GA4とは:小さな会社がGoogleアナリティクスで分かること・分からないこと

GA4(Google アナリティクス 4)とは、自社のサイトに来た人が、どこから来て、どのページを読み、問い合わせフォームの送信などまで進んだかを数える、Googleの無料の道具です。Googleのヘルプでは「ウェブサイトとアプリの両方からイベントベースのデータを収集する次世代のアナリティクス」と説明されています。前の版のUA(ユニバーサル アナリティクス)は2023年7月にデータの処理を終えているので、いま「Googleアナリティクス」といえばGA4のことです(2026年10月時点のGoogleのヘルプによる)。

小さな会社のサイトで分かるのは、おおまかに四つです。何人・何回来たか。どこから来たか(検索、直接、ほかのサイトのリンクなど)。どのページが読まれたか。フォームの送信など、決めておいた出来事が何回起きたか。逆に、誰が来たか(名前や連絡先)、Google検索でどんな言葉を打って来たか、問い合わせが実際に何件来たかは、GA4だけでは分かりません。検索語はSearch Console(Googleの検索結果の中を見る道具)で、問い合わせの件数は社内の受付の記録で見ます。

最初に見る画面は三つで足ります。「トラフィック獲得」(どこから来たか)、「ページとスクリーン」(どのページが読まれたか)、「イベント」(問い合わせの送信が記録されているか)です。この記事では、当社が自社のサイトのGA4を見たときの実際の数字を例に、初めて開いた人がどこでつまずくかを書き、その先の詳しい記事へ案内します。

GA4とは:サイトに「来たあと」を数える道具

仕組みは単純です。サイトの各ページに入れた「Googleタグ」(GA4にデータを送る短いプログラム)が、ページが表示された、下までスクロールした、フォームに入力し始めた、といった出来事を「イベント」として一つずつGA4に送ります。GA4はそのイベントを集計して、人数、訪問の回数、ページごとの数字にして見せます。ヘルプが「セッション ベースではなくイベントベース」と書いているのはこのことで、ページの表示もイベントの一つとして数えます。

使うのに料金はかかりません。ヘルプの設定の案内にも「ウェブサイトやアプリを Google アナリティクスに無料で接続しましょう」とあります。有料の「Google アナリティクス 360」もありますが、ヘルプでは大企業向けに上限を高くし、機能を足したエンタープライズ版と説明されています。小さな会社のサイトなら、無料の標準版で足ります。

よく一緒に名前が出るSearch Consoleとの違いは、見ている場所です。Search Consoleは「Googleの検索結果の中」、つまりお客様がサイトに来る前を見る道具で、GA4は来たあとを見る道具です。二つの比べ方とつなぎ方はサーチコンソールとGA4の違いと連携に書いています。

GA4で無料でできること

小さな会社が使う機能を、知りたいことの順に並べると次のとおりです。画面の名前は、左のメニューの「レポート」の中のものです。

知りたいこと見る画面
何人来たかホーム、各レポートの「ユーザー」
何回来たか「トラフィック獲得」のセッション
どこから来たか「集客」→「トラフィック獲得」
どのページが読まれたか「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」
どのページから入ったか「エンゲージメント」→「ランディング ページ」
フォーム送信など大事な出来事イベントとキーイベント
標準の表にない問い左のメニューの「探索」

それぞれの数字の詳しい見方は、記事の最後の「ここから先に読む記事」に用事別にまとめています。

このうち「フォームの送信」だけは、入れただけで正しく数えられるとは限りません。どの出来事を「送信が届いた」と数えるかは、フォームの作りに合わせて決める必要があります。当社が自社のフォームでどう数えたかはGA4で問い合わせを計測するに書いています。

GA4では分からないこと

初めて使う人がいちばん戸惑うのは、「分かると思っていたことが出てこない」ことです。先に知っておくと、数字を探して画面の中を迷わずに済みます。

誰が見たか、誰が問い合わせたか

GA4に出るのは人数や回数で、来た人の名前や会社名、連絡先は出ません。それどころか、Googleのポリシーは、メールアドレスや電話番号などの個人情報をGoogleアナリティクスに送ることを禁じています。ヘルプは、URLやページのタイトルに個人情報が入る場合は取り除くよう求めていて、フォームの入力欄に訪問者が個人情報を入れる場合があることにも注意を促しています。「フォームを送った人の名前をGA4で見たい」というのは、決まりの上でできないことです。誰から問い合わせが来たかは、届いたメールと受付の記録で見ます。

Google検索でどんな言葉を打って来たか

GA4で分かるのは、Googleの検索から来た訪問があった、というところまでです。どんな言葉で検索して来たかは、GA4だけではほとんど分かりません。検索語はSearch Consoleで見ます。Search ConsoleとGA4をリンクすると、GA4の中に「Google オーガニック検索クエリ」というレポートが加わり、Search Consoleの検索語の数字をGA4の画面で見られるようになります。ただしヘルプでは、組み合わせられるGA4の項目は「ランディング ページ」「デバイス」「国」に限られていて、「この言葉で来た人が何件問い合わせたか」は出ません。

なお、GA4のイベントに view_search_results という「検索」と名のつくものがありますが、これはサイトの中の検索窓で検索結果のページが表示されたときの記録です。Googleで検索した言葉ではありません。

問い合わせが実際に何件来たか

GA4が数えられるのは、フォームの送信や電話番号のタップといった、サイトの上で起きた出来事までです。番号を見て手で電話をかけた人、名刺を見てメールをくれた人、紹介で連絡してきた人は、GA4には出ません。送信の中に営業の売り込みが混ざることもあります。問い合わせの件数は、社内の受付の記録で数え、GA4の数字はその横に並べて使います。数え方はホームページからの問い合わせの数え方にまとめています。

検索結果で見られたのに押されなかった回数

GA4は、サイトに来た人しか数えません。Googleの検索結果に御社のページが何回表示されたか、何位あたりに出ているか、そもそもGoogleに登録されているかは、Search Consoleで見ます。Googleマップに出る御社の情報の閲覧や電話の数は、Googleビジネスプロフィールの側で見ます。

UA(ユニバーサル アナリティクス)との違いの要点

何年も前から自社のサイトを見てきた会社では、「以前のアナリティクスと数字や画面が違う」と感じるはずです。前の版のUAとの違いで、実際に困るのは次の三つです。

項目UAGA4
いま使えるか2023年7月に処理停止。2024年7月以降はデータも見られないいまのGoogleアナリティクス
データの集め方セッション(訪問)が中心イベント(出来事)が中心
直帰率1ページだけのセッションの割合エンゲージメントがなかったセッションの割合

一つ目は、UAのデータはもう見られないことです。ヘルプによると、標準のUAのプロパティは2023年7月1日にデータの処理が止まり、2024年7月1日の週から、過去のデータも含めて画面やAPIで見られなくなりました。それまでにダウンロードやエクスポートをしていなければ、データは完全に削除されて復元できないとされています。古いプロパティが見つからない、という場合の確かめ方はGA4のログイン方法に書いています。

二つ目は、同じ名前の数字でも数え方が違うことです。たとえば直帰率は、UAでは「1ページだけのセッション数をすべてのセッション数で割った値」でした。GA4では「エンゲージメントが発生しなかったセッションの割合」で、エンゲージメントのあったセッションとは、一定の時間(ヘルプでは10秒)以上続いた、キーイベントが起きた、ページの表示が2回以上あった、のどれかを満たした訪問です。1ページだけ読んで帰っても、しばらく読んでいれば、GA4では直帰になりません。ヘルプはセッションの区切り方にも違いがあると説明していて、UAでは新しいキャンペーンから来ると新しいセッションが始まりましたが、GA4では始まりません。

三つ目は、だからUAのころの報告書とGA4の数字を並べて比べないことです。「去年より直帰率が下がった」「ユーザーが増えた」と見えても、数え方が変わった分が混ざっています。比べるのは、GA4の中の前の期間とだけにしてください。直帰率とエンゲージメント率の詳しい見方はGA4の直帰率とエンゲージメント率にあります。

初めて開いた人がつまずくところ:当社の28日間の数字で

当社が2026年10月8日に自社のサイトのGA4で「過去28日間」(9月11日〜10月8日)を見たときの数字です。初めて見る人が引っかかりやすい点が、ちょうどそろっています。

見た場所数字
ホームアクティブユーザー113、イベント数1,477、キーイベント0
トラフィック獲得(合計)セッション225、エンゲージメント率45.33%
トラフィック獲得(Direct)189セッション(84%)
トラフィック獲得(Organic Search)28セッション(12.44%)
トラフィック獲得(Unassigned、Referral)6セッション、2セッション

先に読み方の注意を書いておきます。この期間、当社のサイトは作り直しの最中で、当社や関係者が確認のために開いた分が多く含まれていると当社はみています。社内の閲覧を数字から除く設定もしていませんでした。ですから、下の数字は「外から来たお客様がこれだけいた」という意味ではなく、あくまで画面の読み方の例として見てください。

つまずき1:「113」と「225」、どちらが来た人の数か

ホームに出るアクティブユーザー113は「人」の数、トラフィック獲得のセッション225は「訪問の回数」です。同じ人が何度か来れば、セッションのほうが多くなります。どちらが正しいということではなく、数えている単位が違います。

つまずき2:イベント数1,477は多いのか

GA4ではページの表示もスクロールも訪問の始まりも、すべてイベントとして数えます。当社の1,477の内訳を見ると、ページの表示(page_view)が534、エンゲージメントの記録(user_engagement)が356、スクロール(scroll)が234、訪問の始まり(session_start)が221で、大半がこうした自動の記録でした。イベント数の合計は「何かが起きた回数の総数」なので、多い少ないで良し悪しは決まりません。見るのは、合計ではなく、問い合わせに近いイベントの数です。

つまずき3:キーイベント0は「問い合わせ0」か

そうとは限りません。当社のイベントの一覧には、フォーム送信を表す generate_lead が2件記録されていました。ところが、これをキーイベント(事業にとって大事な出来事として別に数える印)に指定していなかったので、ホームのキーイベントは0のままでした。ヘルプでは、キーイベントの印は「管理」の「データの表示」にある「イベント」で、イベント名の横の星のアイコンを押して付け、付けた時点以降のレポートに反映され、過去のデータは変わらないとされています。

もう一つ注意があります。この2件が実際のお客様の問い合わせか、当社のテスト送信かは、GA4のデータだけでは区別できません。GA4の数字を問い合わせの件数として扱わない理由がここにもあります。直し方はGA4のイベント数とはに書いています。

つまずき4:Directが84%

Direct(ダイレクト)は、ヘルプの定義では、参照元が「(direct)」でメディアが「(not set)」か「(none)」の訪問で、ブックマークやURLの直接入力など、どこから来たかの手がかりが届かなかった訪問がここに入ります。当社の189セッション(84%)には、上に書いたとおり、作り直しの確認のために開いた分が多く含まれているとみています。まず社内の閲覧を除き、そのうえで残るDirectを見ます。手順はGA4の「Direct」「Unassigned」「(not set)」とはにあります。

つまずき5:Organic Search 28と、Search Consoleのクリックが合わない

同じころ当社のSearch Consoleで見た28日間のクリックは1でした。GA4の「Organic Search」は28セッションです。合わないのには理由があります。当社のSearch Consoleのデータは9月30日からしかなく、GA4のこの期間(9月11日から)とそろっていません。また、GA4の「Organic Search」は、ヘルプの定義では検索サイトとして登録された参照元からの訪問をまとめたもので、Google以外の検索からの訪問も入ります。そもそも二つの道具は数え方が違うので、一致はしません。比べ方はサーチコンソールとGA4の違いと連携に書いています。

小さな会社が最初に見る3つの画面

GA4にはたくさんの画面がありますが、Webの担当者がいない会社なら、月に一度、次の三つを見れば足ります。画面の場所は、2026年10月時点のヘルプに書かれているものです。

1. どこから来たか:「トラフィック獲得」

  1. 左のメニューの「レポート」を押します。
  2. 「集客」→「トラフィック獲得」を開きます。
  3. 表の行が、検索、直接、ほかのサイトのリンクといった経路(チャネル)ごとに並びます。セッション、エンゲージメント率、キーイベントを、経路ごとに見ます。

見るのは合計ではなく、経路ごとの増減です。「検索から来た訪問は増えているか」「ほかのサイトのリンクから来ている訪問はあるか」を、前の月と比べます。

2. どのページが読まれたか:「ページとスクリーン」

  1. 「レポート」の中の「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開きます。
  2. ページごとの表示回数、アクティブユーザー数、平均エンゲージメント時間(ページが画面の前面に出ていた時間の平均)が並びます。

当社の28日間では、トップが表示269で最も多く、事業内容のページが33、お問い合わせのページと進め方のページが25ずつでした。お問い合わせのページは平均12秒です。これを「短いから悪い」とは読みません。フォームの場所を確かめに来た人や、電話番号を見に来た人は、数秒で用が済むからです。時間の読み方はGA4で滞在時間を見るにはに書いています。料金や事業内容のように、問い合わせの手前で読まれてほしいページが、どれだけ見られているかを確かめるのがこの画面の使いどころです。

3. 問い合わせの送信が数えられているか:「イベント」

  1. 左下の「管理」を押し、「データの表示」にある「イベント」を開きます。
  2. 一覧に、フォームの送信にあたるイベントがあるかを見ます。
  3. あれば、そのイベント名の横の星のアイコンが付いているか(キーイベントになっているか)を見ます。付いていなければ押して付けます。

キーイベントにしておくと、1の「トラフィック獲得」の表で、どの経路から来た訪問が送信までつながったかが同じ行に並びます。ここまでできれば、GA4は「問い合わせが増えた・減った理由を探す道具」として使えるようになります。なお、「閲覧者」の役割では設定を変えられないので、星を付けられないときは、社内の管理者に頼むか役割を見直します。

毎月見るときは、GA4より先に、受付の記録で今月の問い合わせの件数を数えておきます。件数が増えた・減ったという事実があって、その理由をGA4の三つの画面で探す、という順番です。目標の件数から、どれくらいの訪問が要るかを逆に見積もりたい場合は、当社の問い合わせ目標からの逆算ツールも使ってみてください。

放っておいてよいこと、確かめたほうがよいこと

状態判断
設置したばかりで、レポートに数字が出ない待つ。ヘルプでは処理に24〜48時間かかることがあるとされる
Search Consoleのクリックと数字が合わない放っておいてよい。数え方が違う
UAのころの数字と大きく違う放っておいてよい。比べない
Directが大半を占める確かめる。社内の閲覧が混ざっていないか
キーイベントが0のまま確かめる。送信のイベントに印が付いているか
送信にあたるイベントが一つもない直す。フォームの送信を数える設定をする

設置した直後に済ませておきたい設定は四つあります。データの保持期間を14か月にする、社内の閲覧を除く、問い合わせの送信をキーイベントにする、Search Consoleとリンクする、です。特に前の二つは、後回しにした期間の分をあとから取り戻せません。手順はGA4の設定方法の後半と、GA4のデータ保持期間にあります。

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当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るまでを引き受けています。GA4は、その中で「何を直すか」を決める材料の一つです。「GA4は入っているが、何を見て何を決めればいいのか分からない」という段階からでも、相談するからお知らせください。

参考にした公式の説明

※画面の名前と手順、定義は、2026年10月8日にGoogleのヘルプで確かめたものです。GA4の画面は変わることがあります。