WordPressの管理画面の「固定ページ」一覧には、標準では「複製」のボタンがありません(2026年10月時点のWordPress.orgの公式ドキュメントで、一覧画面の操作として複製は挙がっていません)。固定ページを複製する方法は、次の3つです。
- プラグインなし:元のページの編集画面で、右上の「︙」(オプション)から「すべてのブロックをコピー」を選び、新しい固定ページに貼り付ける。本文だけが写ります。
- 何ページにも同じ部品を使うなら:その部分を「パターン」(以前の再利用ブロック)にして、各ページに差し込む。
- 複製を何度もするなら:Yoast Duplicate Postなどの複製プラグインを入れ、一覧の「New Draft」(新規下書き)などのリンクから複製する。標準の設定では、本文に加えてテンプレートやアイキャッチ画像、カスタムフィールド(ページごとの追加の設定)まで、下書きとして写ります。
どの方法でも、複製したページは公開する前に、スラッグ(URLの末尾)、検索に出す設定(noindexやcanonical)、本文の中のリンクとフォーム、中身の書き分けの4つを確かめます。名前だけを入れ替えた同じ中身のページを並べるのは避けてください。以下、方法ごとの手順と、公開前の確かめ方を書きます。
3つの方法の違い:何が写り、どんな場面に向くか
| 方法 | 写るもの | 向く場面 |
|---|---|---|
| すべてのブロックをコピー | 本文のブロックだけ | 年に数回、似た構成のページを作る |
| パターン | 選んだブロックのまとまり | 同じ部品(案内の枠、料金の表など)を何ページにも置く |
| 複製プラグイン | 本文、テンプレート、アイキャッチ、カスタムフィールドなど(設定で選ぶ) | 事例や求人など、同じ型のページを頻繁に作る |
迷ったら、まずプラグインなしの方法で足りるかを考えます。プラグインは一つ入れるごとに、更新を見る対象が一つ増えるからです。複製が月に何度も必要になってから入れても遅くはありません。
プラグインなしで複製する:「すべてのブロックをコピー」の手順
ブロックエディター(いまの標準の編集画面)には、ページの中身をまとめてコピーする機能があります。WordPress.orgの公式ドキュメントでは、右上の三つの点のアイコン(オプション)の「ツール」の中に、投稿や固定ページの中身をすべてコピーする機能があると説明されています。画面の表示名はバージョンによって少し違うことがあります。
- 「固定ページ」→「固定ページ一覧」で、元にするページの「編集」を開きます。
- 画面右上の「︙」(オプション)を押し、「すべてのブロックをコピー」を選びます。英語の画面では「Copy all blocks」です。
- 元のページは何も変えずに閉じます。ここで「更新」を押さないのが大事です。
- 「固定ページ」→「固定ページを追加」を開きます(版によっては「新規追加」などの表示です)。
- タイトルを入れ、本文の最初の段落をクリックして、貼り付けます(WindowsはCtrl+V、MacはCommand+V)。
- 右側の設定の欄で、スラッグ、親ページ、テンプレート、アイキャッチ画像を設定し直します。
- 「下書き保存」を押し、プレビューで表示を確かめます。
この方法で写るのは本文だけです。タイトル、スラッグ、親ページ、テンプレート、アイキャッチ画像、抜粋、テーマやSEOプラグインのページごとの設定(検索結果に出す題や説明文など)は写らないので、6で一つずつ設定し直します。元のページの設定と見比べたいときは、元のページを別のタブで開いておくと楽です。
貼り付けがうまくいかないときは、同じ「︙」のメニューから「コードエディター」に切り替えると、本文をHTMLの形で丸ごと選んでコピーできます。ただし、ElementorなどのページビルダーやテーマのLP機能(ブロックエディターの外でページを組む道具)で作ったページは、本文の作りが違うので、この方法では写りません。その道具の側の複製機能を使います。
何ページにも同じ部品を使うなら:パターン(旧・再利用ブロック)
複製したい理由が「ページの一部が同じだから」なら、ページごと複製するより、その部分をパターンにする方が後で楽です。公式ドキュメントによると、WordPress 6.3で「再利用ブロック」は「パターン」に名前が変わり、同期するパターン(Synced)は、以前の再利用ブロックと同じように動きます。
- 同期するパターン:パターンを直すと、使っているすべてのページに反映されます。問い合わせへの案内の枠、営業時間、会社の連絡先のように、どのページでも同じでなければ困る部分に向きます。
- 同期しないパターン:差し込んだあとは普通のブロックになり、ページごとに自由に書き換えられます。事例ページの見出しと表の並びのような「ひな形」に向きます。
作り方は次のとおりです(公式ドキュメントの手順による。表示名は英語の画面のものを添えています)。
- 部品にしたいブロックを選びます。複数のブロックをまとめて選んでもかまいません。
- ブロックのツールバーの「︙」を押し、「パターンを作成」(Create pattern)を選びます。
- パターンの名前を入れ、すべてのページで同じにしたいなら「同期」(Synced)をオンにして作成します。
- 別のページでは、ブロックを追加する画面の「パターン」から差し込みます。
作ったパターンは、ブロックエディターの「︙」から「パターンを管理」を開くと、名前の変更や削除ができます。同期するパターンを、あるページでだけ変えたくなったら、そのページで「パターンを切り離す」(Detach)を選ぶと、そのページの中だけ普通のブロックに戻ります。
ページごとに同じものを抱える作りは、あとで直すときに手間が積み上がります。共通部分をページごとに持つ作りが、あとで直す手間をどう増やすかは、ホームページを制作会社しか直せないのは、ページごとに作られているからに書きました。
プラグインで複製する:Yoast Duplicate PostとDuplicate Page
複製を頻繁にするなら、プラグインを使うと設定ごと写せます。WordPress.orgで公開されていて、有効インストール数の多いものを2つ挙げます(2026年10月8日に公式ページで確かめた内容)。
| プラグイン | 公式ページで確かめたこと | 複製のしかた |
|---|---|---|
| Yoast Duplicate Post(Yoast社) | 有効インストール数300万以上、最終更新は確認日の2日前 | 一覧のタイトルの下の「Clone」「New Draft」、編集画面と上部のバーの「Copy to a new draft」 |
| Duplicate Page | 有効インストール数300万以上、最終更新は確認日の約5か月前 | 一覧の複製のリンク。複製の状態(下書き・公開など)を設定で選ぶ |
日本語の画面では、リンクの名前が「複製」「新規下書き」のように訳されていることがあります。
Yoast Duplicate Postの標準の設定で写るもの
公式ページでは、「Clone」は一覧の画面のまま複製を作り、「New Draft」は複製した下書きの編集画面を開く、と説明されています。何が写るかは公式ページには詳しく書かれていません。Yoast社がGitHubで公開しているプラグインの元のプログラムでは、入れた直後の設定は次のとおりです(2026年10月8日時点。設定は版によって変わることがあるので、入れたら設定画面でも確かめてください)。
- 写る:タイトル、本文、抜粋、テンプレート、アイキャッチ画像、親ページ、並び順、カスタムフィールド
- 写らない:スラッグ(空になる)、公開日、公開の状態(複製は下書きになる)、投稿者(複製した人になる)、パスワード、コメント、子ページ、添付ファイル
ここで気をつけたいのが、カスタムフィールドが写ることです。テーマやSEOプラグインがページごとに持つ設定(検索結果に出す題、説明文、noindex、canonicalなど)は、カスタムフィールドとして保存されていることがあります。その場合、元のページの設定がそのまま複製にも付きます。写したくない項目は、プラグインの設定画面で除外できます。
プラグインを入れる前に確かめること
プラグインの公式ページには、「最終更新」と、どのWordPressのバージョンまで動作を確かめたか(Tested up to)が載っています。自社のWordPressより古いバージョンまでしか確かめられていない場合や、長く更新されていない場合は、入れる前に一度立ち止まってください。入れたあとは、ほかのプラグインと同じく更新を見続ける対象になります。更新の進め方はWordPressのアップデート手順にまとめています。
複製したページを公開する前に確かめる4つ
1. スラッグと親ページ
スラッグはURLの末尾になる文字列です。WordPressの開発者向けの公式リファレンスによると、固定ページのスラッグは同じ親ページの下で重ならないように作られ、重なると末尾に「-2」のような数字が付きます。複製のタイトルを変えないまま公開すると、「/service-2/」のような意図しないURLになりがちです。公開する前に、右側の設定の欄でスラッグを決めてください。
公開後にスラッグを変えるときは注意が要ります。WordPressには、投稿のスラッグが変わったときに古いURLを記録して新しいURLへ転送する仕組みがありますが、公式リファレンスの元のプログラムを見ると、この仕組みは固定ページのような階層のある種類では働きません。当社も記事(投稿)の題を付け替えたときにはURLをそのままにしましたが(記事のタイトルは読む人が打つ言葉で付ける)、固定ページのURLを公開後に変えるなら、転送の設定を自分で入れることになります。やり方はWordPressでリダイレクトを設定する方法に書いています。
親ページも確かめます。複製プラグインは親ページも写すので、「事業内容」の子ページを複製すると、複製も「事業内容」の下に入ります。別の場所に置きたいなら、親ページを変えてから公開します。
2. 検索に出す設定(noindex・canonical)
元のページに「検索結果に出さない」(noindex)の設定が付いていて、それが複製にも写っていると、新しいページはいつまでも検索に出ません。逆に、canonical(「このページの正規のURLはこちら」という指定)が元のページを指したまま写っていると、Googleに「これは元のページの写し」と伝えることになります。Googleの公式ドキュメントでは、内容が重複するページがあるとき、Googleがその中から正規のURLを選ぶと説明されています。公開する前に、テーマやSEOプラグインの設定欄で、複製のページの設定を開いて見てください。canonicalの考え方は「代替ページ(適切な canonical タグあり)」とはで詳しく書いています。
下書きのままのページは、WordPress標準のサイトマップ(/wp-sitemap.xml)には載りません。公開すると自動で載ります。試しに作ったページを公開したままにすると、そのままGoogleに知らせることになるので、使わない複製は公開しないか、ゴミ箱に移します。サイトマップに要らないページが載っていたときの仕分け方はWordPressのサイトマップに不要なページが載っていたときの仕分け方にあります。
3. 本文の中のリンク、電話番号、フォーム
複製した本文には、元のページのためのリンクや案内がそのまま残っています。「詳しくはこちら」のリンク先、ページ内の目次のリンク、そのページだけの電話番号や受付時間を一つずつ確かめます。
問い合わせフォームにも気をつけます。同じフォームを複数のページに置くと、届いたメールだけでは、どのページから送られたのかが分からないことがあります。ページごとの問い合わせを数えたいなら、フォームを分けるか、送信をページごとに計測しておきます。数え方はGA4で問い合わせを計測するにまとめています。
メニューも見ておきます。新しく作った固定ページがメニューに出るかどうかは、テーマとメニューの設定しだいです。出ないこともあれば、固定ページを自動で並べる設定のために、公開したとたんに出ることもあります。公開後にメニューを開き、要るなら足し、元のページと並んだときに名前が紛らわしくないかも確かめます。
4. 中身が書き分けられているか
最後に、元のページと複製を並べて読みます。違うのが見出しの言葉や地名だけなら、まだ公開する段階ではありません。次の章で理由を書きます。
名前だけを入れ替えたページを量産しない
ページの複製は、型をそろえるには便利です。ただ、業種名や地名だけを入れ替えたページを何枚も作る使い方は勧めません。Googleのスパムに関するポリシーは、「誘導ページの不正使用」を「特定の類似した検索語句で検索結果の上位に表示されることを目的にサイトまたはページを作成すること」と説明し、例として「特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導する」ことなどを挙げています。ポリシーの読み方と、当社がこのやり方をとらない理由は業種別・地域別のページは、名前を入れ替えるだけなら作らないに書きました。
確かめ方は簡単です。元のページと複製の本文を文書ソフトに貼り、業種名と地名をすべて「◯◯」に置き換えて読み比べます。どちらがどちらのページか区別がつかないなら、その2枚は1枚にまとめるか、その業種・その土地でしか言えないこと(料金の違い、対応の範囲、その地域の事例など)が見つかってから作ります。複製で手間が減るのは型の部分だけで、中身を考える手間は減らない、と当社は考えています。
元のページを書き換えてしまったときは「リビジョン」で戻す
複製の作業で多い失敗は、複製のつもりで元のページを書き換えて「更新」してしまうことです。WordPressには「リビジョン」(保存した版の記録)があり、公式ドキュメントでは、保存した下書きや公開済みの更新ごとに記録が残ると説明されています。
- 元のページの編集画面を開きます。
- 右側の設定の欄(「ページ」のタブ)で、「リビジョン」の横の数字を押します。
- 上のスライダーで、書き換える前の版を探します。
- 復元のボタン(英語の画面では「Restore」)を押します。
当社も2026年10月に固定ページの見た目を作り直したときは、差し替える前の版にリビジョンから戻せるようにしてから作業しました。複製の作業をする前に、元のページにリビジョンが残っているかを一度見ておくと安心です。
複製の作業が終わったら、「固定ページ」の一覧の「下書き」を開き、使わなかった複製をゴミ箱に移しておきます。似た題の下書きが残っていると、次に誰かが作業するときに、どれが本物か分からなくなります。
当社が固定ページを作るときのやり方
当社は、WordPressにAI Engineというプラグインを入れ、AI(Claude)から固定ページや記事を作って下書きとして保存し、人が読んでから公開しています。ページを増やすときに気にしているのは、複製の手間よりも、そのページでしか言えないことがあるかどうかです。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを引き受けています。サービスや事例のページを増やしたいが、どこまでを1枚にまとめ、どこから分けるかで迷っているときは、相談するから今のページの一覧を添えてお送りください。
参考にした公式の説明
- WordPress.org「Pages Screen」(英語)
- WordPress.org「WordPress Block Editor」(英語)
- WordPress.org「Reusable blocks」(英語)
- WordPress.org「Block Pattern」(英語)
- WordPress.org「Page / Post Settings Sidebar」(英語)
- WordPress.org「Revisions」(英語)
- WordPress Developer Resources「wp_unique_post_slug()」(英語)
- WordPress Developer Resources「wp_check_for_changed_slugs()」(英語)
- WordPress.org プラグイン「Yoast Duplicate Post」(英語)
- Yoast「duplicate-post」(GitHubで公開されているプラグインの元のプログラム、英語)
- WordPress.org プラグイン「Duplicate Page」(英語)
- Make WordPress Core「New XML Sitemaps Functionality in WordPress 5.5」(英語)
- Google 検索セントラル「重複した URL を rel=”canonical” などの方法で統合する」
※WordPressとプラグインの画面の名前と手順は、2026年10月8日に公式のドキュメントとプラグインのページで確かめたものです。日本語の表示はバージョンや翻訳によって少し違うことがあります。