ホームページの更新代行を探して料金表を見比べると、「テキスト修正1か所◯円」「月額◯円で月◯回まで」「1時間◯円」と、数え方がそろっていないことに気づきます。どれが安いのかを決める前に、頼もうとしている仕事が「更新」「修正」「改善」のどれなのかを分けておくと、比べ方がはっきりします。
この記事で分かることは三つです。三つの仕事の違いと、それぞれに合う費用の数え方。各社が公開している料金表から見た費用の幅。頼む前に決めておくことと、WordPress なら自社で直せる範囲です。結論を先に書くと、更新は「1回いくら」か「月の回数」で、修正は「時間」で、改善は「月額で判断ごと」買うのが、それぞれの仕事の性質に合った頼み方です。
更新・修正・改善は、頼む時点で決まっていることが違う
三つの違いは、作業の難しさではなく、頼む時点で何が決まっているかにあります。
| 種類 | 例 | 頼む時点で決まっていること | 合う数え方 |
|---|---|---|---|
| 更新 | お知らせの追加、料金の数字の書き換え、写真の差し替え | 載せる中身(原稿・写真)が決まっている | 1回いくら、または月の回数 |
| 修正 | スマートフォンで表示が崩れる、フォームが届かない、リンクが切れている | 直したあとの姿は決まっているが、原因が分からない | 調べて直す時間 |
| 改善 | 問い合わせを増やすために、ページの構成や言葉を変える | 何を変えるか自体が決まっていない | 月額(判断と作業をまとめて) |
更新は、中身が御社の側で決まっていて、作業の量も見えています。だから「1か所いくら」と値段を先に決められます。
修正は、どこを直せばよいかが分かるまで、作業の量が決まりません。表示崩れの原因が一行の指定のこともあれば、テーマやプラグイン(機能を足す追加部品)の更新どうしの相性のこともあります。1か所いくらでは値段を付けにくく、調べる時間で数えるほうが実態に合います。
改善は、何を変えるかを決めること自体が仕事です。アクセスの数字を見て、どのページのどこで人が離れているかを確かめ、直す箇所を選び、直したあとに数字が動いたかを見る。作業そのものは更新と同じ文字の差し替えでも、値段の大半は「どこを、なぜ変えるか」の判断にかかっています。
ずれが起きるのは、この三つを一つの「更新代行」として頼んだときです。月3回の更新の枠に「問い合わせが増えるように直してほしい」と書いても、受ける側には載せる中身が渡されていないので、作業に入れません。逆に、改善のつもりで高い月額を払っているのに、毎月やっているのは渡した原稿の差し替えだけ、ということも起こります。保守の契約で同じことが起きる理由は保守費を払っても問い合わせが増えない理由に書きました。この記事では、保守の外にある三つの仕事の頼み方を扱います。
各社の公開料金表で見る、費用の幅
以下は、2026年10月2日に、各社が自社のサイトに載せている料金表を当社が確かめたものです。「〜」は各社の表記どおりの最低額で、サイトの作りや作業の量で上がります。税の扱いも各社の表記どおりに書き、表記が見当たらなかったものはそう書いています。相場の調査ではなく、公開されている数字の例として見てください。
更新を1回ずつ頼む場合
| 作業 | ティーズ・クルー(HP-Crew、税込) | iX Inc.(税表記なし) | 株式会社HanamiWEB(税表記なし) |
|---|---|---|---|
| 文字の修正 | 550円〜(100文字まで1か所) | 1,000円〜(50文字1か所) | 1,100円(100文字まで) |
| 写真・画像の差し替え | 550円〜 | 1,000円〜(1枚) | 1,650円(1画像) |
| メニューの追加 | 3,300円〜 | 5,000円〜(1つ) | ― |
| ページの追加 | 11,000円〜 | ― | 11,000円〜(既存デザイン流用) |
| 初回だけかかる費用 | 初回基本作業料 3,300円 | ― | ホームページ調査費 5,500円 |
文字や写真の差し替えは、1か所あたり数百円から千円台で並んでいます。見ておきたいのは二点です。一つは「1か所」の大きさが会社ごとに違うことで、50文字までの会社と100文字までの会社があります。もう一つは、初回だけの調査費や基本作業料を設けている会社があることです。他社が作ったサイトを触るときは、まずどう作られているかを調べる手間がかかる、ということが料金表に表れています。その調べる中身は引き継ぐ前に、メニュー一つで何か所直すかを数えるに書きました。
月額で頼む場合:回数で数えるか、時間で数えるか
| 会社 | 月額 | 数え方 | 表記されている主な条件 |
|---|---|---|---|
| 「Web管理」(webkanri.jp) | 10,000円(税別) | 月3回の更新 | 表示崩れ・不具合対応を含む。最低契約3か月。難易度による別料金あり |
| 同上 | 30,000円(税別) | 月5回の更新 | 月1回のアクセス解析レポートを含む |
| 株式会社シロクロ | 22,000円(税込) | 作業時間 月4時間まで | 依頼回数の制限なし。1か月ごとの契約 |
| 同上 | 55,000円(税込) | 作業時間 月12時間まで | 同上 |
| 株式会社HanamiWEB(税表記なし) | ― | 60分 22,000円 | リアルタイム修正代行として掲載 |
回数制は、依頼が小さくそろっているときに分かりやすい数え方です。ただ、写真1枚の差し替えも、ページ1枚の作り直しも「1回」になりうるので、1回の中身の決まりを読まないと比べられません。時間制は、小さな依頼をまとめて出しても、時間の範囲で収まれば追加がかかりません。シロクロの月4時間22,000円は、1時間あたりにすると5,500円です。一方で、60分22,000円という単価を載せている会社もあり、同じ「時間」でも、すぐに画面を共有しながら直すのか、預けて空いた時間に直すのかで値段が違います。
修正(不具合)は、単価表に載りにくい
今回見た料金表で、不具合の原因を調べる作業を「1件いくら」で載せていたところはありませんでした。月額の中に含めるか(「Web管理」のライトプランは表示崩れ・不具合対応を含むと書いています。株式会社ハイファイブクリエイトの保守は月額8,800円(税込)からで、更新のあとに表示が崩れたりエラーが出たりしたときの修正対応を挙げています)、時間で数えるかのどちらかです。原因が分かるまで作業の量が決まらない、という修正の性質がそのまま表れています。
改善は、桁が一つか二つ変わる
問い合わせを増やすための改善を前面に出したサービスは、数え方も金額も別物です。株式会社バリューエージェントのホームページ改善は、トップを含む5ページの改善を想定して4か月で120万円〜(税別)、内容は既存サイトの分析と修正案の提案、設計、デザイン、実装です。MPH のWebコンサルティングは月額25万円(税抜)からで、改善案の提案や競合調査、アクセス解析を含みます。「Web管理」も、SEO(検索で見つけてもらうための手当て)の助言や広告運用を含むプランを月額10万円(税別)で載せています。
更新の単価が数百円から千円台、月額の更新代行が1万円から5万円台なのに対して、改善を掲げるものは、月額で頼む例では10万円(税別)や25万円(税抜)から、期間で区切った例では4か月で120万円(税別)からです。この差は作業量の差というより、何を変えるかを決める判断と、その結果に責任を持つ時間の差だと当社は見ています。なお当社が名古屋で上位に出る地元8社のサイトを確かめたときも、運用や保守の月額が分かったのは八つのうち四つでした(名古屋でホームページの運営を頼む先を探す言葉の調査)。料金を公開していない会社も多く、ここに挙げた数字だけで相場は決められません。
「〜」の幅は、サイトの作りで決まる
料金表の「メニューの追加 3,300円〜」の「〜」がどこまで上がるかは、受ける側の会社よりも、御社のサイトの作りで決まります。
当社の例を挙げます。2026年9月23日、当社のサイトのメニューに「コラム」を一つ足したとき、直した場所は11か所になりました。内訳は、トップページと固定ページ(事業内容、料金、会社概要など)を合わせた9枚と、記事のページに出す共通のヘッダーとフッターの部品が2つです。この9枚が、それぞれ自分のメニューとフッターを抱えた手組みの作りだったため、1枚ずつ直す必要がありました。メニューやフッターが一か所にまとまった作りなら、同じ作業は一か所の直しで済みます。経緯はホームページを制作会社しか直せないのは、ページごとに作られているからに書きました。
修正の費用も、作りで変わります。テーマ(サイト全体の見た目と型を決める部品一式)に直接手が入っていると、テーマを更新したときにその手直しが消え、表示崩れとして修正の依頼が発生することがあります。子テーマ(元のテーマを残したまま手を加える形)で作られていれば、この種の修正は起きにくくなります。確かめ方はWordPressのテーマは替えずに直すに書きました。
見積もりを取るときに「メニューを一つ足すと何か所直すことになりますか」「テーマは子テーマですか」と聞くと、「〜」の先がどのくらいかの見当がつきます。
頼む前に決めておく四つのこと
1. 誰が原稿を出すか
更新代行の多くは、渡された文章や写真を載せる仕事です。料金表の「テキスト修正」も、文字数で数えているように、文章を考える仕事ではなく載せる仕事として値段が付いています。お知らせの文面、新しい料金の数字、差し替える写真を誰が用意するのかを、社内で先に決めておきます。原稿が社内で止まると、受ける側がどれだけ速くても反映は進みません。文章から考えてほしいなら、それは更新ではなく別の作業として見積もりを取ります。
2. 反映までの日数
公開されている表記を見ると、ティーズ・クルーは通常3〜5営業日(3営業日以内の特急は3,300円〜)、「Web管理」は最短当日〜翌営業日、シロクロは最短で翌営業日から作業開始、と書いています。比べるときは、数えているのが「作業を始めるまで」なのか「公開されるまで」なのか、そして御社が確認して返事をするまでの日数を含むのかを確かめます。休業日のお知らせのように期日のある更新は、何営業日前までに原稿を渡せば間に合うかを、日数の決まりから逆算して社内の予定に入れておきます。
3. 「軽微な修正」と「1回」の範囲
先の表のとおり、「1か所」は50文字までの会社も100文字までの会社もあります。月額の回数制なら、1回が「1ページ」なのか「1通の依頼」なのか「1か所」なのかで、同じ月3回でも頼める量が何倍も変わります。「難易度による別料金」がある場合は、どこから別料金になるのかの例を一つ聞いておくと、あとで揉めにくくなります。決まりは契約書か、少なくともメールに残る形でもらいます。
4. 管理画面の権限は自社にあるか
WordPress の公式の説明では、テーマやプラグインを入れ替えたり更新したりできるのは「管理者」だけで、「編集者」は他の人の投稿や固定ページも含めて編集・公開できるものの、テーマやプラグインには触れられません。自社が管理者のアカウントを一つも持っていないと、依頼先を変えるときにも、急ぎで誰かに見てもらうときにも、今の依頼先の協力が要ります。当社は、自社に管理者のアカウントを一つ置いたうえで、日々の更新は編集者のアカウントで行う形を勧めています。お知らせや本文の更新には編集者で足り、誤ってテーマやプラグインを触る心配がありません。
WordPressなら、自社で直せる範囲と頼んだほうがよい範囲
WordPress で作られたサイトなら、更新の一部は自社で回せます。線の引き方として当社が使っているのは、「戻し方が分かっている作業は自社で、戻し方が分からない作業は頼む」です。
| 自社で直しやすい | 頼んだほうがよい |
|---|---|
| お知らせ・ブログの投稿 | テーマ・プラグインの更新や入れ替え |
| 本文の文字や料金の数字の書き換え(見出しや段落の部品に分かれているページ) | 本文が「カスタムHTML」のかたまりになっている固定ページ |
| 本文中の写真の差し替え | メニュー・フッターなど全ページに出る共通部分 |
| 記事の題や抜粋の書き換え(URLは変えない) | 問い合わせフォームの項目や送り先の設定 |
| 下書きを作ってプレビューで確かめる | 表示崩れ・エラーの原因調査 |
左側の作業には、戻す手段があります。WordPress の公式の説明のとおり、投稿や固定ページには「リビジョン」という履歴が残り、以前の版と比べて元に戻せます。書き換えを間違えても、一つ前の版に戻せば済みます。
右側の作業は、失敗したときの影響が一ページで済まないか、戻し方が履歴に残らないものです。プラグインの更新でサイトが表示されなくなったとき、管理画面にも入れないことがあります。カスタムHTML のページは、一文字消しただけで下の段組みが崩れることがあります。フォームの送り先を誤ると、問い合わせが届かないまま気づかずに日が過ぎます。こうした作業は、元に戻す手順を持っている人に頼むほうが、結果として安く済みます。プラグインやテーマの更新を自社で進めるときの順番と、更新前に取るバックアップは、WordPressのアップデート手順にまとめています。
自社で回す範囲を決めたら、依頼先には「この範囲は社内でやります」と伝えておきます。月額の回数や時間を、自社でできない作業に充てられます。
依頼の文面は、一行目に「どの仕事か」を書く
同じ相手に三つの仕事を頼むことはあります。そのときは、依頼の一行目に「更新」「修正」「改善」のどれかを書き、続けて次のことを添えます。
- 更新:対象ページのURL、変える前と変えたあとの文言、差し替える写真、公開してほしい日
- 修正:気づいた日時、見た端末とブラウザ、画面の写真、その直前に誰かが何かを変えたか。あわせて「調べる作業は◯時間までなら進めてください、それを超えるなら先に相談を」と上限を書く
- 改善:何の数字を動かしたいか(問い合わせの件数、電話の件数など)、いまその数字がいくつか、いつまでに見直すか
修正に上限を書くのは、原因が分かるまで量の決まらない仕事に、先に財布の口を決めておくためです。改善に数字を書くのは、終わったかどうかを作業の量ではなく、その数字で判断するためです。
当社が引き受けているのは、三つのうちの改善です。何を変えるかを決め、そのために要る更新や修正も同じ月額の中で行います。始める前に有償の商圏調査で、その地域で探されている言葉と上位の顔ぶれを数え、見込みが立たなければお引き受けしません。料金は、始めるときの契約料20万円と実費のほかは月額で、低く始めて、問い合わせが増えるにつれて上がる形で、内訳は料金に載せています。
今日、自社で確かめられること
- この一年に依頼先へ頼んだことをメールから書き出し、それぞれに「更新」「修正」「改善」の印を付ける。改善の印が付いたものが、更新の枠で頼まれたまま止まっていないかを見る。
- いまの契約書か料金表で、「1回」「1か所」「軽微な修正」がどう決められているかを読む。書かれていなければ、次の依頼のときに一文で聞く。
- 依頼から公開までに実際に何日かかったかを、直近の三件で数える。期日のある更新に間に合う日数かどうかを見る。
- WordPress の管理画面の「ユーザー」を開き、自社の人のアカウントの権限が「管理者」か「編集者」かを確かめる。自社に管理者が一人もいなければ、追加を依頼する。
- 編集者のアカウントで、お知らせを一本、下書きのまま作ってプレビューを見る。公開はせずに、どこまで自社でできそうかの感触をつかむ。
一つ目の印付けだけでも、いまの契約で足りていないのが作業の回数なのか、何を変えるかの判断なのかが見えてきます。