「建設会社 集客 方法」で調べると、ホームページ、SNS、ポータルサイト、展示会、紹介、求人サイトと、手段を並べた記事が出てきます。読み進めると、仕事を取る話と人を採る話が一つの記事に混ざっていることが少なくありません。地域の建設会社にとって、この二つは読み手も入口も違います。仕事を頼む側は、元請の会社、設計事務所、施主の法人や個人で、当社の見立てでは、多くはすでに会社の名前を知っています。人を探す側は、求人サイトやハローワークで会社を見つけ、応募の前に会社のことを確かめに来ます。
この記事では、受注と採用の入口を分け、それぞれで紹介、地図、ホームページ、求人サイト、ハローワークが受け持つ役割と、手をつける順番をまとめます。地域の建設会社の経営者や、採用や営業を担当する方に向けて書いています。
この記事の結論
- 当社の見立てでは、地域の建設会社の受注は、取引のある元請や設計事務所、これまでの施主からの紹介と指名が中心です。ホームページは、名前で確かめに来た人への答えとして、許可、施工実績、対応できる工事の範囲を載せる場所です。
- 採用では、求人サイトやハローワークで会社を見つけた人が、応募の前に会社のサイトを開くことが多いと当社は考えています。採用のページは職業安定法の「募集の情報」なので、2024年4月から加わった明示事項を含めて、正確で最新の内容に保ちます。
- 受注と採用のどちらに先に手間をかけるかは、いまどちらが足りないかで決めます。両方を一度に作り直すより、足りないほうの入口から整えます。
受注と採用で、探す人と使う言葉が違う
言葉は当社が想定した例で、検索の回数を調べたものではありません。
| 入口 | 探す人 | 使いそうな言葉の例 | 会社の側で用意するもの |
|---|---|---|---|
| 受注:取引先からの指名 | 元請、設計事務所 | 会社の名前 | 許可の番号と業種、施工実績、対応できる工事の範囲 |
| 受注:施主の法人や個人 | 工場や店舗の持ち主、家を建てる人 | 「◯◯市 建設会社」「倉庫 建設 ◯◯市」 | 工事の種類ごとの実績と、相談の流れ |
| 採用:求人サイトやハローワークで見つけた | 求職者 | 会社の名前 | 採用のページ、仕事の一日、現場の写真 |
| 採用:言葉で探す | 求職者 | 「施工管理 求人 ◯◯市」「土木 作業員 求人 ◯◯市」 | 職種ごとの募集要項と、掲載の時点 |
| 採用:家族が確かめる | 求職者の家族 | 会社の名前 | 会社概要、働き方、休みの取り方 |
採用の側の三行のうち、二行は会社の名前で探しています。求人サイトの掲載の段を上げる前に、名前で確かめに来た人に応えられているかを見ます。
入口ごとの役割分担
| 入口 | 受注での役割 | 採用での役割 |
|---|---|---|
| 紹介(取引先、施主、社員) | 指名と次の仕事 | 社員の知り合いからの応募 |
| Googleビジネスプロフィール | 会社の名前で探す人に、場所と電話番号を見せる | 面接に来る人の道案内 |
| ホームページ | 許可、施工実績、対応範囲の確かめ先 | 採用のページと、職場の様子 |
| 求人サイト・ハローワーク | - | 求職者に見つけてもらう |
| SNS | 現場の様子、施工の記録 | 職場の雰囲気を見てもらう |
Googleのガイドラインは、ビジネス名を店舗や看板、ウェブサイトで実際に使っている名称にそろえ、所在地やサービスの説明を名前に加えないこととしています。事務所と現場が離れている会社は、プロフィールの住所を事務所にそろえます。
手をつける順番
- 会社概要を整える。建設業の許可の番号と業種、所在地、代表者、加入している団体、対応できる工事の範囲。受注でも採用でも、名前で確かめに来た人が最初に見る場所です。会社概要の項目はホームページの会社概要の書き方に書きました。
- 施工実績を工事の種類ごとに並べる。工事の種類、市や区、規模、工期をそろえて載せます。施主の名前を出すかどうかは、施主の了解を前提にします。
- 採用のページを整える。職種ごとの募集要項に、2024年4月から加わった明示事項と、掲載の時点を書きます。
- 求人サイトやハローワークの求人票と、採用のページの賃金・勤務地・休日をそろえる。改定のときは全部を直す手順にします。
- 地図の情報を合わせる。営業時間、電話番号、事務所の入口の写真。
- 求人サイトの掲載の段や求人広告は、応募の入口ごとの数字を見てから決める。
採用のページで、応募の前の迷いを減らすもの
求人サイトの画面は、どの会社も同じ形の枠に収まります。会社のサイトを開いた人が知りたいのは、その枠に書ききれないことです。当社の見立てでは、次の四つがあると、応募の前に電話で確かめる手間が減ります。
- 仕事の一日。朝どこに集まり、現場へどう移動し、何時ごろ終わるか。季節や工期で変わるなら、その幅も書きます。
- 現場の範囲。どの市や県の現場が多いか、泊まりがけの現場があるか。就業場所の変更の範囲と同じ内容になるように書きます。
- 資格と経験。未経験から始めた人がいるか、入ってから取った資格は何か。会社が費用を出す制度があるなら、その条件も書きます。実際の制度だけを書きます。
- 休みの実際。年間休日の数だけでなく、雨の日や工期の前後で休みがどう動くか。
どれも、求人票の内容と食い違わないことが前提です。求人票を直したら、このページも同じ日に直します。
建設業法と職業安定法で、集客と採用の場面で気をつけること
当社は法律の専門家ではありません。ここに書くのは、公開されている資料を読んだ範囲で、集客と採用の場面で気をつけていることです。
- 請けられる工事の範囲:建設業法施行令は、許可がなくても請けられる「軽微な建設工事」を、工事1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事などと定めています。サイトで受け付ける工事の例を、許可の業種と請けられる範囲に合わせます。
- 標識:建設業法第40条は、建設業者に、店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げることを求めています。サイトは標識の代わりではありませんが、会社概要に同じ内容をそろえておくと、確かめたい人の役に立ちます。
- 募集の情報:職業安定法第5条の4は、広告などで募集の情報を出すときに、虚偽や誤解を生じさせる表示をせず、正確で最新の内容に保つことを定めています。厚生労働省と都道府県労働局のリーフレットは、自社ホームページでの募集も対象とし、2024年4月1日からは、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準が明示事項に加わったと説明しています。現場が変わる仕事では、就業場所の変更の範囲をどう書くかが大事になります。
- 口コミと社員の投稿:消費者庁は、広告であるのに広告と分からない表示(いわゆるステルスマーケティング)を2023年10月1日から景品表示法の違反としていて、事業者が第三者に頼んで書かせた口コミやSNSの投稿も含まれ、規制の対象は広告主の事業者だと説明しています。社員に会社のことを投稿してもらうなら、会社が頼んだものだと分かる形にしてもらいます。
採用のページを社内で直せる作りにする方法と、作る費用の幅は、建設会社のホームページ制作の費用:作り方ごとの目安と、採用のページで明示する労働条件にまとめています。採用のページの項目は採用ページの作り方に書きました。
数え方:受注と応募を、入口ごとに分ける
- 問い合わせの記録に、「誰から、何を見てご連絡いただいたか」を一行残す。取引先の名前、施主の紹介、ホームページ、地図、で分けます。
- 応募の記録に、求人サイト(サイトの名前)、ハローワーク、自社サイト、社員の紹介、のどこから来たかを残し、面接、採用、三か月後に続いているかまで書き足す。
- 求人サイトの掲載料を並べ、採用一人あたりいくらかかったかを入口ごとに出す。
採用のページを見てから応募した人がどれだけいるかは、応募の連絡のときに「会社のサイトはご覧になりましたか」と一言聞くだけでも分かります。記録の形はホームページからの問い合わせの数え方に、チラシやLINEのQRコードに付ける目印の作り方はUTMパラメータの作り方に、地図の側の数字の見方はGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンスの見方に書きました。
当社の進め方
当社は、作って終わりにせず、問い合わせが来るようになるまで手を入れ続ける形でホームページの運営をお引き受けしています。始める前に商圏調査(5万円・税別、二週間ほど。お引き受けに進めば契約料に充当)で、その地域で検索されている言葉と1ページ目の顔ぶれを数え、上の表のどの入口から手を入れるかを決めます。料金と進め方は料金に載せています。
今日、御社で確かめられること
- 会社の名前で検索し、最初に出るページに許可の番号と業種、所在地、電話番号が載っているかを見ます。
- 採用のページに、2024年4月から加わった三つの明示事項と、掲載の時点が書いてあるかを見ます。
- 求人サイト、ハローワークの求人票、自社サイトで、賃金・勤務地・休日が同じかを見比べます。
- 施工実績が、工事の種類と規模で探せる形になっているかを見ます。
- この一年の応募を入口ごとに分け、採用まで進んだ数を並べます。
出典
- 建設業法 第40条(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
- 建設業法施行令 第1条の2(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/331CO0000000273
- 職業安定法 第5条の4(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- 厚生労働省・都道府県労働局「2024年4月から、募集広告や職業紹介を受ける際に、求人企業などから明示される労働条件が追加されます」(栃木労働局掲載) https://jsite.mhlw.go.jp/tochigi-roudoukyoku/content/contents/001753324.pdf
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制」の案内(令和5年10月1日から) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」 https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
- (消費者庁・Googleの資料は2026年10月17日確認。法令・厚生労働省の資料は建設会社の制作の記事で同日確認したもの)