名古屋で士業事務所が検索で見つかるには:「名古屋 税理士」などの検索結果から

名古屋で税理士、弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士(以下、社労士)の事務所を営んでいて、「名古屋 税理士」や「名古屋 司法書士 相続登記」と検索されたときに、自分の事務所がどこに出てくるのかが気になっている方に向けた記事です。当社は2026年10月3日に、名古屋で士業を探す人が打ちそうな20の言葉を検索し、1ページ目に誰のページが並んだかを一件ずつ数えました。事務所の名前は出さず、件数だけで書きます。

「士業 集客」「士業 SEO」で上位に出てくる記事の多くは、専門分野を絞る、記事を書き続ける、Googleマップに登録する、といった全国どこでも通じる方法を並べたものです。間違ってはいませんが、名古屋の1ページ目に実際に誰が並んでいて、どこが空いているのかは、そこからは分かりません。この記事は、その部分だけを数えた記録です。

先に結論を書きます。

  • 「名古屋 税理士」のように士業の名前だけを付けた五つの言葉では、1ページ目46件のうち31件が地元の事務所のトップページでした。ポータル(士業を紹介・比較するサイト)は6件です。取り合っている相手は、ポータルよりも地元の同業でした。
  • 用件を足した十の言葉では、90件のうち54件が、その用件を題に掲げた地元の事務所のページでした。離婚、会社設立、ビザ、建設業許可は9件中7〜8件がそうしたページで、名古屋ではすでに先行者がいる言葉です。
  • 用件のページがまだ少なかったのは「相続登記」(9件中2件)と、ポータルと半分ずつ分け合っていた「顧問料」、全国型の事務所とポータルが入っていた「交通事故」「相続税」でした。当社は、ここに名古屋の事務所が用件のページで入る余地があると見ています。
  • 「中区 税理士」「栄 弁護士」「金山 社労士」のような区名・駅名だけの言葉は、当社の使った道具では名古屋の地名として読まれず、横浜や広島の中区、人名の「金山」などが並びました。

数え方と、この記録の限界

数え方は、当社がこれまで各地の商圏調査の見本で使ってきたものと同じです(手順は競合調査のやり方:順位より先に、検索結果の1ページ目を数えるに書いています)。今回は五つの士業について四つずつ、合わせて20の言葉を選びました。

  • 士業の名前だけの言葉(5語):「名古屋 税理士」「名古屋 弁護士」「名古屋 司法書士」「名古屋 行政書士」「名古屋 社労士」
  • 用件を足した言葉(10語):税理士は顧問料と相続税、弁護士は離婚と交通事故、司法書士は相続登記と会社設立、行政書士はビザと建設業許可、社労士は就業規則と助成金
  • 区名・駅名の言葉(5語):「中区 税理士」「栄 弁護士」「名駅 司法書士」「中村区 行政書士」「金山 社労士」

1ページ目に出たページは、次の六つに分けました。

  • 地元・トップ:名古屋や愛知に拠点を置く事務所のトップページや事務所案内
  • 地元・用件:地元の事務所のページのうち、題が検索した用件を正面から掲げているもの。用件の下層ページ、用件のために別に立てた専用サイト、その用件を専門にする事務所のトップを含みます
  • ポータル:士業の紹介・比較サイト、会計ソフト会社や見積もりサイトの士業検索、電話帳、事務所を並べる比較記事
  • 全国型:名古屋のほかにも拠点を持つ事務所の、名古屋向けのページ
  • 士業会など:税理士会、司法書士会、行政書士会の支部と、それに近い団体のページ
  • その他:求人、他の地域の事務所や記事、人名のページ、判別できなかったもの

限界を先に書きます。当社が使った検索の道具はGoogleそのものではなく、名古屋市内でスマートフォンから検索した画面と同じとはかぎりません。返ってくるのは一つの言葉につき9件か10件の題とアドレスの一覧だけで、地図の枠(地図と事務所の一覧がまとまって出る枠)と広告は、20語すべてで見えていません。どの言葉が月に何回検索されているかも扱っていません。分け方は題とアドレスで判断し、所在地が分からなかったものはサイトを開いて確かめ、それでも分からなかったものは「その他」に入れました。結果は、見る人、時点、地域の設定で変わります。

20語の1ページ目の内訳

2026年10月3日に数えた結果です。数字は件数です。

言葉件数地元・トップ地元・用件ポータル全国型士業会などその他
名古屋 税理士9700020
名古屋 税理士 顧問料9044100
名古屋 税理士 相続税9131301
中区 税理士9102105
名古屋 弁護士9601200
名古屋 弁護士 離婚9170100
名古屋 弁護士 交通事故9042201
栄 弁護士9001404
名古屋 司法書士9601011
名古屋 司法書士 相続登記9621000
名古屋 司法書士 会社設立9171000
名駅 司法書士9301014
名古屋 行政書士10502012
名古屋 行政書士 ビザ9180000
名古屋 行政書士 建設業許可9270000
中村区 行政書士9206001
名古屋 社労士9702000
名古屋 社労士 就業規則9360000
名古屋 社労士 助成金9360000
金山 社労士9000009

言葉の種類ごとにまとめると、形がはっきり分かれました。

言葉の種類件数地元・トップ地元・用件ポータル全国型士業会などその他
士業の名前だけ(5語)463106243
用件を足した言葉(10語)9018549702
区名・駅名(5語)4560105123

「名古屋 ◯◯」だけの言葉は、地元の事務所のトップで埋まっていた

士業の名前だけを付けた五つの言葉では、地元の事務所のトップページが46件中31件を占めました。「名古屋 税理士」は9件中7件、「名古屋 社労士」も9件中7件、「名古屋 弁護士」と「名古屋 司法書士」は9件中6件です。「名古屋 税理士」では、残る2件も税理士会と税理士の協同組合のページで、ポータルは1件も入っていませんでした。

当社がほかの市で数えた記録とは、ここが違います。石川県金沢市では「金沢 税理士」の10件のうち地元の事務所は4件で、残りをポータルと税理士会の検索サイトが分けていました(税理士事務所のホームページに足りないページ:地元の事務所がまだ答えていない問い)。愛知県の豊田、岡崎、一宮、春日井でも、「市の名前 税理士」の4語すべてにポータルが2件から3件入っていました(豊田・岡崎・一宮・春日井で検索に見つかるには:業種ごとの検索結果から)。名古屋では、この言葉の1ページ目を取り合っている相手はポータルではなく、名古屋の同業です。

ここからは当社の見立てです。名古屋のような大きな街では、9件ほどの枠を地元の同業どうしで取り合うことになります。すでに並んでいる事務所の多くは、事務所名や題に「名古屋」を入れたトップページで出ています。これから入る事務所が、トップページでこの並びに加わるのは簡単ではないと見ています。士業の名前だけの言葉の順位を追うより先に、次の章の用件の言葉を見るほうが、使った手間に対して得るものが大きいと考えます。

用件を足すと、用件を題に掲げた地元のページが並ぶ

用件を足した十の言葉では、90件のうち54件が、地元の事務所の「その用件のページ」でした。士業の名前だけの言葉では0件だったので、言葉を一つ足すだけで、出てくるページの種類が入れ替わったことになります。

とくに厚かったのは次の六つです。

  • 「名古屋 行政書士 ビザ」:9件中8件
  • 「名古屋 弁護士 離婚」:9件中7件
  • 「名古屋 司法書士 会社設立」:9件中7件
  • 「名古屋 行政書士 建設業許可」:9件中7件
  • 「名古屋 社労士 就業規則」「名古屋 社労士 助成金」:9件中6件ずつ

中身を見ると、共通点が二つありました。一つは、用件のために別のアドレスで立てた専用サイトが多いことです。離婚では、9件のうち6件が離婚だけを扱う専用サイトでした。もう一つは、同じ事務所が一つの言葉に二つ、三つのページで入っていることです。「名古屋 弁護士 離婚」では一つの事務所が本体のサイトの離婚のページと離婚の専用サイトの二つで、「名古屋 社労士 就業規則」では一つの事務所が三つのページで出ていました。用件のページを作り込んだ事務所が、枠を複数取っている形です。

ビザは、ほかの市との差がいちばん大きかった言葉です。当社が熊本市、静岡市、宇都宮市で「ビザ 申請 行政書士」を数えたときは、地元の事務所は静岡と宇都宮で9件中0件、熊本で9件中4件でした(行政書士の業務別ページ:地方の事務所が検索で取れていない業務の言葉)。言葉の並びが少し違うので同じ比べ方ではありませんが、名古屋では9件中8件がビザを題に掲げた地元のページで、その中には名古屋市港区に向けたページもありました。名古屋市の外国人住民は令和7年12月末で110,418人、前の年から10,172人増えています(名古屋市「名古屋市外国人住民統計」)。依頼の元が大きい分、地元の事務所がすでにページを揃えている、と当社は読んでいます。

当社の見立てとしては、この六つの言葉は名古屋では「先行者のいる場所」です。後から同じ形の用件のページを一枚足しても、専用サイトを持つ事務所や、一つの言葉に複数のページで入っている事務所と並ぶのは重い勝負になります。入るとすれば、用件をもう一段細かくした言葉や、先行者のページが答えていない問いを探すことになりますが、今回はそこまで数えていません。

用件のページがまだ少なかった四つの言葉

一方で、用件を足しても地元の用件のページが半分に届かなかった言葉が四つありました。

相続登記:9件中6件が事務所のトップページ

「名古屋 司法書士 相続登記」は、地元の司法書士事務所が9件中8件を占めていました。ところが、そのうち6件はトップページで、相続登記を題に掲げたページは2件だけです。検索した人が「相続登記」と打っても、着くのは業務を並べたトップで、そこから相続登記の説明を自分で探すことになります。

相続登記は、令和6年(2024年)4月1日から申請が義務になりました(法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。調べる人が増えておかしくない手続きです。ほかの市では、手続きの名前で探すと法務局や役所のページが先に出る傾向がありました。岡山市では「岡山市 相続登記」の上から4件が法務局と市のページです(司法書士のホームページ集客:3つの市で検索結果と20事務所のサイトを数えた)。今回は「司法書士」を付けて検索したため同じ比べ方ではありませんが、名古屋の1ページ目に公の窓口のページは入っていませんでした。

当社は、用件を足した10語の中でここがいちばん、名古屋の司法書士事務所が用件のページで入れる余地のある言葉だと見ています。トップページで出ている事務所が多いということは、相続登記の問いに一枚で答えるページが、まだ少ないということでもあるからです。

顧問料:ポータルと地元の料金ページが4件ずつ

「名古屋 税理士 顧問料」は、税理士の比較サイトや会計ソフト会社の税理士検索などのポータルが4件、地元の事務所が4件、全国型が1件でした。地元の4件は、4件とも料金表や顧問料のページで、トップページは1件もありません。金沢市の「金沢市 税理士 顧問料」でも、ポータルの間に入っていた地元の3件はすべて料金のページでした。料金を具体的に書いたページなら、ポータルの多い言葉でも地元から入っている、という形が名古屋でも見えました。

交通事故と相続税:全国型の事務所が入っている

「名古屋 弁護士 交通事故」は、地元の用件のページが4件(うち2件は同じ事務所)、全国型が2件、ポータルが2件でした。「名古屋 税理士 相続税」は、全国型が3件で、地元の用件のページ3件と並んでいます。どちらも、全国に拠点を持つ事務所が名古屋向けのページを置いている言葉です。

当社の見立てでは、ここは地元の事務所が名古屋の事情で答えられるかどうかで差が出る場所です。全国型のページは、どの都市でも通じる説明が中心になりやすく、名古屋のどこで相談でき、どこの裁判所や税務署が関わるのか、といった地元の具体には踏み込みにくいはずです。ただし、弁護士の広告には日本弁護士連合会の規程があり、書ける表現に決まりがあります。書く前に法律事務所のポータルサイトと自社ホームページ:地方の事務所が検索で入れる場所や、所属する会の規程を確かめてください。

区名・駅名だけの言葉は、名古屋の地名として読まれなかった

区名や駅名だけを付けた五つの言葉では、45件のうち23件が「その他」でした。地元の事務所の用件のページは0件です。

  • 「中区 税理士」:9件のうち横浜市中区の事務所や検索ページが3件、広島市中区が1件。名古屋市中区の士業検索のページは2件、名古屋の事務所は1件でした。
  • 「栄 弁護士」:名古屋の栄に拠点を置く全国型の事務所のページが4件、弁護士の検索サイトの事務所ページが1件。残る4件は、事務所名に「栄」が入った他県の事務所、「栄」という名前の弁護士、他県の求人でした。
  • 「名駅 司法書士」:求人が4件。名古屋駅に近いことを題に入れていた事務所は1件でした。
  • 「中村区 行政書士」:士業の検索サイトや相続費用の見積もりサイトにある事務所ページが6件でした。
  • 「金山 社労士」:9件すべてが「金山」という名前の社労士や、東京、島根の事務所で、名古屋の金山の社労士は0件でした。

ただし、ここは道具の限界がいちばん大きく出る場所です。「栄 弁護士」のような言葉は、名古屋の中でスマートフォンから打てば、現在地の近くの事務所が地図の枠に出る可能性が高いと考えられますが、当社の道具ではその枠が見えていません。Googleは、地図の枠に並ぶ順位を「関連性」「距離」「知名度」で決めると説明しています(Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google でのローカル検索結果のランキングを改善する方法」)。地図の枠と通常の検索結果の違いはローカルSEOとは:地域の検索で、地図の枠と通常の検索結果は別の仕組みで決まるにまとめています。

当社の見立てとしては、区名や駅名の言葉は、ページを増やして取りにいく言葉というより、地図の側の登録を正しく整えておく言葉です。そのうえでサイトには、「中区」や「栄」だけでなく「名古屋市中区栄」のように市の名前と組にして所在地と最寄り駅を書いておくと、他の都市の中区や人名と取り違えられにくくなると考えます。区や駅ごとに中身の同じページを並べることは勧めません。

名古屋の士業事務所が、用件のページで入れる余地(当社の見立て)

20語の記録から、士業ごとに当社の見立てをまとめます。いずれも検索回数を見ていないので、空いて見える言葉が、探す人の少ない言葉である可能性は残ります。

士業先行者の厚い言葉余地があると見る言葉
税理士「名古屋 税理士」(地元のトップ7件)顧問料(料金のページなら入れている)、相続税(全国型と並ぶ)
弁護士離婚(地元の用件のページ7件)交通事故(全国型とポータルが4件)
司法書士会社設立(地元の用件のページ7件)相続登記(用件のページ2件、トップ6件)
行政書士ビザ(8件)、建設業許可(7件)今回の4語では見当たらず。業務をもう一段細かくした言葉で数え直す必要がある
社労士就業規則、助成金(6件ずつ)今回の4語では見当たらず

行政書士と社労士については、今回数えた言葉の範囲では、地元の事務所がすでに用件のページを揃えていました。ほかの市で数えた記録では、社労士の「36協定 届出」は、福井市、仙台市、沼津市のどの1ページ目にも地元の社労士事務所のページがありませんでした(社労士事務所のホームページで顧問先は増えるか:増える事務所と増えない事務所の違い)。名古屋でも、業務の名前をもう一段細かくすると、まだ答えのない言葉が出てくる可能性はあります。これは仮説で、確かめるには数え直す必要があります。

反対に、ホームページに手間をかけても効きにくい場面もあります。依頼の多くが紹介や顧問先からの継続で回っている事務所では、先行者の厚い言葉に新しいページを足しても、依頼の流れはあまり変わらないはずです。また、用件のページは「業務の一覧に名前がある」だけでは出てきません。当社がほかの市で数えた記録でも、用件の専用ページを持っているのに、その言葉の1ページ目に出ていない事務所が何度もありました。

当社は、ホームページの運営をお引き受けする前に、その事務所の商圏でこの記事と同じ数え方をする商圏調査を行い、見込みが立たない場合はその理由をお伝えしてお引き受けしません。料金の考え方は料金に書いています。

各地で数えた記録をまとめた集計は、地域の中小企業は検索でどう見えるか:30地域・13業種の1ページ目調査2026に載せています。

今日、自分の事務所で確かめられること

  1. 「名古屋 ◯◯(士業の名前)」で検索し、1ページ目に自分の事務所が出るか、出るならトップページか、ほかのページかを書き留める。
  2. いちばん受けたい用件を一つ選び、「名古屋 ◯◯ 用件」で検索して、1ページ目のうち地元の事務所の用件のページが何件、トップページが何件、ポータルと全国型が何件あるかを数える。用件のページが9件中6件以上なら先行者のいる言葉、トップページが多ければ用件のページで入る余地のある言葉と見当がつく。
  3. その用件で、自分の事務所に題からその用件だと分かるページがあるかを確かめる。業務一覧の一行だけなら、まだページはないと考える。
  4. 事務所のある区名や最寄り駅名と士業名で検索し、他の都市や人名のページが並んでいないかを見る。あわせてGoogleマップで事務所名を検索し、住所とカテゴリーが正しいかを確かめる。
  5. サイトの事務所案内に、所在地が「名古屋市◯◯区」と市の名前から書かれ、最寄り駅からの道順が書いてあるかを確かめる。
  6. 次の一か月、問い合わせのたびに、どこで事務所を知ったか(紹介、検索、地図、ポータル)を一行で残す。

最初の二つだけでも、自分の事務所がいま取り合っている相手が同業なのか、ポータルなのか、全国型の事務所なのかが分かります。

この記事の出典は次のとおりです。検索結果の件数は、2026年10月3日に当社が数えたものです。