一覧の最初の一文で、誰のための一覧かを言う
当社のコラムの一覧は、記事の題から始まっていません。最初にあるのは、この一文です。
ホームページを作り、費用も払った。それなのに、問い合わせにつながらないまま何年も置かれている。
そのあとに、この一覧はその状態にある事業者に向けて書いている、業種は問わない、と続けています。記事の題を一本も見せる前に、誰のための一覧かを先に言っているわけです。
WordPress で何も手を加えなければ、ブログの一覧は新しい記事から順に並ぶ棚になります。書く側から見れば自然な並びです。最後に書いたものが一番上に来て、書いたことが一目で分かります。
ただ、一覧に来る人は、書いた順番に用がありません。検索で一本の記事を読み、「この会社はほかに何を書いているのか」と一覧を開いた人は、自分に関係のある記事がほかにあるかを探しています。そこで最新の三本が、たまたま別の用件の記事だったら、その人はそこで帰ります。当社は、一覧を棚ではなく案内板として作っています。どこから来て、何に困っている人なのかで、道を分ける板です。
分け方は、業種や手段ではなく、読む人の状態で決める
記事を分けるとき、書き手がまず思いつくのは二つの分け方です。一つは業種(工務店向け、士業向け)、もう一つは手段(SEO、SNS、広告、デザイン)です。どちらも書き手の側の整理としては分かりやすい。
当社はどちらも入口にしていません。成果が出ないまま置かれているホームページを持つ人は、自分の困りごとが「SEOの問題」なのか「広告の問題」なのかを、まだ知りません。知っていれば、もう手を打っています。手段で分けた一覧は、原因をすでに知っている人のための地図です。
そこで一覧は、読む人の状態に合わせて五つの筋に分けました。
一つ目は「納品で終わる構造」で、なぜ成果の出ない状態が続くのかを、Web制作という仕事の形から書いた記事です。二つ目は「数えてから直す」で、直す前に何件来て何件が商談に進んだかを数える話。三つ目は「任せ方」で、丸投げ、保守、契約、名義、料金といった、誰かに任せる前に決めておくこと。四つ目は「サイトの仕組みと検索」で、テンプレートや記事の減らし方、検索結果の数え方といった技術の側の記事。五つ目は「実際に調べたこと、やったこと」で、商圏調査の見本と、運営に携わっているサイトの経過です。
並べると分かるように、この順番は「なぜこうなっているのか」から始まり、「何を数えるか」「誰にどう任せるか」「どう直すか」と、読む人が考える順に進みます。最後に「実際にやったこと」を置いたのは、それまでの話の証拠として読んでもらうためです。
各筋の見出しの下には、一、二文の説明を置いています。たとえば「任せ方」の下には「丸投げ、保守、契約、名義、料金。誰かに任せるときに、先に決めておくことです」と書きました。見出しの言葉だけでは、自分向けかどうかを判断できない人がいるからです。題を並べる前に、その筋がどんな人のためのものかを言っておけば、読む人は題を一本ずつ読まなくても、読むべき段を選べます。
業種の段は、一覧の上には置かなかった
一覧には、業種ごとの段もあります。小さな宿、工務店、学習塾、行政書士、税理士について、三つの土地で検索結果と事業者のサイトを数えた記事の段と、士業の事務所を業種の例として書いた段です。たとえば工務店なら、工務店のホームページ集客を柱に、同じ業種の記事をまとめています。
この業種の段は、一覧の上には置いていません。一つ目から四つ目の筋を先に並べ、そのあとに置きました。業種で探している人がいるのは分かっています。それでも入口を業種にしなかったのは、当社の記事が答えているのが「工務店の悩み」ではなく「作ったのに成果が出ない状態」だからです。工務店の人も、税理士の人も、最初に読んでほしいのは同じ筋です。業種の段は、筋を読んだあとで「自分の業種では実際にどうなっているか」を確かめに行く場所として置いています。
反対の考え方もあります。業種で探す人のほうが多いなら、業種を一番上に置いたほうが親切だ、というものです。当社はそれを数えてはいません。ただ、業種を一番上に置けば、一覧は「どの業種を扱っている会社か」を見せる板になります。当社が見せたいのは、どの業種かではなく、どんな状態の人を引き受けるかのほうです。一覧の並びは、そのまま会社の考え方の順番として読まれます。
カテゴリーで分けず、手で組んでいる代わりに払っているもの
この一覧は、WordPress のカテゴリー(記事に付ける分類で、分類ごとの一覧を自動で作る仕組み)で作っていません。当社はカテゴリーを一つしか使っておらず、一覧は固定ページに手で組んでいます。
カテゴリーで分ければ、記事を公開するときに分類を選ぶだけで、一覧に自動で並びます。手で組むと、それができません。記事を一本足すたびに一覧のページを開き、どの筋に入れるか決め、題とリンクを書き足しています。手で組むことの手間はページごとに作られたサイトの話で書いたとおりで、この一覧も同じ手間を抱えています。
手で組んでいるので、一枚のページの中で、筋の並び順も、各筋の頭に置く一、二文も、業種の段をどこに置くかも自分で決められます。上に書いた並びは、どれもそうして決めたものです。
手で組んでいる一覧は、一度作って終わりにはなりません。当社の経過を書くと、2026年9月22日に記事を読み直して21本から16本に減らし(その判断は記事を減らすときの記事に書きました)、23日に一覧を作り、24日には筋と業種の段を組み直しました。公開した記事が増えて、最初の組み方では収まらなくなったからです。記事が増えるたびに、今の筋で足りるか、段を分けるかを考え直すことになります。この手間を払えないなら、カテゴリーで分けて、分類の名前を読む人の状態の言葉にしておくだけでも、日付順の棚よりは案内板に近づきます。
初めて来た人の目で、三つ目の見出しまで読む
確かめ方は、道具を使わずにできます。
- 自社のブログやコラムの一覧を、スマートフォンで開きます。
- 上から、見出し(段の名前や記事の題)を三つ目まで読みます。
- 御社のお客様が、いま一番困っていることを一つ思い浮かべ、その人がこの三つを読んで「自分向けの記事がある」と分かるかを考えます。
三つがすべて最新の記事の題で、しかも「お知らせ」「スタッフの日記」「〇〇を導入しました」のような話だったら、その一覧は棚のままです。三つのうちに、お客様の困りごとの言葉が一つでも入っていれば、案内板としての最初の役目は果たしています。
直すなら、記事を書き足すより先に、一覧の一番上に「この一覧は、どんな状態の人のためのものか」を一文で書くことから始めてください。