過去の記事を書き直すべきか、新しく書くべきか。手をつける順番

記事が何十本かたまっている。自社で書いたものもあれば、業者に書いてもらったものもある。どちらにせよ費用と時間はかかっているのに、問い合わせにはつながっていない。本数が足りないのだろうか、と考えたくなるところです。

当社の答えは、新しく書く前に、いまある記事を書き直す、です。問題を抱えた記事がある状態で本数を足せば、同じ問題を抱えた記事が増えるだけだからです。

検索結果に出ない設定のまま置かれている記事がありました

当社が運営に携わっている相続の事務所のサイトで、中を一本ずつ確認していくと、検索結果に出ない設定のまま置かれている記事がありました。書かれてはいて、サイトの中からは読める。けれど検索する人の前には一度も出ていない記事です。読んでも中身の薄い記事もありました。

新しく書き足すより先にしたのは、すでにあるものをとにかく書き直して品質を上げることでした。数字が動き始めたと感じたのは、始めてから半年ほど経ってからです。同じ時期に相談への案内なども少しずつ変えていたので、書き直しだけが効いたとは断定できません。その事務所で二年のあいだに何をしたかは相続の事務所のホームページで、二年のあいだにやったことにまとめました。

こうなる理由は、だいたい決まっています。公開前の試作段階で「まだ表に出さない」設定にして、そのまま公開日を迎えた。サイトを作り直したときに、古い設定が引き継がれた。記事の種類ごとに一括で設定していて、そのうちの一つが抜けていた。

どれも、誰かが手を抜いたから起きることではありません。設定は表に出ていない場所にあることが多く、記事を書いている人からは見えません。何十本も抱えていれば、そのうちの何本かがそうなっていても不思議はないと考えています。心当たりがあれば、制作会社に「検索結果に出ない設定になっている記事がないか確認してほしい」と伝えるのが早い方法です。

道具を入れていなくても、その場で確かめられること

順番に試せます。

  1. 記事の題を、そのまま検索窓に入れます。一字一句そのままで結構です。御社のページが上のほうに出てくるでしょうか。古い記事と新しい記事から、三本ずつくらい試してください。
  2. 検索窓に site: と御社のドメインを続けて入力します(例:site:example.co.jp)。検索エンジンが把握している御社のページが並びます。記事の本数と比べて、極端に少なくないでしょうか。
  3. 記事の一覧を上から眺めて、公開日や更新日を見ます。制度や料金に触れている記事で、当時のまま止まっているものはないでしょうか。
  4. 同じ題材の記事が、いくつも並んでいないでしょうか。言い回しを変えただけで、答えている問いは同じ。そういう組み合わせを探してください。

1で、題をそのまま入れているのに自社のページが出てこない場合、その記事は検索エンジンに把握されていないか、把握されていても評価されていないかのどちらかです。題名そのままというのは、御社以外に競う相手がほとんどいない条件です。それで出てこないなら、書き方の巧拙より前の話です。2でも出てこないなら、先ほどの設定を疑ってください。記事を投稿する画面に、検索結果に表示させるかどうかの項目があれば、そこも見てください。

3と4は、書き直す対象を選ぶための確認です。古いままの記事は、読んだ人に「ここは今どうなのだろう」と思わせます。同じ題材の記事が複数あるのは、御社の中で票が割れている状態です。

道具を入れている場合に見る場所

Search Console なら、検索パフォーマンスで、どの記事がどんな言葉で表示されているか。表示はされているのに、ほとんど読まれていない記事はどれか。ページのインデックス登録で、登録されていないページの数とその理由。アナリティクスなら、ページ別の数字で、どの記事が読まれているか。

見る目的は、順位の良し悪しを採点することではありません。どの記事に、すでにわずかでも人が来ているかを知ることです。

そもそもサイト全体でアクセスがほとんどない状態であれば、原因は記事の質より手前にあるかもしれません。その切り分けはホームページのアクセスが増えない原因と、その場でできる確かめ方に書きました。

どれから手をつけるか

全部を一度に直すことはできません。当社は次の順で見ています。

一つ目は、すでにわずかでも読まれている記事です。表示はされているけれど、上位ではない。少しだけ人が来ている。こういう記事は、土俵にはすでに上がっています。まったく見られていない記事を引き上げるより、手を入れた結果が返ってきやすい位置にあります。

二つ目は、相談に近い話題の記事です。読んだ人が、そのまま御社に問い合わせる理由を持つ話題かどうか。費用のこと、手順のこと、期限のこと、判断に迷う場面のこと。業界の一般論や社内の出来事を書いた記事は、どれだけ読まれても相談には近づきません。

三つ目は、情報が古くて信用を落としている記事です。ただ、内容が事実として今と違っているもの、たとえば終わった制度や、変わった料金がそのまま書かれているものは、順番を待たずに直してください。書き直しというより、訂正に近い作業です。

この三つで並べ替えると、上のほうに数本が残ります。まずはそこからで十分です。

書き直しで変えるのは、二つです

答える問いを一つに絞る。 一本の中で、制度の説明も、御社の紹介も、注意点も、費用のことも扱っている記事は、検索する人の一つの問いに答えきれません。書き直すときは、まず「この記事は誰のどんな問いに答えるのか」を一行で書き出して、そこから外れる部分を削ってください。削った部分が惜しければ、別の記事にすればよいのです。

読者がその場で使える情報を足す。 これが、外に頼んでも出てこない部分です。実際の手順、必要になる書類、どこで判断が分かれるか。御社が毎回お客様に説明していることが、そのまま材料になります。調べれば誰でも書ける説明だけで組み立てられた記事は、同じものが他にいくらでもあります。

消す、まとめるという選択

似た記事が複数あるときは、書き直すより統合したほうが早い場合があります。一本に寄せて、残りは消す。寄せ先は、すでに読まれているほうか、相談に近いほうにします。

消すときは、消した記事のアドレスをどう扱うかに注意してください。外部からリンクされている場合や、すでに検索結果に出ている場合、そのまま消すと行き止まりになります。統合先へ案内を出す設定が要るかどうかはサイトの作りによって変わりますので、制作を担当した会社に「この記事を消すとき、元のアドレスをどうすればよいか」と一言確認してください。

なお、どれも残す価値がないように見えても、全部消すことはおすすめしません。読まれていない記事の多くは、害になっているのではなく、何もしていないだけです。

時間の見込みと、続く量の決め方

これは半年単位の話です。書き直した翌週に順位が動くことは、あまり起きません。先の事務所でも、変化を感じ始めたのは半年ほど経ってからでした。

そこで大事になるのが、量の決め方です。「全記事を三か月で見直す」といった計画は、量が現実と合っていなければ途中で止まります。

決め方の順番を逆にしてください。何本直すかを先に決めるのではなく、御社の中で誰が、月に何時間この作業に使えるかを先に置きます。その時間から逆算して本数を出す。一本の書き直しは、材料を思い出して書き足す作業ですから、新しく一本書くのに近い手間がかかると見ておくほうが安全です。

それから、一巡目で完璧にしないことです。上位の数本を直して、しばらく置く。置いているあいだに、どう動いたかを見る。表示が増えたのに問い合わせが動かないなら、同じ言葉の上位を強い相手が占めていて、読まれる位置まで上がれていないのかもしれません。その場合は記事をさらに磨くより、狙う言葉のほうを見直してください。

記事の題を一字一句そのまま検索して、自社のページが出てこないものが一本でもあれば、新しく書くのはそれを直してからです。