工務店のホームページ制作:施工事例・入口・価格・用件ページの決め方と費用

工務店のホームページを作る、あるいは作り直すときに、制作会社の比較記事や他社のおしゃれなサイトを見て回ると、話の中心はデザインと費用になります。見た目は大事です。ただ、家を建てたい人がサイトを開いて最初に確かめたいのは、どこに建てた、いくらくらいの家なのか、そして自分の用件(平屋にしたい、土地がない、実家を建て替えたい)に答えてくれる会社なのか、という点です。

当社は2026年9月24日に、長野県松本市、岡山県倉敷市、栃木県宇都宮市で、家を建てたい人が打ちそうな言葉を検索し、1ページ目に出てきた地元の工務店24社のサイトを同じ項目で開きました(3つの市で検索結果と24社のサイトを数えた記録)。この記事では、その数字をもとに、サイトを作る・作り直す段階で決めておくことを四つに絞り、費用は制作会社が公開している料金表で幅を示します。インスタ、見学会、住宅ポータルを含めた集客の経路全体の分け方は工務店の集客方法に書いたので、ここではサイトの中身に絞ります。

結論を先に書きます。作る前に決めるのは、次の四つです。デザインと制作会社は、この四つを載せ続けられるかどうかで選ぶと、見た目と初期費用だけで決めるより後で困りにくい、と当社は考えています。

  • 施工事例に、毎回そろえて載せる項目(建てた市町村、延床面積、総額の幅、性能の数字など)
  • 資料請求・見学会予約・LINE相談を、どの段階の人の入口にするか
  • 価格をどこまで、どの形で出すか
  • 建て替え・平屋・土地探しのうち、どの用件にページを用意するか

24社すべてに施工事例があり、差が出たのは中に書かれた項目だった

24社のサイトには、すべて施工事例がありました。見学会や来場予約の入口を置いていたのは22社(松本8社、倉敷8社、宇都宮6社)、資料請求の入口は18社です。事例のページも問い合わせの入口も、どの会社もすでに作り込んでいます。

差が出たのは、その中身でした。自社が建てる注文住宅の価格を数字で示していたのは24社中3社、断熱や気密の性能を実測の数字で示していたのも3社、実家の建て替えの専用ページを持っていたのは1社です。家を建てたい人が来場を決める前に知りたい「いくらで、どこに、どんな性能の家が建つのか」に、サイトの上で答えきれていない会社が多数でした。

作り直しを見た目から考え始めると、この差は埋まりません。デザインが新しくなっても、事例の中身が同じなら、比べに来た人が知りたいことは分からないままです。反対に、事例の項目と用件のページが先に決まっていれば、デザインはそれを読みやすく並べる仕事になり、制作会社に頼むことも具体的になります。

施工事例の見せ方:件数より先に、一件ごとにそろえる項目を決める

施工事例は、家を建てたい人が「この会社に頼むと、どんな家がいくらで建つのか」を推し量る材料です。写真がきれいでも、どこに建てた何坪の家で、総額はどのくらいだったのかが書かれていなければ、他社と比べる材料にはなりません。24社で、事例やその周りに各項目がどれだけ載っていたかを並べます。

項目24社で確かめた結果当社の見立て
建てた市町村倉敷は8社中8社、宇都宮は少なくとも6社、松本は2社書いている会社が多い町では差にならず、少ない町では書くだけで少数の側に入る
総額や価格帯自社の家の価格を数字で示していたのは3社。いずれも事例のページではなく、よくある質問かコラムの中事例に総額の幅を一行添える形が、いちばん誤解が少ない
断熱・気密の性能実測の数字は各市1社ずつの3社。ほかは等級や設計上の数字か、「高気密・高断熱」という言葉だけ実測・設計値・等級を分けて書くと比べやすい
お客様の声松本4社、倉敷6社、宇都宮6社事例と同じ家の声なら、事例のページにまとめて載せる

件数について、当社は「何件あれば足りる」という基準を持っていません。それより、新しい一件を同じ項目で足し続けられるかのほうが大事だと考えています。項目が決まっていれば、引き渡しのたびに担当者が埋める一枚の表にできます。当社が勧める項目は、建てた市町村、平屋か二階建てか、延床面積、土地から探したのか建て替えか、総額の幅と完成した年、性能の数字(実測か設計値か)、施主の一言です。全部がそろわない事例があっても構いません。そろえる項目が決まっていること自体が、比べる人にとっての読みやすさになります。

写真には、何が写っているかが分かる短い説明を付けます。Googleの「画像の SEO ベスト プラクティス」は、画像の代替テキスト(画像が表示されないときや読み上げソフトのために付ける説明文)を、周りの文章やページの題と合った、具体的で役に立つ説明にするよう勧めています。「リビング」より「倉敷市・平屋の南向きのリビング」のほうが、検索する仕組みにも、読み上げで聞く人にも伝わります。

性能の数字は、書き方で信頼の度合いが変わります。気密の実測値(C値)なのか、断熱の設計上の数字(UA値)なのか、国の基準の等級なのかを分けて書くだけで、言葉だけで「高性能」と書く会社とは比べられ方が変わります。3つの市で性能の書き方を比べた結果は高気密・高断熱をホームページでどう書くかにまとめています。

資料請求・見学会予約・LINE相談:入口は「どの段階の人が使うか」で分ける

冒頭で見たとおり、見学会と資料請求の入口はほとんどの会社が置いていて、LINEでの相談も9社(松本2社、倉敷5社、宇都宮2社)にありました。

当社は、三つの入口を使う人の段階が違うと見ています。資料請求は、まだ候補を絞っていない人が手元に材料を集める入口です。見学会の予約は、候補に入れたうえで実物と担当者を確かめたい人の入口です。LINEの相談は、電話やフォームほど改まらずに、一つだけ聞いてみたい人の入口です。

作り直すときは、入口を増やす前に、それぞれの入口の近くに、その段階の人が知りたいことを置きます。資料請求のボタンの近くには、資料に何が入っているか(事例集、価格の考え方、土地探しの流れなど)。見学会の予約の近くには、見学できる家の延床面積や総額の幅、建てた方の条件。LINEの近くには、どんなことを聞いてよいかの例。押す前に中身が分かれば、押した人と会社の間の食い違いも減ります。

もう一つ、作り直しの時点で入れておきたいのが、予約や請求のフォームの「何で知りましたか」という一問です。インスタを見て来たのか、ポータルから来たのか、検索で来たのかが分かれば、次にどこへ手を入れるかを数字で決められます。経路ごとの見方は工務店の集客方法の表にまとめています。

価格を載せるか:載せるなら、施工事例に総額の幅を添える

24社で自社の家の価格を数字で示していたのは、松本2社、倉敷1社、宇都宮0社でした。地域の相場を解説するページは、検索結果の上では住宅会社のコラムですでに埋まっていて(倉敷市で数えた内訳は工務店の集客方法に書きました)、空いているのは「この会社で建てるといくらか」の場所です。

載せ方は、施工事例に「延床◯坪、◯◯市、土地から探して、建物と付帯工事で◯◯万〜◯◯万円台(◯年完成)」のように、一軒の条件と一緒に総額の幅を添える形を勧めます。坪単価は、何を含めるかとどの面積で割るかで同じ家でも数字が変わるため、出すなら何を含めた数字かを一行添えます。価格を出すと、予算が合わないと感じた人は来なくなります。それをどう考えるかも含めて、工務店のホームページに価格を載せるかを3市24社で見た記事に詳しく書きました。

値引きや「No.1」を書くときの注意(景品表示法)

価格を出すと、値引きや「地域No.1」のような言葉を添えたくなる場面があります。消費者庁の説明で確かめた範囲を書きます。「通常価格◯万円のところ◯万円」のような二重価格表示は、比べる価格が最近相当期間にわたって実際に販売されていた価格でない場合などに、不当表示になるおそれがあるとされています(消費者庁「二重価格表示」)。実際や他社のものより著しく優れていると示す表示は優良誤認表示として禁じられており、消費者庁はその表示の裏付けとなる合理的な根拠の資料を期間を定めて求めることができ、出せなければ不当表示とみなされる仕組みがあります(消費者庁「優良誤認とは」、不実証広告規制)。「No.1」の表示については、比較の対象が適切か、調査の対象者や方法が表示と対応しているかが問われ、ウェブサイトの印象だけを聞いた調査を根拠にする例が問題として挙げられています(消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」2024年9月)。「最高」「地域一番」のような言葉も、他社より優れていると受け取られる書き方なら、根拠の資料を手元に出せるかで考えるのが安全です。個別の表示が問題になるかどうかは当社では判断できないため、気になる表示は弁護士などの専門家に確かめてください。

建て替え・平屋・土地探し:検索される用件ごとにページを用意する

同じ24社で、平屋の専用ページを持っていたのは12社、土地探しの案内を置いていたのは10社、実家の建て替えの専用ページは宇都宮の1社だけでした。

検索結果の側から見ると、空き方はもっとはっきりします。「地名 実家 建て替え」の1ページ目は、3つの市を合わせた30件のうち、工務店が建て替えについて書いたページは1件でした。宇都宮では10件中8件が解体業者や解体費用、市の補助金のページです。「宇都宮 土地なし 注文住宅」は9件すべてが住宅ポータルか物件情報、「松本 平屋 建てたい」は10件すべてがポータルで、そのうち8件は中古住宅や建売の物件一覧でした。一方「宇都宮 平屋 建てたい」では、地元の2社が平屋についてのコラムで3枠を取っていました。

ここで見ておきたいのは、1ページ目に入っていた地元のページの形です。倉敷と宇都宮の「平屋 建てたい」で1ページ目に入っていた地元の工務店のページは、合わせて7件、すべてが平屋の商品紹介ではなく、平屋を建てたい人の問いに答えるコラムやブログでした。用件のページを作るときは、商品の紹介だけでなく、その用件の人が最初に抱く問いに答える形にします。建て替えなら、解体、仮住まい、土地の名義、費用の順です。この順番の考え方は「実家 建て替え」で工務店が出てこない話に書きました。

どの用件のページを作るかは、自社に事例がある用件から選びます。建て替えの事例がなければ、仮住まいの段に書くことがなく、来た人の問いに答えられません。作り直しのときは、メニューに「平屋」「土地探しから」「建て替え」のような用件の入口を置くかどうかを、手元の事例の数で決めると、作ったあとで中身が追いつかない、ということを避けられます。用件のページと、同じ用件の施工事例を互いにつないでおくと、読んだ人がそのまま実例に進めます。

「参考」「おしゃれ」で他社のサイトを見るときは、見た目の次に四つを確かめる

作り直す前に、他社のサイトを参考に見て回るのは自然なことです。見た目の好みは、自社が建てる家の写真の雰囲気に合うかどうかで判断すると外れにくいと当社は考えています。そのうえで、参考にしたいサイトを次の四つで見ると、まねする価値がある部分と、見た目だけの部分を分けられます。

  • スマートフォンでトップを開き、価格の見当がつくところまで何回押すか。当社が24社で価格を探したときは、トップ、よくある質問、施工事例、コラムの順に開きました。
  • 施工事例を三つ開いて、建てた市町村、延床面積、総額の幅、性能の数字(実測か設計値か)が書かれているか。
  • 平屋、土地探し、建て替えのような用件のページがあり、同じ用件の事例とつながっているか。
  • 最近の更新が、家づくりの読み物か、見学会や行事の告知か。24社のうち2026年9月に入ってから更新があったのは18社で、そのうち家づくりの読み物だったのは8社でした。

見た目に引かれたサイトでも、この四つが薄ければ、参考にするのは配色や写真の使い方までにとどめます。見た目は控えめでも、事例の項目や用件のページの並べ方がよくできているサイトは、作り直しの設計図として役に立ちます。

ホームページ制作の費用:公開されている料金表で見る幅

「工務店 ホームページ 制作」で検索すると、上位の記事には「20万〜300万円」のような相場の幅が並びますが、その根拠まで書かれているものは多くありませんでした。ここでは、制作会社が自社のサイトで公開している料金表を、2026年10月2日に確かめた範囲で並べます。金額は各社の表記のままです。

料金表の公開元初期費用月額料金表に書かれている内容
さいとやドットコム(工務店向けのページ)0円3,480円(税込・税抜の記載なし)作成・公開、管理画面、スマートフォンからの更新。最低契約期間なし
ホームページ工務店(月額保守プラン)80,000円(税抜)8,800円(税抜)5ページ。原稿作成、デザイン、スマホ対応、問い合わせフォーム。保守はドメイン・サーバー込み、軽微な修正は月1回まで
ホームページ工務店(買い切りプラン)150,000円(税抜)0円上と同じ5ページ
たてるネット0円29,800円(税別)、2年契約基本5ページ(トップ、特長紹介、実績、会社概要、問い合わせ・資料請求)、2年間のサーバー管理と更新・修正作業
光速ホームページ制作220,000円/330,000円/495,000円(税込)保守は任意で11,000円(税込)5/10/15ページ、オリジナルデザイン。追加1ページ22,000円(税込)

月額型と買い切り型は、2年で並べると見え方が変わります。表の数字のまま計算すると、2年間の支払いは、月3,480円の型で83,520円、80,000円+月8,800円の型で291,200円(税抜)、月29,800円の型で715,200円(税別)、220,000円の制作に月11,000円の保守を付けた場合で484,000円(税込)です。税の表記がそろっていないので、厳密な比較ではなく、桁の目安として見てください。

公開されている料金表は、数万円から50万円前後の範囲に集まっていました。上位の記事が書く100万円を超える制作は、当社が見た範囲では見積もり制で、相場の幅だけを示して自社の料金は問い合わせにしている会社もありました。料金表がないこと自体は悪いことではありません。ただ、その価格帯で比べるときは、見積もりを取るまで総額が分からないことを前提に予定を組みます。

金額の大小より、比べるときに確かめておきたいのは次の三つです。

  • 施工事例を一件足すとき、誰が作業し、いくらかかるか。月の修正回数の中に入るのか、1ページ追加の料金になるのか、自社で管理画面から足すのか。上の料金表でも、「軽微な修正は月1回まで」「追加1ページ22,000円」「2年間の更新・修正作業込み」と扱いが分かれていました。
  • ページ数の上限に、用件のページが入る余地があるか。5ページのプランは、トップ、特長、実績、会社概要、問い合わせで埋まります。平屋や建て替えのページを足すたびに追加料金がかかるなら、その分を最初から見込みます。
  • 契約期間と、やめたときにドメイン(サイトの住所)と中身がどうなるか。月額型は、やめたあとの扱いを契約の前に確かめておくと安心です。

参考までに、当社のやり方も書いておきます。当社の料金は、始めるときの契約料20万円と実費、始めてからの月額の二本立てです。月額はお客さま一人あたりの売上の規模で決め(目安は月3万・5万・10万円から)、低く始めて、問い合わせが増えるにつれて上がります。始める前に商圏調査(5万円・税別。契約に進めば契約料に充当)を行い、その地域で検索されている言葉と1ページ目の顔ぶれを数えて、どの用件のページから置くかを決めます。料金の詳細は料金に載せています。

リフォームが中心の会社の費用の目安はリフォーム会社のホームページ制作の費用に、採用のページも含めて作る建設会社の費用は建設会社のホームページ制作の費用にまとめています。

今日、自社で確かめられること

  1. 自社サイトの施工事例を三つ開き、建てた市町村、延床面積、総額の幅、性能の数字(実測か設計値か)のうち、何が書かれているかを数えます。
  2. スマートフォンで自社サイトのトップを開き、初めて来た人のつもりで、価格の見当がつくところまで何回押したかを数えます。
  3. 「地名 平屋 建てたい」「地名 実家 建て替え」「地名 土地なし 注文住宅」で検索し、1ページ目に工務店が自社の言葉で答えたページが何件あるかを数えます。少ない用件のうち、自社に事例がある用件を一つ選びます。
  4. 資料請求、見学会予約、LINEの入口に「何で知りましたか」の一問があるかを確かめます。なければ、次の見学会から口頭で聞いて記録します。
  5. サイトに「通常価格」「No.1」「最高」のような表示があれば、その根拠の資料をいま手元に出せるかを確かめます。
  6. 今の契約、または手元の見積もりで、施工事例を一件足すのに誰がいくらで作業するのか、契約をやめたときにドメインと中身がどうなるのかを書き出します。

一つ目と三つ目の結果が出れば、作り直しで最初に手を入れる場所は、デザインより先に、事例の項目と一枚目の用件ページに絞れるはずです。