WordPressの引っ越し(サーバー移行):止めずに移す手順と移行後に確かめること

WordPressの引っ越し(サーバー移行)は、ドメインとURLを変えないなら、「ファイルとデータベースを新しいサーバーへ写す → 新しいサーバーで動作を確かめる → DNS(ドメインをどのサーバーにつなぐかの設定)を切り替える」という作業です。WordPress.org の公式ドキュメント「WordPress の移行」も、データベースとURLが変わらなければ、ファイルとデータベースをコピーするだけで移せる、としています(2026年10月時点)。

サイトを止めずに移すコツは三つです。①DNSを切り替える前に、新しいサーバーで動作を確かめる。②データベースを書き出してから切り替えが終わるまで、記事の更新を止める。③旧サーバーはすぐ解約せず、しばらく残す。全体の流れは次のとおりです。

  1. 移す前の確認(ドメインの管理画面、メール、PHP、容量)
  2. バックアップ(ファイルとデータベース)
  3. 新しいサーバーの準備
  4. ファイルとデータベースの移動
  5. URLの置き換え(URLが変わる場合だけ)
  6. 切り替え前の動作確認
  7. DNSの切り替え
  8. 切り替え後の確認(フォーム、SSL、Search Console、GA4、メール)
  9. 旧サーバーの解約(あとで)

この記事は、URLを変えずにサーバーだけを移す場合を中心に書きます。ドメインごと変える場合や、リニューアルでページのURLが変わる場合は、転送(301リダイレクト)の設定が加わります。そちらはホームページのリニューアル前に確かめることにまとめています。

移す前に確かめる4つ:ドメイン・メール・PHP・容量

作業そのものより、ここで止まることが多い項目です。移行の当日に気づくと、旧サーバーと新サーバーの両方に料金を払いながら待つことになります。

ドメインの管理画面に入れるか

DNSの切り替えは、ドメインを管理している会社(登録事業者)の画面か、DNSを預けているサーバーの画面で行います。そこに自社で入れるかを、最初に確かめてください。ドメインの登録者が制作会社のままになっていると、切り替えのたびに制作会社の手を借りることになります。確かめ方はドメインの名義が制作会社のままに書きました。制作会社を替えるのに合わせてサーバーを移すなら、サーバー・Search Console・GA4の名義と、管理者の権限も一緒に確かめておきます(ホームページを引き継ぐ前に)。

そのドメインのメールを、旧サーバーで受けていないか

見落とすと被害が大きいのがメールです。info@ で始まるような会社のメールを旧サーバーで受けている場合、DNSを切り替えた時点で、メールの届け先(MXレコード)も変わることがあります。とくに、ネームサーバー(DNSの情報を答えるサーバー)ごと新しいサーバーに替えると、新しい側にメールの設定がなければメールが届かなくなります。ホームページだけを移すのか、メールも移すのかを、先に決めてください。ホームページだけなら、ネームサーバーは替えずに、ホームページの向き先(Aレコード)だけを替える方法もあります。どちらが使えるかは、DNSをどこで管理しているかで変わります。

新しいサーバーのPHPで、今のテーマとプラグインが動くか

PHP(WordPressを動かしているプログラムの言語)のバージョンがサーバーによって違うと、移した途端にテーマやプラグインがエラーになることがあります。今のバージョンは、管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」のタブにある「サーバー」の欄で見られます。新しいサーバーで同じか、テーマとプラグインが対応しているバージョンを選べるかを確かめます。

サイトの大きさ

同じ「サイトヘルス」の「情報」には、フォルダとデータベースの大きさも出ます。画像の多いサイトは、移行プラグインで一つのファイルにまとめると、アップロードの上限に引っかかることがあります。大きさが分かっていれば、次の「移し方の選び方」で迷わずに済みます。

移し方の選び方:移行プラグイン、サーバーの移行機能、手作業

中身を写す方法は、大きく分けて次の四つです。どれを選んでも、写したあとの確認とDNSの切り替えは同じです。

方法向いている場合気をつけること
移行プラグイン中小規模のサイトで、管理画面に入れる大きいサイトは上限にかかる。WordPressの外のファイルは移らないことがある
サーバー会社の移行機能移る先のサーバーに用意がある対応する条件はサーバーごとに違う。案内どおりに使う
手作業(FTPとデータベースの書き出し)大きいサイト、細かく確かめたいwp-config.php の書き換え、取りこぼし
制作会社・保守の会社に頼む自社で時間を取れないDNS・メール・確認まで含むかを見積もりで確かめる

移行プラグインでできること・できないこと

移行プラグインは、ファイルとデータベースを一つにまとめて書き出し、新しいサーバーのWordPressで読み込む道具です。WordPress.org で公開されている例を二つ挙げます。

  • All-in-One WP Migration and Backup:WordPress.org の説明では、移行のときにURLとパスを自動で置き換え、シリアライズされたデータ(後で説明します)も安全に扱う、としています。一方で、読み込めるファイルの大きさはサーバー側が決める、とも書かれています。
  • Duplicator:サイトのファイルとデータベースを一つのまとまりにして移す形です。無料版はマルチサイト(一つのWordPressで複数サイトを動かす形)に対応していない、と書かれています。

手軽な反面、プラグインが移すのは基本的にWordPressの中身です。サイトの一番上のフォルダに手で置いたファイル(Search Consoleの所有権の確認用ファイルなど)や、.htaccess(サーバーの動きを決める設定ファイル)に書き足した独自の設定は、プラグインによっては移りません。移したあと、そうしたファイルが新しいサーバーにあるかを確かめてください。

手作業で移すときの流れ

  1. 旧サーバーから、WordPressのフォルダ一式をFTP(サーバーとファイルをやり取りする道具)やサーバーのファイル管理画面でダウンロードします。
  2. サーバーの管理画面(phpMyAdminなど)から、データベースを書き出します(エクスポート)。
  3. 新しいサーバーで、データベースとそのユーザーを作ります。
  4. 書き出したデータベースを、新しいデータベースに読み込みます(インポート)。
  5. ファイル一式を新しいサーバーへアップロードし、wp-config.php のデータベース名・ユーザー名・パスワード(必要ならホスト名)を、新しいサーバーのものに書き換えます。

5番の書き換えは、公式ドキュメントの手順にも入っている作業です。ここを間違えると「データベース接続確立エラー」が出ます。その場合は、書き換えた4つの値を、新しいサーバーの管理画面の表示と一字ずつ見比べてください。

引っ越しの手順:バックアップからDNSの切り替えまで

1. バックアップを取り、サーバーの外にも置く

公式ドキュメントは、移す前に、WordPressのフォルダ、画像、プラグインなどのファイルと、データベースの両方をバックアップするよう書いています。移行プラグインの書き出しファイルも一種のバックアップですが、それとは別に、旧サーバーのバックアップをパソコンなどサーバーの外に保存しておきます。移行で何かが壊れても、旧サーバーと手元のバックアップがあれば元に戻れます。取り方と残し方はWordPressのバックアップ方法にまとめました。

2. 新しいサーバーを準備する

新しいサーバーに自社のドメインを登録し(「ドメイン追加」などの名前の画面)、PHPのバージョンを選び、手作業で移すならデータベースを作ります。SSL(https で通信を暗号化する仕組み)の証明書をいつ用意できるかも、ここで確かめます。サーバーによっては、DNSを新しいサーバーに向けてからでないと無料の証明書が発行されず、切り替え直後のしばらくの間、https で開くと警告が出ることがあります。そのサーバーの案内に、切り替え前に証明書を用意する方法があるかを見てください。

3. ファイルとデータベースを移す

選んだ方法で写します。移行プラグインを使う場合も、新しいサーバーには先にWordPressを入れておき、そこへ読み込む形がほとんどです。読み込むと、新しいサーバー側のログイン情報は、旧サーバーのユーザー名とパスワードに置き換わります。

4. URLの置き換えが要るのは、URLが変わるときだけ

ドメインもURLも同じなら、データベースの中のURLを書き換える必要はありません。要るのは、ドメインを変える、http から https に同時に変える、サイトの置き場所(フォルダ)を変える、といった場合です。

このとき、データベースの書き出しファイルを文字の一括置換で書き換えるのは避けます。公式ドキュメントによると、テーマやウィジェットの中には、URLの文字数を一緒に記録して保存するもの(シリアライズと呼ばれる保存形式)があり、文字数が変わると壊れるためです。公式ドキュメントが挙げる方法は、Better Search Replace などのプラグインか、WP-CLI(WordPressをコマンドで操作する道具)の search-replace です。Better Search Replace は、実際には書き換えずに何件変わるかだけを見る「ドライラン」ができます。先にドライランで件数を見て、多すぎたり少なすぎたりしないかを確かめてから実行してください。

5. DNSを切り替える前に、新しいサーバーで動作を確かめる

止めずに移すための、いちばん大事な手順です。DNSを切り替える前なら、新しいサーバーで何かが壊れていても、訪問者は今までどおり旧サーバーを見ています。新しいサーバーのサイトを先に見る方法は、次のどれかです。

  • サーバー会社が用意している「動作確認用のURL」を使う(用意があるかはサーバーごとに違います)。
  • 自分のパソコンの hosts ファイル(パソコンの中だけで、ドメインとサーバーの対応を決めるファイル)を書き換え、自分だけ新しいサーバーを見る。
  • 公式ドキュメントにある方法として、データベースの wp_options の「siteurl」と「home」を一時的に変える。戻し忘れると表示が崩れるので、上の二つが使えるならそちらを勧めます。

見るところは、トップ、記事、固定ページ、画像、問い合わせページ、管理画面へのログインです。記事を開くと「ページが見つかりません」になるときは、管理画面の「設定」→「パーマリンク」を開き、何も変えずに「変更を保存」を押すと直ることがあります(公式ドキュメントも、パーマリンクの設定し直しに触れています)。

6. DNSを切り替える

ドメインの向き先を新しいサーバーに替えます。ネームサーバーごと替えるか、Aレコードだけ替えるかは、「移す前に確かめる」で決めたとおりにします。切り替えは一斉には進みません。インターネットのあちこちが古いDNSの情報を一定時間覚えているため、その時間(TTL)の間は、人によって旧サーバーを見たり新しいサーバーを見たりします。Google検索セントラルの「ウェブ ホスティングの変更」のページは、移転の少なくとも1週間前にTTLの値を下げる(数時間など)ことを検討するよう書いています。

サイトを止めずに移すコツ:更新を止める期間と、切り替えの時間帯

DNSで切り替える移し方は、うまく運べば、サイトを止める時間がほとんどありません。止まったり、内容が食い違ったりするのは、次の三つを外したときです。

  1. 更新を止める期間を決める。データベースを書き出したあとに旧サーバーで書いた記事、直した文、届いたコメントは、新しいサーバーには入りません。書き出しから、切り替えが行き渡るまでの間は、記事の投稿や修正を止めると社内に伝えておきます。問い合わせフォームの内容をサイトの中にも保存している場合は、その期間に保存された分を旧サーバーから控えておきます。
  2. 問い合わせの少ない曜日と時間に切り替える。GA4やアクセスの記録で、問い合わせやアクセスの少ない時間帯を選びます。切り替えたあとの確認に1〜2時間取れる日にします。
  3. 旧サーバーは、切り替えたあともそのまま動かしておく。TTLの間は、まだ旧サーバーを見ている人がいます。旧サーバーのサイトを消したり止めたりしなければ、その人たちにも今までどおり表示されます。

この進め方なら、「メンテナンス中」の表示を出す必要は基本的にありません。どうしても出すなら短い時間にとどめます。Googleは、サイト全体を一時的に止める503(一時的に利用できないことを伝える応答)について、長くても2〜3日の非常に短い期間だけに使う最終手段だとしています。出し方と注意点はWordPressのメンテナンスモードの解除に書きました。

切り替えた後に確かめること:フォーム・SSL・Search Console・GA4

表示されているから終わり、ではありません。ホームページの役目は問い合わせを受けることなので、問い合わせと、その計測が途切れていないかを先に見ます。

いつ確かめること見る場所
当日https で開き、警告が出ないか。http で開くと https に転送されるかブラウザ(シークレットウィンドウ)
当日フォームから送信し、届くか。自動返信も届くかフォームと受信するメール
当日送信が計測されているかGA4の「リアルタイム」
当日info@ などのメールが送受信できるかメールソフト
数日後所有権の確認が外れていないかSearch Consoleの「設定」
1〜2週間エラーのページが増えていないかSearch Consoleの「ページ」

問い合わせフォーム

フォームのメールは、サーバーから送られます。サーバーが替わると送り方も変わるため、旧サーバーでは届いていたメールが、迷惑メールに入ったり届かなかったりすることがあります。自分で一通送り、受け取る側の受信箱と迷惑メールのフォルダ、相手に届く自動返信の両方を確かめてください。届かないときの確かめ方はWordPressのお問い合わせフォームに、送信の計測の仕組みはGA4で問い合わせを計測するにまとめました。

Search Console

URLが同じなら、Search Consoleのプロパティ(登録したサイトの単位)はそのまま使えます。注意するのは所有権の確認です。Googleのヘルプによると、確認用のHTMLファイルをサイトから消すと未確認の状態になり、DNSで確認した場合はそのレコードを消さないように、とされています。Search Consoleは確認が残っているかを定期的に確かめています。

当社のサイトでも、Search Consoleの所有権は、サイトに置かれたHTMLファイルとGoogleアナリティクスで確認されていました(2026年10月2日に登録したとき)。こうした確認用のファイルが新しいサーバーに移っているか、ネームサーバーを替えたなら確認用のDNSレコード(TXT)も新しい側に写したかを、切り替えの前後で確かめてください。

そのあと1〜2週間は、「ページ」(ページのインデックス登録)のレポートで、「サーバーエラー(5xx)」や「見つかりませんでした(404)」が急に増えていないかを見ます。Googleは、移転の直後にクロール(Googleがページを読みに来ること)の頻度が一時的に下がるのは通常の動作だとしています。数字が少し揺れるだけなら、慌てて手を入れる必要はありません。表示ごとの判断はGoogleにインデックスされない原因の見分け方にまとめています。

GA4

GA4のタグ(計測用のコード)は、プラグインの設定やテーマの中にあり、データベースとファイルを写せば一緒に移るのがふつうです。それでも、切り替えた日にGA4の「リアルタイム」を開き、自分のアクセスとフォーム送信が出るかを見ておきます。ここで出なければ、タグが移っていません。設置の仕方はGA4の設定方法にあります。

旧サーバーの解約は後で:いつ止めてよいか

Google検索セントラルは、元のサーバーへのアクセスがゼロになったら、元のサーバーを止めてよい、としています。旧サーバーの管理画面でアクセスの記録が見られるなら、それが途絶えたことを確かめてから解約します。

当社の見立てでは、日数で決めるより、次の四つがそろったことを解約の条件にするほうが安全です。

  1. 旧サーバーへのアクセスが途絶えている。
  2. 新しいサーバーで、問い合わせが実際に届いている(自分のテスト以外で。問い合わせの少ないサイトなら、テスト送信と自動返信の確認で代えます)。
  3. 旧サーバーにある、ほかのサイトやメールなど、まだ使っているものがない。
  4. 旧サーバーの最後の状態のバックアップを、手元に保存した。

旧サーバーの契約には、解約を申し出た日ではなく、契約期間の終わりで切れるものもあります。移行の日程は、旧サーバーの契約が終わる日から逆算し、新旧のサーバーが重なる期間を取っておくと、慌てずに済みます。新しいサーバーで、サーバー側の自動バックアップを使う場合は、その設定もやり直しておきます。

よくあるつまずきと直し方

起きたこと考えられる原因まずやること
トップは出るが、記事が「見つかりません」パーマリンクの設定、.htaccess が移っていない「設定」→「パーマリンク」で「変更を保存」
「データベース接続確立エラー」wp-config.php の値が違うデータベース名・ユーザー名・パスワード・ホスト名を見比べる
画像が出ない、表示が崩れる画像の移し漏れ、URLの置き換え漏れuploads フォルダとURLの置き換えを確かめる
https で警告が出る新しいサーバーの証明書がまだないサーバーの管理画面でSSLの状態を見る
直したはずの古い表示が出るDNSの切り替え途中、キャッシュシークレットウィンドウで開く。時間をおく
メールが届かないMXレコードが新しいDNSにないメールをどこで受けるかを決め直し、DNSを直す

変更したのに古い表示のまま、というときは、DNSが切り替わる途中なのか、どこかのキャッシュ(古い控え)が残っているのかで、やることが違います。見分け方はWordPressで変更が反映されないときに書きました。画面が真っ白になる、「このサイトで重大なエラーが発生しました」と出る場合は、PHPのバージョンの違いやプラグインの相性を疑います(WordPressが真っ白・重大なエラーと出たとき)。

当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを引き受けています。サーバーを移すかどうか、移すならフォームと計測を途切れさせない順番で進めたい、といった段階でも、相談するから今のサイトとサーバーの状況をお知らせください。

参考にした公式の説明

※手順と画面の名前は、2026年10月8日に各公式の説明で確かめたものです。サーバー会社の画面や移行機能の名前は会社ごとに違うため、この記事では書いていません。使うサーバーの案内に従ってください。