GA4(Googleアナリティクス4)の標準のレポートには「離脱率」という項目はありません。離脱率を見たいときは、「探索」で自由形式の表を作り、ページごとの「離脱数」と「表示回数」を出して、離脱率=離脱数÷表示回数で計算します。離脱率は、そのページが表示された回数のうち、そこがセッション(サイトへの1回の訪問)の最後のページになった割合です。
離脱率が高いことは、それだけでは悪いことではありません。送信完了のページや、電話番号・地図を確かめるページは、そこで用が終わるので高くて当然です。気にするのは、問い合わせの手前にあって、本当は次へ進んでほしいページ(料金、サービス、事例など)で高いときです。また、件数が少ないうちは1回の違いで率が大きく動くので、数字だけで判断しないでください。
離脱率とは:直帰率との違い
離脱率の考え方は、旧版のユニバーサル アナリティクス(UA。2023年まで使われていたアナリティクス)のヘルプに説明が残っています。そこでは離脱率を「個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合」としています。直帰率はこれと違い、「そのページから始まったセッション」だけを対象にした数字でした。
| 離脱率 | GA4の直帰率 | |
|---|---|---|
| 何の割合か | そのページの表示のうち、最後のページになった割合 | エンゲージメントのなかったセッションの割合 |
| 対象 | そのページを見たすべての表示(途中で見た分も含む) | セッション(訪問) |
| GA4の標準レポート | ない | ない(カスタマイズで足せる) |
GA4の直帰率は、UAの直帰率とも定義が違います。GA4では、10秒を超えて続いた、キーイベントが起きた、ページの表示が2回以上あった、のどれも満たさないセッションが直帰です。直帰率の定義とレポートへの足し方はGA4のエンゲージメント率と直帰率に書きました。
離脱率は「どこで訪問が終わったか」、直帰率は「入ってすぐ終わった訪問がどれだけあるか」を表します。1ページ目で答えが分かって帰った人も、5ページ読んでから帰った人も、最後のページで「離脱」は1回です。離脱率だけでは「なぜ帰ったか」までは分かりません。
計算式:離脱数÷表示回数(何で割るかで数字が変わる)
材料になる「離脱数」は、GA4のヘルプ「[GA4] 閲覧開始数と離脱数」で「あるページやスクリーンで 1 セッションの最後のイベントが発生した回数」と定義されている指標で、データ探索で使えます。この記事では、UAのヘルプの離脱率の定義に合わせて次の式を使います。
離脱率(%)=そのページの離脱数÷そのページの表示回数×100
計算の例です。あるページの表示回数が25回、離脱数が10回なら、10÷25=0.4で、離脱率は40%です。
解説によっては、表示回数ではなくセッション数で割る式が紹介されていることもあります。同じページが1回の訪問の中で2回表示されると、表示回数とセッション数は一致しないので、割る数を変えると率も変わります。どちらが正しいというより、一度決めた式を毎月変えないことが大切です。制作会社や運用の会社から離脱率の報告を受けているなら、「何で割っていますか」と一度聞いておくと、先月との比べ方を間違えません。
GA4の探索で離脱数を出す手順
2026年10月時点のGoogleアナリティクス ヘルプの「自由形式のデータ探索」と「データ探索ツールを使ってみる」の説明をもとにした手順です。画面の名前は変わることがあります。
- GA4を開き、左のメニューで「探索」を選びます。
- 「新しいデータ探索を開始」の中から「自由形式」を選びます。
- 左の「変数」の列の上部にある期間を押し、「過去28日間」など見たい期間を選んで「OK」を押します。
- 「変数」の列の「ディメンション」の右にある追加のアイコンを押し、一覧から「ページパスとスクリーン クラス」を探して選び、「インポート」を押します。
- 「指標」の右にある追加のアイコンを押し、「離脱数」と「表示回数」を選んで「インポート」を押します。
- 取り込んだ「ページパスとスクリーン クラス」を、右の「タブの設定」の「行」へドラッグします。「離脱数」と「表示回数」は「値」へドラッグします。ダブルクリックでも、決まった場所に入ります。
- 行や列、値に最初から別の項目が入っていたら、タブの設定から外します。表が「ページごとの表示回数と離脱数」だけになれば準備完了です。
- 表の「表示回数」の見出しを押して多い順に並べ、上から5〜10本について、離脱数÷表示回数を計算します。
探索の表には、この割り算の列は最初からありません。小さな会社のサイトなら、上位の数本を電卓で割れば足ります。作った探索は保存され、次に開くと同じ表が出ます。期間を「過去28日間」のような決まった期間のまま保存すると、開くたびにその時点から28日分が表示されます。
UAのころの離脱率とは比べられるか
同じ式で計算しても、UAのころの離脱率と並べて比べるのはおすすめしません。ヘルプの「指標の比較」の説明によると、GA4のセッションは、日付が変わったときや新しいキャンペーンのパラメータ(広告などのURLに付ける目印)を検出したときにも区切り直されません。UAとは「1回の訪問」の区切り方が違うので、「最後のページ」の数え方も変わります。比べるなら、GA4の中で、同じ式で出した先月と今月にしてください。
探索で古い期間が選べないとき
ヘルプによると、GA4のプロパティは初期の設定ではデータを2か月分だけ保持します。探索はこの保持期間の範囲でしか見られないので、半年前と比べたいのに選べない、ということが起きます。保持期間は「管理」の「データの保持」で変えられます。変えないと何が困るかはGA4のデータ保持期間にまとめています。
離脱率の読み方:高くて当然のページと、気にするページ
出てきた離脱率は、ページの役割と合わせて読みます。同じ50%でも、ページによって意味が逆になります。
| ページ | 離脱率が高いとき | 判断 |
|---|---|---|
| 送信完了・お礼のページ | そこで用が終わっている | 放っておいてよい |
| お問い合わせ・アクセス・会社概要 | 電話や来店に移った可能性 | 放っておいてよい。電話のタップの数と並べる |
| 検索から入る記事 | 1本読んで答えが分かった可能性 | 率より、読み終えた後の案内があるかを見る |
| 料金・サービス・事例 | 比べる材料や次の案内が足りない可能性 | 直す候補 |
| フォームの入力・確認の画面 | 入力の途中でやめている可能性 | 直す候補。項目の数を見直す |
記事のページで離脱率が高いのは、検索から来た人が1本読んで帰る、というごく普通の読まれ方の表れです。当社は、2本目を読ませる工夫より先に、読み終えた位置に次にやることや連絡先が置いてあるかを見ています。その考え方はPVとユーザー数はどちらを見るかに書きました。
表から直すページを選ぶときは、次の順で絞ると迷いません。
- 表示回数の多い順に並べ、上から10本ほどに絞ります。表示の少ないページは後回しです。
- 上の表で「放っておいてよい」にあたるページ(送信完了、お問い合わせ、アクセスなど)を外します。
- 残ったページのうち、問い合わせの手前で「次へ進んでほしい」ページを、離脱率の高い順に並べます。
- いちばん上の1本だけを直し、翌月に同じ探索で、そのページの離脱率と問い合わせの件数を見ます。一度に何本も直すと、何が効いたのか分からなくなります。
直す候補になったページは、スマートフォンで開いて最後までスクロールし、来た人の立場で「このあと何をすればよいか」が分かるかを確かめてください。料金のページなら、料金の目安、頼める範囲、頼んだ後の流れ、問い合わせの入口。フォームなら、聞かなくてよい項目を聞いていないか(問い合わせフォームの項目と作り方)。
読むときの注意:件数・社内の閲覧・訪問の区切り
件数が少ないと、率は大きく動きます。当社のサイトのGA4で2026年10月8日に「過去28日間」を見たとき、ページの表示回数はトップが269回、お問い合わせのページが25回でした。表示25回のページでは、離脱が1回増えるか減るかで離脱率が4ポイント動きます。表示回数が数十回までのページは、率の上下で判断しないほうが安全です。
社内の閲覧が混ざります。当社のこの期間の数字には、サイトの作り直しの最中に当社や関係者が確認で開いた分が多く含まれていると当社はみています。確認のために1ページ開いて閉じれば、そのページの離脱が1回増えます。社内の閲覧は、会社のIPアドレスを「内部トラフィック」として登録すれば除外できます(手順は「Direct」「Unassigned」とは)。当社はまだこの設定をしていません。
「最後のページ」は、閉じたページとは限りません。ヘルプによると、GA4のセッションは初期の設定では30分間操作がないと終わります。ページを開いたまま席を立てば、そのページがその訪問の最後のページになります。離脱は「そこで訪問が終わった」ことを示すだけで、「そのページが嫌われた」ことを示すものではありません。
離脱率と一緒に見る数字
離脱率は、ほかの数字と並べてはじめて直す場所が決まります。
- 平均エンゲージメント時間:離脱率が高く、時間も短いなら、読まれずに終わっている可能性が高い。離脱率が高くても時間が十分なら、読んで用が済んだ可能性が高い(GA4で滞在時間を見るには)。
- 入口のページ:そのページに検索から直接入る人が多いのか、トップから進んできた人が多いのか。経路を細かく追う方法はGA4の探索レポートの作り方で扱っています。
- 問い合わせの件数:最後に見るのはここです。離脱率が下がっても問い合わせが変わらなければ、事業にとってはまだ何も起きていません。件数の数え方はホームページからの問い合わせの数え方に、GA4での送信の数え方はGA4で問い合わせを計測するに書いています。
当社は、ホームページの運営に加わり、こうした数字から「どのページの、どこを直すか」を一つに絞り、直した後に問い合わせが動いたかまでを見ています。探索を作る手間をかけずに、まず自社のサイトのどこで訪問が終わっているかを知りたい、という場合はこちらから相談してください。
参考にした公式の説明
- [GA4] 閲覧開始数と離脱数(アナリティクス ヘルプ。離脱数の定義)
- 離脱率と直帰率の違い(アナリティクス ヘルプ。ユニバーサル アナリティクスの説明)
- [GA4] 自由形式のデータ探索(アナリティクス ヘルプ)
- データ探索ツールを使ってみる(アナリティクス ヘルプ)
- [GA4] エンゲージメント率と直帰率(アナリティクス ヘルプ)
- [GA4] セッション(アナリティクス ヘルプ)
- [UA] 指標の比較: Google アナリティクスとユニバーサル アナリティクス(アナリティクス ヘルプ)
- [GA4] ページとスクリーンのレポート(アナリティクス ヘルプ)
- 内部トラフィックの除外(アナリティクス ヘルプ)