無料のSEOツール:小さな会社が最初に使う道具と、何が分かるか

小さな会社が無料で使えるSEOツールのうち、最初に入れるのは Google の Search Console(サーチコンソール)と GA4(Googleアナリティクス)の2つです。Search Console は「検索結果の中」、つまり自社のページがGoogleに登録されているか、どんな言葉で何位に出ているかを見る道具で、GA4 は「サイトに来たあと」を見る道具です。店舗や事務所なら、Googleマップでの見え方を見る Googleビジネスプロフィールを加えます。

その次に、必要になったときに使うのが、表示の速さを測る PageSpeed Insights、構造化データ(検索結果に特別な見た目で出すための書き込み)を確かめるリッチリザルト テスト、書く言葉を探すキーワードプランナーと Google トレンド、Bingでの見え方を見る Bing Webmaster Tools です。どれも、それぞれ見ている場所が違うので、「どれが一番よいか」ではなく「何を知りたいか」で選びます。

当社が自社のサイトで実際に使っているのは、Search Console、GA4、Bing Webmaster Tools、PageSpeed Insights です。言葉ごとの検索数を調べるのには、SEOツール「パスカル」も使いました。この記事では、各道具で分かること・分からないことを、当社の画面の数字も交えて書きます。各道具の説明は、2026年10月に公式のヘルプや説明で確かめたものです。

無料のSEOツールの一覧:分かること・分からないこと

道具分かること分からないこと
Search ConsoleGoogleへの登録状況、検索語ごとの表示・クリック・順位、セキュリティの問題サイトに来たあとの動き、他社のサイト
GA4来た人の数、どこから来たか、読まれたページ、フォーム送信などの出来事Googleで打たれた言葉(単体では)、誰が来たか
Googleビジネスプロフィール地図や検索でのプロフィールの閲覧数、検索語句、通話、ルートサイトの中の動き
PageSpeed Insightsページの表示の速さと直す候補順位、検索で選ばれるか
リッチリザルト テスト構造化データの書き方の誤り実際に特別な見た目で出るか
キーワードプランナー言葉ごとの月間検索数の見積もり自社の順位
Google トレンド関心の時期による増減(相対値)検索数そのもの
Bing Webmaster ToolsBingでの表示・クリック・順位、被リンクGoogleでの状態

表の右の列が大事です。一つの道具でサイトの全部が分かることはありません。たとえば「Googleでどんな言葉を打って来たか」は GA4 には出ず、Search Console で見ます。「問い合わせが何件来たか」は、どの道具にも正確には出ません。それは社内の受付の記録で数えます(ホームページからの問い合わせの数え方)。

そろえる順番:最初の1週間でやること

  1. Search Console に登録する。所有権を確かめ、サイトマップ(ページの一覧)を送ります。始めたばかりのサイトで最初に役立つのはこれです。手順はサーチコンソールの設定方法にあります。
  2. GA4 を入れる。サイトの全ページにタグ(データを送る短いプログラム)を入れます。WordPressならプラグインでつなぐ方法もあり、当社のサイトでは、Googleの道具との連携に Site Kit by Google というプラグインを使っています。
  3. 店舗や事務所なら、Googleビジネスプロフィールを登録してオーナー確認をする。パフォーマンスの数字は、オーナー確認の済んだプロフィールでしか見られません。
  4. 主なページを PageSpeed Insights で一度測る。トップ、料金、問い合わせなど、数ページで足ります。
  5. Bing Webmaster Tools に登録する。Search Console に登録済みなら、そこから取り込めます。当社は2026年10月2日にこの方法で登録しました。

リッチリザルト テスト、キーワードプランナー、Google トレンドは、使う場面が来たときに開けば足ります。最初から全部を入れて毎日眺めるより、上の5つをそろえて月に一度見るほうが続きます。

検索結果の中を見る:Search Console と Bing Webmaster Tools

Search Console:登録されているか、何位か

Googleのヘルプは Search Console を、Google 検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つ無料のサービスと説明しています。小さな会社がよく使うのは、次の三つの画面です。

  • 「ページ(インデックス作成)」と「URL 検査」:ページがGoogleに登録されているか、されていないならなぜか。
  • 「検索パフォーマンス」:どんな検索語で何回表示され、何回クリックされ、平均何位か。
  • 「セキュリティの問題」:乗っ取りなどの問題が見つかっていないか。

当社のサイトでは、2026年9月30日の時点でGoogleに登録されていたのが古いページ3本だけでした。Search Console に登録してサイトマップを送り、主なページの登録をリクエストしたところ、10月8日には登録済みが98になりました。検索パフォーマンスでは、「ホームページ 保守 料金」で平均2.0位、「名古屋 seo対策」で45.8位など、語ごとの位置が見えています。

分からないのは、他社のサイトの数字と、まだ自社が一度も表示されていない言葉の順位です。Search Console で見られるのは、自分に権限のあるサイトだけです。順位の確かめ方は検索順位チェックのやり方に書きました。

Bing Webmaster Tools:Bingと、AIの回答での引用

Microsoft が出している、Bing版の Search Console のような道具です。Bingの公式ブログによると無料で、Microsoft、Google、Facebook のいずれかのアカウントでログインでき、Search Console に登録済みのサイトは取り込んで手早く始められます。「Search Performance」で表示回数・クリック数・平均掲載順位(最長16か月分)、「URL Inspection」で登録状況、「Backlinks」で自社や他社への被リンク(ほかのサイトからのリンク)、「Keyword Research」で言葉の候補、「Site Scan」でリンク切れなどの点検ができます。

2026年2月には、Microsoft の AI(Copilot や Bing の AI による要約)の回答で、自社のページが出典として何回引用されたかを見る「AI Performance」が、試験公開(パブリック プレビュー)として加わりました。

サイトに来た人を見る:GA4

GA4 は、サイトに来た人がどこから来て、どのページを読み、フォームの送信などまで進んだかを数える無料の道具です。SEOの道具として見ると、「検索から来た人が、どのページに入り、どこへ進んだか」を見る役目です。

当社のサイトを10月8日に「過去28日間」で見ると、セッション(訪問)225のうち、Organic Search(検索からの訪問)は28でした。ただし、GA4 だけでは、どんな言葉で検索して来たかはほとんど分かりません。それは Search Console で見ます。Search Console と GA4 をリンクすると、GA4 の中で検索語の数字も見られるようになります(当社はまだリンクしていません)。二つの違いとつなぎ方はサーチコンソールとGA4の違いと連携にまとめています。

地図での見え方を見る:Googleビジネスプロフィール

地図と店の一覧が出る検索で選ばれたい店舗や事務所には、Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」で、Googleが数えた数字を無料で見られます。Googleのヘルプによると、Google 検索と Google マップでプロフィールを閲覧した人の数、ビジネスの検索に使われた検索語句、通話ボタンが押された回数、ルートを検索した人の数、プロフィールに載せたウェブサイトへのリンクのクリック数などが見られます。検索語句の数字は毎月の初めに更新され、表示まで5日ほどかかることがある、とされています。

「ウェブサイトのクリック」は、地図から自社のサイトに来た数の目安になります。地図の枠と通常の検索結果は別の仕組みで並ぶので、Search Console の順位とは分けて見ます。

ページの作りを点検する:PageSpeed Insights とリッチリザルト テスト

PageSpeed Insights:点数より、実際の利用者のデータがあるか

URLを入れると、携帯電話とパソコンのそれぞれについて、表示の速さと改善の候補を出します。Googleの説明によると、結果には2種類のデータがあります。実際のChromeの利用者の過去28日間の体験をまとめた「フィールドデータ」と、Lighthouse という仕組みが決まった条件で読み込んで測る「ラボデータ」です。点数は、90以上が良好、50〜89が改善が必要、50未満が不良とされています。

当社の記事ページを2026年10月9日に測った結果は、携帯電話で「パフォーマンス」77、Largest Contentful Paint(いちばん大きな部分が表示されるまでの時間)4.8秒、パソコンでは同じ値が0.8秒でした。そして、「Chrome ユーザー エクスペリエンス レポートには、このページの実際の速度データが十分にありません。」と表示され、フィールドデータはありませんでした。アクセスの少ないページでは、出てくるのはラボの数字だけ、ということです。ラボの数字は条件をそろえた試験の結果なので、直したあとに同じページで測り直して比べる使い方が向いています。見方の詳しい説明はPageSpeed Insightsの使い方と見方にまとめています。

リッチリザルト テスト:構造化データを入れたときだけ

商品やイベント、パンくずリストなどを、検索結果に特別な見た目で出すための構造化データを書いたときに、その書き方に誤りがないかを確かめる道具です。Search Console ヘルプによると、公開中のページのURLでも、書いたコードを貼り付けても調べられます。注意点は、テストで問題がなくても、検索結果にその見た目で出るとは限らないことです。ヘルプにも、プレビューの内容のすべてが検索結果での表示に反映されるとは限らない、とあります。構造化データを入れていないサイトなら、開く必要はありません。なお、よくある質問(FAQ)の構造化データによる表示は、2026年5月7日から Google 検索に出なくなりました。よくある質問のページそのものの作り方はFAQページの作り方にまとめています。

書く言葉を探す:キーワードプランナーと Google トレンド

キーワードプランナー:広告の道具なので条件がある

Google 広告の中にある道具で、言葉ごとの月間検索数の見積もりや、関連する言葉の候補が出ます。Googleは「検索キャンペーンのキーワード リストを作成するのに役立つ無料のリソース」と説明しています。使うときの条件が三つあります。

  • Google 広告のアカウントが要ります。ヘルプによると、キーワード候補などの基本の機能を使うには、お支払い情報を入力してアカウントの設定を済ませる必要があります。
  • 数字は見積もりです。「月間平均検索ボリューム」は、その言葉と似た言い方を合わせた検索回数の平均とされています。
  • 検索数がとても少ない言葉と、デリケートな話題とみなされる言葉は、対象になりません。

広告を出す予定がない会社は、無理にアカウントを作らなくても、Search Console の「検索パフォーマンス」に出ている、すでに表示のある言葉から始められます。当社も、記事の言葉を選ぶとき、SEOツール「パスカル」で言葉ごとの検索数を調べるのと合わせて、Search Console ですでに表示のある言葉と順位を見ました。選び方の手順はSEOのキーワード選定のやり方に書いています。

Google トレンド:数ではなく、時期の波を見る

言葉がいつ多く検索されているかの増減を見る道具です。Google トレンドのヘルプによると、数値は、すべての検索に対するその話題の割合をもとに0〜100の範囲に調整したもので、検索数の小さい言葉は「0」と表示されます。つまり、出てくるのは検索数そのものではなく、波の形です。「確定申告」のように時期によって探す人が増える仕事なら、記事を出す時期や、ページを直す時期を決めるのに使えます。地域の小さな言葉は0になりやすいので、市の名前を入れた細かい言葉より、仕事の名前だけで見るほうが形が出ます。

無料の道具では分からないこと:有料のツールが要る場面

無料の道具は、どれも「自社のこと」を見る道具です。次のことは、無料の道具ではほとんど分かりません。

  • 他社のサイトが、どんな言葉で、どのくらい検索から人を集めているか。
  • まだ自社が出ていない言葉で、今何位か、毎週どう動いているか。
  • Google広告を使わずに、言葉ごとの検索数の目安をまとめて調べること。

こうしたことを継続して調べるなら、有料のSEOツールの出番です。当社も、記事づくりの言葉選びでは、こうしたSEOツール(パスカル)で検索数を調べました。ただ、有料のツールが出す他社の数字や「ドメインの強さ」のような点数は、それぞれのツールが独自に推定したもので、Googleの数字ではありません(ドメインパワーとは)。小さな会社で、記事を月に数本出す程度なら、まず無料の道具で自社の状態を毎月見られるようになることが先です。他社がどんなページで上位にいるかは、有料のツールがなくても、自分で検索して1ページ目を数えれば分かります(競合調査のやり方)。

道具を入れる前に決めておくこと

道具は、入れただけでは何も変わりません。当社の考えでは、入れる前に次の三つを決めておくと、数字を眺めて終わる状態を避けられます。

  1. 誰が、いつ見るか。月に一度、日を決めます。Googleも Search Console について、毎日ログインする必要はなく、月に1回程度の確認を勧めています。
  2. 見たあとに何を決めるか。直すページを一つ選ぶ、題を付け替える、何もしない、のどれかを一行で残します。
  3. 最後に何の数字と並べるか。道具の数字は、問い合わせの件数と並べて初めて判断に使えます。問い合わせの目標から必要なアクセス数を逆に出すには問い合わせ目標からの逆算ツールが使えます。

当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るまでを引き受けています。ここに挙げた道具の登録や設定、毎月の数字の確認、そこから直すページを決めるところまでを、運営の中で行っています。道具は入れたが何を見ればよいか分からない、という段階でも、相談するからお知らせください。

参考にした公式の説明

※内容は2026年10月に各公式の説明で確かめたものです。各道具の画面や機能は変わることがあります。