Googleの口コミ返信の例文と書き方:悪い口コミ・事実と違う口コミと士業の注意

Googleマップや検索結果に出る自社の口コミに、どう返信すればよいか。この記事は、地方で店や会社、士業の事務所を営む方に向けて、Googleが公式ヘルプで公表している返信の仕組みとヒントを先に確かめ、そのうえで良い口コミ・悪い口コミ・事実と違う口コミへの返信の文例を並べたものです。士業の事務所は、守秘の義務があるため、ほかの業種と同じ書き方ができません。その違いは後半に分けて書いています。なお、Googleのヘルプでは「クチコミ」と表記していますが、この記事では引用を除いて「口コミ」と書きます。

先に結論を書きます。

  • 返信は公開の前にGoogleの審査を通り、口コミを書いた人に通知されます。書いた本人だけでなく、これから来る人が読む文章です。
  • Googleのヘルプが勧めているのは、簡潔に書くこと、全員に同じお礼を返すより中身のある返信に絞ること、否定的な口コミには事情を調べて誠実に答え、込み入った話は電話やメールで連絡してもらうよう頼むこと、返信で特典や宣伝をしないことです。
  • 事実と違う口コミは、返信で争うより、訂正が要る点だけを短く書きます。削除されるのはGoogleのポリシーに違反する口コミだけで、報告と1回限りの再審査請求という手順があります。
  • 士業の事務所は、返信で依頼があったかどうかを認めも否定もしない書き方にそろえます。名誉毀損かどうか、削除を法的に求められるかどうかの判断は、この記事では扱いません。弁護士にご相談ください。

口コミへの返信について、Googleが公表していること

「口コミ 返信 例文」で上位に並ぶ記事の多くは、返信のメリットや例文集から始まります。当社は、文例の前に、返信がどう扱われるかをGoogleのヘルプで確かめておくほうが、書く内容を決めやすいと考えています。2026年10月に当社が読んだ範囲では、次のとおりでした。

項目ヘルプに書かれていること
返信できる人「クチコミに返信するには、ビジネスのオーナー確認を行う必要があります」
公開までの流れ返信はGoogleのコンテンツポリシーに沿っているか審査される。「通常、返信の審査の所要時間は10分以内ですが、最長で30日ほどかかる場合もあります」
表示のされ方企業からの返信として表示され、返信した担当者の個人名は表示されない
口コミを書いた人返信が公開されると、口コミを書いた人に通知が届く
あとからの修正返信は編集も削除もできる

(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」)返信の欄が出ないときに確かめるオーナー確認の方法は、オーナー確認の記事にまとめています。

返信の書き方のヒントは、別のページ「クチコミを増やすためのヒント」にまとまっています。要点は次のとおりです。

  • 丁寧に、簡潔に。長すぎる返信は読む気をなくさせることがある、とされています。
  • 全員に同じお礼を返すより、役に立つ近況を伝えたり質問に答えたりできる口コミに絞る。同じ趣旨は英語版にも書かれています。
  • 否定的な口コミには、プライバシーを守り個人攻撃をしない、不満の原因を調べる、誠実に対応し制限があればそれを説明する、必要に応じて謝る、速やかに返す。込み入った話は、電話かメールで連絡してもらうよう口コミを書いた人に頼む。
  • 返信に名前かイニシャルを添えると、返信の信頼性を高められる。
  • 返信で「お得な情報やプロモーションを提示する必要はありません」。

(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」)

返信が地図の順位に効くか、という点も確かめました。順位の決まり方を説明したヘルプのページには「好意的なクチコミや有用な返信は、ビジネスの注目度を高めるのに役立ちます」とありますが、返信の数や速さで順位がどれだけ動くかといった記述はありません(出典:同ヘルプ「Google でのローカル検索結果のランキングを改善する方法」)。順位を決める三つの要素と、地図の枠と通常の検索結果の違いはローカルSEOとはの記事に書きました。当社は、返信を順位のためではなく、これから来る人に向けた案内として書くことを勧めています。

返信の文例を読む前に

以下の文例は、当社が説明のために作った架空の例です。口コミの中身も返信も、実在の事業者のものではありません。業種をあえてばらして、どの業種でも組み立ての型が使えるようにしています。文面をそのまま貼り付けると、どの口コミにも同じ返信が並び、ヘルプが避けるよう勧めている、全員に同じお礼を返す形になります。型だけを借りて、言葉は御社のものに置き換えてください。

当社が返信の型として勧めているのは、次の三つの部品です。口コミに書かれた具体的なことに一言触れる。こちらから伝える事実があれば一つだけ書く。続きがあるなら連絡先か窓口を示す。三つとも要らない口コミには、無理に返信しなくてかまいません。

良い口コミへの返信の例文

架空の例として、地方の美容室に届いた星5の口コミを置きます。

口コミ:「くせ毛で悩んでいましたが、乾かし方まで教えてもらえて、家でもまとまるようになりました。駐車場が広いのも助かります。」

よくある返信:「この度はご来店ありがとうございました。またのご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。」

中身のある返信:「乾かし方を家でも続けていただけているとのこと、担当としてうれしく読みました。くせの出方は季節で変わるので、梅雨どきに気になったら、次のご来店のときにお声がけください。(店長 山田)」

違いは、口コミのどこを読んだかが返信から分かるかどうかです。後者は、くせ毛で悩んでいる別の人が読んでも、この店で何をしてもらえるかが伝わります。末尾の名前は、ヘルプが勧めている、名前かイニシャルを添える形に当たります。一方で、次回の割引や新メニューの案内を足すのは、ヘルプが返信で勧めていない宣伝の側に寄るので、当社は入れないことにしています。

星だけで本文のない口コミには、短いお礼で足ります。書くことのない返信を毎回付けるより、本文のある口コミにきちんと返すほうに時間を使うのが、ヘルプの勧めにも合っています。

悪い口コミへの返信の例文

架空の例として、地方の工務店に届いた星2の口コミを置きます。

口コミ:「外壁の塗り替えをお願いしました。仕上がりは悪くないが、工期が予定より一週間延びたのに、連絡が遅かった。」

避けたい返信:「工期の遅れは雨天が続いたためで、契約書にも天候による延長の可能性は記載しております。現場の〇〇はその週に何度もお電話しましたが、つながりませんでした。」

当社が勧める返信:「工期が延びることを、こちらから早くお知らせできず、申し訳ありません。いまは、予定から遅れが出そうな時点で、その日のうちにお電話とメッセージの両方でお知らせする形に改めています。仕上がりで気になるところがあれば、事務所の〇〇(電話番号)までご連絡ください。」

避けたい返信は、書かれていることが事実だとしても、読む人には言い訳と反論に見えます。現場の担当者の名前や電話のやりとりは、口コミを書いた人の側の事情にも触れることになり、ヘルプの言う「プライバシーを保護」することから外れていきます。勧める返信は、口コミの不満のうち事業者の側で直せる部分(連絡の遅さ)だけを認め、何を変えたかを一つ書き、続きは電話で受ける組み立てです。雨で遅れた事情を書きたくなったら、それは返信ではなく、ホームページの「工事の進め方」のページに、天候で工期が延びるときの連絡の仕方として書いておくほうが、これから頼む人の役に立つと当社は考えています。

謝るかどうかは、口コミのどの部分が事実かで決めます。ヘルプも「必要に応じて」謝るとしていて、すべてを認めるようには求めていません。事情を調べる前に返信すると、謝りすぎるか言い返すかのどちらかになりやすいので、悪い口コミほど、社内で事実を確かめてから書くのが順番です。

事実と違う口コミへの返信と、報告の手順

公開している情報で確かめられることだけを訂正する

架空の例として、地方の学習塾に届いた星1の口コミを置きます。

口コミ:「入塾金が無料と聞いていたのに、実際は払わされた。」

返信の例:「ご不快な思いをさせて申し訳ありません。当塾の入塾金は、ホームページの料金のページに載せているとおり、春の募集期間の受付分だけを無料にしています。説明が分かりにくかったのであれば、こちらの伝え方の問題です。詳しい経緯をうかがいたいので、教室の〇〇(電話番号)までご連絡いただけますか。」

訂正しているのは、誰でも確かめられる公開の料金の決まりだけです。その人がいつ申し込んだか、どの説明を受けたか、といった個別のやりとりには触れていません。事実と違う口コミほど、記録を並べて反論したくなりますが、個別の記録を返信に書けば、それ自体が口コミを書いた人の情報を公開することになります。返信で正すのは「これから来る人が誤解しないために要る一点」までにとどめ、残りは直接の連絡に回します。

ポリシーに違反する口コミは、返信と別に報告する

来店した覚えのない人からの口コミや、関係のない内容、嫌がらせのような口コミは、Googleマップのユーザー投稿コンテンツのポリシーに照らして報告できます。ポリシーは、虚偽や誤解を招くコンテンツ、嫌がらせ、本人の同意のない個人情報、その場所での体験に関係のない内容などを禁じています(出典:Google マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー)。

報告の手順は、ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」に次のように書かれています。

  1. ビジネスプロフィールで「クチコミを読む」を開き、該当する口コミの報告ボタンから理由を選んで送る。または「クチコミ管理ツール」で同じように報告する。
  2. 報告の状況は、クチコミ管理ツールで確かめられる。表示は「判定待ち」「審査完了 – ポリシー違反なし」「エスカレーション済み」などに分かれる。
  3. 違反なしと判断された口コミには、「1 回限りの再審査請求」を送れる。結果はメールで届く。

同じヘルプは、削除の対象はポリシーに違反している口コミだけで、「内容に不満がある、気に入らないという理由だけで、クチコミを報告することはしないでください」と書いています(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」)。厳しいだけの口コミは、報告しても残ると考えておくほうが現実的です。削除を依頼する手順と、消せない口コミの見分け方は、Googleの口コミを削除・非表示にできるかにまとめています。

当社は、報告とは別に、短く落ち着いた返信を付けておくことを勧めています。たとえば「このご投稿の内容について、当店では事実を確認できませんでした。お心当たりのある方は、店舗までご連絡ください」。相手を嘘つき呼ばわりせず、確認できなかったことだけを書きます。ただし、次の章のとおり、士業の事務所はこの書き方も使えません。

口コミが名誉毀損に当たるか、投稿者の情報の開示や削除を法的に求められるか、といった判断は、当社が書ける範囲を超えます。返信で応酬する前に、弁護士にご相談ください。

士業事務所の返信で、書いてよいことと避けること

士業の事務所は、ここまでの文例の多くをそのまま使えません。弁護士法第23条、司法書士法第24条、行政書士法第12条、社会保険労務士法第21条、税理士法第38条は、いずれも業務で知った秘密を守る義務を定めています。条文の並びと、声や事例を載せるときの決まりは士業のお客様の声と事例の載せ方にまとめました。

ここから先は、条文から当社が考えている注意で、個別の当てはめは所属の会にご確認ください。口コミの返信で問題になりやすいのは、次の三つです。

  • 依頼の事実を認めること。「ご依頼いただいた相続の件では」と書けば、口コミを書いた人がその事務所に相続の相談をしたことを、事務所の側から公開することになります。良い口コミへのお礼でも同じです。弁護士の事務所に、事件の相手方とみられる人から口コミが届いた場合も、相手方だと書けば事件の存在に触れることになります。
  • 依頼がなかったと否定すること。「当事務所にご依頼の記録はありません」と書けば、その人については依頼がないと明かすことになり、別の口コミで同じ書き方をしなかったときに、そちらは依頼者だと読めてしまいます。認めることも否定することも、どちらもしないのが一貫した形です。
  • 反論のために中身に触れること。費用、期間、書類のやりとり、相手方とのやりとりは、事実の訂正のつもりでも、依頼の中身そのものです。

そのうえで、士業の事務所の返信は、口コミの中身に関係なく、ほぼ同じ骨組みにそろえるのが安全だと当社は考えています。架空の例として、地方の税理士事務所の返信を置きます。

口コミの種類返信の例
良い口コミ「温かいお言葉をありがとうございます。個別のご相談の内容についてはこの場では触れられませんが、いただいたお言葉は所内で共有いたします。(税理士 山田)」
悪い口コミ「ご意見をありがとうございます。個別のご相談の内容についてはこの場でお答えできませんが、事務所までお電話をいただければ、所長が直接うかがいます。(電話番号)」
心当たりのない口コミ・依頼者かどうか分からない口コミ悪い口コミと同じ文面。依頼の有無にも、立場にも触れない。ポリシーに違反すると考えられるなら、返信とは別に報告する

ヘルプが否定的な口コミに勧めている「制限事項を説明する」は、士業ではこの「個別のご相談の内容についてはこの場でお答えできません」の一文に当たります。答えられない理由を短く示すことで、黙っているより誠実に見え、これから相談しようとしている人にも、この事務所は相談の中身を外に出さないと伝わります。返信がどの口コミにもほぼ同じ文面になるのは、士業では欠点ではなく、守秘を守っている印として読まれると当社は見ています。

なお、頼んで書いてもらった口コミや、良い部分だけを選んだ口コミを自分のサイトに載せると、景品表示法のステマ規制の問題になりうること、弁護士と司法書士には事例を載せる条件が会の規程にあることは、Googleマップ集客とビジネスプロフィール運用の記事に書いています。

口コミの増やし方には、返信とは別の決まりがある

返信を整えると、次に口コミの数を増やしたくなります。Googleのヘルプは、口コミを書いてもらうためのリンクやQRコードを渡して依頼することを認める一方、口コミの投稿や変更、否定的な口コミの削除と引き換えに、無料や割引で商品やサービスを提供することを禁じています(出典:上記「クチコミを増やすためのヒント」)。返信の中で「次回ご来店時に〇〇をサービスします」と書くのも、口コミと特典が結びついて見えるので、当社は避けるよう勧めています。依頼用のリンクとQRコードの作り方、頼む時期、文面の見本はGoogle口コミを増やす方法にまとめました。

依頼の仕方の具体的な線引きと、消費者庁のステマ規制との関係はGoogleマップ集客とビジネスプロフィール運用に、返信や口コミ対策を業者に頼む場合の料金の形と、契約の前に確かめることはMEO対策の費用と、業者に頼む前に確かめることにまとめています。当社は、返信を外に任せる場合でも、外に出すのは下書きまでにして、載せる前に事業者が目を通す形を勧めています。この記事で見てきたとおり、返信に書いてよいことの線は、その事業者の記録と立場を知っている人にしか引けないからです。

今日、自社で確かめられること

  1. Googleマップで自社の名前を検索し、本文のある口コミのうち、返信していないものの数を数えます。
  2. これまでの返信を読み返し、同じお礼の文面が続いていないか、次回の割引や新商品の宣伝が入っていないかを見ます。
  3. 悪い口コミへの返信に、お客の名前、日付、担当者の名前、やりとりの中身が書かれていないかを見ます。書かれていたら、編集して削ります。返信はあとから編集できます。
  4. 士業の事務所なら、返信に依頼の事実を認める言葉か、依頼がないと否定する言葉がないかを見ます。あれば、上の表の骨組みに書き直します。
  5. 事実と違う口コミがあるなら、訂正に要る一点が、ホームページの料金や営業時間のページで誰でも確かめられる形になっているかを見ます。なっていなければ、返信より先にそのページを直します。
  6. 悪い口コミが来たときに、誰が事実を確かめ、誰が返信を書き、何日以内に載せるかを、社内で一度決めて書き留めます。