愛知・名古屋の中小企業の相談窓口:集客やホームページを無料で相談できる公的機関

集客がうまくいかない、ホームページを作り直すか迷っている、制作会社の見積もりが妥当か分からない。そうしたとき、愛知県や名古屋市の中小企業には、無料で話を聞いてもらえる公的な窓口がいくつもあります。ただ「愛知 中小企業 相談 窓口」で調べると、窓口の名前は並んでいても、それぞれ何を相談でき、どう予約し、誰が対象なのかを一度に比べられるページは多くありません。

この記事は、集客やホームページについて相談したい愛知県・名古屋市の事業者に向けて、当社が2026年10月3日に各窓口の公式サイトで確かめた内容を一枚の表にしたものです。公式サイトで確かめられなかったことは書いていません。後半では、公的な窓口でできることと、民間の制作・運用会社に頼むことの分かれ目を、当社の見立てとして書きます。当社も民間の運用会社なので、その立場からの見方だという前提で読んでください。

結論:ホームページの相談は「デジタル」の窓口、集客全体は経営相談の窓口へ

  • ホームページ、EC、SNSを名指しで相談の例に挙げていたのは、あいち産業振興機構の「あいちデジタル技術活用相談窓口」でした。無料で、複数回の相談も無料、対面・オンライン・企業訪問に対応しています。
  • 売上や集客を経営全体の話として相談するなら、愛知県よろず支援拠点(1回60分、無料)、名古屋市内の事業者なら名古屋市新事業支援センター(何度でも無料、予約制)、名古屋商工会議所の専門相談(IT化を含む、無料・原則予約制)があります。
  • 専門家に会社へ来てもらう派遣は、名古屋市新事業支援センターが無料、あいち産業振興機構の経営・技術専門家派遣は一部を企業が負担する形(令和8年度、1回あたり約6,000円〜約1万円)でした。
  • 公式の説明はどれも「相談」「アドバイス」で、ページを書く、直す、毎月数字を見るといった作業そのものを引き受けるとは書かれていません。方針を決めるまでは公的な窓口、決めたことを続ける手が要る段階からは民間、というのが当社の見立てです。

窓口で話を聞いてもらう:愛知県・名古屋市の公的な相談窓口

来所やオンラインで相談できる窓口を、運営する機関の公式サイトの記載から抜き出しました。「相談できること」の欄は、集客やホームページに関わる部分を中心に、公式の言葉をなるべくそのまま使っています。電話番号や受付時間は変わることがあるので、予約の前に各公式サイトで確かめてください。

窓口(運営)相談できること(公式の記載)費用・回数予約・申込対象
愛知県よろず支援拠点(国が全国に設置する経営相談所。名古屋市中村区名駅のウインクあいち14階、豊橋駅前にサテライト)売上拡大、経営改善をはじめとする経営全般の相談無料。1回の相談は60分。全国本部のサイトは「何度でも無料」電話(052-715-3188)またはメールで事務局に問い合わせ。豊橋サテライトは0532-39-7111中小企業・小規模事業者、NPO法人などそれに類する方、創業予定者など
あいちデジタル技術活用相談窓口(あいち産業振興機構)ホームページ、EC、SNS、勤怠管理、会計事務、生産管理システム、情報セキュリティなど無料。複数回の相談も無料Webフォーム、メール、電話(052-715-3071)。対面・オンライン、企業訪問、WEB相談に対応中小企業等。受付は平日9時〜17時(12時〜13時を除く)
エキスパートあいち(あいち産業振興機構)経営全般、金融、税務、技術、IT、DXなど無料電話(052-715-3071)またはメール。平日9時〜17時県内の中小・中堅企業、小規模事業者
名古屋市新事業支援センター 窓口相談(名古屋産業振興公社。千種区吹上の名古屋市中小企業振興会館5階)経営・会計、市場開拓、IT活用、デジタル化、創業など何度でも無料(予約制)相談申込フォームから申し込み、センターから日程調整の連絡。平日9時〜12時、13時〜17時名古屋市内での経営・創業
名古屋商工会議所 専門相談IT化(情報機器・ソフトウェアを活用した業務効率化や販路拡大など)のほか、経営、創業、法律、税務、労務、知的財産など相談無料、秘密厳守原則予約制。Web予約、または電話(052-223-5764)ページに会員・非会員の区別の記載なし
IT経営サポートセンター(中小企業基盤整備機構。中部本部の案内)IT利活用や導入の相談。経営課題・業務課題の見える化とIT活用の提案を行う簡易診断無料。「何回でも無料」、1回60分申込サイトから申し込み、オンラインで面談中部本部の案内では愛知・岐阜・三重・静岡の事業者
中小企業基盤整備機構 中部本部 経営アドバイス経営に関するさまざまな分野のアドバイス無料申込フォーム、FAX(052-220-0517)、電話(052-220-0516)。電話は平日9時〜17時愛知・岐阜・三重・静岡

表の中でホームページに直接触れていたのは、あいちデジタル技術活用相談窓口だけでした。ほかの窓口も「販路拡大」「市場開拓」「IT活用」を挙げているので、集客の相談は受け付けていると読めますが、ホームページの作り方や見積もりの見方まで踏み込んでもらえるかは、予約のときに「何を相談したいか」を伝えて確かめるのが確実です。

IT経営サポートセンターのサイトには、「特定のITツールやベンダーに偏らない中立的な立場からアドバイス」すると書かれていました。ホームページ作成サービスや予約システムを選ぶ段階で、売る側ではない人の意見を聞きたいときの相談先になります。

専門家に来てもらう:派遣の制度は、無料のものと一部負担のものがある

窓口に出向くのではなく、専門家に会社へ来てもらう制度もあります。2026年10月3日に確かめた範囲では、次の二つでした。

制度(運営)内容(公式の記載)費用・回数申込対象
専門家派遣(名古屋市新事業支援センター)中小企業診断士などを企業に派遣し、具体的なアドバイスを行う無料相談申込フォーム、または電話(052-735-0808)名古屋市内の中小企業・小規模事業者
経営・技術専門家派遣(あいち産業振興機構、令和8年度)中小企業診断士、技術士などから、希望する支援内容に応じた専門家を紹介企業の負担は、中小企業・中堅企業が3分の1(1回あたり約1万円)、小規模企業が5分の1(1回あたり約6,000円)。年度内に最大10回まで様式1と別紙を郵送または電子メールで経営支援部 経営アドバイスグループへ経営の向上を目指す意欲がある中小・小規模企業、中堅企業、具体的な創業計画を持つ創業予定者

派遣は、自社の帳簿や現場、今のホームページの画面を見ながら話せるのが窓口との違いです。名古屋市内の事業者なら、窓口相談と派遣は同じセンターの制度なので、まず窓口で話し、必要なら派遣を申し込む、という順番も取れます。

名古屋市の外の事業者、資金の相談、商工会議所のIT化の案内

名古屋市の外:各市の商工会議所と、町村の商工会

愛知県よろず支援拠点、あいち産業振興機構の窓口、中小企業基盤整備機構の窓口は、県内の事業者が使える窓口です(中小機構の中部本部は愛知・岐阜・三重・静岡の四県が対象)。名古屋市新事業支援センターは名古屋市内が対象なので、市外の事業者は、地元の商工会議所や商工会が身近な窓口になります。

愛知県商工会連合会のサイトでは、商工会の経営相談として「経営戦略・市場調査・販売促進・後継者育成等の経営課題」を挙げ、連合会に登録している税理士や中小企業診断士などの専門家を事業所に派遣する制度も案内していました。また、商工会の会員限定で、ホームページを無料で作れるサービスの案内がありました。費用や会員・非会員の違いはページに書かれていなかったので、最寄りの商工会に問い合わせて確かめてください。名古屋商工会議所以外の各市の商工会議所の相談内容は、当社は確かめていません。

資金の相談:日本政策金融公庫

ホームページの作り直しや広告の費用を借入でまかなうか考えている場合は、日本政策金融公庫の予約相談があります。公庫のサイトでは、相談の対象を事業資金・創業資金などの「お借入またはご返済に関するご相談」としていて、来店相談とオンライン相談(Microsoft Teams)を選べます。県内では名古屋、名古屋中、熱田、豊橋、岡崎、一宮の各支店が案内されていました。集客の中身の相談というより、お金の段取りの相談先です。

名古屋商工会議所の「IT化について知りたい」のページ

名古屋商工会議所の「IT化について知りたい」のページには、無料の専門相談のほかに、名古屋市デジタル活用支援補助金、デジタル化・AI導入補助金といった補助金の案内、有料のホームページ作成サービス、ITツールを提供する企業がサービスやセミナーを発信する「名古屋中小企業IT化推進コンソーシアム(Pit-Nagoya)」などが並んでいました。相談と、補助金と、民間のサービスの入口が一つのページにまとまっているので、何から調べればよいか分からないときの最初の一枚として使えます。補助金の要件や時期は年度ごとに変わるので、ここでは扱いません。

公的な窓口でできること、民間の制作・運用会社に頼むことの分かれ目(当社の見立て)

ここからは、当社の考えです。公的な窓口の強みは、無料で、売る側ではない立場の人に話を聞いてもらえることです。どの客層を狙うか、ホームページに何を載せるか、見積もりのどこが気になるか、といった「何をするかを決める」段階の相談は、窓口が向いていると当社は考えています。制作会社や運用会社に相談すると、どうしても自社のサービスを前提にした答えになりがちだからです。当社も例外ではありません。

一方で、公式の説明に書かれているのは「相談」「アドバイス」「派遣して具体的なアドバイス」までです。決めたことを実際にページにする、検索されている言葉に合わせて書き足す、問い合わせの件数を毎月数えて直す、といった作業そのものを窓口が引き受けるとは、どの窓口のページにも書かれていませんでした。ここが分かれ目になります。

段階公的な窓口が向いていること民間の会社に頼むことになること
方針を決める狙う客層、売り方、ホームページの役割の整理。第三者の意見―
道具や依頼先を選ぶ作成サービスやツールの選び方、見積もりの見方の相談見積もりの作成と説明
作る・直す進め方への助言ページの制作、文章の作成、計測の設定
続ける定期的な相談で、進み具合を第三者に見てもらう毎月の書き足しと直し、問い合わせの記録、報告

もう一つ、当社の記録から分かることがあります。当社が2026年9月24日に、名古屋でホームページの運営やSEO対策を頼む先を探す人が打ちそうな九つの言葉で検索し、1ページ目に出た81件を数えたところ、商工会議所のページは1件だけで、残りの多くは制作会社のページと、会社を並べて紹介する記事でした(名古屋のホームページ運用代行の選び方)。頼む先を検索で探し始めると、公的な窓口は目に入りにくいということです。民間の会社に声をかける前に、一度窓口で方針を整理しておくと、見積もりを取ったときに何を比べればよいかがはっきりします。見積もりの比べ方はホームページ制作の費用と依頼前に決めることに書いています。

判断の材料として、当社の場合も一段落だけ書きます。当社は名古屋市中村区の会社で、ホームページを作って終わりにせず、問い合わせが来るようになるまで手を入れ続ける運営を月額でお引き受けしています。上の表でいえば「作る・直す」と「続ける」の段階です。料金は低く始めて、問い合わせが増えるにつれて上がる形で、料金のページに載せています。窓口で方針が固まった後の、手を動かす相手の候補の一つとして見ていただければ十分です。

相談の前に用意しておくと、60分が無駄にならないもの

よろず支援拠点やIT経営サポートセンターの相談は1回60分です。集客の相談は、話が「なんとなくお客が減った」から始まると、状況の説明で時間の多くを使ってしまいます。当社の見立てでは、次の四つが手元にあると、相談相手が具体的な話に入りやすくなります。

  1. 直近3か月の問い合わせの件数と、それぞれがどこから来たか(検索、地図、広告、SNS、紹介、不明)。分け方はホームページ集客の方法:検索・地図・広告・SNS・紹介でサイトが担う役割に書いています。
  2. ホームページがあるなら、Search Console(Googleの無料の道具)で見た、表示回数とクリック数、よく検索されている言葉。見方はサーチコンソールの使い方にまとめています。設定していなければ、設定していないこと自体が相談の材料になります。
  3. 手元にある制作会社や運用会社の見積もり、今の契約書。何が含まれ、何が含まれていないかを一緒に見てもらうときの材料になります。
  4. 今回の相談で決めたいことを一つか二つ。「作り直すかどうか」「どの窓口や依頼先に何を頼むか」など。

この四つは、民間の会社に相談するときにもそのまま使えます。公的な窓口で一度話し、その記録を持って依頼先と話せば、同じ説明を何度も繰り返さずにすみます。

今日、自社で確かめられること

  1. 自社の所在地で使える窓口を、この記事の表から選ぶ。名古屋市内なら名古屋市新事業支援センターも、市外なら地元の商工会議所か商工会も候補に入れる。
  2. 相談したいことを一行で書き出し、ホームページやSNSの話ならあいちデジタル技術活用相談窓口、売上や集客全体の話ならよろず支援拠点か名古屋市新事業支援センター、と当てはめてみる。
  3. 選んだ窓口の公式サイトを開き、予約の方法(電話、メール、フォーム)と受付時間を確かめる。
  4. 直近3か月の問い合わせの件数を、検索、地図、広告、SNS、紹介、不明に分けて数え、相談に持っていく一枚にする。
  5. 手元に制作会社や運用会社の見積もりがあれば、相談のときに見てもらいたい箇所に印をつけておく。

この記事で使った公式サイトは次のとおりです(いずれも2026年10月3日に確認)。