ホームページの会社概要の書き方:問い合わせ前に確かめられる項目と業種ごとの表示

「会社概要 書き方」「会社概要 項目」と検索すると、上位には会社名、所在地、代表者、設立、資本金、従業員数、事業内容、取引銀行、主要取引先といった項目の一覧と、記入例のテンプレートが並びます。項目の一覧としては、それで足ります。ただ、地域で店や会社、士業の事務所を営む方のホームページで会社概要を開くのは、多くの場合、取引の審査をする担当者ではなく、これから問い合わせようとしている人です。その人が確かめたいのは、資本金の額より、この会社は実在するのか、自分の町まで来てくれるのか、資格や許可は本物か、いつなら連絡がつくのか、ではないでしょうか。

この記事は、問い合わせる前の人が会社概要で確かめる項目を表にし、業種によって表示が決まっている事項を、法律や各会の規程などの一次情報で確かめた範囲で並べたものです。あわせて、Googleビジネスプロフィールとの表記のそろえ方と、構造化データ(ページの内容を検索エンジンに決まった形で伝える記述)について、Googleの公式の説明を引きます。当社が2026年10月3日に開いた上位の解説記事2本は、業種ごとの表示の決まり、構造化データ、ビジネスプロフィールとの一致のいずれにも触れていませんでした。

先に結論を書きます。

  • 地域の事業者の会社概要で、問い合わせる前の人が確かめるのは、名称、所在地、代表者、設立、事業内容、許認可や登録の番号、対応地域、連絡先と受付時間の八つだと当社は見ています。資本金や取引銀行は、取引先として審査される場面で意味を持つ項目です。
  • 業種や売り方によっては、表示する事項が決まっています。弁護士は氏名と所属弁護士会、宅建業者の物件の広告は免許証番号など、通信販売にあたる場合は特定商取引法の表示です。
  • 法人の名称と所在地は国税庁の法人番号公表サイトで、税理士の登録は日本税理士会連合会の検索サイトで、誰でも照らし合わせられます。番号をテキストで書いておくと、照合の手がかりになります。
  • 名称、住所、電話番号、営業時間は、Googleビジネスプロフィールと同じ表記にそろえます。構造化データは、ページに書いた内容と一致させて、そのあとに足します。

会社概要の項目:問い合わせる前の人が確かめる八つ

下の表は、地域の事業者の会社概要に置く項目を、問い合わせる前の人が何を確かめるために見るか、という向きで並べたものです。項目の選び方と書き方の目安は、当社の見立てです。

項目問い合わせる前の人が確かめること書き方の目安
名称実在する会社か。地図や看板で見た名前と同じか登記どおりの商号。屋号や事務所名が別にあれば並べて書く
所在地どこにあるか。行けるか郵便番号、建物名と階まで。来訪は予約制か、駐車場があるか
代表者誰が責任を持っているか氏名。士業なら資格名とあわせて
設立・開業どのくらい続いているか年と月
事業内容自分の用件を扱っているかお客様が口にする用件の名前で
許認可・登録資格や許可は本物か許可や登録の種類、番号、所属する会。テキストで
対応地域自分の町まで来てくれるか市や町の名前で。来訪、出張、オンラインの別
連絡先と受付時間いつ、どうやって連絡がつくか電話番号、フォーム、メール、受付時間と定休日。時間外の連絡手段

上位の記事がよく挙げる資本金、従業員数、取引銀行、主要取引先は、企業どうしの取引で相手を審査する場面で意味を持つ項目です。法人のお客様が多いなら、載せる理由があります。個人のお客様が中心の店や事務所では、先に整えるのは表の八つだと当社は考えています。主要取引先は、相手の了承なしに名前を出してよいかの確認が要りますし、士業では依頼を受けた事実そのものが守秘の対象になりえます。

会社概要は、紹介で名前を聞いた人や、地図で見つけた人が、頼めるかどうかを確かめに来るページの一つです。経路ごとにホームページが果たす役割は、ホームページ集客の方法:検索・地図・広告・SNS・紹介でサイトが担う役割に書きました。

所在地は、建物名と階まで書く

住所が番地で止まっていると、初めて来る人は建物の前で迷います。建物名と階、来訪は予約制か、駐車場はあるかまで書いておくと、問い合わせの電話で聞かれることが一つ減ります。自宅を事務所にしていて番地まで出すことに迷う場合も、まず次の節で、業種として事務所の所在地の表示が求められていないかを確かめてから決めてください。

事業内容は、お客様の用件の言葉で書く

「経営支援業務」「各種許認可申請業務」のような書き方では、自分の用件が含まれるのか、読む人には判断がつきません。「建設業許可の新規申請と更新」「相続登記」「土地の売却の仲介と買取」のように、お客様が実際に口にする用件の名前で並べると、会社概要だけで頼めるかどうかの見当がつきます。

対応地域と受付時間は、当社の記録でも差が出た

当社は2026年9月24日に、9つの業種と27の商圏で、地元の事業者のサイトを同じ項目で開いて確かめました(全体はホームページ集客は業種で何が違うか:9業種・27の商圏で検索結果を数えた)。会社概要のページそのものを数えた記録ではありませんが、関係する数字があります。静岡県沼津市の社会保険労務士事務所は、5事務所のうち4事務所が、対応する市や町の名前を一行に並べていました。相談の入口が電話だけの法律事務所は、松江市で8事務所中3、旭川市で8事務所中4ありました。

ここからは当社の見立てです。対応地域が市や町の名前で書いてあれば、隣の市の人は自分のところも対象かどうかを判断できます。「県内全域」のような広い書き方だけでは、出張の費用や、来てもらえる頻度までは分かりません。入口が電話だけなら、受付時間を会社概要に書き、時間外に使える連絡手段(フォームやメール)があるかも並べておくと、夜にサイトを見た人がそこで止まらずに済みます。

業種や売り方によって、表示する事項が決まっている

会社概要に何を載せるかは基本的に自由ですが、業種や売り方によっては、広告やウェブサイトに表示する事項が、法律や業界の規程で決まっています。当社が一次情報で確かめた範囲を表にします。ここに載せていない業種に決まりがない、という意味ではありません。

業種・場面表示が求められる事項根拠
通信販売にあたる場合(ホームページなどで申し込みを受けて商品やサービスを売る)事業者の氏名(名称)、住所、電話番号。法人がウェブなどの電子的な広告をする場合は、代表者または通信販売の業務の責任者の氏名。ほかに価格、送料、支払いの時期と方法、引き渡しの時期、申し込みの撤回や解除に関する事項など特定商取引法(消費者庁「特定商取引法ガイド」)
弁護士氏名と所属弁護士会。弁護士法人は、名称、主たる法律事務所または広告にかかる従たる法律事務所の名称、所属弁護士会日本弁護士連合会「弁護士の業務広告に関する規程」第9条
司法書士(福岡県司法書士会の例)事務所の所在地、氏名、所属司法書士会、司法書士名簿に記載している事務所の電話番号。簡裁訴訟代理等関係業務の広告では、認定を受けている旨または認定番号福岡県司法書士会「会員の業務広告に関する規則」第10条
宅地建物取引業者(物件の広告)広告主の名称または商号、事務所の所在地、電話番号、宅建業法による免許証番号、所属団体名と公正取引協議会加盟事業者である旨、取引態様(売主、代理、媒介の別)不動産の表示に関する公正競争規約(必要な表示事項の別表)
建設業者店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに、許可を受けた建設業の名称、一般建設業か特定建設業かの別などを書いた標識建設業法第40条
住宅宿泊事業(民泊)届出住宅ごとに、決められた様式の標識住宅宿泊事業法第13条

表を読むときの注意を、業種ごとに書きます。

  • 弁護士:東京弁護士会は、事務所のウェブサイトに所属弁護士会の表示がないものは違反広告だと案内しています(出典:東京弁護士会「事務所のウェブサイトに、所属弁護士会の表示がないものは違反広告です。」)。会社概要に限らず、サイトのどのページから入っても目に入る場所に置いておくと安心です。
  • 司法書士:広告の規則は、各地の司法書士会がそれぞれ定めています。表は福岡県司法書士会の規則で、ほかの会の規則が同じ文言かは確かめていません。所属する会の規則を確かめてください。
  • 宅建業者:公正競争規約が必要な表示事項を定めているのは物件の広告で、会社概要のページそのものではありません。物件のページとサイトの下部、会社概要で、名称と免許証番号の表記を同じにしておくと、読む人が見比べやすくなります。
  • 建設業者と民泊:どちらも店舗や建物、現場に掲げる標識の決まりで、ホームページへの表示を求める条文ではありません。当社の見立てでは、許可の番号や届出の番号をホームページにも書いておくと、読む人が次の節の検索で照らし合わせられます。
  • 通信販売:消費者庁のガイドは、電話番号について、確実に連絡が取れる番号を表示することが必要だとし、使われていない番号や、意図的に常に電話を取らない状態にしている場合はこれに当たらないとしています(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」通信販売の広告規制)。ホームページを問い合わせの入口にして、契約は面談で結ぶ士業や工務店とは場面が違います。サイトで講座や商品を申し込んで買えるようにするなら、このガイドを先に読んでください。

税理士、行政書士、社会保険労務士については、この記事では、ウェブサイトに表示する事項を定めた条文までは確かめていません。所属する会の規程を確かめてください。

問い合わせる前の人は、公の検索で照らし合わせられる

会社概要に書いた名称や番号は、読む人が公の検索で照らし合わせることができます。当社が確かめた検索を並べます。

検索運営照らし合わせられること
法人番号公表サイト国税庁法人の商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号(基本3情報)
建設業者・宅建業者等企業情報検索システム国土交通省許可や免許を出した行政庁が登録した、建設業者や宅建業者などの情報
税理士情報検索サイト日本税理士会連合会登録された税理士と税理士法人の氏名、登録番号、事務所所在地、所属する税理士会
弁護士会の会員の検索各地の弁護士会(愛知県弁護士会、千葉県弁護士会など)その会に所属する弁護士の情報。載っている項目は会によって違う

法人番号公表サイトに出る所在地は、本店または主たる事務所の所在地です。会社概要に営業所や店舗の住所だけを書いていて、本店が別の場所にある場合、検索した人には二つの住所が見えることになります。当社の見立てでは、本店と、お客様が来る場所を分けて書いておけば、食い違いには見えません。名称も同じで、登記の商号と、看板やビジネスプロフィールで使う屋号が違うなら、両方を書いておくと照らし合わせがつきます。

番号は、画像ではなくテキストで書きます。テキストなら、読む人がそのまま写して検索できます。当社の9業種の記録でも、料金の金額が画像になっていて読み取れなかった法律事務所が旭川市に一つありました。会社概要の表を画像で作っているサイトは、番号だけでもテキストにしておくと照合の手がかりが残ります。

Googleビジネスプロフィールと、名称・住所・電話・営業時間をそろえる

地域で事業者を探す人の多くは、Googleマップや検索結果の地図の枠で、先にGoogleビジネスプロフィール(Googleが無料で提供している、地図と検索に事業者の情報を載せる登録)を見て、「ウェブサイト」のボタンからホームページに来ます。地図の枠と通常の検索結果がそれぞれ何で決まるかは、ローカルSEOとは:地域の検索で、地図の枠と通常の検索結果は別の仕組みで決まるにまとめました。

Googleのガイドラインは、ビジネス名を、店頭やウェブサイト、文房具などで一貫して使われ、お客様に知られている実際の名前にするよう求めています。宣伝の文句や、サービスの説明、所在地の情報を名前に足すことは認めていません(出典:Google に掲載するビジネス情報のガイドライン)。ホームページの会社概要に書く名称は、ビジネスプロフィールの名前を決めるときの拠りどころの一つになります。

当社が表記のずれとして気にしているのは、次の五つです。どれも当社の見立てで、検索の順位のためというより、読む人が地図とホームページを見比べたときに同じ事業者だとすぐ分かるかどうか、という基準で見ています。

項目ずれやすい例そろえ方
名称「株式会社」が前か後ろか。商号と屋号が混ざる会社概要に商号と屋号を両方書く。ビジネスプロフィールは店頭で使っている名前
住所「1丁目2番3号」と「1-2-3」。建物名や階の有無書き方をそろえ、建物名と階は両方に入れる
電話番号代表番号と携帯番号、FAX番号の取り違え問い合わせを受ける番号を一つ決めて両方に載せる
営業時間会社概要に古い時間が残る。祝日や年末年始変えた日に両方を直す。休みの予定はビジネスプロフィールの特別営業時間にも入れる
ウェブサイトのURL以前のサイトや、もう使っていないページを指しているボタンを押して、今のサイトの正しいページが開くかを見る

ビジネスプロフィールの手入れの順番と、口コミの頼み方の決まりは、Googleマップ集客とビジネスプロフィール運用:自社でできることと口コミの決まりに書いています。

構造化データ:会社概要は Organization、店や事務所は LocalBusiness

会社概要に関係する構造化データは、組織を表す Organization と、店舗や事務所を表す LocalBusiness の二つです。Google検索セントラルの説明を並べます(出典:Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」、同「ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ」)。

OrganizationLocalBusiness
置く場所ホームページか、企業情報ページのように組織を説明する一つのページサイトのどのページにも置けるが、ビジネスの情報を載せたページのほうがよい場合がある
必須のプロパティなし。組織に当てはまるものを足すname(名前)、address(住所)
主なプロパティname、alternateName(通称)、address、telephone、email、url、logo、foundingDate(設立日)、numberOfEmployees(従業員数)、taxID などtelephone、openingHoursSpecification(営業時間)、url、geo(緯度と経度)、priceRange(価格帯)、department(部門)など
電話番号国コードと市外局番を含めるお客様からの連絡を受けるメインの番号。国コードと市外局番を含める

Organization の説明には、レストランや実店舗のようなローカルビジネスのサイトでは、LocalBusiness の中から最も当てはまる種類を使い、ローカルビジネスの必須と推奨の項目もあわせて使うよう勧める記述があります。地域の店や事務所なら、中心になるのは LocalBusiness のほうです。

当社の順番は、会社概要のページに八つの項目をテキストで書くのが先で、構造化データはその後です。構造化データに入れる名前、住所、電話番号、営業時間は、ページに見えている表記、ビジネスプロフィールの表記と同じものを使います。構造化データをページの表示と一致させるというGoogleの勧めと、AIによる検索との関係は、AI検索対策(LLMO・AIO)とは:地域の会社のホームページでできることに書きました。WordPressのテーマやプラグインが、すでに構造化データを出していることもあります。足す前に、Googleの「リッチリザルト テスト」に会社概要のページのアドレスを入れて、いま何が出ているかを確かめるのが先です。

なお、Organization の説明には、日本の法人番号をどのプロパティに入れるかの記述は見当たりませんでした。当社は、ここは書かれている範囲を超えて決めつけないことにしています。

求人票を見た人が会社名で検索して会社概要に来た場合に、その先の採用のページに何を載せるかは、採用ページの作り方:中小企業の求人を見た人が応募前に確かめる項目と書き方に書きました。

今日、自社で確かめられること

  1. 自社の会社概要を開き、名称、所在地、代表者、設立、事業内容、許認可や登録、対応地域、連絡先と受付時間の八つがあるか、画像ではなくテキストで書かれているかを見ます。
  2. 法人なら、国税庁の法人番号公表サイトで自社を検索し、出てきた商号と所在地を会社概要の表記と比べます。本店とお客様が来る場所が違うなら、両方を書いているかも見ます。
  3. Googleマップで自社のプロフィールを開き、名称、住所、電話番号、営業時間を、会社概要と一項目ずつ見比べます。「ウェブサイト」のボタンを押して、今のサイトが開くかも確かめます。
  4. 士業や宅建業、建設業なら、所属する会の規程や業界の規約で表示が求められている事項を書き出し、サイトのどこに書いてあるかを確かめます。弁護士なら、氏名と所属弁護士会がどのページからも見えるかです。
  5. 対応地域が市や町の名前で書かれているか、受付時間外に使える連絡手段があるかを、夜にスマートフォンで自社のサイトを開いたつもりで確かめます。
  6. Googleのリッチリザルト テストに会社概要のページのアドレスを入れ、構造化データが出ているか、出ているなら名前や住所がページの表記と同じかを見ます。