ホームページを制作会社しか直せないのは、ページごとに作られているから

メニューに「コラム」を一つ足すのに、当社は11か所を直しました

2026年9月23日、当社のサイトの上部にあるメニュー(ナビゲーション)に「コラム」という項目を一つ足しました。作業としては、言葉を一つ並べてリンクを張るだけです。それでも、直した場所は11か所になりました。記事ページに共通で差し込んでいる部品が2つと、トップページと固定ページ(事業内容・進め方・料金など、記事ではない常設のページ)が9つです。

9つのほうは、ページごとに HTML(ページの中身と構造を書くコード)を手で組み、WordPress の「カスタムHTML」ブロック(コードをそのまま貼り付ける部品)に置いています。ページ一つひとつが、自分専用のメニューとフッター(ページ下部の会社情報や連絡先の欄)を抱えている作りです。だから、メニューを一つ変えると、9ページすべてを開いて同じ直しをすることになります。

しかも一度、失敗しました。9ページを一括で置き換えている途中で、「会社概要」へのリンクが消えたのです。全ページで元に戻し、公開されている画面でメニューの並びを確かめて、ようやく終わりました。自分たちで組んだページを、自分たちで直していても、こうなります。

共通部分をページごとに持つサイトは、作った人しか直せなくなる

ホームページには、どのページにも同じものが出る部分があります。上部のメニュー、ロゴ、フッターの住所と電話番号、問い合わせへの案内。こうした共通部分を一か所にまとめておき、全ページがそこを読み込む作りを、ここではテンプレートと呼びます。テンプレートで作られていれば、フッターの電話番号は一か所直せば全ページで変わります。

逆に、共通部分をページごとに書き込んでいると、直しは「ページの数だけ」になります。直すには、どのページに同じものが埋まっているかを知っていて、コードを読めて、全部を漏れなく同じに直せる人が要ります。多くの場合、それは作った人だけです。「電話番号を変えるだけなのに、制作会社に頼むしかない」「引き継いだ会社が、どこを触ればいいか分からないと言う」という状態は、この作りから来ていることがあります。

これは作った側の手抜きや囲い込みとは限りません。納品の日にいちばん見栄えのするページを短い期間で仕上げるなら、一枚ずつ手で組むのは筋の通ったやり方です。ただ、そのやり方の手間は、納品のあと、直すたびに発注した側へ回ってきます。作るときの速さと、直すときの手間は、たいてい引き換えです。ドメインの名義と同じで、納品の日の作り方が、そのあと誰が直せるかを決めています。

当社も、記事を一本ずつ作り直しかけて、やめました

同じ9月に、記事ページの見た目をトップページにそろえる作業をしました。最初に考えたのは、記事を一本ずつ、固定ページと同じように手で組み直すことでした。実際に一本はそうして試しました。

見た目はそろいました。ただ、やってみてすぐに、この方法は新しく書く記事に効かないことが分かりました。記事を一本足すたびに、同じ組み直しをすることになります。記事が増えるほど、直す場所も増えていきます。

そこで、テンプレートの側で直す方式に切り替えました。当社は SANGO という WordPress のテーマ(サイト全体の見た目と型を決める部品一式)を、元を残したまま手を加えられる「子テーマ」の形で使っています。このテーマには、共通の部品を決まった位置に差し込む「コンテンツブロック」という機能があります。これで記事ページにヘッダー・フッター・記事末尾の案内を差し込み、見た目の指定(CSS)を全記事共通で足しました。以後、新しい記事は書いて公開するだけで同じ見た目になります。メニューを足したときに記事側の直しが「部品2つ」で済んだのは、この切り替えのおかげです。

ページごとの手作りは、特別な一枚だけにとどめる

では、当社のトップと固定ページはなぜ手組みのままなのか。これらは、当社が何を引き受けて何を引き受けないかを順に説明するページで、一枚ごとに見せる順番を決めて手で組みました。手で組めば、一枚ごとの見せ方は思いどおりになります。

その代わりに払っているものは、上に書いたとおりです。共通部分を変えるたびに9ページを触り、触るたびに事故が起きうる。そして、HTML を読めない人には直せない。当社が自分で運営しているから回っているだけで、ほかの会社に引き継ぐなら、そのまま渡すのは気が引ける作りです。正直に言えば、9ページは「特別な一枚」と呼ぶには多く、その差をメニューを変えるたびに払っています。

そこから当社が持っている基準は一つです。全ページに同じものが出る部分は、テンプレートで持つ。ページごとの手作りは、そのページでしか言えないことを言うための一枚にとどめ、手作りの範囲も本文だけにして、メニューやフッターまで抱え込ませない。御社がこれから作り直しや手直しを頼むなら、「共通部分はテンプレートで持ってください」と一言添えるだけで、あとで直すときの手間が変わります。

管理画面で、電話番号が何ページに埋まっているかを数える

WordPress で作られたサイトなら、次の順で確かめられます(画面の名前は変わることがあります)。

  1. 管理画面の「固定ページ」を開き、トップ、会社概要、サービスの説明など、固定ページを3つ編集画面で開きます。本文が見出しや段落の部品に分かれて並んでいれば、ふつうの作りです。本文全体が「カスタムHTML」のかたまりになっていて、開くとコードが並んでいるなら、そのページは手組みです。
  2. 同じ3ページの本文を一番下まで見ます。本文の中にフッターの住所や電話番号まで入っていれば、そのページはフッターを自分で抱えています。
  3. 固定ページの一覧に戻り、「固定ページを検索」に、サイトに出ているとおりの書き方で電話番号を入れます(ハイフンの有無も合わせます)。この検索は本文の中身も探すので、ここに出てきたページの数が、電話番号を変えるときに触るページの数です。「投稿」の一覧でも同じように探します。

3で一件も出てこないのにサイトには電話番号が出ているなら、その番号はテンプレートの側(テーマの設定やウィジェットなど)にあり、一か所で直せる作りのことが多いです。ただ、ページビルダー(画面上で部品を並べて組む追加の道具)で作られたサイトでは、本文に入っていても検索に出ないことがあります。WordPress 以外で作られたサイトや、管理画面に入れない場合は、今の制作会社にこう聞いてください。「フッターの電話番号を変えるとしたら、何ページを直すことになりますか」。答えが「一か所です」なら、テンプレートで作られています。

ページ数が多かったからといって、急いで作り直す必要はありません。電話番号もメニューも年に何度も変わるものではなく、変えるときに頼めば済むなら、そのままでよいこともあります。直しの作りだけを理由に制作会社を変えるのも早すぎます。変える時期の考え方は制作会社を変えるタイミングに書きました。保守の費用でどこまで頼めるかは、保守契約に何が含まれるのかで確かめられます。

作りを移すなら、次に大きく手を入れる機会に、共通部分をテンプレートへ移してもらうのが順番です。移す作業は全ページに手が入るので HTML を読める人に任せ、終わったら公開画面で、全ページのメニューとフッターを目で確かめてください。当社が「会社概要」のリンクを戻したときも、最後に頼りになったのはその確認でした。

電話番号で検索して出てきたのが問い合わせページなど一、二枚なら今のままでよく、固定ページのほとんどが出てくるなら、次に誰かに手直しを頼むときの最初の注文は「共通部分をテンプレートへ」です。