SEOのキーワード選定のやり方:小さな会社が検索数と自社の強みで選ぶ手順

キーワード選定は、「どの検索語で探している人に、自社のどのページで答えるか」を決める作業です。当社は2026年10月、自社サイトの記事を増やすときに、次の4つの順で選びました。

  1. 候補の語ごとに、月にどのくらい検索されているか(検索数)を調べる。
  2. 検索数のある語のうち、自社の画面・数字・経験で答えられる語のまとまり(群)を選ぶ。
  3. Search Console(Google が無料で出している、自社サイトの検索での見え方を確かめる道具)で、すでに検索結果に出ている語と順位を見る。
  4. 一つの記事に一つの用事を割り当てる。言い方が違うだけの語は、同じ記事で受ける。

要点は2番目です。検索数の多い順に書くのではなく、「自社にしか書けないことがあるか」で先にふるいにかけます。検索数の目安は、Google のキーワード プランナーや Google トレンドでもつかめます。この記事では、4つの手順を当社の実際の数字で説明し、無料の道具で分かること・分からないことを、公式のヘルプで確かめた範囲で書きます。

キーワード選定で決めるのは、語ではなく「答える用事」

Google 検索セントラルの「SEO スターター ガイド」は、「ユーザーがコンテンツを探すときに検索しそうなキーワードを考えてみましょう」と書き、そのトピックをよく知っている人と知らない人とでは、検索に使う言葉が違うかもしれないと説明しています(2026年10月時点の Google の説明による)。

同じガイドは、すべての検索方法を予測する必要はない、とも書いています。Google の言語の照合の仕組みは、ページとさまざまな検索語との関係を把握できるので、ページにその語句をそのまま書く必要はない、という説明です。つまり、キーワード選定で決めるのは「この文字列を何回入れるか」ではありません。「この言い方で探している人の用事に、どのページで答えるか」です。

もう一つ、Google が「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」の中で、避けるべき例として挙げている問いがあります。「検索トラフィックを獲得できると考えて、実際の経験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱うことにしましたか。」検索数だけを見て語を選ぶと、この形になりがちです。当社が「検索数」と「自社が答えられるか」の両方で選んだのは、このためです。

手順1:候補の語を並べ、検索数を調べる

当社は、SEO ツール「パスカル」で、候補の語ごとに月間検索数の目安を調べました。2026年10月に当社が見た数字の例です。

検索語月間検索数の目安この語で書いた記事
Googleビジネスプロフィール ログイン3,600ビジネスプロフィールのログイン方法
GA4 ログイン3,600GA4のログイン方法
WordPress 脆弱性1,600WordPressの脆弱性とは
クロール済み インデックス未登録480この表示の原因と対処
キーワード 選定390この記事

検索数は、どのツールでも Google の実際の回数そのものではなく、推定です。ツールが違えば数字も違います。同じツールの中で、語どうしを比べる目安として使います。

一部の語では、ツールが出す「難易度」も見ました。「ai ホームページ 作成」は4.0で「難しい」、「aiで ホームページを作る方法」は3.0で「狙い目」、「ai ホームページ 作成 wordpress」は2.0でした。この3つでは、語が長く具体的になるほど低く出ました。ただし難易度はツールが独自に計算した目安で、Google が出している数字ではありません。入れるかどうかの最後の判断は、その語で実際に検索して、1ページ目に誰が並んでいるかを見て決めます。数え方は競合調査のやり方:検索結果の1ページ目を数えるに書きました。

候補の語の集め方

候補は、お客様が電話や面談で口にした言い方、Google の検索窓に出る予測入力候補(サジェスト)、検索結果に出る「他の人はこちらも質問」から集めます。3語以上の長い語の探し方は、ロングテールキーワードとはにまとめました。

この段階で外してよい語

  • 検索数がほとんどない語。書いても探しに来る人がいません。似た用事で検索数のある言い方がないかを探します。
  • 検索数は多いのに、別の意味に取られている語。たとえば地名が名字と重なる語では、1ページ目が同じ名前の別の会社で埋まることがあります(狙った検索語が別の意味に取られているとき)。
  • 自社の仕事とつながらない語。表示回数は増えても、仕事の相談にはつながりません。当社でも、検索結果に出た回数がいちばん多かったのは、本業から離れた題の記事でした。

検索数を無料で調べる方法:公式ヘルプで確かめた範囲

有料のツールがなくても、Google の道具で目安はつかめます。それぞれで分かることは違います。

道具分かること注意
キーワード プランナー(Google 広告)語ごとの月間の検索数の見積もり、関連する語の候補広告用の道具。アカウント設定が要る。「競合性」は広告主の多さ
Google トレンド関心の移り変わり、季節、地域、関連する語0〜100の相対値で、回数ではない
Search Console自社サイトが実際に表示された語と順位表示された語しか出ない。一部の語は表に出ない
予測入力候補(サジェスト)実際に検索されている言い方回数は分からない。場所や履歴で変わる

キーワード プランナー:「競合性」はSEOの難しさではない

キーワード プランナーは、Google 広告の中にある、検索広告のキーワードを調べる道具です。Google 広告ヘルプによると、開き方と使い分けは次のとおりです(2026年10月時点)。

  1. Google 広告で「ツール」メニューから「キーワード プランナー」に移動します。
  2. 候補の語を広げたいときは「新しいキーワードを見つける」を選び、自社の仕事に関係する語を入れます。
  3. 手元の語の数字を見たいときは「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選び、語を貼り付けます。

ヘルプでは「月間平均検索ボリューム」を、「指定した月単位の期間と検索ネットワーク上の地域で、キーワードとその類似パターンが検索された平均回数」と説明しています。地域の指定で数字が変わるので、地域の仕事なら、その地域に絞った数字も見ます。

読み違えやすいのが「競合性」です。ヘルプの説明では、個々のキーワードを Google が扱うすべてのキーワードと比べ、「入札している広告主の数を相対的に示す指標」で、「低」「中」「高」で出ます。広告を出している会社の多さであって、自然検索(広告ではない検索結果)で上位に入る難しさを示す数字ではありません。ドメインパワーのように、Googleの指標ではない数字の見方は、ドメインパワーとは:Googleの指標ではない数字の調べ方と付き合い方にまとめています。

なお、ヘルプには、基本機能を使うには「お支払い情報を入力して、アカウント設定を完了する必要があります」とあります。広告費を払わずにどこまで見られるか、数字がどの細かさで出るかは、ヘルプの記載からは当社では確かめられませんでした。使う前に、自社のアカウントの画面で確かめてください。

Google トレンド:回数ではなく、比べるための数字

Google トレンドのヘルプによると、数値は検索データを正規化して「0~100 の範囲で調整」したもので、検索ボリュームの小さい語は「0」と表示されます。ですから「月に何回」は分かりません。分かるのは、語どうしの比べ合い、季節の山、地域の差です。Google 検索セントラルの「Google トレンドを使ってみる」では、検索ボックスに語を最大5つまで入れて比べ、「関連トピック」と「関連クエリ」のカードを見る使い方が紹介されています。同じページは、トレンドだからという理由だけでトピックを選ぶべきではない、とも書いています。

ほかの道具の使い分けは、無料のSEOツールに分けて書きました。

手順2:自社が一次情報を出せる語の群を選ぶ

検索数を並べたら、語を用事のまとまり(群)に分けます。そして群ごとに、「自社の画面、数字、現場の経験で、ほかの記事に書いていないことを出せるか」を見ます。一次情報とは、自分で見た画面、自分で測った数字、自分でやった手順のことです。当社の場合は次のようになりました。

語の群検索数の例当社が出せた一次情報決めたこと
Search Consoleクロール済み インデックス未登録 480自社サイトの登録の記録優先して書く
GA4GA4 ログイン 3,600自社の GA4 の28日間の数字優先して書く
WordPressWordPress 脆弱性 1,600自社の管理画面で見た表示優先して書く
Googleビジネスプロフィール同 ログイン 3,600なし公式ヘルプだけを根拠に書く

Search Console、GA4、WordPress の管理画面、AI でのサイト運営は、当社が自分の画面と数字を出せる群でした。Googleビジネスプロフィールの群は、検索数は GA4 と同じくらいあっても、当社には運用した経験の数字がありません。そこで、この群は Google の公式ヘルプだけを根拠にし、当社の考えを書くときは「見立て」と明記しました。経験を作って書くことはしません。

この選び方は、Google の説明とも合っています。先の「ユーザー第一のコンテンツ」のページは、自分で確かめる問いとして「コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか」を挙げています。

小さな会社が持っている一次情報

一次情報は、特別な調査をしなくても、ふだんの仕事の中にあります。料金の内訳と、追加になりやすい費用。お客様から毎回聞かれる質問と、その答え。地域ならではの事情(役所の窓口、気候、交通)。作業の手順と、つまずきやすいところ。自社で数えた件数や期間。こうした材料を出せる群から先に書けば、上位の記事と同じ一般論の繰り返しになりにくくなります。

判断の基準は一つです。一次情報も専門の知識もない群は、書かないか、公式の出典だけを根拠に書いてそう明記するか、のどちらかにします。検索数が多いことは、書く理由にはなっても、書ける理由にはなりません。

手順3:Search Consoleで、すでに表示されている語と順位を見る

Search Console の「検索パフォーマンス」には、自社サイトが実際に検索結果に出た語(クエリ)と、そのときの平均掲載順位が出ます。ツールの検索数が「世の中でどれだけ探されているか」を示すのに対し、こちらは「Google が自社サイトをどの語に関係あると見ているか」を示します。

当社サイトのデータは2026年9月30日からあり、10月8日に見た28日間の合計は、表示146回、クリック1回でした。表に出ていた語の例です。

クエリ平均掲載順位次にやること
ホームページ 保守 料金2.0その語の用事に合わせて記事を磨く
ローカルseo やり方6.0同上
口コミ 増やす 方法9.0同上
faqページ 作り方12.5足りない答えを足す
社労士 集客15.0足りない答えを足す
名古屋 seo対策45.8答えるページを作るか、狙わないか決める

表示がある語は、Google がすでに自社のページと関係があると見ている語です。新しい語を探すより、ここから手を付けるほうが早いことがあります。Google 検索セントラルの「Search Console のバブルチャートで SEO を改善する」も、掲載順位とクリック率がどちらも低いクエリのうち、サイトにとって重要なものについて「最適化は容易なので、これらのクエリの最適化を優先しましょう」と書いています。

サイトを作ったばかりで、まだ表示がほとんどないなら、この手順は飛ばしてかまいません。当社のサイトも、9月30日の時点で Google の登録(インデックス)に載っていたのは古いページ3本だけでした。登録が進んでから1週間ほどで、3語以上の長い語で数位〜十数位に出始めています。登録が進んだら、この画面に戻ってきてください。経緯は9日で3ページから98ページになった記録に書きました。

注意が一つあります。Search Console ヘルプによると、利用者のプライバシーを守るため一部のクエリはレポートから除かれ、内部的な制限で重要な行だけが表示されます。表にない語は「出ていない」とは限りません。画面の操作と数字の読み方は、サーチコンソールの検索パフォーマンスの見方にまとめています。

手順4:一つの記事に一つの用事を割り当てる

最後に、選んだ語を記事に割り当てます。当社は記事ごとに、「主に狙う語」と「あわせて答える語」を表にしてから書きました。この記事なら、主に狙う語は「キーワード 選定」と「seo キーワード 選定」、あわせて答える語は「ツール」「検索数」「難易度」です。二つの主な語は言い方が違うだけで用事は同じなので、一本の記事で受けます。

反対に、近い話題でも用事が違えば記事を分けます。「ロングテールキーワードとは」と調べる人は言葉の意味と狙い方を、「検索意図とは」と調べる人は記事の中身の合わせ方を知りたいので、それぞれロングテールキーワードの記事と検索意図の記事に分けました。

記事主に狙う語あわせて答える語
/keyword-sentei/キーワード 選定ツール、検索数、難易度
/longtail-keyword/ロングテールキーワード例、探し方、ビッグ・ミドル
/kensaku-ito/検索意図種類、調べ方

この対応表は、表計算ソフトの1行に1記事で十分です。列に「出せる一次情報」を足しておくと、手順2の判断も残せます。

同じ用事かどうかの見分け方

迷ったら、二つの語でそれぞれ検索し、1ページ目を見比べます。同じページが多く並んでいれば、Google も同じ用事と見ている目安になり、一本にまとめます。並びがまるで違えば、別の用事として分けます。並ぶページの種類(説明の記事か、手順か、お店の地図か)で用事を見分ける方法は、先に挙げた検索意図の記事に書きました。

語違いのページは増やさない

Google のスパムに関するポリシーは、「特定の類似した検索語句で検索結果の上位に表示されることを目的にサイトまたはページを作成すること」を誘導ページの不正使用としています。地名や言い回しだけを替えた、中身がほぼ同じページを並べるのはこれに近づきます。地域名や業種名だけを入れ替えたページをどう考えるかは、業種別・地域別のページは、名前を入れ替えるだけなら作らないに書きました。

新しく書く前に、自社のサイトにすでに同じ用事に答えるページがないかも確かめます。あれば、新しい記事にするより、今あるページに答えを足すほうが先です。判断の順番は過去の記事を書き直すべきか、新しく書くべきかにまとめています。

選んだあと:題に入れて書き、数か月後に結果で確かめる

主に狙う語は、記事の題の頭のほうに、読む人が打つ形のまま入れます。社内の呼び名を題の頭に置かないことは、記事のタイトルは読む人が打つ言葉で付けるに当社の付け替えの例とあわせて書きました。

正直に書くと、この選び方の結果(検索からのアクセスや問い合わせ)は、まだ出ていない段階です。当社は数か月後に、Search Console と GA4 で、選んだ語で表示が出たか、順位とクリックはどうか、問い合わせにつながったかを確かめます。数か月たっても表示がほとんど出ない群があれば、手順1か2に戻って選び直します。

何本くらい書けば問い合わせの目標に届くのかを先に見積もりたい場合は、問い合わせ目標から逆算する計算ツールで、必要なアクセス数と記事数の目安を出せます。

よくあるつまずきと、その場での直し方

つまずき起きやすいこと直し方
検索数の多い短い語だけを狙う大手やポータルが1ページ目を埋めていて入れない用事が具体的な長い語から書く
社内の呼び名で選ぶ誰もその語で検索しないお客様の言い方に直す
同じ用事で語違いの記事を何本も書く自社の記事どうしが重なる一本にまとめ、ほかから案内する
一次情報のない分野に広げる上位の記事と同じ一般論になる書かないか、公式を根拠にしてそう書く

短い語が大手に埋められているときの考え方は、地方の会社は大手ポータルに勝てないのかに書きました。

当社は、ホームページの運営に加わり、どの語で探す人に答えるかを決めるところから、記事と題の手直し、問い合わせの件数を数えるところまでを引き受けています。自社の地域と業種で、どの語なら入れそうかを先に知りたい場合は商圏調査を、選定から任せたい場合は相談するからお知らせください。

参考にした公式の説明