PVとユーザー数はどちらを見るか。一人1.3ページのサイトで決めたこと

PVもユーザー数も、成果の手前にある数字です

アクセス解析の報告に並ぶ、ページビュー(PV:ページが表示された回数)とユーザー数(UU:サイトに来た人の数)。どちらを見ればよいのか。当社の答えは、どちらも見るが、どちらでも良し悪しを決めない、です。

二つの数字は、どちらも問い合わせまでの道の途中を数えています。ユーザー数は「何人に届いたか」、PVは「その人たちが何枚読んだか」。成果と呼べるのはその先で問い合わせが来ることで、さらに言えば、商談につながる問い合わせです。PVが倍になっても問い合わせが変わらなければ、御社にとってはまだ何も起きていません。

そのうえで一つを選ぶなら、当社はユーザー数を先に見ます。PVは、一本の記事を二ページに分ける、一覧を細かく区切るといった作りの変更だけで増えます。読んだ人の数は変わらないのに、です。ユーザー数は作りを変えても動きにくく、「届いた人の数」に近い。ただしユーザー数も、同じ人がスマホとパソコンで来れば二人と数えられ、ブラウザの設定によっては数えられない人もいます。人数そのものではなく、人数の目安です。

この記事で使いたいのは、どちらか一方ではなく、二つを割り算した値のほうです。

当社が運営する二つのサイトは、どちらも一人1.3ページ前後でした

運営に携わっている相続の事務所のサイトは、月に約18,000ページビュー・13,000ユーザー。当社がゼロから立ち上げた情報サイト「いまから相続」は、月に9,837ページビュー・7,660ユーザーです。PVをユーザー数で割ると、どちらも1.3ページ前後になります(公開している数字からの計算値です)。

片方は2023年から伴走している事務所のサイトで、相談の案内を少しずつ足してきました。もう片方は当社が一から立ち上げた情報サイトです。成り立ちの違う二つが、ほぼ同じ値に並びました。当社はこれを、検索から来る読者の読み方がそのまま出た数字だと見ています。調べたいことがあって検索し、答えが書いてありそうな一枚を開き、読んで閉じる。

この1.3からは、計算だけで言えることが二つあります。一つは、来た人は誰でも一枚は読んでいるので、ひと月のうちに二枚以上読んだ人は、多く見積もっても全体の三割から四割弱だということです(ページビューからユーザー数を引いた分を、全員が二枚目に使ったとしての上限です。事務所のサイトで約38%、情報サイトで約28%)。残りの六割以上は、その月に一枚しか読んでいません。もう一つは、ひと月に二度来た人も一人と数えているので、一回の訪問あたりで見れば平均は1.3より小さくなる、ということです。

直帰率や平均エンゲージメント時間(どれだけ深く読まれたかを表す数字)は、いま手元に並べられる形で持っていないので、ここでは書きません。推測で埋めることもしません。

一枚で帰るのは失敗ではない。出口がないまま帰すのが損です

アクセスの改善というと、回遊(一人に何ページも読んでもらうこと)を増やす話がよく出てきます。関連記事を並べる、本文のリンクを増やす、記事を続きものにする。どれも間違いではありません。

ただ、一人1.3ページのサイトで2ページを目指すのは、読者の読み方そのものを変えようとすることです。検索で来た人は、自分の問いの答えを読みに来ています。答えが一枚で済んだのなら、その人が帰るのは自然なことで、ページの失敗ではありません。

当社が見るのは、帰る前にそのページに何が置いてあったか、です。読み終えた人が、次に何をすればよいか分かる状態で帰ったか。自分のサイトを開いて確かめる手順が書いてあった。相談するならどこへ連絡すればよいかが目に入った。次に読むべき一本が、理由つきで示されていた。問い合わせに近いのは、一人あたりのページ数が増えることより、この出口が一枚ごとにあることだと考えています。

反対の考え方もあり得ます。何本も読んだ人ほど信頼が深まり、問い合わせにつながりやすい、という見方です。当社もそれを否定しません。ただ上の計算のとおり、二本目を読む人は多くても三割から四割弱です。その人たちに合わせて作るより、一本目で帰る六割以上に合わせて作るほうが、数の上では効くはずだ、というのが当社の立場です。

当社は、記事の終わり方を先に決めて書いています

この考えで、当社のサイトは次のように作っています。

  • 記事ページの末尾には、テーマの「コンテンツブロック」という機能で、全記事に共通の案内を差し込んでいます。どの記事から帰る人にも、同じ位置に同じ案内がある状態です。テンプレートの側で入れているので、新しく書いた記事にも自動で入ります(なぜページごとではなくテンプレートで作るのかは直すならテンプレートで直すに書きました)。
  • 記事の本文は、読者が今日やる一つの行動か、判断の分かれ目を一文で言って終えます。会社の案内は共通の末尾に任せ、本文の結びは読者の次の一歩に使う、という分け方です。
  • 関連記事へのリンクは、本文の中で次の問いが自然に出てくる位置にだけ置きます。一覧を長く並べるより、続きを読む理由の分かるリンクを一、二本、のほうを選んでいます。

運営に携わっている相続の事務所のサイトでも、相談への案内を一度に全部ではなく、少しずつ足していきました。何をどの順で変えたかは相続の事務所のサイトで二年のあいだにやったことに書いています。その間にアクセスも反響も増えていますが、どの変更がどれだけ効いたかは切り分けられません。ここでは「そう作っている」という事実だけを書いておきます。

出口を整えたあと、それが効いているかどうかは、PVでもユーザー数でもなく、問い合わせで見ます。GA4で問い合わせをどう数え、どこから先を受付の記録に任せるかはGA4で問い合わせを計測するにまとめました。

御社の数字を、GA4で一度割ってみる

GA4(Googleアナリティクス4。Googleのアクセス解析の道具)を入れているなら、数分で確かめられます。画面の名前は変わることがあります。以下は2026年9月時点の名前です。

  1. 左のメニューで「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開きます。期間は、直近の28日か先月一か月にします。
  2. 表の「表示回数」(これがPVです)の合計を、「アクティブ ユーザー数」の合計で割ります。同じ表にある「アクティブ ユーザーあたりのビュー」の列が、その割り算の答えです。
  3. 値が1.5を下回るなら、回遊を増やす工夫より先に、一枚ごとの出口を見ます。1.5は業界の基準ではありません。当社の二つのサイトが1.3前後だったことから置いた、ざっくりした線です。
  4. 同じ表で、表示回数の多い順に上から5本を選びます。その5本をスマホで開き、最後までスクロールして、本文が終わった位置に何があるかを見ます。次にやることが書いてあるか。連絡先が目に入るか。それとも、本文が終わったところで何も示されないまま画面が終わっているか。

GA4を入れていない、あるいは画面が分からない場合は、4だけで構いません。よく読まれていそうな記事を5本選び、同じようにスマホで最後まで見てください。

逆に、1.5を大きく上回るサイトもあります。施工事例を何件も見比べる工務店のサイト、商品を並べて比べる通販のサイトのように、読者が比べるために来ているサイトです。その場合は、何枚も見ることそのものが読者の用事なので、話が変わります。この記事が当てはまるのは、問いを持って検索から来た人が、記事を一本読むサイトです。

また、出口を整えても問い合わせが動かないなら、原因はページの外、つまりその地域の需要の大きさや、商品・価格の側にあるかもしれません。数えてから直す、の順番はここでも同じで、その数え方は問い合わせの数え方に書いています。

割り算の答えが1.5を下回っていたら、関連記事を増やす前に、よく読まれている5本の、最後の一画面を直してください。