GA4の直帰率とエンゲージメント率:定義と表示する手順、低いときに見るところ

GA4(Googleアナリティクス4)の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」です。エンゲージメントのあったセッションとは、10秒を超えて続いた、キーイベント(問い合わせの送信など、大事な出来事として印をつけたイベント)が起きた、ページの表示が2回以上あった、のどれか一つを満たしたセッション(サイトへの1回の訪問)のことです。エンゲージメント率はその割合で、直帰率はちょうど裏返しです。二つを足すと100%になります(2026年10月時点のGoogleアナリティクス ヘルプによる)。

注意したいのは、ユニバーサル アナリティクス(UA。2023年まで使われていた旧版のアナリティクス)の直帰率とは定義が違うことです。UAでは1ページを何分読んでも、他のページへ進まずに帰れば「直帰」でした。GA4では10秒を超えて読めば直帰になりません。名前は同じでも別の数字なので、UAのころの直帰率と並べて「下がった」「上がった」とは比べられません。

エンゲージメント率は「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」に最初から出ています。直帰率は最初は出ていないので、「レポートをカスタマイズ」から指標として足します。率が低いときは、まず経路別・入口のページ別に分けて、どこから来た、どのページから入った訪問が低いのかを確かめます。社内の確認や、電話番号を見てすぐかけた人のように、低くて当然の訪問も混ざっているからです。

GA4のエンゲージメント・エンゲージメント率・直帰率の定義

Googleのヘルプの用語集では、エンゲージメントは「サイトやアプリに対するユーザーの操作です」と説明されています。ただ、GA4の数字としての「エンゲージメント」は、操作があったかどうかを次の決まりで判定したものです。

用語GA4での意味(ヘルプの説明の要約)
エンゲージメント セッション10秒を超えて続いた、キーイベントが起きた、ページ(アプリなら画面)の表示が2回以上あった、のどれかを満たすセッション
エンゲージメント率エンゲージメント セッションの割合
直帰率エンゲージメントがなかったセッションの割合

計算で書くと、エンゲージメント率=エンゲージメントのあったセッション数÷セッション数、直帰率=(セッション数−エンゲージメントのあったセッション数)÷セッション数です。ヘルプには「サイトに来た人が10秒未満だけ読んで帰り、それがサイトで唯一のセッションなら、エンゲージメント率は0%、直帰率は100%」という例が載っています。

「10秒」は初期の設定で、変えることもできます。「管理」→「データ ストリーム」→ウェブのデータ ストリーム→「タグ設定を行う」→「すべて表示」→「セッションのタイムアウトを調整する」の中にある「エンゲージメント セッションの時間調整」です。変えると、変えた日の前と後で率が比べにくくなります。変えるなら日付を記録しておいてください。

UA(ユニバーサル アナリティクス)の直帰率とは何が違うか

Googleの「指標の比較」のヘルプでは、UAの直帰率は「ページで何も行われなかった1ページのみのセッションの割合」、GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」と並べて説明されています。同じ訪問でも、どちらで数えるかで結果が変わります。

訪問のしかたUAではGA4では
トップを数分読み、どこも押さずに閉じた直帰直帰ではない(10秒を超えた)
トップを5秒見て閉じた直帰直帰
2ページ見て、合わせて8秒で閉じた直帰ではない直帰ではない(表示が2回)

上の1行目がいちばん大きな違いです。検索から来て記事を1本しっかり読み、答えが分かって帰る人は、UAでは直帰、GA4では直帰ではありません。そのため、移行の前後で直帰率が大きく変わって見えても、それはサイトが良くなったからでも悪くなったからでもなく、物差しが替わったからです。制作会社や運用の会社の報告で、UAのころとGA4の直帰率が一つのグラフに並んでいたら、そこは比べられない、と考えてください。

自社のGA4で見る手順:エンゲージメント率と直帰率の出し方

経路ごとのエンゲージメント率(最初から出ている)

  1. GA4を開き、左のメニューで「レポート」を選びます。
  2. 「集客」→「トラフィック獲得」を選びます。
  3. 画面上部の期間を「過去28日間」などにします。
  4. 表の行が「セッションのメインのチャネル グループ」(Organic Search=検索から、Direct=直接、Referral=他のサイトのリンクから、など)になっていることを確かめ、「エンゲージメント率」の列を見ます。

この表には、セッション、エンゲージメントのあったセッション数、エンゲージメント率、セッションあたりの平均エンゲージメント時間などが並んでいます(ヘルプでの列名による。当社の画面では「エンゲージのあったセッション数」と表示されていました)。

直帰率を表に足す

直帰率は、最初はどのレポートにも出ていません。表の列に足すには、GA4の「編集者」か「管理者」の権限が要ります。ヘルプの手順は次のとおりです。

  1. 「レポート」で、直帰率を足したいレポート(たとえば上の「トラフィック獲得」や、後で書く「ランディング ページ」)を開きます。
  2. 右上の「レポートをカスタマイズ」のアイコンを押します。
  3. 右に出る「レポートデータ」の中の「指標」を押します。
  4. 下のほうにある「指標を追加」を押し、「直帰率」と入力して選びます。必要なら「エンゲージメント率」も同じように足します。
  5. 「適用」を押し、レポートへの変更を保存します。

指標を足せるのは、表のある「詳細レポート」だけです。カスタマイズのアイコンが見当たらないときは、権限が足りない可能性があります。サイトを作った会社が管理者のままになっていることもあるので、誰が管理者かを先に確かめてください(権限の違いはGA4の権限付与とユーザー追加にまとめています)。

入口のページごとに見る(ランディング ページ)

エンゲージメント率と直帰率は、セッション(訪問)ごとの数字です。ページ別に見るなら、そのセッションが最初に入ったページ、つまり「ランディング ページ」で分けると読みやすくなります。「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」を開き、上の手順で「エンゲージメント率」と「直帰率」を足してください。このレポートには最初から「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」も出ています。

当社の数字で読む:全体45.33%、検索78.57%、Direct 40.21%

当社のサイトのGA4で、2026年10月8日に「過去28日間」(9月11日〜10月8日)の「トラフィック獲得」を開いた数字です。直帰率は、100%からエンゲージメント率を引いて当社が計算しました。

経路セッションエンゲージメント率直帰率(計算)
全体22545.33%54.67%
Direct18940.21%59.79%
Organic Search2878.57%21.43%
Unassigned633.33%66.67%
Referral2100%0%

全体の45.33%だけを見ると「半分以上が直帰している」と読めます。けれども経路に分けると、印象はかなり変わります。

全体の率は、Directに引っ張られています。セッションの84%がDirect(ブックマークやURLの直接入力など、どこから来たか分からない訪問)です。この期間、当社はサイトを作り直している最中で、当社や関係者が確認のために開いた分がDirectに多く含まれていると当社はみています。表示を確かめて数秒で閉じれば、それは直帰です。社内の閲覧を除く設定はしていないので、この40.21%はお客様の動きそのものとは言えません。

検索から来た人の78.57%は、件数が少ないことを踏まえて読みます。28セッションのうち、エンゲージメントがあったのは22セッションです(率から当社が計算)。28件だと、1セッションの違いで率がおよそ3.6ポイント動きます。それでも、検索から入った人の多くが10秒を超えて読むか、次のページに進んでいる、とは言えます。

率と時間は別のことを測っています。同じ表で、セッションあたりの平均エンゲージメント時間はDirectが1分02秒、Organic Searchが47秒でした。Directは率が低いのに時間は長い。数秒で閉じる確認と、作業で何分も開いている確認が混ざると、こういう形になります。時間の読み方はGA4で滞在時間を見るにはに書きました。

このほか、当社のGA4ではフォーム送信のイベント(generate_lead)が記録されていますが、キーイベントにはまだ設定していません(この期間のキーイベントは0)。キーイベントにすると、送信のあったセッションは秒数やページ数にかかわらずエンゲージメント セッションに数えられます。問い合わせの合図をどう入れるかはGA4で問い合わせを計測するにまとめています。

エンゲージメント率が低いときに見る順番

全体の率が低いと分かったら、次の順で絞り込みます。手間のかからない確認から順に並べています。

  1. 件数を見る。セッションが数十件なら、率は数件の違いで大きく動きます。先月との差が数ポイントなら、まだ判断しません。
  2. 経路に分ける(トラフィック獲得)。Directだけが低いなら、社内や制作会社の確認が混ざっていないかを疑います。DirectやUnassignedが何を指すかはGA4の「Direct」「Unassigned」とはで説明しています。
  3. 入口のページに分ける(ランディング ページ)。セッションの多い順に並べ、率の低いページを2〜3本選びます。
  4. そのページを、来た人の立場で開く。検索から入るページなら、Search Consoleでそのページがどんな言葉で表示されているかを見て、その言葉の答えが最初の画面にあるかを確かめます(見方は検索パフォーマンスの見方)。広告から入るページなら、広告の文とページの中身が合っているか。ヘルプでも、ディスプレイ広告から来た人の直帰が多いなら、広告がサイトの内容と合っているか確かめるよう書かれています。
  5. 計測の変化を疑う。ある日を境に全体の率が急に変わったなら、テーマの変更やタグの入れ替えなど、計測の側の変化がなかったかを先に見ます。逆に、率がほぼ100%に張り付いているときは、タグが二重に入っていて1回の表示が2回と数えられていないかを確かめます(表示2回以上はエンゲージメントの条件の一つなので、率が高く出ます)。

低くても放っておいてよいケース、直すべきケース

直帰は「失敗」の意味ではありません。10秒以内に用が済んで帰る人もいます。小さな会社や店舗、事務所のサイトでは、とくに次の区別が大切です。

こういう訪問判断
電話番号・住所・営業時間を見て、すぐ電話や来店に移った放っておいてよい。電話番号のタップをキーイベントにすれば、エンゲージメントに数えられる
社内や制作会社が表示の確認で開いた直さない。社内の閲覧を除く設定を入れる
送信完了など、そこで用が終わるページ低くて当然。放っておいてよい
検索から入った記事で、率が低い直す候補。検索語の答えが最初の画面にあるか確かめる
料金・サービスのページから入った訪問で、率が低い直す候補。比べる材料や次に読むページがあるか確かめる
広告から入った訪問だけ率が低い直す候補。広告の文と入口のページを合わせる

社内の閲覧を除くには、会社の回線のIPアドレスを「内部トラフィック」として登録し、「データフィルタ」で除外します。有効にしたフィルタで除いたデータはあとから戻せないので、まず「テスト」の状態で確かめます。画面ごとの手順は「Direct」「Unassigned」とはにまとめています。当社もこの設定はまだしていないため、上の数字には社内の閲覧が混ざったままです。

なお、エンゲージメント率に「何%なら合格」という公式の基準はありません。業種もページの役割も違うサイトの率と比べても、直す場所は分かりません。比べるなら、自社の同じ経路・同じ入口のページの、先月と今月です。

率を上げることを目標にしない

エンゲージメント率は、問い合わせまでの道の途中を見る数字です。率が上がっても問い合わせが変わらなければ、事業にとってはまだ何も起きていません。当社が目標に置くのは問い合わせの件数で、エンゲージメント率は「どの入口が読まれずに終わっているか」を探すために使います。件数の数え方はホームページからの問い合わせの数え方に、ページビューとユーザー数の扱いはPVとユーザー数はどちらを見るかに書いています。問い合わせの目標から必要なアクセス数を逆に出したいときは、逆算の計算ツールも使えます。

当社は、ホームページの運営に加わり、こうした数字を毎月読んで、どの入口のページから直すかを決め、問い合わせが来るところまでを見ています。自社のGA4の数字をどう読めばよいか分からない、社内の閲覧の除き方から相談したい、という場合はこちらから相談してください。

参考にした公式の説明