被リンクを増やす方法:中小企業が正当に獲得できる経路と頼み方・確かめ方

被リンク(ほかのサイトから自社のサイトへ張られたリンク)を中小企業が増やすいちばん確かな方法は、すでにある実際の付き合いをサイトの上にも映してもらうことです。取引先、所属している団体、地域の行事、自治体の登録制度、取材を受けた媒体。どれも、紹介される理由がもともとある経路です。もう一つは、ほかの人が「詳しくはこちら」と示したくなる自社の記録やデータを、引用しやすい形で公開しておくことです。

反対に、お金や物と引き換えのリンク、「リンクするからリンクして」という過剰な相互リンクは、Googleのスパムに関する方針で「リンクスパム」とされています。協賛のようにお金を払って載るリンクそのものは禁止されておらず、リンクに rel=”sponsored” か rel=”nofollow” という印が付いていれば方針に反しません。付いたリンクは Search Console の「リンク」レポートで確かめられますが、このレポートは印の有無を示さないので、印はリンク元のページで確かめます。この記事では、経路ごとに頼み方と確かめ方を書きます。SEOツールが出す「ドメインパワー」の数字の読み方はドメインパワーとはに分けて書いています。

先に線引き:Googleがリンクスパムとするもの、問題にならないもの

Google 検索セントラルのスパムに関するポリシー(2026年9月2日更新、2026年10月16日に当社が確かめた内容)は、リンクスパムを、検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作る行為、と定めています。挙げられている例のうち、地域の中小企業や士業の事務所が実際に持ちかけられやすいものを、場面に置き換えて並べます。

場面方針での扱い
業者から「被リンクを○本つけます」と有料で持ちかけられるランキングを上げるためのリンクの売買。金銭だけでなく、物品やサービスとの交換も含む
商品を無料で送るので、記事で紹介してリンクしてほしいと頼む例として明記されている(商品を無料で送る代わりにリンクしてもらう)
知り合いの会社同士で、互いのリンクを並べた「リンク集」や「パートナー」のページを作る過剰な相互リンク、相互リンクだけを目的にしたパートナーページの作成
取引の条件として、相手のサイトにリンクを載せることを契約で義務づける相手が rel 属性を付けるかどうか選べない形で、規約や契約によりリンクを義務づけること
お金を払った記事広告や寄稿に、検索語を詰めたリンク文字を入れる記事広告、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なリンク文字に支払いが行われるもの
登録するだけのリンク集や、質の低い登録サイトへの一括登録質の低いディレクトリやブックマークサイトのリンク

一方で、同じ方針は、広告や協賛のための有料のリンクはウェブの普通の経済活動の一部だとも書いています。<a> タグに rel=”nofollow” か rel=”sponsored” が付いていれば、方針への違反にはなりません。問題は「お金を払ったこと」ではなく、「お金を払ったリンクを、自然な推薦のように見せること」です。

rel 属性の使い分け

rel 属性は、リンクに付ける「このリンクはどういう性質か」という印です。Google 検索セントラルの外部リンクの関係を Google に伝える(2026年3月8日更新)では、次の三つが説明されています。

  • rel=”sponsored”:広告や有料の掲載のリンク
  • rel=”ugc”:コメント欄や掲示板など、利用者が書いた内容の中のリンク
  • rel=”nofollow”:ほかに当てはまる値がなく、リンク先と自分のサイトを関連づけたくない場合

値は「sponsored nofollow」のように、スペースかカンマで区切って複数並べられます。自社が外へ張るリンクについては、Googleのリンクのベストプラクティスに「他のサイトへのリンクを用意することは問題にはなりません」とあり、nofollow は信用していない相手に限り、すべての外部リンクに付けることは避けるよう書かれています。取引先や団体へのリンクに一律で nofollow を付ける必要はありません。

中小企業・士業が正当にリンクを得られる経路

ここからは経路ごとに、どこに載るか、どう頼むか、どう確かめるかを書きます。共通の考え方は一つで、「その付き合いが実際にあり、相手の読者にとっても載っていると役に立つか」です。

取引先・協力会社

工務店の協力業者、税理士と顧問先、仕入れ先と販売店など、実際の取引があれば、相手のサイトの「協力会社」「取扱店」「提携先」のページに名前が載っていることがあります。まず、すでに名前だけ載っていてリンクが付いていない、古いアドレスのまま、という状態がないかを見ます。

  • 頼み方:載っている箇所の画面とともに、「アドレスが変わったので直していただけると助かります」と、事実の訂正として頼みます。新しく載せてもらう場合も、相手の読者が問い合わせ先を探せるという理由を添えます。
  • 確かめ方:相手のページを開き、リンク先が今のアドレス(https で始まるもの)になっているかを見ます。
  • よくある間違い:取引の数だけ双方にリンクを張り合い、互いの紹介ページを増やしていくこと。実際の取引に沿った数件なら自然ですが、取引の実態がない相手まで広げると、方針のいう過剰な相互リンクに近づきます。取引の条件としてリンクの掲載を契約で義務づけることも、方針の例に当たりうるので避けます。

所属している団体(商工会議所、業界団体、士業会)

商工会議所や商工会、業界団体、士業の会には、会員の名簿や会員検索を公開しているところがあります。名簿にホームページの欄があれば、届け出るだけで載ることがあります。

  • 頼み方:会員情報の変更届や、事務局への連絡で、ホームページのアドレスを届け出ます。様式や受け付け方は団体ごとに違うので、事務局に確かめます。
  • 確かめ方:名簿の自社の欄を開き、アドレスが正しいか、リンクとして押せるかを見ます。
  • よくある間違い:事務所を移転したり、サイトを作り直したりしたあと、名簿の情報を古いままにしていること。住所や電話番号が違うと、探す人が迷います。

会費は団体の活動に払うもので、リンクの代金ではない、というのが当社の見方です。ただ、名簿への掲載の扱いについてGoogleの公式の文書に明示はなく、最後に判断するのはGoogleです。

地域の団体・行事(協賛)

祭りやスポーツ大会、地域の子ども会や少年団などに協賛すると、主催者のサイトに協賛企業として名前とリンクが載ることがあります。これは地域とのつながりとして自然な掲載ですが、お金を払って載るリンクなので、当社は方針のいう広告や協賛のための有料のリンクにあたると考えています。

  • 頼み方:協賛を申し込むときに、「リンクには rel=”sponsored” を付けていただいてかまいません」と一言添えます。主催者がサイトの仕組みに詳しくないことも多いので、付け方を聞かれたら答えられるようにしておきます。
  • 確かめ方:掲載後にリンク元のページで、rel の印が付いているかを見ます(見方は後の見出しにあります)。
  • よくある間違い:リンクのために協賛先を増やすこと。協賛は地域での名前の知られ方のためと考え、リンクはその結果として扱うほうが、費用の判断を誤りません。

自治体・公的機関の事業者紹介

市や県が、独自の認定や登録をした事業者の一覧を公開していることがあります。どんな制度があるかは自治体ごとに違うので、自社の市や県のサイトで「認定事業者」「登録事業者」「事業者一覧」などの言葉で探すのが早道です。

  • 頼み方:多くは、制度に申請して要件を満たした結果として載るもので、リンクだけを頼む性質のものではありません。すでに登録している制度があれば、一覧にホームページの欄があるか、届け出の方法を担当の課に確かめます。
  • 確かめ方:一覧の自社の行を開き、アドレスが正しいかを見ます。名前だけでリンクがないこともあります。
  • よくある間違い:リンク目当てで、自社の事業と関係の薄い制度に申し込むこと。要件や報告の手間が先に立ちます。

取材・地域のメディア

地域の新聞やウェブメディア、業界紙に取り上げられると、記事に自社のサイトへのリンクが付くことがあります。取材は相手の編集の判断で載るものなので、リンクを付けるかどうかも相手が決めます。

  • 頼み方:取材を受けたあと、記事に連絡先として載せてもらえるよう、正式な社名とホームページのアドレスを文字で渡しておきます。リンクの文字を指定することはしません。
  • 確かめ方:掲載後に記事を開き、リンク先とアドレスを見ます。
  • よくある間違い:お金を払う記事広告を、取材記事と同じものとして扱うこと。料金が発生する掲載は広告で、リンクには sponsored の印を付けてもらうのが方針に沿った形です。方針の例には、記事広告やプレスリリースの中の作為的なリンク文字に支払いが行われるものが挙がっています。

自社の調査データや記録の公開

ほかのサイトが自社にリンクする理由を、自社で作る方法です。たとえば、自社の地域でよく受ける相談の件数の推移、手続きにかかった日数の記録、地域の相場を数えた表などです。紹介する側は「数字の出どころ」としてリンクを張ります。

  • 置き方:数え方、数えた日、限界(数えていないもの)を同じページに書きます。出典の書き方の例を示し、引用してよい範囲をはっきりさせると、使う側が迷いません。
  • 頼み方:無理に頼みません。関係しそうな団体や、同じ話題を書いている人に、公開したことを知らせる程度にとどめます。GoogleのSEOスターター ガイドも、リンクしてくれるサイトは時間がたてば自然に現れるとし、過度な宣伝は逆効果になりうると書いています。
  • よくある間違い:顧客の名前や個別の事情が分かる形で数字を出すこと。士業の事務所では、守秘の範囲を先に確かめます。

当社もこの経路を試しています。2026年10月、それまで各地で検索結果の1ページ目を数えてきた記録を、地域の中小企業は検索でどう見えるか:30地域・13業種の1ページ目調査2026という一つの調査レポートにまとめて公開しました。数え方と限界を書き、出典の書き方を添えて引用してかまわないとしています。この記事を書いている時点では公開したばかりで、リンクが付いたかどうかの結果はまだ出ていません。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィール(Google検索やGoogleマップに出る店や事務所の情報欄)には、ウェブサイトの欄があります。ビジネス プロフィールを編集するのヘルプでは、「プロフィールを編集」から、http:// か https:// を含む完全なアドレスを入れるよう書かれています。

これは、ほかのサイトが自社を紹介する被リンクとは性質が違い、地図や検索から探した人が自社のサイトへ来る入口です。Search Console のリンクレポートにどう出るかは公式に書かれていないので、当社は被リンクを数える対象ではなく、入口の整備として扱っています。運用の全体はGoogleマップ集客とビジネスプロフィール運用にまとめています。

頼むときの文面と、頼まないほうがよいこと

頼む文面は短く、相手の手間を減らす形にします。たとえば次のようなものです。

「いつもお世話になっております。御社の協力会社のページに当社を載せていただき、ありがとうございます。当社のホームページのアドレスが下記に変わりましたので、お手すきの際に差し替えていただけますと助かります。(新しいアドレス)」

頼まないほうがよいことは三つです。

  • リンクの文字の指定:「名古屋 税理士」のような検索語をリンクの文字にしてほしいと頼むこと。社名かサイト名で十分です。リンクの文字は、前後の文と合わせて内容が分かることが大事だと、Googleのリンクのベストプラクティスにも書かれています。
  • お礼の品やお金との交換:リンクの見返りに物やお金を渡すと、方針のいう売買にあたります。
  • 一括のリンク集への登録:登録するだけで多数のサイトに載るというサービスは、質の低いディレクトリの例に近いものです。

Search Consoleの「リンク」レポートで確かめる

付いたリンクは、Googleの無料の道具である Search Console の「リンク」レポートで確かめます。まだ使っていない場合は、サーチコンソールとはから始められます。手順と仕様は Search Console ヘルプのリンクレポートによります。

  1. Search Console を開き、左のメニューから「リンク」を選びます。
  2. 「外部リンク」の「上位のリンク元サイト」で、どのサイトからリンクされているかを見ます。サイトは「example.co.jp」のようなドメイン単位でまとめて表示されます。
  3. 行を選ぶと、そのサイトからリンクされている自社のページが分かります。「上位のリンクされているページ」からは、逆に自社のページごとのリンク元が見られます。
  4. 「上位のリンク元テキスト」で、どんな文字でリンクされているかを見ます。文字のないリンクは「(なし)」と出ます。
  5. 記録として残すなら、「エクスポート」で一覧を書き出します。

読むときの注意が三つあります。レポートはすべてのリンクではなく見本(サンプル)で、表は1,000行までです。削除されたリンクや、もうないページからのリンクが残っていることもあります。そして、ヘルプに明記されているとおり、リンクが nofollow かどうかはこのレポートでは示されません。

rel の印をリンク元のページで確かめる

印の有無は、リンク元のページで確かめます。パソコンのブラウザでそのページを開き、右クリックから「ページのソースを表示」を選び、自社のドメイン名で検索します。見つかった <a href=”…”> の中に rel=”sponsored” や rel=”nofollow” があるかを見ます。協賛や広告のリンクに印がなければ、主催者や媒体に付けてもらえるよう頼みます。

見覚えのないサイトからのリンクが並んでいても、慌てる必要はたいていありません。Search Console ヘルプの「サイトへのリンクを否認する」は、ほとんどのサイトでは否認のツールを使う必要はないとし、否認が要るのは、スパム性や質の低いリンクが多数あり、それが手動による対策(Googleの担当者による順位の引き下げなど)の原因になっている、またはなりそうな場合に限る、と説明しています。この判断の目安はドメインパワーとはの後半にも書いています。

今日、自社で確かめられること

  1. Search Console の「リンク」→「上位のリンク元サイト」を開き、取引先、所属団体、自治体など、心当たりのあるサイトが並んでいるかを見る。
  2. 名前が載っているはずの団体の名簿や取引先の紹介ページを3件開き、アドレスが今のものになっているか、リンクとして押せるかを確かめる。
  3. 古いアドレスや名前だけの掲載があれば、本文の文面の例を使って、訂正として一件頼む。
  4. 協賛して載っているリンクがあれば、ページのソースで rel=”sponsored” か rel=”nofollow” が付いているかを見る。
  5. Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」の欄に、https で始まる今のアドレスが入っているかを確かめる。
  6. 自社で数えている記録のうち、顧客が特定されない形で公開できるものを一つ書き出してみる。

※この記事の Google の方針とヘルプの内容は、2026年10月16日に各ページで確かめたものです。