「中学生 勉強 ついていけない」。この言葉の頭に「前橋」と付けて検索した1ページ目と、「松山」と付けて検索した1ページ目を並べると、9件のうち少なくとも7件が同じサイトの記事でした。群馬県の塾が書いたコラムが、愛媛県松山市の検索にもそのまま出てきます。地名を付けても顔ぶれが変わらないということは、どちらの町でも、その町の塾がその問いに答えていないということです。
「塾 集客」や「個人塾 集客できない」と検索して出てくる記事の多くは、チラシ、体験授業、口コミ、ブログの続け方を扱っています。間違ってはいませんが、業種の名前を差し替えれば英会話教室にもピアノ教室にも当てはまる内容です。御社の教室のまわりの保護者が何と打ち、その1ページ目に誰のページが並んでいるかは、そこからは分かりません。
当社はホームページの運営を引き受ける前に、その商圏で検索結果を数えます。小中学生向けの地元の学習塾について、2026年9月24日に、群馬県の高崎市と前橋市、愛媛県の松山市の三つの市で同じやり方を試しました。高崎と前橋は隣り合う同じくらいの規模の市で、人口は高崎が363,061人、前橋が326,076人です。松山はひとまわり大きく、推計人口で491,561人です。高崎は商圏調査の見本として一本にまとめてあり、この記事では三つの市を並べます。
塾にとって大事なのは、人口より子どもの数です。市立小学校の児童は高崎が16,924人、前橋が14,267人、松山が23,412人、市立中学校の生徒は高崎が8,766人、前橋が7,368人、松山が11,639人です(いずれも令和8年5月1日現在)。市立小学校の1年生は6年生より、高崎で五百人ほど、前橋で三百人ほど、松山で八百七十人ほど少なくなっていました。
数えたのは、保護者や子どもが打ちそうな九つの言葉の1ページ目と、そこによく出てくる地元の塾を市ごとに八つ、合わせて24塾のサイトです。言葉は、地名に「塾」「個別指導塾」「高校受験 塾」を付けた中心の三つと、中等教育学校、小学生、月謝、定期テスト、「ついていけない」、合併前の町の名前を使った六つです。
ページは、地元の個人・小規模の塾、県内に十数教室以上を持つ地元の塾グループ、全国チェーンの教室ページ、塾の比較サイトやランキングサイト(以下、比較サイト)、他の町の塾や全国向けの記事、公的機関、無関係の七つに分けました。教室が七つから十ほどの地元の塾をどちらに入れるかは線引きが決まっておらず、一部の件数が一つから三つ動くので、この記事では両方を合わせて「地元の塾」と書きます。
限界も先に書きます。使った検索の道具は、一つの言葉につき9件か10件を返し、見えるのは題とアドレスだけです。塾は教室の場所で選ばれるので、地図枠(地図と教室の一覧が出る枠)が出る言葉は多いと思いますが、地図枠と広告は、三つの市のどの言葉でも見えていません。どの言葉が月に何回探されているかも分かりません。数え方そのものは検索結果の1ページ目を数えるに書きました。
中心の三つの言葉で、地元の塾が取れていた枠は高崎2件、前橋6件、松山10件
「地名 塾」「市名 個別指導塾」「地名 高校受験 塾」の三つを合わせた1ページ目27件のうち、地元の塾のページは、高崎で2件、前橋で6件、松山で10件でした。
同じ27件を、比較サイトと全国チェーンの側から見ます。比較サイトは高崎15件、前橋12件、松山14件で、三つの市でほとんど変わりません。どの市でも、中心の言葉の半分ほどは比較サイトの場所です。違ったのは全国チェーンの教室ページで、高崎10件、前橋9件に対して、松山は3件でした。松山で地元の塾に回っていた枠は、おおよそ全国チェーンの教室ページが少なかった分にあたります。松山に全国チェーンの教室が少ないのか、地元の塾のページのほうが強いのかは、外からは分かりません。
顔ぶれで数えると、高崎の2件は二つの塾(塾グループと小規模の塾が一つずつ)、前橋の6件は四つの塾で、同じ塾が複数の言葉に出ていました。四つのうち三つは、県内に十数教室を持たない地元の塾です。松山の10件は六つの塾によるものでした。
「高校受験 塾」は、三つの市でいちばん似ていた言葉です。比較サイトが高崎と前橋で7件、松山で6件。残りの枠は、高崎では全国チェーンの教室が、前橋では地元の塾が取っていました。松山の残り3件は、三つとも同じ一つの地元の塾の記事で、他の塾も並べて紹介する「おすすめ5選」の形をしていました。比較サイトの多い言葉に、比較サイトと同じ形の記事で入っていたことになります。
高崎のように27件のうち25件が比較サイトと全国チェーンで埋まっている町で、一教室の塾が正面から入る余地はほとんどありません(この向き合い方は地方の会社と全国ポータルに書きました)。松山のように地元の枠が残っている町でも、その枠はすでに地元の塾どうしで取り合われています。どちらの町でも、中心の言葉は御社の教室が最初に手を入れる場所ではない、というのが当社の見立てです。
中等教育学校の言葉は、高崎は地元の塾グループ、前橋は比較サイトと全国チェーン、松山は比較サイトが取っていた
群馬県にも愛媛県にも公立の中等教育学校があり、募集より多くの子が志願しています。令和8年度は、高崎市内にある県立の中央中等教育学校が募集120人に志願275人、前橋の検索で名前を使った県立の四ツ葉学園中等教育学校が募集120人に志願228人、県立の松山西中等教育学校が募集160人に志願241人でした。小学生の保護者が塾を探す、はっきりした理由の一つです。
高崎で「高崎 中央中等 塾」と検索すると、9件のうち6件が、県内に多くの教室を持つ地元の塾グループのページで、そのうち4件は同じ一つのグループでした。残りの3件は比較サイトです。開いた八つの塾のうち、中央中等に触れていたのは四つ。専用の講座のページを持ち、合格実績を厚く載せていたのは、その塾グループだけでした。
前橋の「前橋 四ツ葉学園 塾」は、比較サイトが6件、全国チェーンが3件で、地元の塾はゼロでした。9件のどの題にも「四ツ葉」の字が入っていません。開いた八つの塾のうち、四ツ葉学園の受検に触れていた塾も、開いたページの範囲ではゼロでした。
松山は、検索した言葉が違います。学校の名前ではなく「松山 中学受験 塾」で検索しました。比較サイトが6件、全国チェーンが2件(うち一つは、県内の会社が運営する全国ブランドの加盟校)、地元の塾は中学受験を専門にする一教室の塾が1件です。開いた八つのうち、私立中学や中等教育学校の受験に触れていた塾は三つありましたが、専用の講座のページを持つ塾は八つの中にはありませんでした。
同じ種類の言葉なのに、空き方がまったく違います。高崎は、実績と専用の講座を持つ地元の塾グループが厚く押さえている場所です。後から一教室の塾が並ぶ見込みは、この範囲からは立ちません。前橋では、その学校の名前で答えている塾がないので、比較サイトが学校名の入っていない一般的なページで隙間を埋めています。実際に四ツ葉学園の受検生を教えてきた塾なら、その経験で答えられる場所です。
ただし、受検対策をしていない塾が、空いているからという理由でこの言葉のページを作っても、問い合わせが来たときに困ります。空いているかどうかより先に確かめるのは、御社がその中身を持っているかどうかです。
「ついていけない」と打つ保護者に、その町の塾は答えていなかった
冒頭の話に戻ります。困りごとの言葉として、「地名 定期テスト 点数 上げたい」と「地名 中学生 勉強 ついていけない」の二つを入れました。二つを合わせた18件のうち、地元の塾のページは、高崎で2件、前橋で2件、松山でゼロでした。
前橋の2件を開くと、一つは県立前橋高校の偏差値と合格ラインのページで、中学生の定期テストの話ではありません。もう一つは県内の塾グループのコラムで、本文は前橋や群馬の中学校の事情に触れていない一般的な内容でした。前橋の事情で答えているページは、ゼロと数えてよいと思います。高崎でも、高崎の中学校の定期テストの時期や、市内の高校受験の仕組みを踏まえて答えているページは、ほとんどありませんでした。
冒頭に書いた「ついていけない」の重なりは、福岡の塾の相談ページ、全国向けの家庭教師やコーチングの記事、そして群馬の塾グループのコラムです。この同じコラムを、前橋では「県内の塾グループ」として、松山では「他の町の事業者」として数えています。中身は同じ一般論で、地元かどうかは、運営している会社の住所で分かれているだけです。
松山の「定期テスト 点数 上げたい」も、9件すべてが地域を問わない記事でした。前橋では、9件のうち3件が、中学校ではなく県立前橋高校の定期テストの話に寄っていました。「前橋」が学校の名前として読まれたためで、こうした取り違えは検索語の取り違えについての記事で扱っています。
地名を付けても結果が変わらないのは、その地名で答えているページがないからです。当社は、塾のホームページでいちばん答えやすいのはここだと考えています。比較サイトは「ついていけない」子に塾を並べて見せることはできても、市内のその中学校の定期テストがいつあり、どういう出し方をされ、高校受験にどうつながるかは書けません。全国向けの勉強法の記事も同じです。御社の教室で、その中学校の子を実際に見てきた先生なら書けます。書き方は困りごとの言葉に答えるページについての記事で具体的に扱いました。
ただし、保護者が困りごとの言葉に地名を付けて打つかどうか、打つとして月に何人いるかは、分かっていません。地名を付けずに打つ人が多ければ、全国向けの記事と正面から並ぶことになります。「空いている」と「探す人がいる」を、まだ区別できていない場所です。
合併前の町の名前で探すと、塾でないページと、他県の同じ名前の町が出てきた
三つの市は、どれも合併を経ています。高崎は平成18年に箕郷町などと、前橋は平成16年に大胡町などと、松山は平成17年に旧北条市・旧中島町と合併しました。塾は子どもが通える範囲で選ばれるので、教室のある地区の名前で探す保護者はいるはずです。合併前の町の名前に「塾」を付けて検索しました。
「箕郷 塾」は、9件のうち7件が塾探しと関係のないページでした。別の市の塾ランキング、比較サイトに載った音楽教室、地元の小中学校の口コミなどです。塾のページは、全国チェーンの教室と地元の個人塾が1件ずつでした。
「大胡 塾」は、10件のうち6件が関係のないページで、そのうち5件は「大塾」「大學」のように「大」の字だけを拾ったような結果でした。ほかに地元の小学校のサイトが1件。塾のページ3件は、どれも同じ一つの教室で、教室の多い地元の塾の大胡教室のページと、比較サイトに載った同じ教室のページ2件です。その教室のページは所在地と案内が中心で、地区に向けた中身は確かめられませんでした。地区の名前が入った教室のページが一枚あるだけで、3枠が埋まっていたことになります。
「北条 塾」は、9件のうち6件が、新潟県、兵庫県、大阪府にある、北条という名の駅や町の近くの塾でした。松山市の北条のものは3件で、三つとも全国チェーンの一つの加盟教室です。うち一つは、その教室が自前で出している北条についてのページでした。地元の塾はゼロです。
埋まり方は三つとも違いますが、地元の塾が地区の名前で答えているページがほとんどない点は同じでした。開いた24塾でも、地区や合併前の町の名前でページを作っている塾はゼロ、中学校ごとの定期テスト対策のページを作っている塾もゼロです。いちばん近かったのは、中学校を名指ししたクラスの案内を持つ塾が松山に一つと、本文の中に市内の中学校の名前が出てくる塾が、高崎で一つ、前橋で一つ、松山で三つでした。前橋で補助に調べた「前橋市 富士見 塾 中学生」でも富士見の地元の塾は出てこず、中学校の名前でページを作っていたのは、題から見るかぎり全国向けの学習サービスでした。
市立の中学校は、高崎に25校、松山に29校あります(前橋は20校)。一学年の人数が細っていく町では、教室のまわりの地区と中学校から選ばれることが、いっそう大事になります。そして、ここは比較サイトも全国チェーンも、学校ごとに書き分ける理由を持たない場所です。ただ、地区や中学校の名前で月に何人が探しているかは分かりません。空いていることは確かでも、探す人がいるかは確かめが要ります。地区と中学校のページをどう作るかは地区と中学校のページについての記事に分けました。
24の塾を並べると、料金を出すことが差になる町と、ならない町があった
料金、合格実績、声、更新の日付、地区のページ、相談の入口を同じ項目で見ました。月謝の金額をサイトに載せていたのは、八つのうち、高崎で三つ、前橋で三つ、松山で六つでした(松山にはほかに、料金表が画像で一部しか読めなかった塾が一つ)。高崎と前橋の三つずつは、どれも教室が一つの個人塾です。前橋では、教室が複数ある四つの塾が、どこも金額を載せていませんでした。
料金と更新の重なり方も、市で違いました。高崎では、料金を出している三つのうち今年の更新が確かめられたのは一つで、今年更新している五つのうち四つは料金を出していません。前橋では、料金を出している三つのうち二つが今年も更新していましたが、更新している七つのうち五つは料金を出していません。高崎と前橋では、料金を出す塾と更新を続ける塾が、おおむね別の顔ぶれでした。松山は、料金を出している六つのうち四つが今年も更新しています。
もっとも、松山の八つは七つが一教室と見られる塾で、県内に十数教室以上を持つ塾グループは入っていません。市内に二十を超える教室を持つ塾グループも1ページ目に出ていましたが、規模がほかと大きく違うため八つから外しました。三つの市の違いの一部は、どの塾を八つに選んだかの違いでもあります。
それでも、三つの市でそろっていたことがあります。「地名 塾 月謝」の1ページ目は、どの市でも比較サイトと全国チェーンが大半でしたが、その間に入っていた地元の塾の枠には、料金を載せている塾が入っていました。高崎で2件、前橋で1件、松山で1件です。中心の言葉では比較サイトと全国チェーンに埋もれがちな町でも、料金の言葉には地元の足場が残っていました。
高崎や前橋のように、料金を載せる塾が八つのうち三つしかない町では、載せるだけで他と違って見えます。松山のように六つが載せている町では、載せても差にはなりにくく、載せていないと、比べられる前に候補から外れる側に回るかもしれません。どちらの町でも載せる意味はありますが、その意味が「差をつける」なのか「外されない」なのかが違います。料金を載せるかどうかの考え方そのものは料金を載せるべきかにまとめています。
LINEで相談を受けていたのは、高崎で二つ、前橋で四つ、松山で三つ。電話だけを入口にしている塾は、どの市にも一つずつありました。どれもサイトの作りを見ただけの記録で、生徒数や評判、紹介でどれだけ生徒が来ているかは外からは分かりません。サイトが薄い塾が生徒を集めていない、という意味ではありません。合格実績や料金の表示に関わる決まりは、今回は公式の資料で確かめていないので、見せ方を変えるときは別に確かめてください。
ホームページが効きにくい塾と、今日それを見分ける方法
三つの市を数え終えて、当社が塾のホームページについて持った考えは一つです。「地名 塾」の順位を追うより先に、教室のまわりの中学校と地区、そして保護者の困りごとに、その町の事情で答えるページを一枚ずつ置く。中心の言葉は三つの市とも半分ほどが比較サイトの場所で、困りごとと地区の言葉は三つの市とも、地元の答えがほとんどありませんでした。
反対の考え方もあります。塾は口コミと紹介で決まるもので、兄弟や友達のつてで来る家庭が大半なのだから、ホームページは料金と体験の申し込み方が分かれば足りる、というものです。紹介で席が埋まっている塾には、これが当たっていると思います。そういう塾が地区のページを何枚作っても、紹介より早く生徒が増えるとは言いにくいです。
ほかにも効きにくい場面があります。高崎の中央中等のように、実績を積んだ地元の塾グループが押さえている言葉は、後から一教室で並ぶ場所ではありません。地図枠がどれだけ大きく出ているかは分かっていないので、保護者の多くが地図で教室を選んでいる町なら、ページの順位はそれほど目に入らないかもしれません。空いて見える地区や困りごとの言葉が、探す人の少ない言葉である可能性は、どこにでも残ります。そして当社は、学習塾のホームページを運営したことがありません。ここに書いたのは、数えた範囲から言えることです。
御社がどちら側にいるかは、スマートフォンで今日見分けられます。当社が三つの市で差を見た順に書きます。
- 「地名 塾」と「地名 高校受験 塾」で検索し、比較サイト、全国チェーンの教室、地元の塾に印を付けて数えます。二つの言葉で地元の塾が2件ほどなら、そこは後回しにしてかまいません。
- 「地名 中学生 勉強 ついていけない」で検索し、次に地名を消して同じ言葉で検索します。1ページ目がほとんど入れ替わらなければ、その地名で答えているページはまだありません。
- 教室のある地区や合併前の町の名前に「塾」を付けて検索し、塾でないページや、他県の同じ名前の町のページが何件あるかを数えます。
- 近くの塾のサイトを三つ開き、料金が載っているか、今年の日付があるかを見ます。三つとも料金を載せていないなら料金のページが先、ほとんどが載せているなら、地区と中学校のページが先です。
四つの検索で、地区の言葉も困りごとの言葉も、地元の塾がすでに自分の町の事情で答えていたなら、ホームページより紹介の流れを整えるほうに時間を使う場面です。答えのない問いが見つかったなら、分かれ目は一つです。その問いに、御社の教室でその中学校の子を実際に見てきた人が答えられるかどうか。答えられるなら、最初に書くのはその一枚です。答えられないなら、空いている場所を見つけても、そこに置くものがありません。
この記事にたどり着いた道筋
この記事は、「学習塾 集客」「個人塾 集客できない」のような、業種と悩みを掛け合わせた言葉で読まれることを想定して書いています。その言葉で検索すると、上位には業種名を入れ替えただけの一般論が並びやすいものです。そこに、三つの市で実際に数えた中身のあるページを置きました。
御社の教室に来る保護者も、同じように探しています。「前橋 中学生 勉強 ついていけない」「箕郷 塾」のように、地域と用件と困りごとを掛け合わせた言葉です。当社が御社の商圏でするのは、それと同じことです。誰が上位にいて、どこが空いていて、御社が実際に知っていることで答えられる場所はどこかを数え、そこにページを置く。見込みが立たなければ、調べた結果とともにそうお伝えします。調べ方の中身は商圏調査に書いています。