塾のブログに何を書くか。「勉強についていけない」を3つの市で数えた

群馬県前橋市と愛媛県松山市で、同じ日に同じ言葉を検索しました。「前橋 中学生 勉強 ついていけない」と「松山 中学生 勉強 ついていけない」です。1ページ目に並んだ9件を見比べると、少なくとも7件が同じサイトのページでした。家庭教師の会社のコラム、比較サイトのコラム、福岡市の塾のページ。松山の結果には、前橋の結果にも出ていた群馬県の塾のコラムが、そのまま入っていました。

市の名前を入れ替えても、並びはほとんど動かなかったことになります。前橋の保護者にも松山の保護者にも、同じ全国向けの記事が答えています。

当社はホームページの運営を引き受ける前に商圏を調べていて、その見本の題材として、学習塾で三つの市を数えました。この記事は、そこで空いていた場所から、塾のブログに何を書くかを考えます。塾のホームページ集客の全体は学習塾のホームページ集客に、三つの市の一つを深く調べた記録は高崎市×学習塾の見本にまとめています。

困りごとの二つの言葉では、54件のうち地元の塾は4件だった

数えたのは高崎市、前橋市、松山市です。どの市でも九つの言葉を検索し、そのうち二つが、保護者や本人が困りごとをそのまま打ち込む言葉でした。「(市の名前) 定期テスト 点数 上げたい」と「(市の名前) 中学生 勉強 ついていけない」です。検索日はいずれも2026年9月24日で、使った道具は各言葉9件を返したので、上位9件を見ています。

二つの言葉、三つの市で、1ページ目は合わせて54件です。そのうち、その市の塾(地元の個人塾、小規模の塾、県内の塾グループ)のページは4件でした。

  • 高崎は2件。「定期テスト」で地元の小規模の塾が1件、「ついていけない」で県内の塾グループが1件です。
  • 前橋も2件。ただし「定期テスト」の1件は、県立前橋高校の合格ラインについての記事で、定期テストの話ではありませんでした。「ついていけない」の1件は県内の塾グループのコラムで、開いてみると、本文は前橋や群馬の中学校の事情には触れていませんでした。
  • 松山は0件。18件すべてが、地域を問わない全国向けの記事か、他の都市の塾や教室のページでした。

残る50件のうち42件が、全国向けの勉強法の記事か、他都市の事業者のページです。前橋の「定期テスト」では、9件のうち3件が県立前橋高校の定期テストや偏差値の話に寄っていました。「前橋」が学校の名前として読まれたのだと見ています。

松山の0件は、地元の塾がウェブで弱いから、ではありません。同じ松山で「松山 塾」「松山市 個別指導塾」「松山 高校受験 塾」の三つを見ると、1ページ目27件のうち10件が地元の塾のページでした(うち3件は同じ一つの塾の記事)。高崎の同じ三つの言葉では2件です。開いた松山の地元の塾八つのうち六つは、2026年に入ってからブログやお知らせを更新していました。塾の名前で探す人には地元の塾が見つかる商圏で、困りごとの言葉にだけ、一件も出てこなかったことになります。

限界も書いておきます。地図枠と広告が出ていたかは、この道具では見えません。それぞれの言葉が月に何回探されているかも分かりません。空いていることは数えられても、そこに何人の保護者がいるかは、この記録からは言えません。数え方そのものは検索結果の1ページ目を数えるに書きました。

保護者は「塾」と打つ前に、子どもの様子を打ち込む

「定期テスト 点数 上げたい」「勉強 ついていけない」は、塾を探している人の言葉ではありません。塾に行かせるかどうかもまだ決めていない段階で、子どもの様子をそのまま打ち込んだ言葉です。塾を探す段階になると、言葉は「塾」「個別指導」に変わります。そこで待っているのは比較サイトと全国チェーンの教室ページで、高崎では中心の三つの言葉の27件のうち25件がそうでした。

その手前の段階に並んでいるのが、全国向けの勉強法の記事です。書いてあることが間違っているわけではないのでしょう。ただ、全国向けの記事には書けないことが二つあります。

一つは、子どもが通っている中学校の定期テストの時期と範囲です。市立の中学校は高崎に25校、松山に29校あり、テストの日程は学校ごとに組まれます。次の中間テストまであと何週間で、いまどの単元でつまずくと成績に響くのか。これを言えるのは、その学校の生徒を毎年見ている塾です。もう一つは、その県の高校受験の仕組みです。公立高校の入試は都道府県ごとに決められていて、内申の扱いも、志望校の選び方も、県の中の事情で変わります。どの県の読者にも当てはまるように書く記事は、ここに踏み込めません。

塾の側は、その中身をすでに持っています。三つの市で開いた地元の塾は合わせて24ですが、本文に市内の中学校の名前が出てくる塾が、高崎で1つ、前橋で1つ、松山で3つありました。松山には、校舎ごとに対象の中学校を決めたクラスを置いている塾もあります。前橋のある塾の教室ページには、九月半ばの日付で二学期の中間テスト対策のお知らせが出ていました。学校の予定を追いかけて授業を組んでいることは、サイトの端々から分かります。

それなのに、中学校ごとの定期テストのページを持つ塾は、24のうちゼロでした。「ついていけない」と打ち込んだ保護者に、その学校の事情で答えているページもありません。前橋で補助に調べた「前橋市 富士見 塾 中学生」では、中学校の名前を題に入れた定期テスト対策のページが1件出ていましたが、出していたのは地元の塾ではなく、全国向けの学習サービスでした(題からの判断で、ページは開いていません)。

知っている人は書いておらず、答えているのは、その学校を知らない記事です。困りごとの言葉の空白は、そういう形をしています。

塾のブログは合格実績と講習の案内で足りる、という考え方もあると思います。講習の案内は、すでに通っている生徒の保護者と、塾を探し始めた保護者には届きます。届かないのは、その手前にいる保護者です。当社は、塾のブログに書く題をここから取るべきだと考えています。

書くのは、教えている学年と学校の範囲で

一本の記事は、打たれた言葉と、学校と、学年と、時期で決まります。たとえば、御社の生徒がいちばん多い中学校の一年生が、二学期の中間テストでどこを落としやすいか。その点数が、この県の高校入試ではどういう意味を持つのか。家で今週できることは何か。題には、保護者が打った「ついていけない」「点数が上がらない」という言い方を、そのまま入れます。

範囲は、御社が実際に教えている学年と、生徒が通っている学校にとどめてください。空いているからといって、生徒のいない学校や教えていない学年のページを置くと、問い合わせが来たときに答えられません。学校の予定は年度ごとに変わるので、一度書いたら毎年直すことになる、という手間も先に見込んでおく必要があります。もう一つ、生徒は未成年です。成績が上がった話を書くときは、一人の生徒の話にせず、学年や学校名と合わせても誰のことか分からない形にならしてください。

ホームページの外に理由がある塾もあります。紹介と口コミで席が埋まっている塾や、教室の定員に余裕のない塾は、この空白を取りに行く理由が薄いはずです。また、困りごとの言葉で読む保護者は、入塾を決めるずっと手前にいます。記事を置いた翌月に体験の申し込みが増える、という形にはなりにくいと見ておくほうが無理がありません。講習の募集の前に置いておき、問い合わせの記録で前後を比べるくらいの構えがちょうどよいと思います。

書く中身は、塾長か教室長の頭の中にしかありません。ここは御社で書けますし、御社でしか書けません。外に任せてよいのは、どの言葉が空いているかを数えることと、学校ごと・学年ごとの置き場所を整えることです。題を頭の中ではなく検索結果の空白から取る考え方は、士業を例にしたブログのネタが切れたときにも書いています。

御社の地域名で、一度だけ検索して数える

当社が三つの市で見た順番のまま書きます。スマートフォンで足ります。

  1. 教室のある市の名前に続けて「中学生 勉強 ついていけない」と打ちます。
  2. 1ページ目を上から一件ずつ、地元の塾のページ、全国向けの記事、他の都市の塾や教室、比較サイトと全国チェーンの教室ページ、に分けて数えます。
  3. 地元の塾のページがあれば開いて、本文に地元の中学校の名前やテストの時期が出てくるかを見ます。前橋の1件のように、地元の塾のページでも中身は全国向けの記事と同じことがあります。その場合は、答えているページには数えません。
  4. 同じことを「定期テスト 点数 上げたい」でもします。
  5. 最後に、遠く離れた別の市の名前で同じ言葉を検索し、並びを見比べます。前橋と松山のようにほとんど同じなら、御社の市の名前は、この言葉ではまだ何の手がかりにもなっていません。

当社の記録では、地元の事情で答えているページは、高崎で多くても2件、前橋で0件、松山で0件でした。

御社の地域でも答えているページがゼロなら、次の一本は、生徒がいちばん多い中学校の、次の定期テストに向けた記事です。