GA4(Googleアナリティクス4)でほかの人に権限を付与できるのは、「管理者」の役割を持つ人だけです。手順は、GA4の左下の「管理」を開き、「プロパティ」(または「アカウント」)の欄にある「アクセス管理」で「+」→「ユーザーを追加」を押し、相手のGoogleアカウントのメールアドレスと役割を選んで「追加」を押すだけです(2026年10月時点のGoogleのヘルプによる)。
役割は「管理者」「編集者」「マーケティング担当者」「アナリスト」「閲覧者」の5つと、役割がないことを表す「なし」です。目安は、数字を見るだけの人は「閲覧者」、タグや計測の設定を頼む制作会社は「編集者」、管理者は社内の人が2人以上で持つです。制作会社には、アカウント全体ではなく、御社のサイトの「プロパティ」単位で付けます。外すときは「アクセス管理」で対象の人にチェックを入れて「削除」を押しますが、ヘルプでは、ユーザーの削除はアカウント単位でしかできず、アカウント単位の管理者が行うとされています。
考え方は、Search Consoleのユーザー追加と同じです。「その人に何をしてもらうか」で、足りる中でいちばん弱い役割を選びます。Search Console側の手順はサーチコンソールのユーザー追加と権限付与に書いています。
GA4の6つの役割でできること
ヘルプ「アクセス権とデータ制限の管理」の説明を要約すると次のとおりです。上の役割は、すぐ下の役割でできることをすべて含みます(管理者は編集者を、編集者とマーケティング担当者はアナリストを、アナリストは閲覧者を含む)。
| 役割 | できること(ヘルプの説明の要約) | 渡す相手の例 |
|---|---|---|
| 管理者 | アナリティクスのすべてを管理できる。ユーザーの追加・削除、役割とデータ制限の割り当てができる | 社内の責任者と、もう1人 |
| 編集者 | プロパティ単位の設定をすべて管理できる。ユーザーの管理はできない(一覧を見ることはできる) | 計測の設定を頼む制作会社・運用の会社 |
| マーケティング担当者 | オーディエンス、イベント、キーイベントの作成・編集・削除。アトリビューションの設定の編集 | Google 広告を任せている会社 |
| アナリスト | 作ったデータ探索を、プロパティのほかのユーザーと共有できる | 分析して社内に見せる担当者 |
| 閲覧者 | 設定とデータを見られる。レポートに出すデータを切り替えられる。自分のデータ探索を作れる | 報告を受ける役員、記事を書く外部のライター |
| なし | このリソース(アカウントやプロパティ)には役割がない | アカウントには入れるが、このプロパティは見せない人 |
読み方の要点は三つです。
- 見るだけなら閲覧者で足ります。期間を変えたり、表の項目を切り替えたりもできます。
- 設定を変える作業には編集者が要ります。社内の閲覧の除外(データフィルタ)、Search Consoleとのリンクなどは、ヘルプで編集者以上の役割が条件とされています。
- 人の出入りは管理者だけです。編集者に頼んでも、別の人を加えてもらうことはできません。
データ制限(費用指標なし・収益指標なし)
役割とは別に、「費用指標なし」「収益指標なし」の2つのデータ制限を付けられます。付けると、その人には広告の費用や売上に関する数字が表示されません。ネットで商品を売っていて売上をGA4に送っている会社や、広告の費用をGA4に取り込んでいる会社が、外部のライターなどに数字を見せるときに使います。売上や広告の費用をGA4に入れていないサイトなら、付けても付けなくても、相手に見える数字は変わりません。
アカウント単位とプロパティ単位、どちらで付けるか
GA4は、「アカウント」(会社などの単位)の中に「プロパティ」(計測するサイトやアプリの単位)がある、という入れ子の作りです。役割は、どちらの単位でも付けられます。
ヘルプでは、上の単位の役割は下に引き継がれるとされています。アカウント単位で編集者にすると、そのアカウントの中のすべてのプロパティで編集者になります。また、引き継いだ役割と、プロパティで直接付けた役割が違う場合は、強いほうの役割が効きます。アカウントで閲覧者、プロパティで編集者なら、そのプロパティでは編集者です。データ制限は逆で、上の単位で付けた制限は、下の単位で外すことができません。
このため、外部の会社にはプロパティ単位で付けるのが基本です。会社のサイトが一つでも、あとから採用サイトや別事業のサイトのプロパティを同じアカウントに足したとき、アカウント単位で付けた人はそちらも自動的に見られる・触れるようになります。アカウント単位で付けるのは、社内の管理者だけにしておくと整理しやすくなります。
ユーザーを追加する手順
ヘルプ「アナリティクスのユーザーおよびユーザー グループの追加、編集、削除」の手順です。アカウント単位かプロパティ単位の「管理者」の役割が必要です。
- 管理者のGoogleアカウントでGA4を開き、左下の「管理」を押す。
- プロパティ単位で付けるなら「プロパティ」の欄、アカウント単位なら「アカウント」の欄にある「アクセス管理」を押す。上の選択欄で、対象のアカウントとプロパティが選ばれているかを確かめます。
- 一覧の「+」を押し、「ユーザーを追加」を選ぶ。
- 相手のGoogleアカウント(またはGoogle Workspaceのアカウント)のメールアドレスを入れる。
- 相手に知らせるなら「新規ユーザーにメールで通知する」にチェックを入れる。
- 役割(と、必要ならデータ制限)を選び、「追加」を押す。
- 相手にそのアドレスのアカウントでGA4を開いてもらい、御社のプロパティが選べるかを確かめてもらう。
つまずきやすいのは4です。ヘルプでは、追加できるのはGoogleアカウントに登録されているメールアドレスだけとされています。会社のメールアドレスでGoogleアカウントを作っていない相手は、そのアドレスでは加えられません。相手が普段GA4を開くときのアカウントと、伝えてもらったアドレスが違うと、相手の画面には何も出ません。追加する前に「GA4を開くときのGoogleアカウントのアドレス」を聞いておくと、やり直しが減ります。
GA4の権限は、Search ConsoleやGoogleビジネスプロフィールの権限とは別です。同じ相手に検索の数字も見せるなら、Search Consoleでも別に加えます。ビジネスプロフィールの管理者の加え方はGoogleビジネスプロフィールの管理者追加とオーナー変更にあります。
制作会社・外部の担当者に渡す役割の目安
| 相手 | 頼むこと | 渡す役割の目安 |
|---|---|---|
| 社長・社内の担当者 | すべての判断、人の出入りの管理 | 管理者(アカウント単位で2人以上) |
| サイトを作る・直す制作会社、運用の会社 | 計測の設定、社内アクセスの除外、Search Consoleとのリンク | 編集者(プロパティ単位) |
| Google 広告を任せている会社 | キーイベントやオーディエンスの作成 | マーケティング担当者(プロパティ単位) |
| 毎月の報告を作る会社 | 数字を見て報告する、探索の表を共有する | 閲覧者。探索を共有してもらうならアナリスト |
| 記事を書く外部のライター | どのページが読まれているかを見る | 閲覧者(売上や費用を入れているなら、データ制限も付ける) |
編集者を渡すときに知っておきたいことが二つあります。
一つ目は、編集者はデータを消す設定もできることです。たとえば社内の閲覧を除外する「データフィルタ」は、ヘルプによると、有効にすると除外されたデータをあとから戻せません。設定を頼むのはよいことですが、作業の前に「何を変えるか」を一言もらう取り決めにしておくと安心です。除外の手順と注意はGA4の「Direct」「Unassigned」「(not set)」とはに書いています。
二つ目は、GA4の編集の権限は、Search Consoleの所有権の確認にも使われることです。Search Consoleのヘルプでは、サイトに入っているGoogleアナリティクスのタグで所有権を確認する方法があり、その条件はアナリティクスで「編集」の権限を持っていることとされています。当社のサイトでも、2026年10月2日に運用担当のGoogleアカウントでSearch Consoleにサイトを追加したとき、所有権はHTMLファイルとGoogleアナリティクスで自動的に確認されました。つまり、制作会社にGA4の編集者を渡すと、条件がそろえば(トップページにGA4のタグがあり、URLプレフィックスのプロパティで確認する場合など)、その会社はSearch Consoleでもオーナーになれる状態になります。契約が終わるときは、GA4とSearch Consoleの両方を見直します。
GA4とSearch Consoleをつなぐ作業は、GA4の編集者で、かつSearch Consoleの「確認済み所有者」であることが条件です。手順はサーチコンソールとGA4の違いと連携にあります。
役割を変える・外す手順(辞めた担当者、契約が終わった制作会社)
役割を変える
- 「管理」→ 役割を付けた単位(プロパティかアカウント)の「アクセス管理」を開く。
- 一覧の上の検索欄に、相手のメールアドレスの全部か一部を入れて探す。
- 相手の名前を押し、役割やデータ制限を変えて「保存」を押す。
外す(ユーザーを削除する)
- アカウント単位の管理者のGoogleアカウントでGA4を開き、「管理」→「アカウント」の欄の「アクセス管理」を開く。
- 検索欄で相手を探し、チェックボックスにチェックを入れる。
- 「削除」を押す。
ヘルプでは、ユーザーの削除にはアカウント単位の管理者の役割が必要で、削除はアカウント単位でしかできないとされています。プロパティ単位の管理者しか持っていない場合は、プロパティでのその人の役割を外す(「なし」にする)ことはできても、ユーザーそのものの削除はアカウントの管理者に頼むことになります。また、管理者がほかにいない場合、最後の管理者は自分自身を削除できません。
人が辞めたときや制作会社との契約が終わったときは、GA4だけでなく、Search Console、Googleビジネスプロフィール、タグマネージャー、ドメインやサーバーの管理画面、WordPressのユーザーを一緒に見直すと、外し忘れが減ります。引き継ぎの全体はホームページを引き継ぐ前にも参考にしてください。
GA4が制作会社のアカウントの中にあるとき
制作会社が自社のGA4アカウントの中に、御社のサイトのプロパティを作っている場合があります。この形だと、御社の人はプロパティ単位の閲覧者などにしかなっておらず、自分で人を加えることも外すこともできません。契約を終えるときに、計測の記録ごと相手の手元に残ることにもなります。
この場合の選び方は二つです。
- プロパティを御社のアカウントへ移してもらう:ヘルプ「プロパティを移行する」によると、プロパティは別のアカウントへ移せます。移す作業をする人は、移す元と移す先の両方のアカウントで管理者の役割を持っている必要があるとされています。御社でアカウントを作り、制作会社の担当者をそちらに一時的に管理者として加えて作業してもらい、終わったら外す、という流れが考えられます。
- 今のまま、御社の人をプロパティの管理者にしてもらう:移すほどではない場合でも、御社の誰かがそのプロパティの管理者になっていれば、人の出入りは自分で管理できます。
Search Consoleには、自分でサイトの所有権を確かめればオーナーになれる仕組みがあります。当社が読んだGA4のヘルプの範囲では、管理者に連絡がつかないときに自分で権限を取り戻す方法の説明は見つかりませんでした。そうなると、新しいプロパティを作ってタグを入れ直すしかなく、それまでの記録は引き継げません。管理者は社内に2人以上を、困る前に整えておいてください。会社のドメインの名義が制作会社のまま、という状態も同じ根の問題で、ドメインの名義が制作会社のままに書いています。
放っておいてよい状態、すぐ直す状態
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 社内に管理者が2人いて、制作会社はプロパティの編集者 | そのままでよい。契約が終わったら外す |
| 社内の管理者が1人だけ | 早めに2人目を加える。その人が辞めると誰も人を管理できなくなる |
| 制作会社がアカウント単位の管理者 | 社内の人を管理者に加えたうえで、制作会社はプロパティの編集者に下げる |
| GA4が制作会社のアカウントの中にあり、社内は閲覧者だけ | 社内の人を管理者にしてもらうか、プロパティを移してもらう |
| 辞めた人や契約の終わった会社が残っている | 外す。Search Consoleの所有権も見直す |
| 誰が管理者か分からない | 「アクセス管理」の一覧で確かめる。開けなければ、設定した人や制作会社に聞く |
自分の役割は、「管理」の「アクセス管理」を開き、一覧の自分の行で確かめられます。ヘルプでは、編集者もプロパティのユーザーの一覧は見られるとされているので、一覧が開けても人を加えられないなら、管理者ではありません。一覧が開けない場合は、社内でGA4を最初に設定した人や、制作会社に「管理者は誰か」を聞くところから始めます。
権限の整理が済んだら、GA4で何を見るかに進めます。流入元の調べ方はGA4で流入元を調べる方法に、問い合わせの送信を数えるときの注意はGA4で問い合わせを計測するに書いています。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るまでを引き受けています。外部の会社にサイトの運営を頼むときも、GA4やSearch Consoleの管理者は御社の側に残し、外部には作業に足りる役割だけを渡しておくと、相手が替わっても困りません。「GA4やドメインの権限が誰の手にあるのか、まず洗い出したい」という段階からでも、相談するからお知らせください。
参考にした公式の説明
- アナリティクス ヘルプ「アクセス権とデータ制限の管理」
- アナリティクス ヘルプ「アナリティクスのユーザーおよびユーザー グループの追加、編集、削除」
- アナリティクス ヘルプ「プロパティを移行する」
- アナリティクス ヘルプ「内部トラフィックの除外」
- Search Console ヘルプ「サイトの所有権の確認」
※役割の説明と画面の名前・手順は、2026年10月時点のGoogleのヘルプによるものです。GA4の画面は変わることがあります。