高気密・高断熱をホームページでどう書くか:3市24社で実測の数字は3社

2026年9月24日、長野県松本市、岡山県倉敷市、栃木県宇都宮市の三つの市で、注文住宅を建てたい人が打ちそうな九つの言葉を検索し、1ページ目によく出てきた地元の工務店のサイトを市ごとに8社、合わせて24社開きました。三つの市の全体は工務店のホームページ集客にまとめています。この記事では、そのうち家の性能の書き方だけを扱います。

「高気密・高断熱」という言葉は、多くの工務店のサイトに出てきます。ところが、その性能を数字で示していた会社は24社のうち8社で、そのうち実際に測った数字(実測値)は3社でした。当社の考えは次のとおりです。「高気密・高断熱」の言葉は、書いても比べる材料になりません。書くなら、数字を実測・設計値・等級に分け、どの家で、いつ、何棟の平均なのかを添える。実測を持っていない会社は、設計値と等級をそのとおりに書けば足ります。

24社のうち、実測の数字は3社、設計値か等級が5社

三つの市で、実測の数字を出していたのは1社ずつでした。

宇都宮の1社は、断熱の等級と並べて、気密の数字を「平均の実測値」と断って書いていました。倉敷の1社は、気密の数字を「自社で施工した、ある工法の場合の、何年時点の実測値」と、条件を付けて書いていました。松本の1社も、断熱と気密を実測の数値で示していました。

実測ではないものの、数字か等級を書いていた会社が5社あります。宇都宮では、断熱と気密の数字を「以下」の形で書き、実測とは書いていない会社、平屋のコラムの中で断熱の数字と等級を挙げる会社、性能のページで「断熱等級6相当を目指し」と方針を書く会社の3社。松本では、断熱の等級やグレードの名前を書く会社が2社でした。

残る16社は、数字がないか、あっても自社の家の数字ではありませんでした。倉敷の8社のうち7社がここに入ります。そのうち1社はブログで一般的な目安の数字を解説し、1社は国の省エネ住宅の目標を公表した資料へのリンクを置き、1社は海外の認定を目指すと書いていました。どれも読めば取り組みの姿勢は伝わりますが、その会社が建てた家がどれくらいの性能なのかは分かりません。松本では5社、宇都宮では4社が、「高気密・高断熱」の言葉だけか、性能の記載がない会社でした。

確かめたのは主にトップページと、そこから開いた一部のページです。奥の性能のページを見落としている可能性はあります。

実測、設計値、等級は、別のものを数えている

性能の数字には種類があり、それぞれ数えているものが違います。

気密の数字(C値。家のすき間の量を表し、小さいほどすき間が少ない)は、建てた家で一棟ずつ測って出すものです。断熱の数字(UA値。家の外側から逃げる熱の量を表し、小さいほど熱が逃げにくい)は、多くは図面から計算する設計の数字です。断熱の等級は、住宅の性能表示の制度で決められた段階で、第三者の評価を受けた等級と、自社で計算して「相当」とする等級とでは、意味が違います。

読む人から見ると、この違いは書いてもらわなければ分かりません。「C値0.5以下」と書いてあれば、それが目標なのか、これまで建てた家の実績なのか。「等級6相当」は評価を受けた等級なのか。一般的な目安を解説したブログの数字を、その会社の家の数字と取り違える人もいるでしょう。

実測を出していた3社のうち2社は、「平均」や「ある工法の場合の、何年時点」という条件を自分から添えていました。当社はここがいちばん大事な点だと見ています。一棟ずつ測る数字は家ごとに違うので、条件のない一つの数字より、何棟の平均か、どの工法の家か、いつの測定かが書いてあるほうが、読む人は自分の家に置き換えて考えられます。

数字を載せた会社が、「高断熱」の検索に出ていたわけではない

同じ日に、「{市} 高断熱 住宅 工務店」も検索しています。道具は各語9件か10件しか返さず、地図枠と広告は見えていません。

宇都宮では9件のうち8件が、住宅のポータルか比較サイトでした。そのうち一つは、住宅会社を「高気密・高断熱」の条件で絞り込むポータルのページです。地元の工務店は1件だけで、それも何年も前に書かれた断熱工事のブログの記事でした。平均の実測値を出していた宇都宮の会社は、この言葉には出てこず、平屋と費用の言葉のほうで1ページ目に入っていました。

倉敷では、地元の工務店が9件のうち5件(4社)入り、九つの言葉の中でいちばん多い言葉でした。ただ、入っていたのはトップページ3件と、ブログと会社概要のページです。4社のうち、自社の実測の数字を出していたのは1社でした。松本では地元の工務店が3件入り、ほかに他県の同じ社名の会社が3件ありました。

つまり、性能の数字を出すことと、性能の言葉で1ページ目に出ることは、三つの市のどこでも結びついていませんでした。この1ページ目は、ポータルと比較サイトが「高気密・高断熱」を絞り込みの条件として扱う場所になりかけています。どの会社も同じ言葉を掲げれば、その言葉は一覧の印になり、会社ごとの違いは消えます。一覧の印に載らないのは、条件の付いた数字のほうです。

ですから、数字を出す目的は順位ではありません。ポータルや見学会で御社を知った人が、ほかの会社と並べて比べるときの材料です。この点は、価格の出し方を書いた工務店のホームページに価格は載せるべきかと同じ考えです。

書く順番は、持っている数字の種類で決まる

実測の記録を持っている会社は、まず平均と条件を書きます。何棟を測った平均か、どの工法の家か、いつからの記録か。そのうえで、施工事例に一棟ごとの測定値を添えられるなら、読む人は建てた場所や間取りと一緒に性能を見られます。いちばん良かった一棟の数字だけを出すのは避けます。

実測をしていない会社は、設計の数字と等級を、そのとおりに書きます。「設計上のUA値」「断熱等級◯(自社計算)」のように、種類を言葉で添える。気密の数字を目標として書くなら、目標と書きます。実測をしていないことは弱みに見えるかもしれませんが、実測のように読める書き方をするよりも、比べる人の信頼は残ります。

数字を一つも持っていない会社は、「高気密・高断熱」の言葉を消して、何をしているかを書くほうが伝わります。使っている断熱材と窓、測定をしていない理由、あるいはこれから測る予定。言葉を掲げたまま中身がないと、数字を出している会社と並んだときに、比べられる前に外されます。

正直に書くと、性能で選ぶ家族ばかりではありません。見学会で暖かさを体感して決める人もいれば、価格や間取りを先に見る人もいます。性能の数字を出したから来場が増える、とは言えません。また、工務店の性能の表示に関わる決まりは、今回は公式の資料で確かめていないので、書き方を大きく変えるときは別に確かめてください。

今日、御社のサイトで確かめること

当社が24社で見た順番です。

  1. スマートフォンで御社のサイトを開き、ページ内の検索で「高気密」「高断熱」「C値」「UA値」「等級」を探します。どのページに出てきて、数字が一緒に書いてあるかを書き留めます。
  2. 見つかった数字の一つずつに、実測、設計値、等級(評価を受けたものか、相当か)、目標、一般的な目安のどれかの印を付けます。印を付けられない数字は、読む人にも区別がつきません。
  3. 実測の数字があるなら、何棟の平均か、どの工法か、いつの測定かが添えてあるかを見ます。
  4. 施工事例を三つ開き、その家の性能の数字が書いてあるかを見ます。
  5. 御社の地域名に「高断熱 住宅 工務店」を付けて検索し、1ページ目のポータル・比較サイトと地元の工務店を数えます。地元の工務店のページを開き、自社の家の数字を出しているかを見ます。数え方は検索結果の1ページ目を数えるに書きました。

三つの市の九つの言葉と24社の横並びの全体は工務店のホームページ集客に、松本の記録は松本市×工務店の見本にまとめています。

2で印の付かない数字が一つでもあれば、最初に直すのはその一行の書き方です。印が付けられる数字を持っているのに、施工事例には一つも書いていないなら、次に足すのは事例のほうです。