Googleマップに付いた口コミは、お店や事務所の側(ビジネスプロフィールのオーナー)が自分で削除したり、非表示にしたりすることはできません。当社が2026年10月8日に読んだGoogleの公式ヘルプには、オーナーが口コミを消す設定は見当たらず、用意されているのは、Googleのポリシーに違反する口コミを「報告」して削除を求める仕組みです。報告された口コミはGoogleが審査し、違反と判断されたものだけが削除されます。ヘルプには「報告されたクチコミが Google のポリシーに準拠している場合は、公開されたままになります」とあり、厳しいだけの口コミは、報告しても残ると考えておくのが現実的です。
先に結論を書きます。Googleのヘルプでは「クチコミ」と表記していますが、この記事では引用と画面の表示名を除いて「口コミ」と書きます。
- 口コミが消えるのは、主に三つの場合です。Googleのポリシー違反と判断されたとき(来店していない人の投稿、元従業員や同業者など利害のある人の投稿、個人情報や嫌がらせを含む投稿など)、投稿した本人が編集・削除したとき、法律に基づく申し立てが認められたときです。
- 報告は、ビジネスプロフィールの「クチコミを読む」か、「クチコミ管理ツール」から行います。審査には「通常数日」かかり、「審査完了 – ポリシー違反なし」となった口コミには、1回限りの再審査請求ができます(一度に選べるのは10件まで)。
- ヘルプは「内容に不満がある、気に入らないという理由だけで、クチコミを報告することはしないでください」と書いています。残った口コミには、これから来る人に向けて返信で答えます。
- 削除や書き換えと引き換えに割引や返金を出すこと、悪い口コミを埋もれさせるためにスタッフや知人に投稿を頼むことは、Googleのポリシーで禁止されています。違反が見つかると、新しい口コミを受け付けられなくなるなどの制限がかかることがあります。
消せる口コミと消せない口コミの見分け方
Googleが削除の対象にしているのは、ポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)に当たる口コミです。ポリシーには「虚偽のエンゲージメント」「評価の操作」「なりすまし」「誤った情報」「不実表示」「ハラスメント」「ヘイトスピーチ」「個人情報」「関連性のないコンテンツ」「宣伝と勧誘」「繰り返し投稿されたコンテンツ」などの見出しが並んでいます。よくある口コミを当てはめると、次のようになります。右の列は当社の見立てで、削除するかどうかを決めるのはGoogleです。
| 口コミの例 | 当たりうるポリシーの見出し | 当社の見立て |
|---|---|---|
| 店を利用していないと思われる人の投稿、別の店と取り違えた投稿 | 虚偽のエンゲージメント(実体験に基づく必要がある) | 報告する価値がある |
| 元従業員、同業者、取引先、家族による投稿 | 評価の操作、不実表示(利益相反) | 報告する価値がある |
| 従業員の氏名など、本人の同意のない個人の情報を書いた投稿 | 個人情報 | 報告する価値がある |
| 脅し、差別的な言葉、しつこい中傷 | ハラスメント、ヘイトスピーチ | 報告する価値がある |
| 店と関係のない主張、他社の宣伝 | 関連性のないコンテンツ、宣伝と勧誘 | 報告する価値がある |
| 同じ人が同じ内容を何度も投稿 | 繰り返し投稿されたコンテンツ | 報告する価値がある |
| 料金や営業時間など、事実と違う内容 | 誤った情報、不実表示に当たるかは内容次第 | 判断が分かれる。返信で訂正しておく |
| 星1つだけで本文がない | 当てはまる見出しが見当たらない | 残る可能性が高い |
| 厳しいが、実際の体験に基づく感想 | 当てはまらない | 残る。返信で答える |
ポリシーのいう利益相反には「現在または過去の雇用関係、契約関係や顧問関係」や「業界の競合他社、家族関係など」が含まれます。辞めた従業員が書いたと分かる口コミや、同業者が書いたと分かる口コミは、この項目に当てはめて報告できます。
一方で、Googleは「事業者とユーザー間の紛争には関与しません」とヘルプに書いています。「対応が悪かった」「説明と違った」のように、店とお客の言い分が食い違っている口コミは、どちらが正しいかをGoogleが調べて裁く対象ではない、ということです。当社は、この種の口コミに報告で時間を使うより、返信で事実を短く示すほうに手間をかけることを勧めています。返信の書き方は後の見出しで触れます。
報告の手順:ビジネスプロフィールから、Googleマップから
報告の入口は三つあります。オーナーや管理者ならビジネスプロフィールかクチコミ管理ツール、オーナーでない人(たとえば口コミで名前を書かれた従業員本人)ならGoogleマップからです。画面の表示名は、2026年10月8日時点のヘルプの表記です。
ビジネスプロフィールから報告する
- ビジネスプロフィールを開きます。開き方が分からないときはログイン方法と管理画面の開き方をご覧ください。
- 「クチコミを読む」を選びます。
- 報告する口コミの横にある「報告」を選びます。
- 報告する理由を選び、「報告を送信」を選びます。
クチコミ管理ツールから報告する
Googleは「クチコミ管理ツール」という専用の画面も用意しています。報告のあとの状況の確認と再審査請求もこのツールで行うので、報告したい口コミが複数あるときは、最初からこちらを使うと追いかけやすくなります。
- クチコミ管理ツールを開きます。
- 表示されたメールアドレスが、プロフィールを管理しているアカウントなら「確認」を選びます。違う場合は「アカウントを切り替える」を選びます。
- ビジネスを選びます。
- 「続行」、「新しいクチコミの削除をリクエストする」、「続行」の順に選びます。
- 報告する口コミの横にある「報告」を選びます。
- 新しいタブで報告の理由を選び、「送信」を選びます。
Googleマップから報告する(オーナーでなくてもできる)
マップのヘルプ「コンテンツを報告、修正する」に載っている手順です。
- パソコンでは、Googleマップで店を検索して選び、「クチコミ」を開きます。報告する口コミのメニューアイコンから「クチコミを報告」を選びます。
- スマートフォンでは、Googleマップのアプリで店を選び、「クチコミ」の欄まで右にスワイプします。報告する口コミをタップし、下にスクロールして「クチコミを報告」を選びます。
- 表示されたフォームに記入し、「送信」を選びます。
理由を選ぶときは、上の表のどの見出しに当たるかを先に決めておくと迷いません。当社の見立てですが、「内容が気に入らない」に近い理由で出した報告は、通らないうえに、次に書く再審査の1回を使ってしまうことになりかねません。
審査の状況の確かめ方と、1回限りの再審査
ビジネスプロフィールのヘルプは、審査について「クチコミの評価には通常数日かかります」としています。報告した口コミの状況は、クチコミ管理ツールで確かめられ、次のどれかが表示されます。
| 表示 | 意味 | すること |
|---|---|---|
| 判定待ち | 報告済みで、まだ審査されていない | 待つ |
| 審査完了 – ポリシー違反なし | 違反は見つからなかった | 納得できなければ再審査請求を出す |
| エスカレーション済み – メールで最新情報をご確認ください | 再審査請求が審査されている | 結果のメールを待つ |
再審査請求は、報告した口コミが削除に該当しないと判断された場合に「1 回限り」出せます。手順は次のとおりです。
- クチコミ管理ツールを開き、アカウントを「確認」してビジネスを選びます。
- 「続行」、「報告したクチコミのステータスと再審査請求の方法を確認したい」、「続行」の順に選びます。
- 画面下の「条件を満たしているクチコミに対して再審査を請求」を選びます。
- 再審査を求める口コミを選びます。選べるのは10件までです。
- 「続行」、「再審査請求を送信」の順に選び、新しいタブのフォームに記入して「送信」を選びます。
Googleマップから報告した場合は、マップのヘルプによると、報告の状況はGoogleマップのアプリの「報告済み」の欄で追え、「処理しています」「コンテンツは削除されました」「コンテンツは削除されませんでした」「コンテンツは復元されました」「報告はキャンセルされました」のように表示されます。削除されなかった場合も「1 回だけ再審査請求を送信できることがあります」とされています。
再審査は一度きりです。当社は、出す前に「この口コミはポリシーのどの見出しの、どの部分に当たるか」を一文で書けるかを確かめることを勧めています。書けないなら、再審査より返信に回したほうが、手間に見合います。
報告しても残った口コミには、返信で答える
削除されなかった口コミは、プロフィールに残り続けます。そこで効いてくるのが返信です。返信は口コミを書いた本人だけでなく、これからお店や事務所を選ぶ人が読みます。言い返すより、事実の訂正が要る点だけを短く書き、続きは電話や窓口で受ける形が、読む側には落ち着いて見えます。良い口コミ・悪い口コミ・事実と違う口コミの返信の例文と、士業の事務所が守秘のために返信で避けることは、Googleの口コミ返信の例文と書き方にまとめています。
口コミを書いた本人は、Googleマップの「自分の投稿」から口コミを編集・削除できます(マップのヘルプ「Google マップでクチコミと評価を追加、編集、削除する」)。行き違いが解けて、本人が自分の判断で書き直すことはありえます。ただし、ポリシーは「否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為」を禁じています。返金や値引きの話と、口コミを消してほしいという話を一緒にしないでください。見返りがなくても、こちらから削除を頼むことは、ポリシーが禁じる「否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり」する行為と受け取られかねないので、当社は頼まないことを勧めています。
悪い口コミを目立たなくするために、良い口コミを増やせばよいのでは、と考える方もいるでしょう。口コミを頼むこと自体は認められていますが、満足していそうな人だけを選んで頼むことは「肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為」として禁止されています。決まりの内側での頼み方と文面の見本はGoogle口コミを増やす方法に書きました。
法律に基づく削除の申し立てと、相談先
ポリシー違反の報告とは別に、Googleには、現地の法律に違反していると思われるコンテンツを申し立てる窓口があります。マップのポリシーのヘルプ「法律に基づく削除」から、Google全体の申し立てのページ「Google 上のコンテンツを報告」へ進みます。最初に「Google マップと関連プロダクト」を選び、案内に沿って理由を選ぶ形で、理由の中には「名誉毀損」などがあります(表示は変わることがあります)。
ある口コミが名誉毀損に当たるか、投稿した人の情報の開示や削除を法的に求められるか、という判断は、当社が書ける範囲を超えます。法的な手続きを考えるときは、弁護士にご相談ください。どこに相談すればよいか分からない段階なら、総務省の支援事業として「違法・有害情報相談センター」があり、サイトの管理者などへの削除依頼の方法が分からない場合の相談をWebフォームで受け付けています(出典:総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応」)。
悪い口コミを材料に金銭を要求されたとき
星1つや2つの口コミが急に増え、そのあと「消してほしければ」と金銭や商品を要求される、という手口について、Googleは専用の窓口を設けています。ヘルプ「ビジネス プロフィールでの否定的なクチコミによる恐喝詐欺を報告する」によると、「販売者に対する恐喝の報告フォーム」から、次の情報を添えて報告します。
- 自分の連絡先と、被害を受けたビジネスとの関係、ビジネスの名前・住所・プロフィールへのリンク
- 不審な低評価の口コミの詳細と、それぞれへのリンク
- 相手の連絡先やユーザー名、要求の方法
- 日時と送り主が分かるスクリーンショット
- 低評価の急増に気付いた日時と、最初に要求を受けた日時
ヘルプは「悪意のあるユーザーとやり取りしたり、そのようなユーザーに金銭を支払ったりしないでください」としています。要求のメッセージは消さずに保存しておきます。ヘルプに警察への相談の記述はありませんが、脅されているなら、Googleへの報告とあわせて警察に相談することも考えてください(当社の見立て)。
やってはいけないこと
悪い口コミが付くと、何とかして消したくなります。そのときに選びがちで、かえって状況を悪くするものを並べます。
- 削除や書き換えと引き換えに、返金・割引・無料のサービスを申し出る。上に書いたとおり、ポリシーで禁止されています。
- 悪い口コミを埋もれさせるために、スタッフ、家族、取引先に口コミを書いてもらう。利益相反の投稿に当たります。スタッフに「一定数のクチコミを募るよう」求めることも禁止されています。
- 競合の店に低評価を付け返す。ポリシーは「競合他社のお店やビジネスについて、その企業や商品の評判を傷つけるコンテンツを投稿する行為」を禁じています。
- 返信で、投稿した人が誰かを推測して書く、個人的に攻撃する。読む人の印象を悪くするうえ、返信もGoogleの審査を通って公開されます。
- 「口コミを削除できます」とうたう業者に頼む。次の見出しで書きます。
違反が見つかったときの扱いは、ヘルプ「ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限」にあります。違反の口コミを削除したうえで、「一定期間、ビジネス プロフィールで新しいクチコミや評価を受け取ることができなくなる」「一定期間、ビジネス プロフィールの既存のクチコミや評価が非公開になる」「虚偽のクチコミが削除されたことを消費者に知らせる警告がビジネス プロフィールに表示される」といった制限がかかることがあります。悪い口コミを一件消そうとして、積み上げてきた良い口コミまで見えなくなるのが、いちばん避けたい結果です。
「削除します」という業者に頼む前に
口コミを削除するかどうかを決めるのはGoogleの審査で、外の誰かが確実に消せるものではありません。業者に頼んでも、出せるのは上に書いた報告や再審査で、結果を決めるのはGoogleです。Googleは業者向けの「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」で、「Google サービスで上位に掲載されることを保証する」ことなどの誤解を招く主張を禁じています。口コミの削除の保証について書かれた項目は当社は見つけていませんが、結果を約束する売り込みには、同じ注意が要ると考えています。
また、弁護士法第72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、一般の法律事件について代理や和解などの法律事務を取り扱うことを禁じています(e-Gov法令検索「弁護士法」)。弁護士でない業者が報酬を得て、投稿した人やサイトの運営者との削除の交渉を代行することは、この規定に触れるおそれがあると指摘されています。個別の依頼がこれに当たるかは当社には判断できませんが、法的な削除を求めるなら、最初から弁護士に相談するのが筋だと当社は考えています。業者に頼む場合も、プロフィールのオーナー権限は自社に残し、業者は管理者として加える形にします。手順は管理者追加とオーナー変更に書きました。
口コミが勝手に消えた・表示されないとき
反対に、自分では何もしていないのに、良い口コミが消えたり、表示が遅れたりすることもあります。ヘルプ「クチコミが表示されない場合、クチコミの表示が遅れる場合について」に書かれている主な理由は次のとおりです。
- 多くはスパムや不適切なコンテンツといったポリシー違反による削除です。
- 口コミはポリシーに沿っているか審査されるため、表示まで数日かかることがあります。
- 「ポリシー違反により削除されたクチコミは復元されません」。
- 「特定のビジネス プロフィールまたは業種について、クチコミなどのユーザー作成コンテンツを一時的に無効にすることがあります」。
学習塾や教室を営む方は、次の記述も知っておくとよいでしょう。ヘルプには「主に 6~18 歳の生徒を対象とする教育機関のカテゴリに分類される Google ビジネス プロフィールのクチコミと評価は削除され、無効になります」とあり、大学、託児所、水泳教室など「6~18 歳の生徒に一般的な教育を提供していない機関」は対象外とされています。学習塾がどちらに当たるかはヘルプからは読み取れませんでした。口コミの扱いは、プロフィールのカテゴリによって変わりうるということです。カテゴリの選び方はカテゴリの選び方と変更の仕方に書いています。
地図に店そのものが出ない、情報が勝手に変わった、という場合は口コミとは別の原因です。Googleマップにお店が表示されない・更新できないときの順番で確かめてください。
口コミへの対応で迷うとき
当社の見立てでは、悪い口コミが付いたときにまず見るとよいのは、その口コミが指摘していることに、ホームページやプロフィールで先に答えられていたかどうかです。「料金が説明と違った」なら料金の載せ方、「予約が取りにくい」なら予約の案内、というように、口コミは直すところの手がかりにもなります。電話で毎回聞かれることを先に答えておくページの作り方はよくある質問ページの作り方に、地図の手入れ全体の順番はGoogleマップ集客とビジネスプロフィール運用にまとめています。
当社は、中小企業や士業の事務所のホームページの運営に加わり、問い合わせが来るまでを引き受けています。地図の口コミとホームページの中身は、お客がお店や事務所を選ぶときに続けて見るものなので、片方だけを直しても効きにくいと当社は考えています。報告するか、返信で答えるか、ホームページの何を先に直すかを一緒に決めたいときは、相談するからお知らせください。
参考にした公式の説明
いずれも2026年10月8日に確認したGoogleのヘルプなどです。画面や手順は変わることがあります。
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」
- 同「クチコミ管理ツール」
- 同「ユーザーからのクチコミを管理する」
- 同「クチコミが表示されない場合、クチコミの表示が遅れる場合について」
- 同「ビジネス プロフィールでの否定的なクチコミによる恐喝詐欺を報告する」
- 同「ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限」
- 同「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」
- マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」
- 同「コンテンツを報告、修正する」
- 同「法律に基づく削除」
- Google「Google 上のコンテンツを報告」
- Google マップ ヘルプ「Google マップでクチコミと評価を追加、編集、削除する」
- 総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応(情報流通プラットフォーム対処法)」
- e-Gov法令検索「弁護士法」(第72条)