WordPressのパーマリンク(記事ごとのURL)は、これから作るサイトなら、管理画面の「設定」→「パーマリンク」で「投稿名」を選び、記事ごとのスラッグ(URLの末尾の文字列)を英小文字とハイフンで短く付けるのが扱いやすい形です。すでに公開して検索から人が来ているサイトでは、設定を変えると全記事のURLが一度に変わります。困っていることがなければ変えず、変えるなら古いURLから新しいURLへの恒久的な転送(301リダイレクト)を用意してからにします(2026年10月時点で、WordPress.org と Google 検索セントラルの説明で確かめた内容です)。
この記事は、設定画面の選び方と、スラッグの付け方、変えたときに何が起きるかの判断を中心に書きます。転送を実際に入れる手順はWordPressでリダイレクトを設定する方法に、サーバーを移したあとに記事が「見つかりません」になるときの確かめ方はWordPressの引っ越し(サーバー移行)に分けています。
パーマリンクとスラッグは、決める場所が違う
パーマリンクは、記事や固定ページ一つひとつに付く、恒久的なURLのことです。WordPress.org の説明には、これらのURLは恒久的なもので変えないもの、だから「パーマ(permanent)」リンクと呼ぶ、という趣旨の一文があります。名前のとおり、一度公開したら動かさない前提のものです。
決める場所は二つに分かれます。
- URL全体の形(日付を入れるか、記事の名前だけにするか):「設定」→「パーマリンク」で、サイト全体に一つだけ決めます。
- URLの末尾の文字列(スラッグ):記事の編集画面で、一本ごとに決めます。例として、この記事のURLの「wp-permalink」の部分がスラッグです。
つまずきやすいのは、前者を後から変えると全記事に影響し、後者を変えるとその記事だけに影響する、という違いを知らずに触ってしまう場面です。以下、この順に見ていきます。
「設定」→「パーマリンク」の選択肢と選び方
管理画面の「設定」→「パーマリンク」には、次の六つの選択肢があります。WordPress.org の説明にある形を、ドメインを example.co.jp に置き換えて示します(日本語の表示名は翻訳によるもので、版によって変わることがあります。かっこ内は英語の画面での名前です)。
| 選択肢 | URLの形 | 当社の見立て |
|---|---|---|
| 基本(Plain) | example.co.jp/?p=123 | インストールした直後はこれ。会社のサイトでは変えておく |
| 日付と投稿名(Day and name) | example.co.jp/2026/10/16/sample-post/ | ニュースや日記のように、日付そのものに意味がある場合向け |
| 月と投稿名(Month and name) | example.co.jp/2026/10/sample-post/ | 同上 |
| 数字ベース(Numeric) | example.co.jp/archives/123 | URLを見ても中身が分からない |
| 投稿名(Post name) | example.co.jp/sample-post/ | 会社のサイトでは、多くの場合これで足りる |
| カスタム構造(Custom Structure) | 自分で決める | はっきりした理由があるときだけ |
「基本」について、WordPress.org の説明は、どのサーバーでも動く一方で、使う人に分かりやすい形ではなく、検索エンジン向けにも整えられていない、としています。数字ベースも、URLに意味のある言葉が入りません。Google 検索セントラルの「URL 構造のベスト プラクティス」は、長いID番号よりも、意味の分かる単語をURLに使うことを勧めています。
日付入りの形は、更新を重ねる記事が多い会社のサイトでは扱いにくいと当社は見ています。料金や手順の記事を翌年に書き直しても、URLには最初に公開した日付が残り続けるからです。お知らせのように、出した日が中身の一部になっているものなら、日付入りでも困りません。
カスタム構造を使うときの決まり
カスタム構造では、「%postname%」(記事のスラッグ)、「%category%」(カテゴリーのスラッグ)、「%year%」(年)、「%post_id%」(記事の番号)などのタグを組み合わせます。WordPress.org の説明には、次のような決まりが書かれています。
- 入力欄にはサイトのURL(https://〜)を入れない。
- 一つの記事を指せるよう、最後は「%post_id%」か「%postname%」で終える。
- 「%category%」を使い、記事に複数のカテゴリーを付けた場合、URLに出るのは一つだけで、どれが出るかはアルファベット順で決まる。
カテゴリーをURLに入れると、カテゴリーを付け替えたり整理したりしたときにURLまで変わります。記事の数が少ないうちはカテゴリーの分け方もよく変わるので、小さな会社のサイトでは、カテゴリーをURLに入れない「投稿名」のほうが後々困りにくいと当社は考えています。
下の「オプション」と、保存したときの表示
同じ画面の下にある「カテゴリーベース」「タグベース」は、カテゴリーやタグの一覧ページのURLに付く前置きです。空欄なら既定の category と tag が使われます。WordPress.org の説明では、変えることはできても、URLから取り除くことはできない、とされています。特に理由がなければ空欄のままで構いません。
選んで「変更を保存」を押すと、サーバーの .htaccess(サーバーの動きを決める設定ファイル)に書き込める場合は自動で反映され、更新したことを知らせる表示が出ます。書き込めない場合は、.htaccess を自分で更新するよう求める表示と、書き足す内容が示されます。また、WordPress.org の説明によると、この画面を開くだけで、URLを読み解く規則(リライトルール)が作り直されます。サーバーを移したあとなどに記事が「見つかりません」になるとき、この画面を開くと直ることがあるのはこのためです。
記事ごとのスラッグの付け方
スラッグは、記事の編集画面の右側にある設定の欄(歯車のアイコンで開きます)で変えます。WordPress.org の説明では、下書きとして保存したあとに、URLの最後の部分(スラッグ)を編集できます。欄の名前は版によって「URL」「スラッグ」などと違いますが、押すと入力欄が開きます。なお、パーマリンクの設定が「基本」のままだと、スラッグを自分で決める欄は使えません。
何もしないと、題がそのままスラッグになる
スラッグを入れずに保存すると、WordPressが記事の題からURL向けの文字列を作ります。英語の題なら「Sample Post」が「sample-post」になるように、小文字にして、空白をハイフンにし、記号を除きます。
日本語の題の場合は、日本語がそのままスラッグになります。画面やブラウザのアドレス欄では日本語に見えることが多いのですが、URLの中では文字が「%」と英数字の並びに置き換えられます(パーセントエンコードと呼ばれる仕組みです)。たとえば「会社案内」は「%e4%bc%9a%e7%a4%be%e6%a1%88%e5%86%85」と36文字になります。日本語1文字が、おおむね9文字分になる計算です。
日本語のスラッグは、検索で不利になるのか
Google 検索セントラルの「URL 構造のベスト プラクティス」は、読む人の言語の単語をURLに使う例として、日本語の単語を含むURLも挙げています。日本語のスラッグだから検索で不利になる、という書き方はされていません。
それでも当社が英小文字に揃えているのは、検索以外の場面で困ることがあるからです。URLをメールやチャット、資料に貼ると、先ほどの「%e4%bc%9a…」の長い文字列のまま表示されることがあり、どのページか見ただけでは分かりません。途中で改行されてリンクが切れることもあります。Search Console や GA4 の一覧でも、URLが読めないと、どの記事の数字かを探す手間が増えます。
当社のコラムでの決め事
当社のこのサイトのコラムは、スラッグを英小文字で付けています。決め事は次のとおりです。Google の説明に沿う部分と、当社の運用上の都合で決めた部分があります。
- 英小文字と数字、ハイフンだけを使う。Google の説明では、URLの大文字と小文字は区別され、/APPLE と /apple は別のURLとして扱われます。小文字に揃えておけば迷いません。
- 単語の区切りはハイフンにする。Google の説明は、アンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を勧め、単語をつなげただけの形も避ける例に挙げています。
- 英語でもローマ字でもよいので、記事の中身が分かる2〜4語にする(当社の目安)。例:wp-redirect、gsc-redirect-ari。
- 年や「最新」「まとめ」のような、時間がたつと合わなくなる言葉を入れない(当社の目安)。中身を書き直してもURLは変えずに済みます。
- 公開する前に決める。下書きを保存したら、公開を押す前にスラッグの欄を直します。公開してから直すと、次の章のことが起きます。
| 記事の題(例) | 何もしないと | 付け方の例 |
|---|---|---|
| 会社案内 | 日本語のまま(URLの中では36文字) | company |
| 2026年版 補助金の申請の流れ | 日本語と年が入る | hojokin-shinsei |
| web_seisaku_ryokin と手で入力 | アンダースコアの区切りのまま残る | web-seisaku-ryokin |
同じスラッグがすでにある場合、WordPressは自動で末尾に「-2」「-3」と番号を付けます(開発者向け資料の wp_unique_post_slug)。保存したあとにURLが「company-2」のようになっていたら、同じ種類の記事やページに、同じスラッグのものがないかを確かめてください。
公開後にパーマリンクやスラッグを変えると起きること
URLを変えても、古いURLはなくなりません。ほかのサイトからのリンク、ブックマーク、SNSの投稿、印刷したチラシ、Google の検索結果に残っています。転送がなければ、そこから来た人は「見つかりません」(404)のページに着きます。
検索の面では、Google の説明によると、すでにインデックス(Googleの登録)にあるURLが404などの4xxを返すと、そのURLはインデックスから削除されます。新しいURLは、Google にとっては新しく見つけたページとして扱われ始めます。一方、恒久的な転送(301や308)を入れておくと、Google の「リダイレクトと Google 検索」の説明では、検索結果に転送先が表示され、転送先を正式なURL(正規URL)とみなす合図として使われます。一時的な転送(302など)では検索結果に転送元が出たままで、この合図には使われません。URLを変えたときに使うのは301です。
何を変えたかによって、WordPressが自動で転送してくれるかどうかが違います。
| 変えたもの | 影響する範囲 | 転送 |
|---|---|---|
| 投稿(ブログの記事)のスラッグ | その記事だけ | WordPressが古いURLから301で転送する |
| 固定ページのスラッグ、親ページ | そのページと、その下の子ページ | 自動では転送されない。自分で入れる |
| 「設定」→「パーマリンク」の形(日付入り→投稿名など) | すべての投稿 | 自動では揃わない。古い形と新しい形の対応を自分で用意する |
| 「基本」(?p=123)から「投稿名」へ | すべての投稿 | 「?p=123」の形のURLは、WordPressが今の形へ301で転送する |
| カテゴリーベース、カテゴリーのスラッグ | カテゴリーの一覧ページ(%category% を使っていれば記事も) | 自分で入れる |
投稿のスラッグの自動転送(wp_old_slug_redirect)は、開発者向け資料によると、古いURLが「見つかりません」になったときにだけ働き、固定ページのように階層を持つ種類は対象外です。「?p=」の形からの転送は、URLの形を揃える仕組み(redirect_canonical)によるものです。日付入りから投稿名へ変えた場合などに、古いURLが推測で正しい記事に送られて見えることもありますが、推測に頼らず、古いURLと新しいURLの対応表を作って転送を入れます。入れ方はWordPressでリダイレクトを設定する方法にまとめています。
Search Console ではこう見える
転送を入れてURLを変えると、しばらくして Search Console の「ページ」(ページのインデックス登録)のレポートで、古いURLが「ページにリダイレクトがあります」に入ります。正しく転送できている印なので、多くはそのままで構いません(見方は「ページにリダイレクトがあります」の記事に書きました)。転送を入れずに変えると、古いURLは「見つかりませんでした(404)」に入ります。この表示が急に増えたら、URLを変えたのに転送を入れ忘れたページがないかを疑います(サーチコンソールのnoindex・404・重複の見分け方)。
Google のサイト移転の説明では、URLを変える移転の最中に検索順位が一時的に変わるのは通常のことで、時間とともに落ち着くとされています。また、転送はできるだけ長く、目安として1年以上残すよう書かれています。サイトの中のリンクも新しいURLに書き換えます。
今のURLを変えるかどうかの判断
「日本語のスラッグが並んでいて見栄えが悪い」「日付入りが古く見える」という理由で、公開済みのサイトのURLを一度に変えたくなることがあります。当社の判断の目安は次のとおりです。
| 今の状態 | 当社の見立て |
|---|---|
| 公開前、または公開して間もなく、検索からの訪問もほかのサイトからのリンクもない | 今のうちに直してよい。投稿は転送が自動で入り、固定ページは自分で入れる |
| 「基本」(?p=123)のまま運用している | 「投稿名」へ変える価値がある。古い形からの転送をWordPressが受け持つ。変えたあと、古いURLを数本開いて転送を確かめる |
| 日付入りや日本語スラッグで、検索から人が来ている | 見た目だけが理由なら変えない。新しく書く記事から決め事を揃える |
| サイトを作り直し、URLの多くがどうせ変わる | 作り直しに合わせて形を揃え、対応表を作って301で転送する |
検索から人が来ているかどうかは、Search Console の「検索パフォーマンス」で、そのページのクリック数と表示回数を見れば分かります。数字があるページは、URLを変えると一時的に順位が揺れる可能性を引き受けることになります。当社自身も、記事の題を読み手の打つ言葉に付け替えたときは、URLは変えずに題だけを直しました(記事のタイトルは読む人が打つ言葉で付ける。変えるならURLはそのまま)。
よくある間違い
- 題を直したついでにスラッグも直す:題とスラッグは別のものです。題は何度直しても、URLは変える必要がありません。
- スラッグを入れ忘れたまま公開する:日本語のスラッグで公開され、あとで直すと転送の扱いが一つ増えます。公開前のチェックの一項目にしておきます。
- 固定ページのスラッグを変えて、転送を入れない:投稿と違って自動の転送がないので、メニューやほかのページからのリンクも含めて「見つかりません」になります。
- 一度使ったスラッグを別の記事に使い回す:古いスラッグからの自動転送は、そのURLが「見つかりません」のときにだけ働くので、同じスラッグの新しい記事を作ると、そちらが表示されて転送は働かなくなります。
- 設定画面で形を試しに切り替えて、元に戻す:保存した瞬間に全記事のURLが変わります。試すなら公開前のサイトか、検証用の環境で行います。
今日、自社で確かめられること
- 管理画面の「設定」→「パーマリンク」を開き、どの形が選ばれているかを見る。開くだけなら、URLは何も変わりません。「変更を保存」は押さずに閉じます。
- 最近公開した記事を5本ほど開き、URLの末尾が英小文字とハイフンになっているか、日本語や「-2」が入っていないかを見る。
- 日本語のスラッグや日付入りのURLがあったら、Search Console の「検索パフォーマンス」でそのページのクリック数と表示回数を見て、上の判断の表に当てはめる。
- 変えると決めたページは、古いURLと新しいURLの対応表を作ってから変え、変えたあとに古いURLを開いて新しいURLに着くかを確かめる。
- 「英小文字とハイフンで2〜4語、年は入れない、公開の前に決める」のような自社のスラッグの決め事を一行で書き、記事を書く人と共有する。
参考にした公式の説明
- WordPress.org「Settings Permalinks Screen」、「Using Permalinks」、「Page / Post Settings Sidebar」
- sanitize_title_with_dashes()、wp_unique_post_slug()、wp_old_slug_redirect()、redirect_canonical()(WordPress 開発者リファレンス)
- Google 検索セントラル「URL 構造のベスト プラクティス」
- Google 検索セントラル「リダイレクトと Google 検索」、「URL の変更を伴うサイト移転」、「HTTP ステータス コード」の説明
いずれも2026年10月16日に内容を確かめました。管理画面の表示名は、版や翻訳によって変わることがあります。