チラシ・ポスティングの効果と反響率:QRコードでの効果測定とホームページの役割

「チラシを配っても効果があったのか分からない」「ポスティングの反響率は、どれくらいが普通なのか」。地域で店や会社、事務所を営む方が紙の広告を考えるとき、最初に気になるのはこのあたりだと思います。

この記事は、チラシやポスティングとホームページを組み合わせて使う方に向けて、よく見かける反響率の数字をどこまで信用できるか、チラシを見てホームページに来た人をどう数えるか、確かめに来た人をサイトで取りこぼさないために何をそろえておくかを、業界団体や公的機関の資料と当社の記録から整理したものです。配り方の費用は、日本郵便の公式ページで確かめられた範囲だけを書きます。

結論:反響率の相場を探すより、自社で数える仕組みを先に作る

  • 「ポスティングの反響率は0.01〜0.3%」といった数字は多くの記事に出てきますが、当社が確かめた範囲では、調査名や団体名などの出典が書かれていませんでした。自社の結果と比べる物差しとしては使いにくい数字です。
  • 業界団体の調査では、紙のDM(本人宛てのもの)を受け取って何か行動した人の内訳で、いちばん多かったのは「内容についてインターネットで調べた」でした。問い合わせより先に、調べる人がいます。
  • そのため、チラシに書いたことがホームページで確かめられないと、調べに来た人はそこで離れます。チラシとサイトの中身をそろえることは、反響率を上げる工夫の手前にある作業です。
  • チラシから来た人は、QRコードと専用のURLにUTM(どこから来たかを示す目印)を付ける、専用の電話番号を載せる、受付で聞く、の組み合わせで数えます。どれか一つだけでは数え漏れが出ます。

一つ目と二つ目は資料で確かめた事実です。三つ目と四つ目は、その事実と当社の運営の経験から整理した見立てです。

「反響率0.01〜0.3%」の出典をたどった

「ポスティング 反響率」「チラシ 集客 効果」で検索すると、1ページ目の多くはポスティング会社や印刷会社の記事です。全体の目安として0.01〜0.3%前後、業種別に不動産は0.01〜0.03%、飲食は0.3〜0.5%といった数字が並びます。

当社は2026年10月3日に、上位に出てきた記事のうち2本について、数字の根拠が書かれているかを確かめました。どちらも「といわれている」「とされています」「あくまで目安」という書き方で、調査名、団体名、自社の配布実績のいずれも示されていませんでした。同じ業種でも、記事によって挙げている数字は違っていました。

当社が探した範囲では、宛名のないチラシやポスティングの反響率を、業界団体や公的機関がまとめて公表した資料は見つかりませんでした。近いものとして、一般社団法人日本メーリングサービス協会の「DMメディア実態調査2025」がありますが、対象は本人宛てのDM(宛名のある郵便物)です。宛名のないチラシやポスティングの数字は含まれていません。

出どころが分からないことに加えて、「反響」が何を指すかも記事によって違います。来店、電話、問い合わせ、QRコードの読み取り、クーポンの利用。どれを一件と数えるかで、同じ配布でも反響率は何倍も変わります。他社の目安と比べる前に、自社で何を一件と数えるかを決めておくほうが、次の配布をどうするかの判断に使えます。

反響率の計算と、配る前に決めておく三つのこと

反響率は、反響の数を配った枚数で割って出します。たとえば5,000枚を配り、受付で「チラシを見た」と答えた問い合わせが3件なら、3÷5,000で0.06%です(説明のための仮の数字です)。この計算を意味のあるものにするために、配る前に次の三つを決めておきます。

  1. 何を反響と数えるか。問い合わせ、来店、予約のうち一つに決めます。
  2. いつまでに来たものを数えるか。配った日から何週間分、と区切ります。
  3. どの配布からの反響かを見分ける印。配る地域や回ごとに、QRコードの先や合言葉を変えます。

三つ目がないと、二回目以降の配布で、前回のチラシを見た人と今回の人が混ざります。チラシは冷蔵庫や掲示板に貼られて、何か月もあとに使われることもあります。期間を区切っても古い配布からの反響は入ってくるので、見分ける印をチラシそのものに入れておくと、あとから仕分けられます。

紙を受け取った人は、問い合わせる前にインターネットで調べている

前に挙げた「DMメディア実態調査2025」は、首都圏に住む20代から50代の男女を対象に、2025年12月に行われた調査です。本人宛てのDMを受け取った人のうち15.2%が何らかの行動を起こし、その内訳は次のとおりでした(出典:一般社団法人日本メーリングサービス協会「DMメディア実態調査2025」についてのご報告)。

DMを受け取ったあとの行動割合
内容についてインターネットで調べた7.2%
問合せた2.8%
家族・友人・知人などとの話題にした1.9%
商品・サービスを購入・利用した1.7%
お店に出かけた1.7%

この調査は宛名のあるDMが対象で、首都圏の調査です。地方で配る宛名のないチラシに、この割合がそのまま当てはまるとは言えません。それでも、紙を受け取ったあとの行動として、「調べた」が「問合せた」の倍以上あったことは、ポスティングを考えるうえでも参考になると当社は見ています。初めて見る店や会社のチラシであれば、名前を検索し、ホームページや地図の口コミを見てから決める人は少なくないはずです。

つまりチラシの効果は、チラシの出来だけでなく、調べた先で何が見つかるかにも左右されます。検索、地図、広告、SNS、紹介の経路ごとにホームページが担う役割はホームページ集客の方法:検索・地図・広告・SNS・紹介でサイトが担う役割にまとめました。チラシもそこで書いた紹介や地図と同じく、お客がまず紙で知り、頼めるかどうかをホームページで確かめる経路の一つです。

チラシに載せたことがサイトにないと、確かめに来た人が離れる

チラシを見て社名を検索した人が確かめたいのは、たいていチラシに書いてあったことの続きです。チラシには載せたのにサイトには書いていない、あるいはサイトのほうが古いまま、という食い違いがあると、確かめに来た人はそこで判断できず、問い合わせの手前で止まります。当社が配布の前に照らし合わせている項目は次のとおりです。

チラシに書いたことホームページで確かめられるようにしておくこと
料金、キャンペーン価格同じ金額と条件(期間、対象、税込か税抜か)が書かれたページがあるか
対応する地域、出張や配達の範囲チラシを配った町の名前が、対応地域として書かれているか
営業日、受付時間同じ時間が書かれているか。臨時休業や時間の変更が反映されているか
電話番号、QRコードチラシ用の番号がつながり、QRコードの先のページが配布期間中に開けるか
施工例、メニュー、事例の写真同じ写真や事例が、サイトでも見られるか
店や事務所の場所地図と、初めて来る人向けの行き方や駐車場の案内があるか

このうち料金と連絡の窓口は、地域の事業者のサイトで抜けやすいところです。前に挙げた記事にまとめた当社の記録では、2026年9月24日に3つの市で工務店24社のサイトを同じ項目で確かめたところ、自社の注文住宅の価格を数字で示していたのは3社でした。法律事務所では、相談の入口が電話だけの事務所が、松江市で8事務所中3、旭川市で8事務所中4ありました。チラシを夜に見て、そのままサイトを開いた人は、受付時間外の電話番号の前で止まることになります。

キャンペーンが終わったあとのページの扱いも、配る前に決めておきます。先に書いたとおり、チラシは配った日に読まれるとは限りません。期限が過ぎたからとQRコードの先のページを消すと、あとから読み取った人には「ページが見つかりません」と表示されます。当社は、ページは残したまま「このキャンペーンは◯月◯日に終了しました」と書き、いまの料金や問い合わせ先へ案内する形にしています。

チラシからホームページに来た人を数える方法

チラシの効果測定の方法として、上位の記事でもQRコード、クーポン、専用の電話番号などが紹介されています。ここでは、ホームページと組み合わせる場合に、それぞれの方法で何が数えられて、何が数えられないかを分けて書きます。

QRコードと専用のURLにUTMを付ける

UTMは、URLの末尾に付ける目印です。GA4(Googleアナリティクス4。Googleが無料で出しているアクセス解析)は、この目印を読み取り、どのキャンペーンから来た訪問かを分けて記録します。Googleのヘルプは、utm_source(参照元)、utm_medium(メディア)、utm_campaign(キャンペーン)の三つを「どのようなケースでも」使うよう案内しています。utm_sourceの例には「newsletter4」などと並んで「billboard」(看板)が挙がっていて、インターネットの外の広告にも使うことが前提になっています(出典:アナリティクス ヘルプ「URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」)。

たとえば次のような形です(ドメインは例です)。

https://example.jp/chirashi/?utm_source=chirashi&utm_medium=print&utm_campaign=2026-11-kita

配る地域や回ごとにutm_campaignの末尾を変えておくと、どの地域、どの回のチラシから来たかも分かれます。QRコードはこの目印付きのURLから作ります。チラシにはQRコードと並べて、手で打てる短いURL(たとえば example.jp/chirashi)も載せ、そこから目印付きのURLへ転送されるようにしておくと、QRコードを読み取らずに打ち込んだ人も同じ数に入ります。転送の設定は、サイトの管理画面かサーバーで行います。

数えた結果は、GA4の「レポート」から「集客」の「トラフィック獲得」を開き、表の項目を「セッションのキャンペーン」に切り替えると見られます。なお、utm_mediumに「print」のような、Googleがあらかじめ決めている分類に当てはまらない値を入れた場合、流入元を大きく分けた「チャネル」の表では「Unassigned」に入ることがあります。Googleのヘルプは、Unassignedを、ほかのチャネルのルールに一致しない場合に使われる値だと説明しています(出典:アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」)。チャネルの表ではなく、キャンペーン名で見る、と決めておけば困りません。UTMの付け方と、参照元・メディアごとの見方は、GA4で流入元を調べる方法にまとめています。

この方法で数えられないのは、QRコードを使わずに社名で検索して来た人です。この人たちはGA4では検索からの訪問として記録され、チラシを見て来たことは分かりません。前の章で見たとおり、紙を受け取った人の行動では「調べる」が多いので、QRコードの数だけを見ると、チラシの効果を少なく見積もることになります。

その分を補う手がかりとして、当社はSearch Console(サーチコンソール。自社のサイトがGoogleの検索でどう表示されたかが分かる、Googleの無料の道具)で、社名を含む検索の表示回数とクリック数を見ています。配った週とその前後の週を比べて、社名の検索が増えていれば、チラシを見て調べた人がいた手がかりになります。ほかの広告や季節の動きも混ざるので、件数として数えるのではなく、増えたか減ったかの目安として使います。

チラシ専用の電話番号を載せる

チラシにだけ載せる電話番号を用意すれば、その番号への着信はチラシを見た人だと分かります。電話で連絡してくる人が多い業種では、QRコードより取りこぼしの少ない方法です。一方で、番号を別に持つ費用がかかること、チラシを見たあとにホームページに載っている番号へかけた人はこちらに入らないこと、配布をやめたあともしばらくはその番号にかかってくることには、気をつけておきます。

ホームページの電話番号が押された回数をGA4で数える方法と、その数字が実際の件数とずれる理由は、GA4で問い合わせを計測する。数えているのは「送信」と「タップ」までに書きました。

受付で「何をご覧になりましたか」と聞く

QRコードも専用の番号も通らない人がいます。チラシを見て、社名で検索し、ホームページに載っている番号に電話してきた人です。この人がチラシから来たと分かる方法は、受付で聞くことだけです。電話なら「何をご覧になってお電話くださいましたか」と一言うかがい、フォームなら「当社を何で知りましたか」の項目を一つ足します。答えを「チラシ」「検索」「紹介」「その他」のように選べる形にしておくと、あとで数えやすくなります。

聞いた答えは、日付、窓口、何を見て連絡したか、面談や見積もりに進んだかと一緒に、一件一行で残します。何を一件と数えるかの決め方はホームページからの問い合わせの数え方に、当社が配っている記録の形は問い合わせの記録シート(Excel)にあります。チラシの反響率を出すときの「反響の数」は、この記録から数えます。

それぞれの方法が、ほかの方法の抜けを埋める

方法数えられる人数えられない人
QRコード・短いURL+UTMQRコードを読み取った人、短いURLを打ち込んだ人社名で検索して来た人、サイトを見ずに電話した人
チラシ専用の電話番号チラシの番号に電話した人サイトの番号にかけた人、フォームから連絡した人
受付で聞く答えてくれた人すべて覚えていない人、聞き忘れた分
Search Consoleの社名の検索件数ではなく、増減の目安一件ずつの問い合わせ

当社は、反響の件数は受付の記録で数え、QRコードと専用の番号は、どの地域、どのチラシが効いたかを見分けるために使う、と役割を分けています。道具の数字には、どうしても数え漏れや重なりが出るからです。当社が運営をお引き受けするときも、ページを直すより先に、この受付の記録を置くところから始めています(当社の進め方)。

配り方と、日本郵便のタウンメール・タウンプラス

チラシの配り方には、ポスティング会社に頼む、新聞の折り込みに入れる、自分たちで配る、郵便で届ける、といった方法があります。ポスティング会社の料金や配布の条件は会社ごとに違い、公的にまとまった相場は見つからなかったため、ここでは日本郵便が公式に案内している範囲を書きます。

日本郵便の「タウンメール(配達地域指定郵便)」は、指定した地域の全戸に郵便物を届けるサービスです。日本郵便の公式ページでは、料金は25gまで74円、50gまで87円、100gまで105円で、大きさは長さ34cm以内・幅25cm以内・重さ100g以内、配達は同じ郵便区の中に限られ、12月15日から翌年1月14日までは取り扱わない、と案内されています(2026年10月3日に当社確認。出典:日本郵便「タウンメール(配達地域指定郵便)」)。

もう一つの「タウンプラス」は、取扱会社であるJPメディアダイレクトの案内資料(2024年3月版)で、宛名が要らず、町丁目単位で指定した地域の全郵便受け箱に配達できるサービスとして紹介されています。料金については、2026年10月3日に当社が確かめた時点で、日本郵便の公式ページで料金表を確認できなかったため、この記事には書いていません。使うかどうかを考えるときは、郵便局か取扱会社で、通数と地域を伝えて見積もりを取ってください。

どの配り方を選んでも、ホームページの側で準備することは変わりません。郵便で全戸に届けても、ポスティングで配っても、受け取った人が調べに行く先は同じホームページだからです。

チラシとサイトの表示で、確かめておきたい法律

当社は法律の専門家ではないため、公開されている資料で確かめた範囲を短く書きます。具体的な表示に迷うときは、弁護士や消費生活の窓口に確かめてください。

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の対象になる「表示」には、チラシが含まれます。消費者庁が公開している告示は、表示の一つとして「見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示」を挙げ、インターネットによる広告も別の号で挙げています(出典:消費者庁「不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件」)。品質や内容を実際より著しく良く見せる表示(優良誤認表示)や、価格などの取引条件を実際より著しく有利に見せる表示(有利誤認表示)は、チラシでもサイトでも同じように問題になります。当社は、チラシに「地域No.1」「最安」のような言葉を入れる場合、その根拠をサイトに書けるかを配る前に確かめるようにしています。根拠を書けない言葉は、チラシからも外します。

チラシを見た人から電話やホームページで注文を受け、商品を送ったりサービスを提供したりする場合は、特定商取引法の「通信販売」にあたることがあります。消費者庁が公開している特定商取引法の解説は、通信販売の広告の例として「折り込みちらし」や「インターネット上のウェブサイト」を挙げています。そして広告には、販売価格と送料、代金の支払いの時期と方法、商品の引き渡しやサービスの提供の時期、申込みの撤回や解除に関すること、事業者の氏名・住所・電話番号などを表示するよう定めています(第11条。請求があれば書面などで遅滞なく提供する旨を表示した場合に、一部を省略できる定めもあります。出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「第3節 通信販売」の解説)。チラシの紙面に収まらない事項をホームページに載せる場合も、チラシに書いた価格や条件とサイトの記載がそろっているかを確かめておきます。

士業の事務所がチラシを配る場合は、所属する会の広告に関する規程もあわせて確かめてください。

今日、自社で確かめられること

  1. 配ったチラシか、これから配るチラシを一枚手元に置き、料金、対応する地域、受付時間、電話番号の四つが、ホームページの記載と同じかを照らし合わせます。
  2. チラシのQRコードをスマートフォンで読み取り、開いたページの最初の画面でチラシと同じ内容が見えるか、終わったキャンペーンのページが「見つかりません」になっていないかを確かめます。
  3. QRコードの先のURLに、utm_source、utm_medium、utm_campaignの三つが付いているかを見ます。付いていなければ、次に刷るチラシから付けます。
  4. 電話の受付とフォームに「何をご覧になりましたか」を一つ足し、答えの選択肢に「チラシ」を入れます。
  5. 前回チラシを配った日を書き出し、Search Consoleで、その週と前後の週の社名を含む検索の表示回数を比べます。
  6. 次の配布の反響率を出すなら、何を一件と数えるか(問い合わせ、来店、予約のどれか)と、配った日から何週間分を数えるかを先に決め、記録の欄に書いておきます。