Search Console(サーチコンソール。Google が無料で出している、自社のサイトが Google の検索でどう見えているかを確かめる道具)の使い方を調べると、登録の手順から十いくつの機能の説明まで、一通りそろった記事がたくさん出てきます。読み終えても、明日から何をどれだけ見ればよいのかが決まらない。この記事は、そういう方のために書いています。
先に結論を書きます。Web の担当者がいない中小企業なら、月に一度、三つの画面を開けば足ります。「検索パフォーマンス」でクリックが減っていないかを見る。「ページ」(ページのインデックス登録)で、大事なページが Google の台帳から漏れていないかを見る。「URL 検査」で、トップや料金のページを一つずつ確かめる。そして、見たあとに何を決めるかまでを、画面ごとに書きます。
結論:月に一度、三つの画面で見ることと決めること
Google 自身も、毎日見ることは求めていません。Search Console ヘルプの「Search Console の基本的な使用方法(ウェブサイトの所有者向け)」では、登録しておけばサイトに異常が起きたときにメールが届くこと、そして毎月定期的にダッシュボードを確認し、エラーの数が増えていないか、クリック数が異常に減っていないかを調べることが勧められています。同じヘルプの中小企業の経営者向けの案内には、サイトにかける時間があまりないなら Search Console を使う必要はまったくないかもしれない、とまで書かれています。
当社はそのうえで、月に一度、次の三つだけを見る形にしています。全部の機能を覚えるより、見る場所と決めることを絞ったほうが続くからです。
| 画面 | 見る数字 | 見たあとに決めること |
|---|---|---|
| 検索パフォーマンス | クリック数と表示回数を前年の同じ時期と並べる。表示はあるのにクリックの少ないページ | 減っていれば原因を二つ目・三つ目の画面で探す。題を付け替えるページを一つ選ぶ |
| ページ(インデックス登録) | 「未登録」の数の増え方と、その理由の欄 | 大事なページが含まれていれば直す。意図して外したものなら何もしない |
| URL 検査 | トップ、料金、主なサービス、先月書いた記事の判定 | 登録されていないページだけ、登録をリクエストするか、サイトマップを見直す |
三つの順番には理由があります。検索パフォーマンスで「何かが減った」と気づき、ページの画面で「どこで漏れているか」をつかみ、URL 検査で「この一枚はどうか」を確かめる。広いところから狭いところへ降りていく順番です。
始める前に:プロパティの追加と所有権の確認
Search Console では、見たいサイトを「プロパティ」として追加し、そのサイトの持ち主であることを確かめる手続き(所有権の確認)を済ませると、データが見られるようになります。Search Console ヘルプによると、プロパティには二つの種類があります。
- ドメイン プロパティ:http と https、www の有無などのサブドメインをまとめて集計します。所有権の確認は、ドメインの管理画面で DNS レコード(ドメインの設定に書き込む一行)を追加する方法だけです。
- URL プレフィックス プロパティ:指定した URL で始まるページだけを集計します。http と https は別のプロパティになります。確認の方法は、HTML ファイルのアップロード、HTML タグ、Google アナリティクスのトラッキング コード、Google タグ マネージャー、DNS レコードから選べます。
ドメインの管理画面に入れるならドメイン プロパティ、入れないなら URL プレフィックスで HTML タグ、というのが当社の選び方です。ヘルプには、データが表示され始めるのは追加の数日後とあります。登録から所有権の確認までの手順は、サーチコンソールの設定方法に順を追って書いています。
一つ注意があります。ヘルプには、確認用のファイルやタグをサイトから削除すると、確認されていない状態に戻ると書かれています。HTML タグで確認しているサイトでは、テーマの入れ替えやリニューアルでタグが消え、知らないうちに見られなくなっていることが起こりえます。制作会社が自分のアカウントで登録したままで、御社の側では誰も開けない、という形もありえます。まず、御社の誰かが自分の Google アカウントで開けるかどうかを確かめてください。開けないときや、プロパティが出てこないときの確かめ方は、サーチコンソールのログイン方法に書きました。
1つ目の画面:検索パフォーマンスで、クリックが減っていないかを見る
左のメニューの「検索パフォーマンス」を開くと、グラフと表が出ます。Search Console ヘルプでの四つの数字の意味は次のとおりです。
- クリック数:Google の検索結果から、サイトがクリックされた回数
- 表示回数(ヘルプでは「インプレッション数」):サイトが検索結果に表示された回数
- CTR(クリック率):クリック数を表示回数で割った値
- 平均掲載順位:検索結果に出たときの、サイトのいちばん上の位置の平均
何も触らないと、過去3か月分が表示されます。月に一度見るときに当社が変えるのは、期間だけです。四つの数字の読み方と、数字の組み合わせから次に何をするかは、検索パフォーマンスの見方にまとめました。
先月と比べず、前年の同じ時期と比べる
Google 検索セントラルの「Google 検索のトラフィック減少をデバッグする」という資料では、期間に「過去 16 か月」を選んで毎年起きる減り方ではないかを確かめること、「過去 3 か月を前年比」を選んで前年の同じ時期と比べることが挙げられています。年度末に動く業種、季節で客足が変わる業種では、先月より減ったという事実だけでは判断できません。
見るのは、クリック数のグラフが前年と比べて大きく落ちていないか、という一点です。落ちていなければ、この画面での確認は終わりです。落ちていれば、表の「ページ」のタブに切り替え、どのページで減ったのかを見ます。サイト全体で一様に減っているのか、一つのページが消えたのかで、次に開く画面での探し方が変わります。なお、最新の数日分は暫定のデータで、グラフでは点線で示されます。月の初めに見るなら、終わったばかりの数日分は割り引いて読みます。
表示はあるのにクリックが少ないページを一つ選ぶ
減っていない月にも、決められることが一つあります。表の「ページ」のタブで表示回数の多い順に並べ、CTR がほかのページより目立って低いものを一つ選びます。検索結果には出ているのに押されていないページで、題や説明文が、探している人に「自分の用件だ」と思わせていない可能性があります。当社が自社の記事の題を付け替えたときの手順と、変えるのは題と説明文だけで URL は変えない、という判断は記事の題を付け替えたときの記録に書いています。
表示回数そのものが少ないページは、題を直しても押されるようにはなりません。それは題より前の、中身と言葉の問題です。
「クエリ」の表は、全部ではない
表の「クエリ」のタブには、検索された言葉が並びます。ただし Search Console ヘルプによると、利用者のプライバシーを守るため、一部の言葉は表から除かれています。表の言葉を足し上げても、グラフの合計に届かないのはそのためです。また、ヘルプでは、社名などを含む言葉と含まない言葉を分けて見るフィルタも案内されていますが、表示回数が少ないサイトでは使えないと書かれています。
社名で検索されている割合を見て、まだ御社を知らない人の入口になっているかを確かめる見方は、問い合わせを増やす順番の記事の2段階目に書きました。月に一度の確認では、そこまで踏み込まなくてかまいません。
もう一つ、ここに出る数字は問い合わせの件数ではありません。クリックが増えても、それはサイトに入ってきた人が増えたというところまでです。問い合わせの件数は受付の記録で数え、GA4(Google のアクセス解析)でどこまでが数えられるかはGA4で問い合わせを計測した記事に書いています。
2つ目の画面:「ページ」で、大事なページが台帳から漏れていないかを見る
左のメニューの「インデックス作成」の下にある「ページ」を開きます。ヘルプでの名前は「ページ インデックス登録レポート」です。インデックスは、Google が検索結果に出せるページを記録しておく台帳のことで、この画面には、サイトのページが台帳に「インデックス登録済み」か「未登録」かが、数とグラフで出ます。
最初に知っておくとよいのは、未登録がゼロになることは目指さなくてよい、ということです。ヘルプには、サイトのすべての URL が登録されるわけではなく、重複したページや代替のページは登録されない、目標はすべての重要なページの正規の版が登録されることだ、と書かれています。未登録の数が多いこと自体は、問題とは限りません。
画面の下には、未登録の理由ごとに件数が並びます。よく見かける理由と、ヘルプでの意味は次のとおりです。
| 理由の表示 | ヘルプでの意味 | 当社の読み方 |
|---|---|---|
| 検出 – インデックス未登録 | Google に見つけられたが、まだクロール(読みに来ること)されていない | 新しいページなら、しばらく待つ |
| クロール済み – インデックス未登録 | 読みに来たが、登録はされていない | 大事なページがここにあれば、中身を見直す候補 |
| URL に noindex が指定されています | 検索に出さないという指定があったため登録されなかった | 意図した指定か、設定の消し忘れかを確かめる |
| ページにリダイレクトがあります | 別のページへ転送している URL なので登録されない | 転送を入れたページなら、問題なし |
| 代替ページ(適切な canonical タグあり) | 別のページの代わりとして示されている | 多くは問題なし |
| 見つかりませんでした(404) | ページを求めたら 404(ページがない)が返った | 消したページなら問題なし。大事なページなら転送を検討 |
月に一度見るのは二つです。一つは、グラフの「未登録」が先月から急に増えていないか。もう一つは、理由の行を一つずつ開いて、トップ、料金、主なサービスのページといった、御社にとって大事なページが含まれていないかです。
当社が特に気にしているのは、noindex の行です。リニューアルのあいだ、作りかけのサイトを検索に出さないよう noindex を指定し、公開後にその指定を外し忘れる。WordPress では、設定の「表示設定」にある「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」に印が残っている、という形で起こります。この行にサイトのほとんどのページが並んでいたら、まずここを疑います。
決めることは、直すか、そのままにするかです。大事なページが含まれていて原因が分かったら直し、その理由の画面にある「修正を検証」を押して、Google に確かめてもらいます。意図して外したページ、消したページ、転送を入れたページなら、何もしなくてかまいません。理由の表示ごとの意味と対処は、インデックスされない原因の見分け方に一覧にしています。
3つ目の画面:URL 検査で、大事なページを一つずつ確かめる
画面のいちばん上の欄に、自社サイトのページの URL を入れると、そのページ一枚の状態が出ます。Search Console ヘルプでの主な判定は三つです。
- URL は Google に登録されています:登録されていて、検索結果に表示される可能性がある
- URL は Google に登録されていますが問題があります:登録はされているが、ページに付けた機能の一部が表示されないことがある
- URL が Google に登録されていません:この URL は検索結果に表示されない
ここに出る情報は、直近に登録されたときのページのもので、いま公開している版とは限りません。いまの版を確かめたいときは、「公開 URL をテスト」を押すと、その場でページを取りに行って調べてくれます。ただしヘルプには、テストの結果がよくても登録を保証するものではない、とあります。
当社のサイトでは、多くのページが「認識されていません」だった
この画面を月に一度の確認に入れているのは、当社自身が見落としていたからです。2026年10月2日、当社は自社のサイトの主なページを URL 検査で一つずつ調べました。固定ページの大半と新しい記事の多くが「URL が Google に認識されていません」という表示で、登録済みと確かめられたのは、トップページ、料金のページ、記事5本ほどでした。サイトマップ(ページの一覧を Google に渡すためのファイル)は用意されていたのに、Search Console からは一度も送っていませんでした。
そのあと、サイトマップの目次を送ると「取得できませんでした」になり、中の子の一覧を一つずつ送ると読み込まれた、という経緯がありました。その記録と、同じ表示が出たときの手順はSearch Consoleでサイトマップが「取得できませんでした」と出たときにまとめています。ここで言いたいのは一つだけで、検索パフォーマンスの数字を眺めているだけでは、そもそも台帳に載っていないページには気づけない、ということです。
「インデックス登録をリクエスト」は、少数のページにだけ使う
登録されていないページには、同じ画面から「インデックス登録をリクエスト」を出せます。Google の資料には、次のことが書かれています。リクエストには1日あたりの上限があること。リクエストしても、検索結果に出るとは限らないこと。同じ URL を何度リクエストしても早くはならないこと。ページが多いならサイトマップを送ること。クロールには数日から数週間かかることがあること。
当社が10月2日に主なページ18件のリクエストを出したときは、1件ごとに完了まで40〜60秒かかりました。何十件もあるなら、URL 検査で一つずつ押すより、サイトマップが送られているかを先に確かめるほうが早く済みます。
月に一度調べるのは、トップ、料金、主なサービスのページ、それに先月書いた記事を合わせて五つほどで足ります。決めることは、登録されていないページがあれば、それだけリクエストを出す。いくつも並ぶなら、サイトマップの状態を見直す。この二択です。
見たことを一行で残す。残りの画面はいつ開くか
三つの画面を見たら、日付と一緒に一行で書き残します。たとえば「10月:前年同期比でクリックは横ばい。未登録の増加なし。料金のページは登録済み。先月の記事2本は未登録のためリクエスト。来月は題を一つ付け替える」。数字を写すより、何を決めたかを書くほうが、翌月の自分の役に立ちます。数字が動いたとき、それが題を変えたせいなのか季節のせいなのかを見分けるにも、決めた日の記録が要ります。
この三つのほかにも画面はたくさんありますが、当社は月に一度の確認には入れていません。ヘルプにあるとおり、ハッキングやインデックス登録の問題などはメールで知らせが届くからです。届いたときに、その画面を開けば足ります。例外は、検索パフォーマンスでクリックが大きく落ちていた月です。先の Google 検索セントラルの資料にならって、「手動による対策」と「セキュリティの問題」の画面も開き、何も出ていないことを確かめます。
当社が運営をお引き受けしている先では、毎月の報告に、この三つの画面から読んだことと、問い合わせの件数、面談に進んだ件数、そこから決めたことを並べています。順位や表示回数だけを並べた報告がなぜ判断に使えないかは、順位が上がったのに問い合わせが来ないときの報告書の読み方に書きました。
今日、自社で確かめられること
- 自分の Google アカウントで Search Console を開き、自社のサイトのプロパティが出てくるかを見る。出てこなければ、制作会社などが登録したまま、御社の側に権限がない状態です。
- 「検索パフォーマンス」で期間を「過去 3 か月を前年比」にし、クリック数のグラフが前年と比べて大きく落ちていないかを見る。
- 「ページ」を開き、未登録の理由の行に、トップや料金など大事なページが入っていないかを見る。noindex の行は特に確かめる。
- 「URL 検査」に、トップ、料金、主なサービス、先月書いた記事の URL を入れ、「URL が Google に登録されていません」と出るページがないかを見る。
- 左のメニューの「サイトマップ」を開き、「送信されたサイトマップ」が空になっていないかを見る。
- 見たことと決めたことを、日付と一緒に一行で書き残し、来月の同じ日に予定を入れる。