松江市の法律事務所の集客:検索結果と地元11事務所のサイトを数えた(商圏調査の見本)

この見本について

当社は、ホームページの運営をお引き受けする前に、その商圏を調べます。どれだけの依頼の元がある土地なのか、依頼する人がどういう言葉で事務所を探しているのか、いま検索の上位にいるのは誰で、どういう作りでそこにいるのか。そのうえで後から入る余地があるかを判定し、見込みが立たなければお引き受けしません。

この見本は、その報告書がどういう形になるのかをお見せするためのものです。形は新潟市の法律事務所の見本と同じです。今回は島根県松江市で、離婚、交通事故、相続、借金の整理、労働の問題、会社の顧問といった相談を受けている法律事務所を想定しました。新潟市・旭川市と並べた比較は弁護士のホームページ集客に書いています。この見本は、そのうち松江市の分を、同じ日に検索し直して一本にまとめたものです。

特定の事務所からご依頼をいただいて作ったものではありません。松江市と弁護士という組み合わせを、当社の側で題材として選びました。調査時点は2026年9月で、使ったのは公開されている情報だけです。公的な統計と相談の窓口の案内を読み、九つの言葉で検索し、1ページ目に出てきた地元の事務所のサイトを開いて確かめました。広告の決まりは、当社が日本弁護士連合会の規程と指針を読んでまとめた弁護士の広告規程に拠っています。それ以上のことはしていません。

実際にお引き受けする調査では、ここに二つが加わります。一つは御事務所の記録です。いま新しい相談が月に何件あり、そのうち顧問先や知人の紹介、弁護士会や市の相談、法テラス、ポータル、ホームページから来たものがそれぞれどれだけで、何件が受任になったか。その数は御事務所の中にしかありません。もう一つは検索回数の実数です。どの言葉が月に何回探されているかは、有料の道具を使わなければ確定できません。この見本で「探され方」と書いているのは、検索したときに何が並ぶかという意味で、何人が探しているかという意味ではありません。

地元の事務所は、名前を出さず件数だけで扱います。どこが上手いかを論じるための調査ではなく、この商圏に後から入る余地があるかを見るための調査だからです。

商圏の規模

法律事務所への依頼は、暮らしの中のもめごとと、会社の日々の取引から生まれます。夫婦の別れ、事故、相続、借金、職場の問題、取引先との契約。どれも人と事業所の数に比例して起きるので、まず人の数と、相談の窓口がどれだけあるかを見ます。

松江市の人口は191,332人、世帯数は92,664世帯です(住民基本台帳、2026年8月末現在、市の統計情報データベース)。柱記事で比べた三つの市では、いちばん小さい市です。旭川市の約31万人の六割ほど、新潟市の約75万人の四分の一ほどにあたります(二つの市の数字は、柱記事で2026年9月24日時点に確かめたもの)。

弁護士の会は、島根県弁護士会です。県に一つの会で、県の全域を受け持っています。会員は78人です(2026年9月1日現在、日本弁護士連合会の公表)。同じ日の鳥取県弁護士会は76人、旭川弁護士会は79人、新潟県弁護士会は290人、全国は48,057人でした。日本弁護士連合会の紹介ページ(2025年8月1日現在の数字)では、会員81人のうち52人が松江市にいて、残りは出雲市、浜田市、益田市、隠岐の島町、江津市に分かれています。同じページは、都道府県で見て弁護士の数が三番目に少ない県だと書いています。県の中では松江に弁護士が集まっていて、県東部の相談の多くが松江の事務所に向かう形と考えられますが、どこから相談が来ているかは今回の調べでは分かりません。

松江市内の弁護士の数は、島根県弁護士会の「弁護士を探す」の松江市の欄に「50名」とあります(日付の記載はありません)。事務所の数は、同じ一覧を要約を介して数えると、29とも30とも出て、確かめきれませんでした。30前後の事務所があり、一人の弁護士の事務所が多いと読めましたが、その数も確かな数としては使いません。

規模とは別に、新潟や旭川と同じく、書いておくべき事情があります。費用のかからない相談、または安く受けられる相談の窓口が、公の側に用意されていることです。

松江市は、弁護士による法律相談を、市役所の別館にある消費・生活相談室で、おおむね毎週火曜日の午後に開いています。予約の電話が要り、費用はかかりません。対象は市内に住む人、勤める人、学ぶ人で、事業者は対象外です。一人一年度に一回までという決まりがあります(市のページ、2026年6月更新)。同じページには、司法書士による相続の登記の相談も並んでいます。島根県弁護士会の松江法律相談センターは、毎週火曜日の夕方に開き、30分で5,000円と案内されています。県内には、ほかに出雲、隠岐の島前、石見にもセンターがあります。交通事故の相談は、日弁連交通事故相談センターが原則として第1・第3火曜日の午後に開いていて、費用はかかりません。法テラス島根も松江にあり、弁護士会の一覧では、資力の条件を満たす人の相談が週に一回以上開かれています(法テラスのページは今回の道具では開けませんでした。弁護士会の一覧は要約を介して読んでいます)。

つまり、「まず誰かに聞いてみたい」という段階の人には、行き先がすでにあります。しかも、市・弁護士会・交通事故の相談が、どれも火曜日に集まっています。事務所のホームページが受け持つのは、その先の「この分野を、この事務所に頼めるか」を判断する段階だと考えたほうが、この商圏の実態に合います。

探され方

九つの言葉で検索し、1ページ目に何が並ぶかを記録しました。検索したのは2026年9月24日です。中心の言葉が三つ(「松江市 弁護士」「松江市 法律事務所」「松江市 弁護士 相談」)、困りごとから出てくる言葉が六つ(離婚、交通事故、相続、債務整理、残業代の請求、中小企業の顧問弁護士)です。新潟の見本と同じ言葉に、市の名前だけを差し替えました。

先に限界を書きます。検索結果は、見る人、時点、地域の設定で変わり、今回の道具が松江市内のスマートフォンと同じ画面を返すとはかぎりません。タイトルとURLの一覧しか返さないため、地図枠と広告は九つすべてで不明です。返ってきた件数は、五つの言葉で10件、四つの言葉で9件でした。

もう一つ、松江に固有の事情があります。道具が「松江」を中国の同じ字の地名としても読んだらしく、英語の百科事典サイトの記事が、九つのうち六つの言葉に混じりました。中国の地名にまつわる記事と、日本の法律事務所を英語で紹介する記事で、合わせて15件です。これは柱記事で見たときと同じ現象で、以下では「無関係」として数えています。

九つで1ページ目に出たのは、延べ86件でした。内訳は、地元の事務所が29件、弁護士を探すポータルや比較・一覧のサイトが22件、全国に支店を持つ事務所や全国で同じサービスを売る事務所のページ(以下、全国型)が4件、他の都市の事務所が6件、弁護士会・市・法テラスなどの公の側が10件、無関係なものが15件です。

無関係の15件を除いた71件で見ると、ポータルと全国型は26件で、四割に届きません。地元の事務所は29件で、四割あまりです。柱記事の同じ日の数え方では、新潟は81件のうちポータルと全国型が49件で六割、旭川は83件のうち42件で五割でした。三つの市の中で、松江はポータルと全国型がいちばん少なく、地元の事務所がいちばん多く出た市です。

言葉ごとに見ると、四つの形に分かれました。

中心の言葉は、地元の事務所が四割から五割。 「松江市 弁護士」は10件のうち地元の事務所が4件、ポータルが2件、法テラス島根と弁護士会の松江市の一覧が2件、無関係が2件でした。法テラスは2位です。「松江市 法律事務所」と打つと、地元が5件に増えます。ポータルの2件は、同じポータルの2ページでした。「松江市 弁護士 相談」は、地元が4件、ポータルが3件、市のくらしの相談と、弁護士会の市民相談窓口の案内の2件が公の側です。地元の4件のうち1件は、ある事務所の相談の案内のページでした。

離婚と交通事故は、公の窓口が1位。 「松江市 離婚 弁護士」は、1位と2位が市の女性相談とくらしの相談のページでした。ポータルが3件(うち2件は同じポータルの市のページ)、地元が3件で、地元のうち離婚のページとして出ていたのは1件、残る2件は事務所のトップページです。「松江市 交通事故 弁護士」は、1位が日弁連交通事故相談センターの島根のページで、ポータルが1件、地元が4件、無関係が4件でした。地元の4件のうち、交通事故のページとして出ていたのは1件で、3件はトップページです。

相続と残業代は、地元の事務所が0件。 「松江市 相続 弁護士」は、9件のうちポータルと一覧のサイトが6件、市のくらしの相談が1件、無関係が2件で、地元の事務所は一件も出ていません。6件のうち2件は弁護士に限らず司法書士や税理士も並べる相続の一覧のサイト、3件は相続を扱う弁護士ポータルのページ、1件は相談の窓口をまとめた記事でした。「松江市 残業代 請求 弁護士」は、9件すべてが松江と関係のない全国向けのページで、市の名前がほとんど効いていません。全国に支店を持つ事務所のページが3件、他の都市の事務所のページが6件です。「松江市 債務整理 弁護士」は、ポータルが4件、地元が2件、無関係が3件でした。地元の2件は、どちらも事務所のトップページです。

会社の言葉は、地元の事務所の場所。 「松江市 顧問弁護士 中小企業」は、10件のうち地元が7件でした。残るのは、ポータルの県単位の企業法務のページが1件、月額の顧問契約を全国で売る事務所の島根県のページが1件、弁護士会の松江市の一覧が1件です。地元の7件は五つの事務所に分かれ、会社向けの顧問のページが2件、料金のページが2件、トップページが3件でした。86件のうち料金のページが1ページ目に出たのは、この言葉の2件だけです。

もう一つ、地元の29件の出方を見ておきます。29件は11の事務所に分かれていて、いちばん多い事務所で5件、それが二つあり、次が4件の二つ、3件の一つで、残る六つは1件か2件ずつです。一つの事務所に寄ってはいません。29件のうち22件は事務所のトップページで、分野や料金のページとして出ていたのは7件でした。その7件のうち5件は、同じ一つの事務所のページです。分野ごとの専用サイトで入っている例は、ありませんでした。

上位の顔ぶれ

九つの言葉の1ページ目に出た松江市内の法律事務所は、11ありました。今回は11すべてのサイトを開き、同じ項目で確かめました。ただし、二つの事務所は料金のページだけが道具で開けず、その点は下に書いています。一人の弁護士の事務所から、弁護士が複数いる事務所まで、規模はさまざまです。

  • 料金の目安:着手金と報酬金を金額で載せていたのは、11のうち五つです。五つとも料金のページにあり、書き方は、得られた経済的利益に応じた割合の段階表か、分野ごとの定額でした。料金のページはあるものの、表が画像で置かれていて金額を読み取れなかったのが一つ、料金のページはあるものの今回の道具では開けなかったのが二つ、料金の記載が見当たらないのが三つです。会社の顧問料を月額で載せていたのは二つでした。
  • 相談料の書き方:分野を限って初回の相談料をいただかないと書いていたのが四つでした。借金、交通事故、離婚、男女の問題など、どの分野かを名指ししています。相談料をいただかない旨の案内はあっても、条件を読み取れなかったのが一つです。有料と書いたうえで、法テラスの援助の対象になる人はかからないとするのが二つ、依頼した場合は相談料を着手金に含めるとするのが一つ、「一部の相談」とだけ書くのが一つ、相談料の記載が見当たらないのが二つでした。条件なしで相談料を取らないと書く事務所はありませんでした。
  • 解決事例:載せていたのは一つです。
  • お客様の声:載せている事務所は、11の中にはありませんでした。
  • コラム・お知らせの更新:2026年に入ってからの更新が確認できたのは六つです。そのうち読み物は一つで、2026年に入ってからも法律のコラムを続けて出していました。残る五つは、休業の案内や活動の報告などのお知らせです。最後の更新が2025年以前だったのが二つ、日付を読み取れなかったのが三つありました。
  • 周辺の市や町:市や町ごとのページを持つ事務所は、11ともありませんでした。県内のどこからでも受けると一言添える事務所が一つです。
  • 相談の導線:電話は11とも。フォームかメールが八つで、電話だけの事務所が三つです。LINEとWebの予約のページは0、土曜日の相談を書いていたのが二つでした。
  • 分野の絞り方:分野の専用サイトを別に持つ事務所は、11の中にはありませんでした。一つのサイトの中に、離婚や交通事故、借金など分野ごとのページを置く形が中心です。会社向けの取扱い(顧問や企業法務)を、個人向けと分けたページで書いている事務所が少なくとも二つ、サイト全体を会社向けに寄せている事務所が一つありました。
  • 法テラスへの言及:民事法律扶助が使えること、条件を満たす人は相談料がかからないことを書いていたのが四つでした。

全体として、料金は11のうち半分ほどが載せていますが、事例と声と読み物は、ほぼ空いています。柱記事で見た新潟の八つの事務所では、四つが事例を、四つが声を載せていました。松江は、事例が一つ、声が0です。

料金には、もう一つ書いておくことがあります。料金のページを持つ事務所は11のうち八つありましたが、金額を文字で読めたのは五つでした。残る三つは、表が画像だったか、道具が開けなかったページです。道具が開けなかったのは道具の側の事情かもしれず、依頼する人が読めないという意味ではありません。

これはサイトの作りを外から見ただけの話で、各事務所の受任の数や評判は分かりません。依頼の入口は顧問先や紹介など検索の外にもあるので、サイトが薄い事務所が仕事に困っている、という意味ではありません。

書けることと、書けないこと

弁護士の広告は、日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」と、その解釈を示す「業務広告に関する指針」、そして「弁護士職務基本規程」で線が引かれています。この見本では、当社が日弁連の公開資料を読んでまとめた弁護士の広告規程の内容に拠っていて、今回あらためて原文を読み直してはいません。島根県弁護士会に独自の定めがあるかどうかも確かめていないので、実際に書く前には所属の会でも確かめてください。

  • 料金:載せてかまいません。指針は、着手金の金額と支払時期、報酬金の割合と算定方法と支払時期まで書いた表示例を挙げています。避けるのは「割安な報酬で」「業界最低水準」といった書き方、実際には表示を大きく超える額を受け取るのに「〜円から」と書くこと、着手金をゼロと書きながら別の名目で受け取ることです。電話やメールだけで受任する広告では、報酬の種類、金額、算定方法、支払時期などの表示が義務になっています。
  • 解決事例:載せられるのは、依頼者の同意がある場合か、依頼者が特定されず利益を損なうおそれがない場合などです。架空の事例や脚色した事例は虚偽の表示とされます。高額の獲得例に「あなたも可能です」と添える書き方は、指針で誇大な広告の例に挙がっています。訴訟の勝訴率は書けません。
  • お客様の声:実在の依頼者が関わっていない声は、虚偽の表示とされます。
  • 専門の表示:指針は、何を基準に専門と認めるかの判定が難しいため、「専門」「スペシャリスト」「プロ」「エキスパート」の表示は控えるのが望ましいとしています。勧めているのは「取扱い分野」「積極的に取り組んでいる分野」という言い方です。「得意分野」は、主観の表示として認められています。
  • 言葉の強さ:「最も」「一番」「完璧」は注意が要る語として、「常勝」「不敗」は使ってはならない語として挙がっています。困惑させたり、過度な不安をあおったりする広告も禁じられています。
  • 診断の仕組み:借金の減額や慰謝料を計算させるページで連絡先を入力させても、その人は「面識のない者」のままで、あとから電話やメッセージで勧誘すれば規程に反するとされています。
  • 比較:特定の事務所と比べる広告は禁じられています。名前を出さなくても、特定の事務所を指すと分かれば当たります。弁護士が50人ほどの市では、名前を出さない比較でも、どこを指すかが分かりやすくなります。

このほか、職務基本規程は、依頼者の紹介を受けたことへの対価を払うこと(第13条)と、報酬を弁護士でない者と分け合うこと(第12条)を禁じています。弁護士を探すポータルについては、日弁連が別に指針を出していて、紹介を受けた事件の数や、その事件の着手金・報酬金の額に応じて対価が決まる形は掲載してはならないとし、期間やスペースで客観的に決まる定額の掲載料かどうかで判断するとしています。

ホームページの制作や運営を外に頼む場合、その業者も指針のいう「広告業者」に当たりえます。契約書や請求書、入出金の記録は、広告が終わってから3年保存する対象です(契約書の部分は2026年7月から)。外に払う費用を、依頼の件数や受任の額に連動させる形は、上の二つの条文との関係を所属の会で確かめておくべき点です。

入る余地

ここまでの観察から、空いている場所を挙げます。それぞれ、どの検索結果とどのサイトの観察を根拠にしているかを添えます。先に書いておくと、松江は三つの市の中で、1ページ目に地元の事務所が出やすい市でした。ただ、出やすいということは、1ページ目に出ること自体では差がつきにくいということでもあります。

一つ目、相続のページ。 「松江市 相続 弁護士」は、地元の事務所が0件でした。今回開いた11のサイトには、取扱い分野に相続を挙げる事務所がいくつもありましたが、この言葉の1ページ目には一件も出ていません。並んでいたのは、相続の一覧のサイトと弁護士ポータルの6件と、市の相談のページです。ここから言えるのは、相続を実際に受けていて、これからも受けたい事務所なら、「相続を扱っています」という一つのページが入口になりうる、ということです。ただし、ポータルと一覧のサイトが6件並び、その中には司法書士や税理士も並べるものがあります。相続では、依頼する人が弁護士に行くか、司法書士や税理士に行くかを、まだ決めていないことが多いはずです。地元のページが1ページ目に入れるかどうかも、入ったとして誰から相談が来るかも、今回の調べでは分かりません。

二つ目、事例と読み物。 事例を載せていたのは11のうち一つ、声は0、2026年に読み物を出していたのも一つでした。料金を載せていない事務所も含めて、サイトを読んだ人が「この事務所に頼めるか」を判断する材料が、ほとんど置かれていません。順位の空白というより、判断の材料の空白です。ただ、松江は人口19万人の市で、事例は特定されやすくなります。地名、時期、家族の形を書くだけで、読む人に誰の話か分かってしまうことがあります。ここでは事例の数を増やすより、どんな相談を受けていて、そこで何を確かめるのかを、依頼者が特定されない形で書いた読み物のほうが向いていると見ています。

三つ目、料金を文字で読めるページ。 料金のページを持つ事務所は八つありましたが、金額を文字で読めたのは五つでした。86件のうち料金のページが1ページ目に出たのは、顧問の言葉の2件だけです。費用の言葉(たとえば「松江 離婚 弁護士 費用」)は今回検索していないので、そこで地元の料金のページが出るかどうかは確かめていません。これも、名前を知った人が確かめに来る先としての空白です。料金を出すかどうかの考え方は料金を載せるべきかに書いています。

一方で、余地とは言えない場所もあります。「松江市 顧問弁護士 中小企業」は10件のうち7件が地元で、すでに五つの事務所が並んでいます。顧問料を月額で載せていた二つの事務所は、二つともこの言葉に出ていました。旭川では会社の顧問の言葉を余地に数えましたが、松江では、会社向けのページと料金のページがすでにこの言葉に入っているので、空いているとは見ていません。顧問の言葉の読み方は顧問弁護士のページに書いています。「松江市 残業代 請求 弁護士」は9件すべてが松江と関係のない全国向けのページで、「松江市 債務整理 弁護士」もポータルが4件です。この二つの言葉とのつき合い方は、債務整理の検索に法律事務所が出てこないときと地方の会社と全国ポータルに書いています。「松江市 弁護士 相談」「松江市 離婚 弁護士」「松江市 交通事故 弁護士」は、市や日弁連の相談の窓口が上に立ち、地元の枠もトップページで3件から4件が埋まっています。

周辺の市や町のページは、11の事務所のどこも持っていませんでした。ただ、松江市の法律相談は市内に住む人や勤める人に限られていて、周辺の市や町の人が松江の事務所をどう探しているかは、今回検索していません。考え方は法律事務所の地域ページに書いていますが、松江については、まず探されているかどうかを確かめるところからです。

この商圏に、これから入る事務所の見込みはあるか

この範囲の情報からは、「条件つきで見込みはある。ただし、伸びしろは三つの市でいちばん小さい」と見ています。

規模の面では、人口19万人の市で、市内の弁護士は50人ほど、事務所は30前後です。島根県弁護士会の会員は78人で、県の中の弁護士の多くが松江にいます。県東部や周辺の町からの相談が松江に集まる形は考えられますが、どれだけ来ているかは今回の調べでは分かりません。人の数が少ないぶん、一つの分野の言葉が月に探される回数も、大きな市より少ないと考えるのが自然です。検索回数を確かめていないので、ここは推測です。

競争の面では、九つの言葉のうち無関係を除いた71件で、ポータルと全国型は四割に届かず、地元の事務所が29件出ていました。地元の枠は11の事務所に分かれ、一つに寄っていません。数字だけを見れば、三つの市の中でいちばん入りやすい並びです。

それでも甘く見ないのは、三つの理由からです。一つは、地元の事務所が1ページ目に出やすいぶん、出たことで選ばれる理由にはなりにくいことです。二つ目は、「まず聞いてみたい」人の行き先として、市の相談、弁護士会のセンター、交通事故の相談、法テラスが揃っていて、離婚と交通事故の言葉では公の窓口が1位に立っていることです。三つ目は、事務所の数が少ない市では、紹介や顔の見える付き合いから来る依頼の割合が大きいと考えられ、ホームページが増やせる相談の数には限りがあることです。

見込みがあると見るのは、相続の言葉に地元の事務所が一件も出ておらず、事例、声、読み物がほぼ空いているからです。

条件は三つです。相続か、御事務所が実際に受け続けている一つの分野に絞り、その分野を受け続けられること。料金を、着手金・報酬金・相談料の算定方法と支払時期まで、文字で読める形で出せること。そして、依頼者が特定されない形で、実際の相談から読み物を書き続けられることです。あわせて、ホームページからの相談が月に何件あれば運営の費用に見合うのかを、始める前に御事務所と一緒に決めておきたい商圏です。

判定を確かにするために足りていないのは、次の五つです。

  • 各言葉の検索回数。とくに、相続、費用、周辺の市や町の名前を付けた言葉が、月に何回探されているか。
  • 地図枠と広告。今回は確認できていません。1ページ目の上が広告と地図枠で埋まっている可能性があります。
  • 市内の事務所の数と、隣の県の米子市など、県境を越えた相談の動き。
  • 料金のページを開けなかった二つの事務所の内容と、ポータルへの掲載の状況。
  • 御事務所の記録。顧問先や紹介で十分に回っている事務所と、紹介の外からの入口を増やしたい事務所とでは、同じ余地の意味が違います。

もし引き受けるなら、最初の半年に何をするか

以下は、この商圏で一般的にどういう順番になるか、という話です。お約束の形ではなく、御事務所の現状によって順番は入れ替わります。当社が松江の商圏や法律事務所の運営で実績を持っている、という意味でもありません。

  1. 相談の入口を分けて数える。 顧問先、知人や他の士業からの紹介、市や弁護士会の相談、法テラス、ポータル、ホームページ。どこから来て、そのうち何件が受任になったか。市内か、周辺の市や町か、県外かも、あわせて残します。ホームページに力を入れるかどうかは、この記録を見てから決めます。
  2. 分野を一つ決めて、そのページを整える。 相続を選ぶなら、弁護士に頼む場面と、司法書士や税理士に頼む場面の違いを、御事務所が実際に受けている範囲で書きます。扱う範囲、流れ、料金(着手金・報酬金・相談料、算定の方法、支払時期、実費)を一つのページに文字で並べます。規程と指針の表示例に沿った形です。
  3. 相談の入口の書き方をそろえる。 相談料がかかるのか、どの分野のどの時間ならかからないのか、法テラスの援助が使えるのか、市や弁護士会の相談で一度話を聞いた人がどう予約すればよいのかを、一か所で分かるようにします。
  4. 実際の相談から読み物を書く。 月に数本、受けた相談の中から、依頼者が特定されない形で書きます。人口19万人の市では、地名や時期、家族の形の書き方に、大きな市以上に気をつけます。事例は、依頼者の同意を得られたものに限り、金額で「あなたも」と期待させる書き方はしません。
  5. 周辺の市や町は、あとから。 周辺から実際に相談があると記録で分かってから、その土地に固有のことを書ける範囲でページを置きます。同じ型の地域のページを並べることはしません。

半年で依頼が増えるかというと、そこは動き始めるかどうかの時期です。当社が運営に携わっている相続の事務所のサイトでも、数字が動き始めたと感じたのは半年ほど経ってからでした。業種も商圏も違うため、同じ速さで動くとは考えていません。松江のように商圏が小さい場所では、動いたとしても、件数の増え方は大きな市より緩やかだと見ておくのが妥当です。

この見本で分からないこと

  • 検索結果は、見る人・時点・地域の設定で変わります。ここにあるのは2026年9月24日の一つの記録で、地図枠と広告は九つすべてで確認できていません。検索回数も扱っていません。道具が「松江」を別の地名としても読み、無関係な結果が15件混じっています。松江市内の画面では、その分に別の結果が入っているはずです。
  • 松江市内の事務所の数は確かめきれていません。弁護士の数は、弁護士会の一覧の表示(日付なし)と、日弁連の紹介ページ(2025年8月1日現在)に拠っています。周辺の市や町の人口と、県境を越えた相談の動きも調べていません。
  • 相談の窓口の日時と料金は、市と弁護士会のページを要約を介して読んだものです。弁護士会の相談センターの料金に消費税が含まれるかどうかは確かめていません。
  • 広告の決まりは、当社がまとめた日弁連の規程・指針・職務基本規程の内容で書いています。島根県弁護士会に独自の定めがあるかは確かめていません。
  • 刑事事件、不動産、成年後見、労働災害、費用の言葉、周辺の市や町の名前を付けた言葉は検索していません。
  • 1ページ目に出た市内の事務所は11で、そのすべてのサイトを開きましたが、市内の事務所の一部です。サイトの内容は要約を介して読み取った部分があり、下層のページや、画像で置かれた情報の読み落としはありえます。料金のページを開けなかった事務所が二つあります。
  • 各事務所の受任の数、紹介の割合、ポータルへの掲載料の支払いは、外から分かりません。

御事務所でも、今日できること

調べる道具を入れていなくても、次のことは今日のうちに確かめられます。今回の調べ方で、実際に差が見えた順に並べます。

  • 「松江市 弁護士」と「松江市 法律事務所」のように、御事務所の市の名前で二通りに打って、1ページ目の地元の事務所の数を数える。打ち方で並びが変わるかどうかが分かります。
  • 御事務所が力を入れている分野の名前を付けて検索し、1ページ目の地元の枠に入っているのが、事務所のトップか、分野のページか、ポータルか、市や弁護士会の相談のページかを見る。地元の事務所が一件も出ない言葉があれば、それも書き留める。
  • 御事務所のサイトで、その分野の料金が、着手金・報酬金・相談料の算定方法と支払時期まで書いてあるかを見る。料金の表を画像で置いているなら、文字で読めるかも見る。電話やメールで受任する分野なら、報酬の表示は義務です。
  • 御事務所のサイトの「専門」「プロ」「一番」といった語を探し、「取扱い分野」「力を入れている分野」の言い方に置き換えられるかを見る。
  • 次の一か月、新しい相談のたびに、どこで御事務所を知ったかと、どの市や町から来たかを一行で残す。紹介なら、誰からの紹介かまで。市や弁護士会の相談を経て来た人かどうかも。

最初の二つだけでも、御事務所の商圏でポータルと公の窓口がどこまで先に立っているか、地元の枠に何の形で入れるかの見当がつきます。

この記事にたどり着いた道筋

この記事は、「弁護士 集客」のような、業種と悩みを掛け合わせた言葉で読まれることを想定して書いています。その言葉で検索すると、上位には業種名を入れ替えただけの一般論が並びやすいものです。そこに、実際に数えた中身のあるページを置きました。

御事務所に依頼する人も、同じように探しています。「松江市 相続 弁護士」のように、地域と用件と困りごとを掛け合わせた言葉です。当社が御事務所の商圏でするのは、それと同じことです。誰が上位にいて、どこが空いていて、御事務所が実際に知っていることで答えられる場所はどこかを数え、そこにページを置く。見込みが立たなければ、調べた結果とともにそうお伝えします。調べ方の中身は商圏調査に書いています。

御事務所の商圏でも、同じ形で調べます

この見本は松江市と弁護士を題材にしましたが、形はどの商圏でも同じです。規模を見て、探され方を見て、上位の顔ぶれを見て、業種の決まりを確かめ、入る余地を挙げ、見込みを判定する。見込みが立たないときは、その理由をお伝えしてお引き受けしません。

同じ商圏で同業の事務所を同時にお預かりすることはありません。すでにお預かりしている商圏では、お受けできない場合があります。弁護士の事務所には、成果に応じた報酬ではなく、毎月定額の月額制のプランをご用意しています(料金)。御事務所の商圏でこの形の報告書を見てみたい段階でしたら、相談するからご連絡ください。

出典

  • 松江市「統計情報データベース」(人口・世帯数、2026年8月末現在) https://ntoukei2.city.matsue.shimane.jp/
  • 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/membership/members.pdf
  • 日本弁護士連合会「島根県弁護士会」の紹介ページ https://www.nichibenren.or.jp/legal_info/legal_apprentice/bengoshikai/shimane.html
  • 島根県弁護士会「弁護士を探す(松江市)」 https://www.shimaben.com/find/kensaku/k-matsue/
  • 島根県弁護士会「島根県内法律相談一覧」 https://www.shimaben.com/consult/105
  • 島根県弁護士会「松江市市民相談窓口(松江市消費・生活相談室)」 https://www.shimaben.com/consult/chiikibetusoudan/matsue/128
  • 松江市「くらしの相談」 https://www.city.matsue.lg.jp/soshikikarasagasu/shimimbu_shohi_seikatsusodanshitsu/anzen_anshin/1/2328.html
  • 日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_044.pdf
  • 日本弁護士連合会「業務広告に関する指針」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/other/shishin_kaiki_44.pdf
  • 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」 https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_070.pdf
  • 日本弁護士連合会「弁護士情報提供ウェブサイトへの掲載に関する指針」(東京弁護士会のページに掲載) https://www.toben.or.jp/know/iinkai/hibenteikei/pdf/kaiki_no_70_02.pdf