整骨院の集客方法:地図・ホームページ・ポータル・紹介の分担と、広告ガイドラインで変わる順番

「整骨院 集客 方法」で調べると、ポータルサイトへの掲載、チラシ、SNS、検索広告、口コミ、ホームページと、手段を並べた記事が多く出てきます。整骨院・接骨院でその並びを読むときに、先に押さえておきたいことがあります。2025年(令和7年)2月18日に厚生労働省がまとめた「あはき・柔整広告ガイドライン」で、どの手段が「広告」に当たり、そこに何を書けるかの線が文書で示されたことです。

この記事では、患者さんが院を探す場面ごとに入口を分け、地図、ホームページ、ポータル、紹介、広告の役割と、手をつける順番をまとめます。院長や開業を考えている柔道整復師の方に向けて書いています。当社は法律の専門家ではないので、個々の表現は所管の保健所などで確かめてください。

この記事の結論

  • 当社の見立てでは、急な痛みで院を探す人は、近さと「いま開いているか」で選びます。最初に整えるのは、地図の施術時間、休診日、電話番号、予約の方法です。
  • ガイドラインは、施術所のウェブサイトを原則として広告に当たらないとする一方、掲載料を払っている紹介・口コミサイト、費用を払って上位に出す検索結果、リスティング広告、公開範囲を限らないSNSは、要件を満たせば広告になるとしています。ポータルの掲載文やSNSの投稿は、広告として書ける事項の範囲で作ります。
  • 自費の施術を載せるなら、施術の内容と通常必要とされる費用を、見つけやすい場所に書きます。
  • 紹介を増やすときに、集合住宅や施設の事業者に紹介料を払って患者さんを紹介してもらう形は、療養費の取扱いで支給の対象外とされています。

患者さんが院を探す場面と、使う言葉

言葉は当社が想定した例で、検索の回数を調べたものではありません。

探す場面使いそうな言葉の例最初に開く場所院の側で用意するもの
ぎっくり腰、寝違えなど急な痛み「整骨院 近く」「接骨院 ◯◯駅」地図の枠施術時間、今日の受付、予約の要否、電話番号
仕事帰りや土日に通いたい「整骨院 夜 ◯◯市」「接骨院 日曜」地図、ポータル夜間・休日の施術の有無、駐車場
部活やスポーツのけが「スポーツ 接骨院 ◯◯市」地図、院のサイト受け付けているけがの種類、保険が使える場合の条件
引っ越してきて、通う院を探す「◯◯市 整骨院」地図、ポータル、院のサイト院の名前、所在地、柔道整復師の氏名、初めての流れ
自費の施術を考えている施術の名前+地名院のサイト、ポータル施術の内容と通常の費用を同じ画面に

急な痛みの場面では、地図で近い院を選び、電話をかけるまでが短い時間で進みます。ホームページが読まれるのは、そのあとか、通い続ける院を決めるときです。

入口ごとの役割分担

入口役割あはき・柔整広告ガイドラインとの関係
Googleビジネスプロフィール近くで探す人に、場所、施術時間、電話番号を見せる院の名前に地名や施術の説明を足さない(Googleのガイドライン)
ホームページ確かめに来る人への案内と、自費の施術の説明原則として広告に当たらない。ただし広告に流用すると、書けない事項が入る
ポータル(紹介・口コミサイト)条件で院を比べる人に見つけてもらう掲載料を払っているものは、要件を満たせば広告になる。掲載文は広告できる事項の範囲で
SNS院の雰囲気、休診のお知らせ公開範囲を限らないものは、要件を満たせば広告
検索広告「近く」「夜」など急ぎの言葉で出る広告そのもの
紹介通っている患者さんから家族や職場の人へ紹介料を払って患者を紹介してもらう形は、療養費の支給の対象外とされている

Googleのガイドラインは、ビジネス名を店舗や看板、ウェブサイトで実際に使っている名称にそろえ、所在地やサービスの説明を名前に加えないこととしています。

手をつける順番

  1. 地図の情報をいまの院に合わせる。施術時間、休診日、予約の要否、駐車場、入口の写真。年末年始や臨時休業は、その都度直します。
  2. ホームページの「初めての方へ」を一枚にする。予約は要るか、服装、保険証、施術の流れ、保険が使える場合と使えない場合。電話で毎回聞かれることへの答えです。
  3. 自費の施術のページを、施術ごとに一枚にする。内容、一回の時間、通常の費用、通う回数の目安を同じ画面に置き、問い合わせ先を書きます。
  4. ポータルの掲載文と写真を見直す。広告として書けない事項(施術者の技能、施術の方法、経歴、体験談など)が入っていないかを確かめます。
  5. 紹介と口コミの頼み方を決める。通っている患者さんが家族に渡しやすい案内を用意し、Googleの口コミをお願いする文面はGoogle口コミを増やす方法の決まりに合わせます。
  6. 検索広告やSNS広告は最後にする。広告できる事項だけで文を作り、案内する先のページの扱いに迷ったら保健所などに確かめます。

当社の見立てでは、ポータルや広告から始めて地図とホームページを後回しにすると、比べられたあとで院の様子を確かめられずに離れる人が出ます。比べられる場に出る前に、確かめ先を整えておきます。

広告ガイドラインと療養費の決まりで、集客の手段ごとに気をつけること

ガイドラインは、利用者を誘う意図(誘引性)、施術者や施術所が特定できること(特定性)、一般の人が見られる状態にあること(認知性)の三つがそろうものを広告としています。広告に書けるのは、柔道整復師法第24条第1項と告示で決められた事項だけで、施術者の技能、施術の方法、経歴は同条第2項により書けません。院の名前やキャッチコピーについても、「整体」「カイロプラクティック」「リラクゼーション」などの語は、ほかの業態と紛らわしいとして広告できないとされています。

集客の手段に引き直すと、次のようになります。

  • ポータル:掲載料を払う紹介・口コミサイトは広告になりうるので、掲載文に施術の方法や院長の経歴を書く場合は、広告に当たらないかを確かめます。
  • 体験談:施術所が依頼したり謝礼を出したりして書いてもらった体験談は、広告に当たる場合は載せられません。消費者庁は、広告であるのに広告と分からない表示(いわゆるステルスマーケティング)を2023年10月1日から景品表示法の違反としていて、事業者が第三者に頼んで書かせた口コミやSNSの投稿も含まれ、規制の対象は広告主の事業者だと説明しています。
  • 紹介:厚生労働省の受領委任の取扱規程(2018年5月24日の通知による改正)は、健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供や違法な広告で患者を誘引してはならないとし、施術所が集合住宅や施設の事業者などに紹介料を払って患者の紹介を受けた施術は、療養費の支給の対象外とするとしています。

サイトの中でどのページに何を書くかは、整骨院・接骨院のホームページ制作の費用:作り方ごとの目安と、広告ガイドラインで変わる作りにまとめています。

数え方:どの入口から来たかを分けて記録する

  1. 初めて来た患者さんの問診票に、「何を見て来られましたか」の欄を一つ置く。地図、院のサイト、ポータル、紹介、通りがかり、で足ります。
  2. Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスで、電話、ルート検索、ウェブサイトへのクリックの数を月ごとに書き写す。
  3. ポータルや予約サービスを使っているなら、そこからの予約数を管理画面で月ごとに書き写し、掲載料と並べる。

新しい患者さんの数を入口ごとに並べ、掲載料や広告費を入口ごとに割ると、一人あたりいくらかかっているかが見えます。記録の形はホームページからの問い合わせの数え方に、チラシやLINEのQRコードに付ける目印の作り方はUTMパラメータの作り方に、地図の側の数字の見方はGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンスの見方に書きました。

当社の進め方

当社は、作って終わりにせず、問い合わせが来るようになるまで手を入れ続ける形でホームページの運営をお引き受けしています。始める前に商圏調査(5万円・税別、二週間ほど。お引き受けに進めば契約料に充当)で、その地域で検索されている言葉と1ページ目の顔ぶれを数え、上の表のどの入口から手を入れるかを決めます。料金と進め方は料金に載せています。

今日、御院で確かめられること

  1. 地図の施術時間と休診日が、院の掲示とホームページと同じかを見ます。
  2. 院の名前、ポータルの見出し、SNSのプロフィールに「整体」「カイロプラクティック」などが入っていないかを見ます。
  3. ポータルの掲載文と検索広告の文に、施術の方法、院長の経歴、患者さんの声が入っていないかを見ます。
  4. 自費の施術のページで、内容と通常の費用が同じ画面で読めるかを見ます。
  5. 紹介の謝礼や紹介料を払っている先があれば、その形を書き出し、取扱規程に照らして所管の窓口に確かめます。

出典