という形です。
上位の顔ぶれ
九つの言葉に出てきた地元の税理士事務所12のうち、繰り返し出てきたところを中心に八つを選び、サイトを開いて同じ項目で確かめました。項目は金沢の見本とそろえ、最後に創業と法人化を足しています。規模は、税理士法人から一人の事務所までさまざまです。
- 料金の明示:顧問料や決算料の金額を確認できたのは、八つのうち七つです。多くは売上の規模で段を分け、法人と個人の欄を分けた表でした。年商と記帳代行の有無を置いたモデルケースで年額まで示していたのが一つ、概算を出す仕組みをトップに置いていたのが一つあります。ただし、トップページで金額まで見えたのは一つだけで、残りの六つは、料金のページやその先のページを開いてはじめて金額が出てきます。残る一つは、金額を確認できませんでした。
- お客様の声・事例:件数が読み取れた四つは、3件から10件でした(うち一つは、資金調達の事例を案内のページの中にまとめた形です)。残る四つは、掲載が見当たりませんでした。
- コラム・お知らせの更新:2026年9月に入ってからの記事が確認できたのは二つです。2026年の日付が読めたのがほかに二つ。残る四つは、最新の記事が何年も前か、ブログそのものが見当たりませんでした。
- 周辺市町の扱い:東温市・伊予市・松前町・砥部町などの専用ページを持つ事務所は、八つのうちゼロでした。対応地域として周辺市町の名前を並べているのが二つあります。
- 相談への導線:電話と問い合わせのページの両方を確認できたのが六つ、フォームだけを確認できたのが一つ、電話とメールだけが一つです。オンラインでの面談を明記していたのが三つ、LINEでの相談を確認できたのが二つでした。
- 税理士の変更についてのページ:専用ページを持っていたのは一つです。ほかに、トップや案内の文の中で変更の相談に触れているのが三つありました。
- クラウド会計:会計ソフトの名前を挙げて対応を書いているのが三つ、名前は挙げずにクラウド会計の導入に触れているのが一つでした。
- 創業と法人化:創業や会社設立の専用ページ、または創業向けの別のサイトを持っていたのが五つです。法人成りの専用ページを持っていたのは一つでした。
一つ、書き留めておきたいことがあります。「松山 法人化 タイミング 相談」の1ページ目に入った地元の税理士事務所の1件は、創業向けサイトの会社設立のページで、法人にするかどうかを迷う人に答えるページではありませんでした。一方で、開いた八つのうち一つは法人成りの専用ページを持っています。ページはあるのに、この言葉では出てこない。金沢の見本で、変更のページについて見たのと同じ形です。変更の専用ページを持つ一つも、「変更したい」の1ページ目には入っていません。
どの項目も、サイトから読み取れたことだけです。顧問先が何件あるのか、紹介でどれだけ来ているのか、ポータルに掲載料を払っているのかは、外からは分かりません。サイトが薄い事務所が繁盛していない、という意味ではありません。
書けることと、書けないこと
税理士の広告の決まりは、名前ははっきりしているのに、本文が外から読めません。各税理士会には「会員の業務の広告に関する細則」がありますが、現行の本文は会員向けのサイトで確かめるよう案内されていて、当社は公開の場所で読めていません。以下は、税理士の広告規制で読んだ公開の資料からの整理です。当社は法律の専門家ではありません。
税理士法は、信用や品位を害する行為を禁じ(第37条)、業務で知った秘密を漏らすことを禁じ(第38条)、所属する税理士会と日本税理士会連合会の会則を守ることを求めています(第39条)。事務所を二つ以上設けることも禁じられていて(第40条第3項)、国税庁の「税理士制度のQ&A」は、ウェブサイトへの表示を、この決まりにかかわる「外部に対する表示」に含めています。細則の運用指針は、古い版(平成14年版の写しで、公式の掲載ではありません)だけが読めました。そこでは、誤導のおそれのある広告の例として「割安な報酬で引き受けます」「巧みに節税します」などが並び、特定の事務所と比べる広告は禁じられる側に入っていました。現行の版が同じとはかぎりません。
松山の八つで見えたことに当てはめると、次のようになります。
- 料金:載せること自体は、古い指針でも禁じられていません。八つのうち七つが載せている松山では、載せるかどうかより書き方が問われます。「月額◯円〜」と書くなら、年商や仕訳の量の区分、決算料が別かどうかを同じ場所に書きます。
- 創業向けの別サイトと地域のページ:松山では八つのうち五つが、創業の専用ページか別のサイトを持っています。事務所名と違う名前のサイトや、周辺市町のページを作るときは、そこに事務所があるように読める名前や住所を置かず、どのページからも事務所の正式な名前と本拠の所在地が読めるようにします。二か所事務所の決まりにかかわるところです。
- 件数と事例:何を数えた件数か、いつ時点の数かを書きます。事例は第38条の守秘があるため、依頼した人の了解と、特定されない書き方が前提です。
- 変更と法人化のページ:変更のページは、いまの税理士を下げる書き方にしません。法人化のページは、いくら税が減るかを約束するのではなく、どういう場合に法人が向き、どういう場合に向かないかを書く形にします。顧問契約を条件に設立の手数料をなくすような書き方は、所属の税理士会で確かめてからにします。
迷う書き方は、所属する四国税理士会で確かめてください。
入る余地
ここまでの観察から、空いている場所を挙げます。それぞれ、何を見てそう言うのかを書きます。
一つ目、法人化の言葉。 「松山 法人化 タイミング 相談」は、9件のうち6件が他都市の事業者、1件が会計ソフト会社の全国向けの解説でした。地元から入っていたのは、税理士事務所の創業向けサイトの会社設立のページと、司法書士・行政書士事務所の会社設立のページで、どちらも「法人にするかどうか、いつするか」という問いに答えるページではありません。同じ日に別の記事のために検索したときは、地元が0件、他都市が8件でした(税理士の法人化相談ページ、2026年9月24日時点)。数え直すと並びは少し動きましたが、地元の事務所がこの問いに答えたページが一つもない点は変わっていません。他都市の一般論に書けないのは、この町で法人にしたあとの手続きの流れと、御事務所への報酬が法人にするとどう変わるかです。開いた八つのうち七つは料金表を持っていて、多くが個人と法人の欄を分けています。その二つの欄を同じ売上の例で並べるだけでも、他の町の記事には書けない中身になります。
二つ目、迷っている段階の言葉。 「松山 個人事業主 税理士 頼むべきか」と「松山 税理士 変更したい」は、ポータルが6件と5件で、地元の事務所は3件と4件でした。金沢の1件ずつより地元の枠は広いのに、その7件はすべて事務所のトップページで、問いに答えるページではありません。地元の枠がすでに開いている言葉に、問いそのものに答えるページを置けば、トップページと入れ替わる形で入れる可能性があります。ただ、変更の専用ページを持つ一つの事務所も、この言葉の1ページ目には入っていませんでした。ページを置くだけでなく、探す人の言葉で書けているかが問われます。書き方は税理士の変更のページについての記事で扱いました。
三つ目、周辺市町。 周辺市町の専用ページは、八つのうちゼロでした。ただし、東温市・伊予市・松前町・砥部町はどれも人口が減っていて、世帯が増えているのは東温市と松前町だけです。「東温 税理士」のような言葉で実際に何が並ぶかは、今回の九つには入れていません。余地として挙げますが、根拠は他の二つより弱いです。
四つ目、料金のページ。ここは余地が狭いと見ています。 松山では八つのうち七つが金額を載せていて、料金を出すこと自体はもう珍しくありません。それでも「松山市 税理士 顧問料」の地元3件は、すべてトップページでした。料金のページがこの言葉で出てこない理由は、外からは分かりません(三つの市の違いは顧問料のページについての記事に書きました)。金額を載せるだけでは隣の事務所との差になりにくいので、手を入れるなら、トップから金額まで一度でたどれるようにする、よくある売上の例で年額を示す、といった書き方の手直しが先です。
逆に、余地とは言えない場所もはっきりしました。「松山 会社設立 税理士」は地元が5件ですが、そのうち4件を二つの事務所の創業向けのサイトやお知らせが占めていて、すでに入り口を分けて取りに来ている事務所があります。「松山 記帳代行」も地元が過半で、プランや業務のページが並んでいます。「松山 創業融資 相談」は、市の制度のページと公庫、全国向けの解説、他都市の事業者で埋まっていて、地元の税理士事務所は一つもありません。ここは、もともと公的な窓口の場所です。
この商圏に、これから入る事務所の見込みはあるか
この範囲の情報からは、「条件つきで見込みはある」と見ています。判定は金沢と同じですが、中身は違います。金沢では、ポータルの多い言葉でも料金のページが入り口になっていました。松山では料金を載せるのはもう当たり前で、入り口になりそうなのは法人化と迷いの言葉です。
規模の面では、足りています。松山税務署の管内で申告をした法人が1万4千あまり、事業所得者が1万8千人あまりいて、登録している税理士の件数は金沢より少なめです。ただし、人口は5年で3%近く減っていて、管内の周辺の市町も減っています。問い合わせの源は、乗り換えや法人化といった変わり目の人だと考えるのが自然です。この点は、御事務所の記録で確かめる必要があります。
競争の面では、中心の言葉はここでもポータルが厚く、「顧問料」「確定申告」は9件中6件がポータルです。ポータルは全国の地名ごとに同じ形のページを持っていて、ホームページだけで上から抜くのは現実的ではありません。この点は地方の会社と全国ポータルでも書きました。一方で、地元の枠は金沢ほど一つの事務所に集まっておらず、12の事務所に散らばっています。そして、中心と迷いの五つの言葉では、その枠がすべてトップページです。問いに答えるページで入っている事務所がまだない、ということで、後から入る事務所にとっては、トップページどうしで競うより、答えのページを置くほうが入りやすい形です。
ですので、条件は、法人化や変更、「頼むべきか」という問いに、自分の事務所に不利な答えも含めて書けること、そして料金表の個人と法人の欄を、同じ売上の例で並べて見せられることです。法人にしないほうがよい場合、税理士を変えないほうがよい場合まで書ける事務所なら、入る場所はあります。反対に、紹介だけで手いっぱいで新しい顧問先を急いでいない事務所であれば、この商圏でホームページに時間をかける意味は薄いと見ます。
判定を確かにするために足りていないのは、次の四つです。
- 各言葉の検索回数。特に「法人化 タイミング 相談」「頼むべきか」「変更したい」は、月に探す人が数人しかいない可能性があります。その場合、一つ目と二つ目の余地は小さくなります。
- 地図枠と広告。税理士の言葉では、地図枠や広告が1ページ目の上を占めていることが考えられますが、今回は確認できていません。
- 周辺市町の言葉と、「法人成り」のような言い換えの検索結果。三つ目の余地は、実際に検索して並びを見るまでは仮説です。
- 御事務所の記録。いま紹介とホームページのどちらから何件来ているのか、法人化の相談をこの一年に何件受けたのか。紹介が十分に回っている事務所と、紹介が細ってきた事務所とでは、同じ余地の意味がまったく違います。
もし引き受けるなら、最初の半年に何をするか
以下は、この商圏で一般的にどういう順番になるか、という話です。お約束の形ではなく、御事務所の現状によって順番は入れ替わります。当社が税理士の顧問分野で運営の実績を持っている、という意味でもありません。
- 問い合わせの入り口を分けて数える。 紹介、ポータル、ホームページ、商工会議所などの窓口経由。どこから来て、そのうち何件が顧問契約や申告の依頼になったか。税理士事務所では紹介の比率が高いことが多く、ここを数えないまま直すと、ホームページが効いたのか紹介が増えたのかが分からなくなります。
- 法人化の相談のページを一本置く。 法人にしないほうがよかった相談、法人にしたあとに事務所と何をやり取りしたか、個人のままの年額と法人にしたときの年額。了解の取れる範囲で、特定されない書き方にします。一般的な目安は他の記事がすでに書いているので、繰り返しません。
- 変更と「頼むべきか」に答えるページを置く。 すでに変更のページがあるなら、新しく作る前に、探す人の言葉で書き直します。変えないほうがよい場合、まだ頼まなくてよい段階も書きます。そのほうが、読んだ人が相談に来る理由がはっきりします。
- 料金の見せ方を直す。 トップから金額まで一度でたどれるようにし、よくある売上の例で年額を示します。ページを新しく作らなくてもできることです。料金を載せるかどうかの考え方は料金を載せるべきかに書いています。
- 周辺市町を検索で確かめてから決める。 東温市や松前町の言葉で何が並ぶかを見て、空いていれば、実際に顧問先がいる市町から順に置きます。顧問先がいない地域のページは作らず、そこに事務所があるように読める作りにもしません。
半年で問い合わせが増えるかというと、そこは動き始めるかどうかの時期です。当社が運営に携わっている相続の事務所でも、数字が動き始めたと感じたのは半年ほど経ってからでした。業種も探され方も違うので、同じ時間で動くとは言えません。
この見本で分からないこと
- 検索結果は、見る人・時点・地域の設定で変わります。ここにあるのは2026年9月24日の一つの記録です。同じ日に別の記事のために検索したときとも、「法人化 タイミング 相談」の並びが少し違っていました。
- 地図枠と広告の表示は、九つすべてで確認できていません。各言葉の検索回数も扱っていません。
- 周辺市町の言葉(「東温 税理士」など)や、業種を絞った言葉、「法人成り」のような言い換えは検索していません。
- 法人数14,240と事業所得者18,605人は松山税務署の管内の数で、松山市だけの数ではありません。事業所得者の区分の細かな定義も確かめきれていません。管内の市町は、国税局のページから読み取りきれず、民間の案内サイトで確かめました。
- 事業所数20,693が民営の事業所だけの数かどうか、5年前からどれだけ動いたかは、確かめきれていません。
- 税理士会松山支部の351件は登録されている税理士の件数で、事務所の数ではありません。支部の範囲が税務署の管内と重なるかも確かめていません。
- 「記帳代行」に出た地元のサイトの一つは開けず、運営者を確かめきれませんでした。
- サイトの確認は、主にトップページと、料金・お客様の声・ブログの各ページを開いて行い、要約を介して読み取った部分があります。サイト内の別の場所に、見落とした情報がある可能性は残ります。同じ日に別の記事で数えたLINEやオンライン面談などの数と一部が違うのは、開いたページの範囲の差と見ています。
- 各事務所の顧問先の数、紹介の割合、ポータルへの掲載料の支払いは、外から分かりません。
御事務所でも、今日できること
調べる道具を入れていなくても、次の三つは今日のうちにできます。
- 「地域名 法人化 タイミング 相談」を検索し、1ページ目を、地元の事務所、他の町の事業者、ポータル、公的なページに分けて数える。地元の事務所のページがあれば、それが問いに答えるページかを見る。
- 「地域名 税理士 変更したい」と「地域名 個人事業主 税理士 頼むべきか」を検索し、地元の枠に出ているのが事務所のトップページか、問いに答えるページかを見る。
- 御事務所の料金表を開き、同じ売上の例で、個人のままの年額と法人にしたときの年額が、計算せずに読めるかを確かめる。
松山で今回やったのは、この三つを九つの言葉と八つのサイトに広げたものです。
この記事にたどり着いた道筋
この記事は、「税理士 集客」のような、業種と悩みを掛け合わせた言葉で読まれることを想定して書いています。その言葉で検索すると、上位には業種名を入れ替えただけの一般論が並びやすいものです。そこに、実際に数えた中身のあるページを置きました。
御事務所のお客様になる経営者も、同じように探しています。「松山 法人化 タイミング 相談」のように、地域と用件と迷いを掛け合わせた言葉です。当社が御事務所の商圏でするのは、それと同じことです。誰が上位にいて、どこが空いていて、御事務所が実際に知っていることで答えられる場所はどこかを数え、そこにページを置く。見込みが立たなければ、調べた結果とともにそうお伝えします。調べ方の中身は商圏調査に書いています。
御事務所の商圏でも、同じ形で調べます
この見本は松山市と税理士を題材にしましたが、形はどの商圏でも同じです。規模を見て、探され方を見て、上位の顔ぶれを見て、業種の決まりを確かめ、入る余地を挙げ、見込みを判定する。同じ税理士でも、金沢と松山では空いている場所が違いました。見込みが立たないときは、その理由をお伝えしてお引き受けしません。
同じ商圏で同業の事務所を同時にお預かりすることはありません。すでにお預かりしている商圏では、お受けできない場合があります。御事務所の商圏でこの形の報告書を見てみたい段階でしたら、相談するからご連絡ください。
出典
- 愛媛県「令和7年国勢調査 地方集計結果―愛媛県―」 https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/177835.pdf
- 松山市「松山市統計ポータルサイト」(推計人口、令和3年経済センサス-活動調査の事業所数) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/tokei/toukei.html
- 高松国税局「統計情報 令和6年度 法人税(税務署別の普通法人数及び通算法人数)」 https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/statistics/r06/pdf/4-2.pdf
- 高松国税局「統計情報 令和6年度 申告所得税(税務署別人員)」 https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/statistics/r06/pdf/2-2.pdf
- 高松国税局「松山税務署」 https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/location/ehime/matsuyama/index.htm
- 管轄ナビ「愛媛県の税務署一覧」(管轄区域の確認に使った民間のサイト) https://kankatsu-navi.jp/zeimusho/ehime-pref/
- 日本税理士会連合会 税理士情報検索サイト「四国税理士会 松山支部」 https://www.zeirishikensaku.jp/NzBranchMembersListPerson/List/MTEw/OA%EF%BC%9D%EF%BC%9D
- 税理士法(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000237
- 国税庁「税理士制度のQ&A 5 税理士事務所」 https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/05.htm
- 「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」(平成14年版の写し。税務の出版社のサイト掲載で、公式の掲載ではありません) http://www.taxcom.co.jp/lib/doc_zeirishi_cm.htm