WordPressで記事やデザインを直したのに反映されないとき、原因の多くはキャッシュ(一度表示したページや画像の控えを取っておき、次から速く見せる仕組み)です。キャッシュは、①自分のブラウザ、②キャッシュ系のプラグイン、③サーバー、④CDN(ページや画像の控えを各地に置いて配る仕組み)の4か所にあり、古い控えがどこに残っているかで、消す場所が変わります。
最初の一手は、そのページをシークレットウィンドウ(Safariではプライベートブラウズ)で開くことです。
- 新しい表示になっている:古いのは自分のブラウザだけです。キャッシュを無視して再読み込みします(Windowsは Shift+F5 か Ctrl+Shift+R、Macは ⌘+Shift+R。Chromeのヘルプによる)。ほかの人には新しい表示が届いているので、これで済みます。
- 古い表示のまま:サイトの側に古い控えが残っています。プラグイン → サーバー → CDN の順に消します。
- 管理画面の編集画面でも古いまま:キャッシュではなく、変更が保存されていない可能性が高いです。
どこに古い控えが残っているか:見え方で見分ける
4か所のキャッシュは、それぞれ覚えているものと、消す場所が違います。
| 場所 | 覚えているもの | 消す場所 |
|---|---|---|
| 自分のブラウザ | 一度見たページ、CSS、画像 | 再読み込み、閲覧データの削除 |
| キャッシュ系プラグイン | 組み立て済みのページ | プラグインの設定画面や管理バー |
| サーバー | ページ、PHPの処理の控え | サーバー会社の管理画面 |
| CDN | ページ、画像、CSS | CDNの管理画面(パージ) |
どこに残っているかは、見え方で見当がつきます。
| 見え方 | 古い控えのある場所 | 次にやること |
|---|---|---|
| 自分だけ古い。シークレットだと新しい | 自分のブラウザ | キャッシュを無視して再読み込み |
| ログイン中の自分は新しい。ログアウトすると古い、ほかの人も古い | プラグイン、サーバー、CDN | プラグイン→サーバー→CDNの順に消す |
| パソコンは新しい。スマホは古い | スマホのブラウザが多い | スマホでシークレットかプライベートで開く |
| 文字は新しい。色や配置だけ古い | CSSの控え | ブラウザの再読み込み、最適化の控えの作り直し |
| 編集画面でも古い | キャッシュではない | 保存と公開の状態を確かめる |
二行目の「ログイン中の自分には新しく見えるのに、ほかの人には古い」は、よくある型です。キャッシュ系のプラグインの多くは、ログインしている人には控えを使わず、毎回その場でページを組み立てて見せます。そのため、管理画面にログインしたまま確かめると、直したように見えてしまいます。確かめるときは、ログアウトするか、シークレットウィンドウを使ってください。
先に確かめる:変更は保存・公開できているか
キャッシュを消す前に、変更そのものがサイトに入っているかを見ます。ここで見つかれば、キャッシュを触る必要はありません。
- 編集画面で、保存や公開のボタンを押したか。投稿の状態が「下書き」や「予約済み」のままになっていないか。
- 直したのは、見ているのと同じページか。複製した固定ページや、似た名前のページを直していないか。編集画面の「表示」から開くと、そのページそのものを見られます。
- 「外観」→「カスタマイズ」(テーマによってはこの画面がありません)で直した場合、最後に「公開」を押したか。
- テーマのファイルを直した場合、使っているテーマ(子テーマか親テーマか)のファイルを直したか。
- 編集画面の「リビジョン」(保存した版の履歴)に、直した版が残っているか。
消す順番:サイトの内側から、自分のブラウザへ
サイトの側のキャッシュは、内側から外側へ順に消します。外側(CDN)を先に消しても、内側(プラグインやサーバー)に古い控えが残っていると、CDNはその古い控えを取りに行って、また覚え直してしまうからです。
- 保存と公開の状態を確かめる(前の章)。
- キャッシュ系プラグインのキャッシュを消す。
- サーバーのキャッシュを消す(サーバーにその機能があり、使っている場合)。
- CDNのキャッシュを消す(CDNを使っている場合)。
- 自分のブラウザでキャッシュを無視して再読み込みする。
- シークレットウィンドウと、スマホで確かめる。
自社のサイトに、どのキャッシュがあるのか分からないことも少なくありません。プラグインは管理画面の「プラグイン」の一覧で分かります。サーバーとCDNは、サイトを作った制作会社か、サーバーを契約している担当者に「サーバーのキャッシュ機能とCDNを使っているか」を聞くのが早道です。引き継ぎのときに聞いておくと、その後の更新で迷いません(ホームページを引き継ぐ前に)。
自分のブラウザのキャッシュを消す
まずは、キャッシュを無視した再読み込みです。Chromeのヘルプでは、「キャッシュ コンテンツを無視して現在のページを再読み込みする」操作として、Windows と Linux は Shift+F5 または Ctrl+Shift+R、Mac は ⌘+Shift+R が挙げられています。開いているページだけが対象なので、ほかのサイトのログインなどは消えません。
それでも古いときは、ブラウザの「閲覧履歴データの削除」(表示名は版によって少し違います)で、「キャッシュされた画像とファイル」だけを選んで消します。Cookieまで消すと、いろいろなサイトでログインし直しになるので、選ぶのはキャッシュだけで足ります。
色や配置だけが古い場合は、CSS(見た目の指定を書いたファイル)の控えが残っています。テーマのCSSファイルを直接直したときに起きやすく、テーマによってはファイルの版を示す番号が変わらないため、訪問者のブラウザも古いCSSを使い続けることがあります。一方、「外観」→「カスタマイズ」の「追加CSS」に書いた指定は、ページの中に書き込まれて出るので、ページのキャッシュを消せば一緒に新しくなります。見た目の直し方の考え方はWordPressのテーマは替えずに直すに書きました。
キャッシュ系プラグインのキャッシュを消す
WordPress.org の公式の説明(Cache)は、キャッシュ系プラグインの例として WP Super Cache、W3 Total Cache、Cache Enabler を挙げています。こうしたプラグインは、組み立てたページを控えとして保存し、次からはその控えを返すことで、サーバーの負担を減らします。キャッシュを入れても表示が遅いときの原因の見分け方と直す順番は、ホームページが重い・表示が遅いときにまとめています。
消すボタンの名前と場所は、プラグインごとに違います。多くは、管理画面の上の黒い帯(管理バー)か、プラグインの設定画面に「キャッシュを削除」に当たるボタンがあります。迷ったら、管理画面の「プラグイン」の一覧で、そのプラグインの「設定」を開いてください。
気をつける点が三つあります。
- ログイン中は控えが使われない。たとえば WP Super Cache の説明では、控えのファイルを渡す相手をログインしていない人などとし、ログイン中の人やコメントした人には控えを渡さない設定を勧めています。管理者の自分で確かめても、訪問者の見え方は分かりません。
- 記事を更新しても、ほかのページの控えは残ることがある。直した記事のページは自動で控えを消すプラグインでも、その記事が載っているトップや一覧、メニューやサイドバーの表示は、古いまま残ることがあります。全体に出る部分を直したら、キャッシュを全部消します。
- 高速化の機能が二重になっていることがある。キャッシュ系のプラグインを二つ入れている、テーマ自体に高速化の機能がある、CSSやJavaScriptをまとめて縮める機能(最適化)を使っている、といった場合は、それぞれの控えを消すか作り直します。
サーバーとCDNのキャッシュを消す
サーバーのキャッシュ
レンタルサーバーには、サーバーの側でページの控えを持つ機能(「キャッシュ」「高速化」などの名前)を備えているものがあります。名前も場所も会社ごとに違うので、契約しているサーバーのマニュアルで「キャッシュ」の削除の項目を探してください。プラグインとサーバーの両方で控えを持っている場合、プラグインのキャッシュを消しても、サーバーが古い控えを返し続けます。
テーマやプラグインのPHPファイルを直したのに動きが変わらない、という場合は、OPcache(読み込んだPHPのプログラムの控えを持ち、処理を速くする仕組み)が関わっていることがあります。WordPress.org の公式の説明でも、PHPを速くするサーバー側の仕組みとして紹介されています。サーバーの設定によっては反映まで時間がかかるので、すぐに変わらなければ少し待つか、サーバーの管理画面に再起動や削除の項目があるかを見てください。
CDNのキャッシュ
Cloudflare などのCDNを使っている場合は、CDNの管理画面でキャッシュを消します(「パージ」と呼ばれます)。Cloudflare の公式の説明では、URLを指定して一つずつ消す方法を推奨の方法とし、すべてを消す「Purge Everything」も無料のプランを含めて使える、としています。直したページが分かっているならURLを指定し、CSSなど全ページにかかわるものを直したときは全部消す、と使い分けます。
サーバーを移したばかりのときは、キャッシュではなく、DNS(ドメインをどのサーバーにつなぐかの設定)の切り替えが行き渡っていないだけのこともあります。その場合は時間がたてば直ります(WordPressの引っ越し(サーバー移行))。
スマホで確かめる方法
スマホのブラウザも、パソコンとは別に控えを持っています。手軽なのは、シークレット(Chrome)やプライベートブラウズ(Safari)でページを開くことです。それで新しい表示なら、サイトの側は直っています。いつものブラウザの控えも消したいときは、次の手順です。
- iPhone の Safari:「設定」を開き、「アプリ」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」。履歴を残したい場合は、同じ画面の「詳細」→「Webサイトデータ」から「全Webサイトデータを削除」(Appleのサポートによる)。
- Android の Chrome:アドレスバーの右の「その他」アイコン →「閲覧履歴データの削除」。「その他のオプション」で「キャッシュされた画像とファイル」を選んで削除(Chromeのヘルプによる)。
見た目を直したときは、パソコンの画面だけでなく、スマホの幅で崩れていないかも一緒に見ます。当社は自社サイトの見た目を変えるとき、AIにブラウザ(Playwright)で複数の画面幅(320〜1920px)を撮影させ、横のはみ出しやエラーがないかを確かめてから反映しています。手作業なら、パソコンのブラウザの幅を狭めて見るだけでも、多くの崩れは見つかります。
キャッシュを消しても変わらないもの:検索結果・地図・SNS
次のものは、WordPressやブラウザのキャッシュとは別の場所で決まっているので、ここまでの手順では変わりません。
- Google検索に出る題や説明文:Googleが次にページを読みに来て、登録し直すまで変わりません。急ぐなら、Search Consoleの「URL検査」から登録をリクエストします(インデックス登録をリクエストする方法)。
- Googleマップに出る営業時間や電話番号:Googleビジネスプロフィールの情報で、ホームページとは別に直します(Googleビジネスプロフィールの営業時間の変更)。
- SNSで共有したときに出る画像や題:SNSの側が控えを持っています。ページを直しても、すでに共有された表示はすぐには変わらないことがあります。
ここまで確かめても古いままのときは、直す場所そのものが違っている可能性があります。メニューやフッターがページごとに手で組まれているサイトでは、一か所を直しても、ほかのページに古い表記が残ります(ホームページを制作会社しか直せないのは、ページごとに作られているから)。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを引き受けています。直した内容が訪問者の画面に届いているかを確かめるのも、その運営の一部です。更新や修正を誰に頼むかを考えている段階なら、更新代行と修正、改善は別の仕事も参考にしてください。今のサイトの直しにくさを見てほしい場合は、相談するからお知らせください。
参考にした公式の説明
- WordPress.org「Cache」(英語)
- WordPress.org「WP Super Cache」(英語)
- Google Chrome ヘルプ(キーボード ショートカット)
- Google Chrome ヘルプ(閲覧履歴データの削除、Android)
- Apple サポート(iPhone の Safari の履歴と Web サイトデータの消去)
- Cloudflare Docs「Purge cache」(英語)
※手順と画面の名前は、2026年10月8日に各公式の説明で確かめたものです。キャッシュ系プラグインやサーバー会社の画面は、製品ごと・会社ごとに違うため、一般的な形で書いています。