民宿にホームページは必要か:3地域で先にいたのは観光協会の宿のページ

2026年9月に当社が「民宿 ホームページ 集客」と検索したとき、1ページ目の多くは制作会社の比較サイトと、制作会社が書いた記事でした。中身は「民宿にホームページは必要か」「メリット」「制作事例」といった話で、答えはおおむね「必要」です。当社もホームページの運営を仕事にしていますが、この問いには少し違う順番で答えます。自社のホームページを作る、あるいは作り直すより先に、観光協会や観光局のサイトに載っている御社の紹介ページを埋めてください。ホームページが要るのは、その紹介ページの欄では答えきれない問いを、御社が持っているときです。

そう考える理由は、2026年9月24日に静岡県下田市、長野県白馬村、沖縄県宮古島市で数えた検索結果にあります。三つの地域で、泊まる人が打ちそうな九つの言葉の1ページ目を数えました。全体の記録は小さな宿のホームページ集客にまとめています。この記事では、そのとき脇役として数えていた観光協会・旅館組合・観光局のページを主役にします。

小さな宿が一軒も出なかった言葉に、観光協会のページが出ていた

三つの地域の1ページ目、延べ253件のうち、観光協会・旅館組合・観光局のページは22件でした。小さな宿の公式サイトは24件なので、数はほぼ並びます。地域ごとには、下田が11件、白馬が8件、宮古島が3件です。

目を引いたのは、出ていた場所です。22件のうち14件は、小さな宿の公式サイトが1ページ目に一件も出なかった言葉に入っていました。

下田の「海が見える 宿 小さい」は、9件のうち4件が旅館組合と観光協会のページでした。旅館組合のサイトにある「海が見えるお宿」「オーシャンビュー」「ビーチが目の前」という切り口の一覧三つと、観光協会のペンションの一覧です。宿の公式サイトはゼロでした。白馬の「山が見える 宿 小さい」でも、観光局のページが2件入り、宿の公式サイトはゼロです。下田の「長期滞在 宿」には観光協会が2件、三つの地域の「宿 公式サイト」には協会や観光局のページが合わせて5件入っていました。

予約サイトと同じく、観光協会のページも宿を並べる一覧です。ただ、並んでいるのはその土地の宿だけで、下田の協会も白馬の観光局も、民宿やペンションの区分を持っていました。「小さい」と打っても予約サイトからは施設の一覧とランキングしか返ってこない言葉で、小さな宿へ入っていく道は、宿のサイトではなく協会の一覧のほうに残っていた、ということです。

白馬では、自分のサイトを持たない民宿のページが「白馬 民宿」の1位だった

白馬で「白馬 民宿」と検索すると、1ページ目の1位は、村の観光局のサイトの中に置かれた、一軒の民宿のページでした。その民宿は独自のホームページを持っていません。ページには宿の案内、写真、予約の方法、料金の金額、電話とメールの連絡先がそろっていました。同じ言葉の1ページ目には、観光局の「宿のご案内」と公式予約サイトも入っています。

白馬で開いた小さな宿8軒のうち3軒は、独自のドメインを持っていませんでした。プロバイダが用意する住所のサイト、観光局のサイトの中のページ、複数の土地で宿を営む会社のサイトの中のページです。それでも検索には出ていました。

観光局の事業報告によると、観光局の公式サイトは令和6年度に1,604,870ユーザー、5,406,295ページビューでした。村の宿のどこか一軒の公式サイトが、この規模の人に見つけてもらうのは簡単ではありません。見つけてもらう場所がすでにあるなら、そこに置いたページの中身から直すのが近道だと当社は考えています。

このページからどれだけの予約が入っているかは、外からは分かりません。言えるのは、ホームページのない民宿が、この言葉ではいちばん上にいたというところまでです。

紹介ページの先が、電話番号だけで終わっていた

では、協会の紹介ページはどこまで埋まっているか。下田の観光協会の民宿の一覧は19軒で、開けた18軒の紹介ページのうち、ホームページの欄が空いていたのは10軒でした。料金の記載は1軒だけ、メールの記載は一軒もなく、予約の方法はほとんどが電話です。三つの地域の全体の記録にも書いた数字ですが、1ページ目に協会のページが入っていたことと並べると、意味が変わります。泊まる人がたどり着く一覧の先で、多くの宿が電話番号だけを残していました。電話の受け付けが終わった時間に宿を決めようとしている人は、そこで次の宿に移るかもしれません。

下田の協会の宿の一覧は、並び順が「ランダム表示、週2回入れ替え」と書かれていました。順番を上げる工夫が効く場所ではありません。効くのは、開かれたときに何が書いてあるかです。

宮古島の観光協会の宿泊情報には72件が載っていて、ゲストハウス、民宿・旅館、一棟貸しなど八つの種類で絞り込めます。一棟貸しの宿の紹介ページを一つ開くと、項目は宿のホームページのアドレス、電話、料金の目安でした。予約サイトへのリンクはありません(開いたのは1件だけです)。協会のページは、泊まる人を宿自身のサイトへ送り出す作りになっています。送り出された先に料金も予約の手順もなければ、協会のページで整えた分は、その先で途切れます。

なお、沖縄県の調査では宮古島市の宿泊施設は572軒です。協会の72件とは範囲も数え方も違うので割合は出しませんが、協会の一覧に載っていない宿もあると見られます。載るための条件は協会ごとに違うはずで、当社は確かめていません。

ホームページが要るのは、紹介ページの欄に入らない問いを持つ宿

協会の紹介ページには決まった欄があり、そこに入るのは、宿の種類、ホームページのアドレス、電話、料金の目安といった、どの宿にも共通する項目です。大きな犬を二頭連れて部屋に上がれるか、一か月いたら洗濯と食事はどうするか、英語でメールを送って返事が来るか。こうした問いは、欄には収まりません。長期滞在や外国語のように、宿自身が答えるページで入れる言葉があることは、長期滞在と外国語の問い合わせを取りこぼす宿のサイトに書きました。そういう問いに実際に答えられる宿なら、ホームページを持つ意味があります。

もう一つは、協会のページや予約サイトで御社を知った人が、宿の名前で公式サイトを探しに来たときです。そこで料金が読めて、予約の確定までの手順が分かるかどうか。三つの地域の公式サイト23軒を見た結果は公式サイトから予約が入らない宿のサイトで見たことにまとめています。

反対に、常連と電話で予約が足りていて、メールやフォームに返事をする手が回らない宿なら、ホームページを急いで作らなくてかまいません。更新されないホームページより、ホームページの欄とメールの欄と料金の欄が埋まった協会の紹介ページのほうが、泊まる人の役に立ちます。空いた欄を埋めるだけなら、ホームページを作る費用はかかりません。

今日、協会の紹介ページを開いて確かめること

スマートフォンで確かめられます。当社が三つの地域で見た順番です。

  1. 御社の地域名に「海が見える 宿 小さい」(山の土地なら「山が見える」)、「民宿 口コミ」、「長期滞在 宿」を付けて検索し、1ページ目の観光協会・旅館組合・観光局のページを数えます。宿の公式サイトが一件もなく、協会のページが入っているなら、その言葉の入口は協会のページです。
  2. その協会のページから、御社の紹介ページを探して開きます。ホームページの欄、料金の欄、メールの欄、予約の方法を、泊まる人のつもりで読みます。写真の季節が古くないかも見ます。
  3. ホームページの欄があるなら、押して公式サイトへ移り、料金が読めるところと、予約が確定する手順が分かるところまで、何回押したかを数えます。
  4. 欄を直したいときは、どう直すのかを協会に問い合わせます。手続きは協会ごとに違うので、当社からは書けません。
  5. 次の予約から「何を見てご連絡いただいたか」を一言聞き、答えの中に「観光協会のページ」を加えておきます。記録の付け方は問い合わせの数え方に書きました。

読み方の注意も書いておきます。使った検索の道具は各言葉9件か10件を返すだけで、地図枠、広告、宿の料金比較の枠は見えていません。検索は日本の外から行っています。協会の紹介ページの中身を確かめたのは下田の18軒と宮古島の1軒で、白馬の観光局の宿のページは、1位だった一軒のほかは開いていません。

九つの言葉の全体と、予約サイトとの分け方は小さな宿のホームページ集客に、宮古島の記録の全体は宮古島×小さな宿の見本にまとめています。

1で協会のページが入っていて、2で欄が空いているなら、ホームページの前に直すのはその欄です。欄が埋まっていて、それでも答えきれない問いが手元に残るなら、そのときに最初に作るのは、その問いに答える一枚です。