Contact Form 7 は、フォームから送られた内容をどこにも保存しません。通知のメールが届かなかったり、迷惑メールのフォルダに入ったまま気づかなかったりすると、その問い合わせはサイトにも残りません。Flamingo は、その送信内容をサイトのデータベースに控えとして残すプラグインです。この記事では、Flamingo の入れ方、受信メッセージの見方、CSV への書き出し、フォームごとに保存を止める設定、残した個人情報を誰が見られて、いつ消すかを、Contact Form 7 と WordPress.org の公式の説明、Flamingo の開発元が公開しているプログラム、個人情報保護委員会の資料で2026年10月時点に確かめた範囲で書きます。
メールが届かないときの原因の調べ方はWordPressのお問い合わせフォーム:作り方と、メールが届かないときの確かめ方に、フォームで何を聞くか、利用目的をどこに書くかは問い合わせフォームの項目と作り方に書いたので、ここでは繰り返しません。
この記事の結論
- Flamingo を有効にすると、Contact Form 7 の送信内容が、管理画面の「受信メッセージ」に残ります。通知メールの送信に失敗したものや、迷惑な送信と判定されたものも残ります。
- 受信メッセージを見られるのは、標準では WordPress の管理者だけです。ただし管理者のアカウントを持つ人は全員見られ、サーバーやバックアップにも同じ内容が残ります。
- 迷惑な送信と判定されたものは時間がたつと自動で片付きますが、ふつうの問い合わせは自動では消えません。いつ消すかは、使う側が決めます。
- 保存したくないフォームは、そのフォームの「その他の設定」に
do_not_store: trueと書くと、そのフォームだけ保存を止められます。 - 当社の見立てでは、Flamingo は毎日見るものではなく、月に一度の送信テストのときに、通知メールと照らし合わせるための控えです。
Flamingo は、メールが届かなくても問い合わせを残すための控え
Contact Form 7 の公式の説明は、Contact Form 7 は送信されたメッセージを保存しないため、メールサーバーの不具合やメールの設定の誤りがあると、メッセージを失うおそれがあるとしています。そのうえで、送信内容をデータベースに保存するプラグインとして、Contact Form 7 と同じ作者の Flamingo を公式の説明で案内しています。WordPress.org の Flamingo のページも、メールの配送に失敗したときのためにメッセージを残すプラグインだと説明しています。
どの送信が残るかは、Contact Form 7 の側のプログラムで決まっています。開発元が公開しているプログラムを当社が読んだ範囲では、保存されるのは送信の結果が「メールを送れた」「メールの送信に失敗した」「迷惑な送信と判定された」の三つの場合です。入力の誤りで送信できなかったものは残りません。また、Flamingo を入れる前に送られた問い合わせを、さかのぼって残すこともできません。
| 起きたこと | 通知メールだけの場合 | Flamingo を入れている場合 |
|---|---|---|
| サーバーからメールを送れなかった | どこにも残らない | 受信メッセージに残り、送信の結果に失敗と出る |
| 迷惑メール対策が正当な問い合わせを止めた | どこにも残らない | 迷惑な送信の一覧に、判定の理由と一緒に残る |
| 通知は届いたが、受信箱で見落とした | 受信箱を探すしかない | 受信メッセージを月や送信者で探せる |
| 担当者が替わり、前の担当の受信箱が見られない | 過去の分が追えない | 管理者なら過去の分を見られる |
受付の本線は、これまでどおり通知メールです。Flamingo は、通知メールが届かなかったときや見落としたときに拾うための控え、と考えると運用の手間が増えません。
Flamingo の入れ方
- 管理画面の「プラグイン」から新しいプラグインを追加する画面を開き、検索欄に「Flamingo」と入れます。
- 作者が Rock Lobster Inc.(Contact Form 7 と同じ開発元)であることを確かめて、「今すぐインストール」、続けて「有効化」を押します。
- 管理画面の左のメニューに「Flamingo」が増え、その中に「受信メッセージ」と、送信者の名前とメールアドレスをまとめた一覧(英語の画面では Address Book)が出ます。
- 自分でフォームから一通送り、受信メッセージにその送信が出ることを確かめます。
WordPress.org のページでは、2026年10月時点で有効なインストール数は80万以上、動かすには WordPress 6.7 以上が要るとされています。Contact Form 7 の側で設定を足す必要はなく、有効にした時点から保存が始まります。
件名や送信者の欄が空になるとき
入れたあとによくつまずくのが、受信メッセージの一覧の「件名」と「送信者」の欄が空になる、あるいは違う値が入ることです。Contact Form 7 の公式の説明によると、Flamingo は標準では、フォームの項目のうち your-subject、your-name、your-email という名前の値をこれらの欄に使います。フォームを作るときに項目の名前を変えていると、うまく入りません。
その場合は、フォームの編集画面の「その他の設定」のタブに、どの項目を使うかを書きます。書けるのは flamingo_email、flamingo_name、flamingo_subject の三つで、値にはメールタグ(フォームの項目を差し込む [ ] で囲んだ記号)と文字を使えます。たとえば姓と名を別の項目で聞いているフォームなら、flamingo_name: "[sei] [mei]" のように二つを並べられます([sei] と [mei] は、自社のフォームの項目の名前に置き換えます)。
受信メッセージの見方
「Flamingo」のメニューの「受信メッセージ」を開くと、届いた送信が一覧で並びます。一覧は、月と、チャンネル(どのフォームから送られたかの区分。フォームごとに自動で作られます)で絞り込めて、言葉での検索もできます。画面の表記は、言語の設定や版によって少し変わることがあるので、ここでは役割で書きます。
一件を開くと、次のことが分かります。
- フォームに入力された各項目の内容
- 同意のチェック欄を置いている場合、その同意の記録(Contact Form 7 の公式の説明でも、Flamingo を使うと同意の情報も残ると書かれています)
- reCAPTCHA を使っている場合、その判定
- 送信の結果。
mail_sentならメールを送れた、mail_failedならメールの送信に失敗した、spamなら迷惑な送信と判定された、という意味です - 送信元のIPアドレス、ブラウザの種類、送信したページのURLなどの付帯情報
送信の結果が mail_failed の問い合わせがあれば、その通知メールは社内に届いていない可能性が高いので、まず本人に連絡します。そのうえで、なぜ送れなかったかをお問い合わせフォームの記事の手順で調べます。
迷惑な送信の一覧は、月に一度は見る
Akismet や reCAPTCHA などの迷惑メール対策が止めた送信は、受信メッセージの中の迷惑な送信の一覧に、判定の理由(スパムの記録)と一緒に残ります。正当な問い合わせが混じっていたら、迷惑ではないことを示す操作で通常の一覧に戻し、本人に連絡します。
ここには期限があります。Flamingo のプログラムでは、迷惑な送信と判定されてから30日たつとゴミ箱に移されます。WordPress は標準で、ゴミ箱に入って30日たったものを完全に削除します(WordPress の開発者向けの説明による)。合わせて60日ほどで消えるので、迷惑な送信の一覧は、少なくとも月に一度は目を通しておくと間に合います。
CSV に書き出す
受信メッセージの一覧の上に、書き出し(英語の画面では Export)のボタンがあります。押すと、そのとき一覧で絞り込んでいる条件(月、チャンネル、検索の言葉)に合う送信が、CSV(表計算ソフトで開ける、カンマ区切りの文字のファイル)でダウンロードされます。列はフォームの各項目と送信日時です。迷惑な送信の一覧とゴミ箱を表示しているときは、このボタンは出ません。
月ごとの件数を数えたり、受付の記録と照らし合わせたりするときは、月とフォームで絞ってから書き出すと、余計な行が入りません。
Excel で開いて文字が崩れるとき
書き出される CSV の文字コードは、サイトの文字コードの設定に従います。多くのサイトでは UTF-8 です。Microsoft のサポートの説明では、UTF-8 の CSV は BOM(ファイルの先頭に付ける文字コードの目印)付きで保存されていれば普通に開けるとされ、そうでない場合は「データ」タブの「データの取得」から、ファイルのテキストまたは CSV として読み込む方法が案内されています。Flamingo のプログラムを読んだ範囲では、BOM は付けずに書き出しているので、ダブルクリックで開いて日本語が崩れたら、この読み込み方を試します。
もう一つ、欄の先頭に注意書き(Security Alert で始まる英文)が付いていることがあります。Contact Form 7 の公式の説明によると、先頭が「=」「+」「-」「@」の欄は、表計算ソフトが数式として動かしてしまうおそれがあるため、Flamingo 2.1.1 以降はこうした欄に注意書きを付けて書き出します。注意書きの付いた欄は、中身が疑わしい送信の目印でもあります。
書き出した CSV は、問い合わせてきた人の名前と連絡先と相談の中身がまとまったファイルです。当社の見立てでは、共有のフォルダに置きっぱなしにしたり、メールに添付して回したりせず、使い終えたら消すところまでを一つの作業にしておくと安全です。
フォームごとに保存を止める
Flamingo を有効にしたまま、一部のフォームだけ保存しないようにするには、そのフォームの編集画面の「その他の設定」のタブに、次の一行を書いて保存します(Contact Form 7 の公式の説明による)。
do_not_store: true
当社の見立てで、止めることを考えてよいのは、採用の応募のように別の仕組みで管理するフォームや、病歴や事件の経緯など、サイトに残したくない内容が書かれやすい相談のフォームです。止めたフォームは、通知メールが届かなかったときに拾う手段がなくなります。その分、月に一度の送信テストで、そのフォームも欠かさず確かめます。
なお、Flamingo そのものを無効化したり削除したりしても、すでに保存された分が消えるとは限りません。当社が開発元の公開しているプログラムを見た範囲では、プラグインを削除するときに保存済みのメッセージを消す処理は見当たりませんでした。やめるときは、先に受信メッセージを消してからにします。
保存した個人情報:誰が見られるか、いつ消すか
WordPress.org の Flamingo のページは、このプラグインがフォームで集めた送信の内容を保存し、そこには送信者の個人情報が含まれうること、保存先はサイトのサーバーのデータベースであることを明記しています。入れた時点で、サイトが問い合わせの個人情報を持ち続ける形に変わる、ということです。
見られるのは、標準では管理者のアカウントを持つ人
Flamingo のプログラムでは、受信メッセージと送信者の一覧を見たり消したりする権限を、WordPress の「ユーザーを編集できる権限」(edit_users)に結び付けています。WordPress.org の説明では、この権限を持つのは、通常のサイトでは管理者だけです。編集者や投稿者のアカウントでは、受信メッセージは見られません。
逆に言えば、管理者のアカウントを持つ人は全員見られます。サイトを作った制作会社、以前の担当者、試しに作ったまま使っていないアカウントが管理者のまま残っていれば、その人たちも問い合わせの中身を見られる状態です。権限ごとにできることと、外の人に渡す権限の決め方はWordPressのユーザー権限にまとめています。
WordPress の画面の外にも、同じ内容は残ります。サーバーのデータベースに触れられる人、サイトのバックアップのファイル、書き出した CSV、通知メールの受信箱です。Flamingo で消しても、すでに取ったバックアップや受信箱の通知メールからは消えません。
いつ消すか:法律に期間の定めはなく、使う側が決める
個人情報保護委員会のよくある質問(Q5-2)は、個人情報保護法には個人情報の保存期間や廃棄の時期の定めはないとしたうえで、個人データを利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めなければならない(法第22条)と答えています。同委員会は2026年10月7日の注意喚起でも、この条文を引き、個人データを扱う担当者と情報システムの範囲を限るためのアクセス制御や、要らなくなった個人データの消去を改めて求めています。主に大量の個人データを扱う事業者に向けた注意喚起ですが、考え方は小さな事業者の問い合わせにも当てはまります。
Flamingo の側では、迷惑な送信は先に書いたとおり自動で片付きますが、ふつうの問い合わせは、誰かが消すまで残り続けます。当社の見立てでは、Flamingo は取りこぼしに気づくための控えなので、月に一度の照らし合わせを二、三回できる期間、たとえば3か月を過ぎた分を消す、と決めておけば役目は果たせます。契約や依頼につながった方の情報は、Flamingo ではなく顧客の台帳など、本来の置き場所で管理します。
消すときは、受信メッセージを月で絞り込み、まとめて選んでゴミ箱に移し、ゴミ箱を空にします。送信者の名前とメールアドレスの一覧は受信メッセージとは別に残るので、こちらも消します。特定の人から消してほしいと頼まれたときは、WordPress の「ツール」にある個人データの消去の画面が使えます。Flamingo はこの仕組みに対応していて、メールアドレスを手がかりに、受信メッセージと送信者の一覧の両方から消します。WordPress.org の説明では、依頼を登録すると本人に確認のメールが送られ、確認が済んでから消すのが基本の流れで、確認を待たずに管理者が消す操作も用意されています。フォームでメールアドレスを聞いていない、あるいは先に書いた flamingo_email の設定がずれていると見つからないので、その場合は受信メッセージを検索して手で消します。
月に一度の送信テストと、記録の付け方(当社の見立て)
Flamingo を入れても、誰も見なければ取りこぼしには気づけません。当社は、月に一度、決まった日に次の順で確かめる形を勧めています。プラグインの更新、サーバーの引っ越し、メールや迷惑メール対策の設定を変えたときは、月の途中でも同じことをします。
- 会社の回線ではなく、スマートフォンのモバイル回線から、ふつうの問い合わせと同じようにフォームを送ります。本文には「送信テスト」と日付を書きます。
- 通知メールが受付用のアドレスに届いたか、何分で届いたか、迷惑メールのフォルダに入っていないかを見ます。
- 自動返信を設定しているなら、送ったスマートフォンに届いたかを見ます。
- Flamingo の受信メッセージに今の送信が残り、送信の結果が
mail_sentになっているかを見ます。 - 迷惑な送信の一覧に、正当な問い合わせが混じっていないかを見ます。
- 前の月の受信メッセージの件数(迷惑な送信を除く)と、受信箱に届いた通知メールの件数を数えて、合っているかを見ます。
- テストの送信と、決めた保存期間を過ぎた分を消します。
結果は、表計算ソフトに一行ずつ残します。当社が考える列の例です。
| 列 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 実施日・実施者 | いつ、誰が送ったか | 11月4日・受付担当 |
| フォーム | どのフォームで試したか | お問い合わせ、資料請求 |
| 通知メール | 届いたか、何分か、どのフォルダか | 届いた・1分・受信箱 |
| 自動返信 | 届いたか | 届いた |
| Flamingo | 残ったか、送信の結果 | 残った・mail_sent |
| 迷惑な送信の一覧 | 正当な問い合わせが混じっていたか | なし |
| 件数の照らし合わせ | 前月の受信メッセージと通知メールの件数 | 8件・8件 |
| 消した範囲 | どこまで消したか | 7月分まで、テスト1件 |
| 気づいたこと | 次に直すこと | 通知が担当者一人にしか届いていない |
通知メールが届かない、件数が合わない、送信の結果が mail_failed になっている、といった食い違いが出たら、その月に取りこぼした問い合わせがないかを受信メッセージで確かめてから、原因を、冒頭に挙げたお問い合わせフォームの記事の順で調べます。毎月の更新やバックアップとあわせて、誰がいつやるかを決めておく方法はWordPressの保守に書いています。
今日、自社で確かめられること
- 管理画面のメニューに「Flamingo」があるかを見ます。なければ、入れるかどうかを決めます。
- フォームから一通送り、受信メッセージに残るか、件名と送信者の欄に正しい値が入るか、送信の結果が
mail_sentかを見ます。 - 迷惑な送信の一覧を開き、正当な問い合わせが混じっていないかを見ます。
- 「ユーザー」の一覧を管理者で絞り込み、今は関わっていない人のアカウントが残っていないかを見ます。
- 受信メッセージを何か月残すかを決め、過ぎた分を消し、月に一度の送信テストの日を予定表に入れます。
参照した資料(いずれも2026年10月16日確認):Contact Form 7 公式ドキュメント「Save submitted messages with Flamingo」「Acceptance checkbox」「Heads-up about spreadsheet vulnerabilities」、WordPress.org「Flamingo」プラグインページ、WordPress.org「Roles and Capabilities」「Tools Erase Personal Data Screen」、WordPress 開発者向けドキュメント「wp-config.php」(EMPTY_TRASH_DAYS)、Flamingo と Contact Form 7 の開発元が公開しているプログラム、Microsoft サポート「Opening CSV UTF-8 files correctly in Excel」、個人情報保護委員会 よくある質問 Q5-2、個人情報保護委員会「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」(2026年10月7日)。