ロングテールキーワードとは、一つひとつの検索数は少ないものの、種類がとても多い、具体的な検索語のことです。「ホームページ 保守 料金」「口コミ 増やす 方法」のような3語以上の組み合わせや、困りごとをそのまま打ち込んだ語が多くを占めます。
小さな会社のサイトが狙う理由は三つです。用事がはっきりしていて自社の具体的な答えが効くこと、大手やポータルサイトが取りに来ない語が残っていること、そして新しいサイトでも先に検索結果に出始めることです。当社のサイトでも、Google への登録が進んで1週間ほどで、長い語から数位〜十数位に出始めました。
探し方は、Search Console(Google が無料で出している、自社サイトの検索での見え方を確かめる道具)のクエリ、検索窓の予測入力候補(サジェスト)、検索結果の「他の人はこちらも質問」の三つ。注意は二つで、検索数がほとんどない語ばかりを狙わないこと、同じ中身の記事を言い方違いで量産しないことです。
ロングテールキーワードとは:ビッグ・ミドルとの違い
検索語を、検索数の多い順に左から並べたグラフを思い浮かべてください。左端には、とても多く検索される少数の語が高く立ちます。右へ行くほど一つひとつの検索数は小さくなりますが、語の数はずっと続き、恐竜の長いしっぽのような形になります。この右側の、長く続く部分の語がロングテールキーワードです。
| 呼び方 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ビッグキーワード | 「SEO」「ホームページ」 | 検索数が多く、用事が広い。何を知りたいのか語だけでは分からない |
| ミドルキーワード | 「SEO 対策」「キーワード 選定」 | 用事の方向は分かるが、まだ幅がある |
| ロングテールキーワード | 「ローカルseo やり方」「ホームページ 保守 料金」 | 一つの検索数は少ないが、用事がはっきりしている |
この3つの呼び方は、SEO の解説で広く使われている分け方で、Google が定義した用語ではありません。「月に何回以下ならロングテール」という決まった線もなく、解説によって目安が違います。Google 検索セントラルの文書にも「ロングテール クエリ」という言葉は出てきますが、「視覚化や解釈が難しいロングテール クエリが多い場合には、さらに分析が困難になります」という、種類の多さを指す使い方です(2026年10月時点の Google の説明による)。
語の数だけで決まるものでもありません。当社のサイトで表示のあった「小規模事業者持続化補助金 名古屋」は2語ですが、制度の名前と地域まで決まった、十分に具体的な語です。見分けるときは、語の数より「その語だけで、探している人の用事が一つに絞れるか」を見ます。
小さな会社がロングテールを狙う三つの理由
1. 用事が具体的なので、自社の具体的な答えが効く
「ホームページ」と打つ人の用事は、作りたいのか、直したいのか、見たいのか分かりません。「ホームページ 保守 料金」と打つ人は、保守の料金の目安を知りたい人です。用事が一つに絞れれば、答えも一つに絞れます。料金の内訳、地域の事情、毎回聞かれる質問への答えのように、小さな会社が自分の仕事の中に持っている具体的な材料が、そのまま答えになります。
Google の「SEO スターター ガイド」も、そのトピックをよく知っている人と知らない人とでは検索に使う言葉が違うかもしれないと書き、「シャルキュトリ」と検索する人もいれば「チーズボード」と検索する人もいる、という例を挙げています。ロングテールの多くは、専門用語ではない、困っている本人の言葉です。
2. 大手やポータルが取りに来ない語が残っている
検索数の多い短い語の1ページ目は、全国の比較サイトや大手が埋めていることがよくあります。一方で、地域の名前や細かい困りごとを足した長い語には、大手が一つひとつページを用意していないことがあります。地方の会社がどの語から置くとよいかは、地方の会社は大手ポータルに勝てないのかに書きました。
3. 新しいサイトでも、長い語から先に出始める
当社のサイトは、2026年9月30日の時点で、Google の登録(インデックス)に載っていたのが古いページ3本だけでした。10月2日から登録を進め、10月8日に Search Console で28日間の検索パフォーマンスを見ると、表に次のような語が出ていました。
| 検索語(クエリ) | 平均掲載順位 |
|---|---|
| ホームページ 保守 料金 | 2.0 |
| 小規模事業者持続化補助金 名古屋 | 2.0 |
| ローカルseo やり方 | 6.0 |
| ホームページ 見積もり | 6.5 |
| 口コミ 増やす 方法 | 9.0 |
| faqページ 作り方 | 12.5 |
| 名古屋 seo対策 | 45.8 |
登録が進んで1週間ほどで、3語以上の組み合わせのような長い語では数位〜十数位に出始めた、というのが当社の観察です。地域名と業種だけの「名古屋 seo対策」は45.8位でした。
ただし、読み方には注意が要ります。この28日間の合計は表示146回、クリック1回で、順位が出たからといって、まだ読まれてはいません。数週間分の小さなデータで見えた傾向であって、どのサイトでも同じになるという証明ではありません。また、順位が上がっても、それだけでは問い合わせになりません。順位と成果の関係はSEOの順位は上がったのに問い合わせが来ないに書いています。
探し方1:Search Consoleで、すでに出ている長い語を拾う
いちばん確かなのは、自社のサイトがすでに表示されている語です。Google が「このサイトはこの語に関係がある」と見ている証拠だからです。
- Search Console の左のメニューで「検索パフォーマンス」を開きます。
- 下の表の「クエリ」のタブで、表示回数の多い順に並べます。
- 3語以上の語や、文の形になっている語に印を付けます。
- 印を付けた語の行を押し、「ページ」のタブに切り替えて、どのページが出ているかを確かめます。
- そのページが、その語の用事にまっすぐ答えているかを読みます。答えていなければ、答えを足すか、その語のための記事を書くかを決めます。
当社の表には、「インデックス登録されましたが、サイトマップに送信していません」という、Search Console の画面に出る文そのものの語もありました(平均43.0位、表示10回)。画面の文をそのまま打って意味を調べる人がいる、ということです。こうした語には、その文に答える記事(この表示は放っておいてよいか)が向いています。
注意が一つあります。Search Console ヘルプによると、利用者のプライバシーを守るため一部のクエリはレポートから除かれ(匿名化クエリ)、それ以外にも内部的な制限で表に出ないクエリがあります。めったに検索されない長い語ほど、表に出ないことがあると考えておくのが無難です。操作の詳しい手順はサーチコンソールの検索パフォーマンスの見方にまとめました。
探し方2:予測入力候補(サジェスト)と「関連検索」
Google の検索窓に語を打ち始めると、続きの候補が出ます。Google 検索ヘルプによると、この予測入力候補には「Google でこれまでに行われた実際の検索が反映されます」。候補を決めるときには、クエリの言語、検索した場所、注目を集めている関心事、その人の過去の検索も考慮されます。また、ポリシーに反する候補は表示されないことがあります。
- 自社の仕事を表す語(例:「ホームページ 保守」)を打ち、最後に空白を一つ入れます。
- 出てきた候補を書き写します。「料金」「相場」「自分で」「いらない」のように、用事を表す語に注目します。
- 検索結果に出る、ほかの人の検索をまとめた枠(Google 検索セントラルの説明では「関連検索グループ」)も書き写します。
- 書き写した語を、用事ごとにまとめます。同じ用事の言い方違いは、一つのまとまりにします。
予測入力候補から、検索の回数は分かりません。また、場所や自分の検索履歴でも候補が変わるので、自分の画面に出た候補が、お客様の画面にも同じように出ているとは限りません。回数の目安は、キーワード選定のやり方に書いた道具で別に確かめます。
探し方3:「他の人はこちらも質問」と、お客様の質問
検索結果に、質問が並んだ枠が出ることがあります。Google 検索セントラルの「Google 検索の視覚要素ギャラリー」では「関連質問グループ」と呼ばれ、「他の人はこちらも質問」とも呼ばれる、と説明されています。最初の検索に関係する質問のまとまりで、ロングテールの候補がそのまま文の形で並んでいます。
もう一つの源は、お客様から電話や面談で聞かれる質問です。お客様の言い方のまま地域名と並べて検索し、1ページ目に正面から答えているページがなければ、そこが書く場所です。この探し方は士業のブログのネタ切れは、検索結果の空白から次の題を取るに、毎回聞かれる質問を一つのページにまとめる方法はよくある質問(FAQ)ページの作り方に書きました。
注意1:検索数がほとんどない語ばかりを狙わない
ロングテールの語は、一つひとつの検索数が小さいのが前提です。それでも、誰も検索しない語に記事を書けば、検索から来る人はいません。検索結果の1ページ目が空いていても、それが「誰も答えていないから」なのか、「誰も探していないから」なのかは、検索結果だけでは分かりません。
当社は、記事にする語を決める前に、ツールで語ごとの検索数を調べました。たとえば「クロール済み インデックス未登録」は月間検索数の目安が480、「キーワード 選定」は390でした。どちらも検索数の多い語ではありませんが、ゼロではなく、当社が自分の画面で答えられる語です。無料で目安を見るなら、キーワード プランナーや Google トレンドがあります。ただし Google トレンドは0〜100の相対値で、ヘルプによると検索ボリュームの小さい語は「0」と表示されます。トレンドで0だからといって、誰も検索していないとまでは言えません。
判断の目安はこうです。一つの長い語の検索数が見えなくても、その語が含まれる少し広い語(ミドルキーワード)に検索数があれば、同じ用事の言い方違いがまとまって探されている見込みがあります。広い語にも検索数がなく、お客様からも聞いたことのない語なら、後回しにしてかまいません。
注意2:同じ記事を、言い方違いで量産しない
「ホームページ 保守 料金」「ホームページ 保守 費用」「ホームページ 保守 相場」は、言い方は違っても用事は同じです。これを3本の記事に分けると、中身がほぼ同じページが並ぶだけです。当社のサイトでは、保守の費用の話はホームページの保守費用の相場の一本にまとめています。
分けなくてよい理由は、Google の説明にあります。「SEO スターター ガイド」は、すべての検索方法を予測する必要はないと書き、Google の言語の照合の仕組みは、ページとさまざまな検索語との関係を把握できるので、ページにその語句をそのまま書く必要はないとしています。Googleは、生成AIによる検索機能への最適化のガイドでも、「「ロングテール」キーワードが不足しているのではないか、コンテンツを探すユーザーの検索語句のバリエーションをすべて把握できていないのではないか、といった心配をする必要はありません。」と書いています(2026年10月時点)。言い回しを網羅するために記事を増やす必要はありません。この記事で勧めているのは、言い回しを集めることではなく、拾った語から「どの困りごとに答える記事を書くか」を選ぶことです。
反対に、量産には注意が要ります。Google のスパムに関するポリシーでは、次のようなものが挙げられています。
- 誘導ページの不正使用:特定の類似した検索語句で上位に表示されることを目的にサイトやページを作ること。例として「内容が類似する複数のページを作成する」ことなど。
- 大量生成されたコンテンツの不正使用:例として「検索キーワードは含んでいるものの、閲覧者にとってほとんどまたはまったく意味がないコンテンツのページを大量に作成すること」。
- キーワードの乱用:例として、特定の都市や地域で上位に出るために「都市名や地域名を羅列したテキストのブロック」。
同じ用事かどうか迷ったら、二つの語でそれぞれ検索して1ページ目を見比べます。同じページが多く並んでいれば一本で受け、並びがまるで違えば別の記事にする、というのが目安です。用事の見分け方は検索意図とはに、地名や業種名だけを入れ替えたページの考え方は業種別・地域別のページは、名前を入れ替えるだけなら作らないに書きました。
ロングテールの記事の書き方:題に語をそのまま、冒頭で答える
拾った語で記事を書くときは、三つを守ります。
- 題の頭のほうに、その語を読む人が打った形のまま入れます。社内の呼び名に言い換えません(記事のタイトルは読む人が打つ言葉で付ける)。
- 冒頭の数行で、その語の用事に答えます。「保守 料金」なら、料金の幅と、その幅が何で決まるかを先に書きます。
- 同じ用事の周りにある細かい語(「自分で」「いらない」「勘定科目」など)は、別の記事にせず、同じ記事の見出しで答えます。
ロングテールは一本あたりの検索数が小さいので、問い合わせの目標に届くには、どのくらいの本数とアクセスが要るかを先に見積もっておくと、途中で迷いません。問い合わせ目標から逆算する計算ツールで目安を出せます。
当社は、ホームページの運営に加わり、Search Console の語を拾うところから、記事を書き足し、問い合わせが来るまでを見ています。自社の地域と業種で、空いている長い語がどこにあるかを知りたい場合は商圏調査を、拾った語をどう記事にするか一緒に決めたい場合は相談するからお知らせください。
参考にした公式の説明
- SEO スターター ガイド(Google 検索セントラル)
- Search Console のバブルチャートで SEO を改善する(Google 検索セントラル)
- Google 検索の視覚要素ギャラリー(Google 検索セントラル)
- Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル)
- Google 検索における生成 AI 機能への最適化のための Google ガイド(Google 検索セントラル)
- Google の予測入力候補の仕組み(Google 検索 ヘルプ)
- パフォーマンス レポート(検索結果): ディメンションとデータのグループ化(Search Console ヘルプ)
- Google トレンドのデータに関するよくある質問(トレンド ヘルプ)