「高知市 空き家 管理」の1ページ目は、2026年9月24日の時点で、9件のうち7件が高知市と高知県のページでした。その一つは、空き家の見守りの担い手としてシルバー人材センターを案内していて、見守りは1回2,500円と書かれていました(ページの最終更新は2022年6月)。上田市では、市がふるさと納税の返礼品として、空き家の管理の代行を案内しています。
家や土地の売却を扱う地元の不動産会社のページは、高知と上田の1ページ目には一件もありませんでした。福山で2件です。三つの市の27件のうち、2件でした。
当社は広島県福山市、高知県高知市、長野県上田市で、家や土地を売りたい人が打つ九つの言葉を検索し、地元の不動産会社21社のサイトを同じ項目で確かめました。全体は不動産会社のホームページ集客にまとめ、「空き家 管理」に地元の会社が少ないことまではそこに書いています。この記事では、その27件を「誰が管理を引き受けると言っているか」で数え直し、不動産会社が空き家の管理のページに何を書くかを考えます。
27件を、管理の担い手で分け直した
空き家の管理を題に掲げた事業者のページは、27件のうち7件でした。
福山では、全国のNPO法人が市ごとに作っているページの福山市版が1件目にあり、岡山県笠岡市の会社が福山市の制度の名前を入れて書いた管理と点検の記事が2本、そして地元の不動産会社が2社です。高知では、同じNPO法人の高知市のページがやはり1件目で、ほかに、全国の空き家の管理の網が高知の加盟店を紹介するページがありました。上田には、この種のページは一件もありません。
市と県のページは15件です。多くは空き家の対策の計画、空き家バンク、相談の窓口の案内で、そのうち管理の担い手そのものを案内していたのが2件(高知のシルバー人材センター、上田のふるさと納税の返礼品)でした。福山では、市が指定した空き家の管理や活用を支える法人に選ばれたことを知らせる、全国の解体の仲介の会社と東京の買取の会社のお知らせが2件入っていました。
残る3件は上田で、解体の業者を探すサイト、求人、そして市内の企業が空き家の見守りを始めたことを伝える報道の記事です。その企業自身のページは、1ページ目にありませんでした。
空き家を持つ人が「空き家 管理」と打ったとき、先に出てくるのは、市の案内、全国の網や団体の地域ページ、市外の会社です。その町で家の売り買いを扱ってきた会社は、ほとんどいません。
市は管理を自分ではせず、誰に頼むかを案内していた
市のページを読むと、どの市も、管理を自分で引き受けているのではなく、誰に頼めばよいかを案内しています。高知はシルバー人材センター、上田はふるさと納税の返礼品、福山は市が指定した法人です(福山の指定は会社の側のお知らせで見ただけで、市のページでは確かめていません)。上田は、年に4回ほど、不動産の業者などの専門家を招いた空き家の相談会を開いているとも書いていました。上田の1ページ目には、市の空き家バンクで「これまでに成約された空き家」の一覧まで入っています。
ここから当社が考えているのは、町によっては、空き家の管理の入口がホームページではなく市の窓口にある、ということです。高知と上田で1ページ目の大半を市が占めているのは、検索の結果である前に、空き家の相談を市が受けているということでもあります。その町で、市のページより上に出ようとしてページを書き足すのは後回しでよいと考えます。先に確かめるのは、市の相談会や、市が担い手を案内する仕組みに、地元の不動産会社がどう関われるかです。これはホームページの外の話で、市の担当課に聞くことです。
福山市の商圏調査の見本では、管理の入口に地元の会社がほとんどいないことを、その先の売却の入口が空いていることでもある、と書きました。そう言えるかどうかは、管理を頼んだ人のうち何人が、あとで売却を頼んだかを数えるまで分かりません。入口が空いていることと、そこを通って売却の依頼が来ることは、別のことです。
管理のページは、売却の前置きとして書かない
それでも管理のページを持つなら、何を書くか。
開いた21社のうち、空き家の管理の料金を読み取れたのは福山の1社でした。その会社は、管理を月額で受けること、相続のあとの管理について弁護士や税理士、司法書士と連携していることを書いていました。空き家のページを持つほかの会社は、確かめた範囲では、売却や買取の案内として書いていました。
管理を頼もうとしている人は、少なくともその時点では、まだ売ると決めていない人のはずです。そういう人が売却の案内から始まるページを読めば、管理を頼んだら売る話を持ちかけられるのではないか、と身構えるだろうと当社は見ています。市の案内や全国の網のページには、その心配がありません。
市や全国の網が見守りを案内している町で、不動産会社の管理が選ばれる理由があるとすれば、見回りの回数や料金の安さではなく、その家が市場でどう見られるかを知っていることだと当社は考えています。管理のページには、次のことを書きます。
- 何を、何か月に一度見るのか。何をどういう形で知らせるのか。
- 料金と、料金に含まれないこと。台風のあとや、近所から声がかかったときにどうするのか。
- 年に一度、その家をいま売るとしたらどう見られるか、傷みがどう進んでいるかを知らせるかどうか。
- 売るかどうかを決めるのは持ち主で、管理を続けることも、やめることもできること。売ると決めたときは、売却のページへ一本の道でつなぐ。
料金の書き方には、業界の規約がかかります。「格安」「完全」のような言葉は、裏付けとなる合理的な根拠の資料がなければ使えません(不動産の表示に関する公正競争規約 第18条)。何を何回見ていくらか、を書けば、その言葉は要りません。
管理は手間の割に利益が小さいのだから、売却の入口と割り切って安く受ければよい、という考え方もあると思います。割り切ること自体は経営の判断です。ただ、割り切った文面は、まだ決めていない人に読まれると伝わります。そして入口として働いているかどうかは、管理の契約から売却の相談になった件数を数えないかぎり、分かりません。
御社の市で、今日確かめること
- 御社の市の名前に「空き家 管理」を足して検索し、1ページ目を「管理を題に掲げた事業者」「担い手を案内する役所のページ」「役所の制度や計画」「その他」に分けて数えます。地元の不動産会社が何件あるかも見ます。
- 市の空き家のページを開き、市が誰を担い手として案内しているか、相談会に不動産の業者が加わっているかを読みます。書いていなければ、担当課に電話で聞きます。
- 御社のサイトで空き家のページを開き、管理について、何を、何か月に一度、いくらで、どう知らせるかが書いてあるかを見ます。売却の案内だけになっていないかも見ます。
- 管理を受けている家があるなら、この数年で、そのうち何軒が売却や買取の相談になったかを数えます。記録がなければ、今月から「管理の家から来た相談」に印を付けて残します。記録の付け方は問い合わせの数え方に書きました。
2で市の相談会に不動産の業者が加わっているなら、ページを書く前に、その相談会にどう加わるかを聞くのが先です。三つの市の記録の全体は不動産会社のホームページ集客に、相続した家の売却の言葉は不動産会社の相続の集客についての記事に書いています。