Googleタグマネージャー(GTM。サイトに入れる計測用のタグを、サイトのコードを書き換えずに一か所で出し入れするGoogleの道具)でGA4を設定する流れは、①アカウントとコンテナ(サイト1つ分のタグの入れ物)を作る、②コンテナのコードをサイトの2か所に貼る、③GTMの中でGA4の「Google タグ」を作る、④問い合わせフォームの送信や電話番号のタップを数えるタグとトリガーを足す、⑤プレビューで動きを確かめてから「公開」する、の5段階です(2026年10月時点のタグ マネージャー ヘルプで確かめた手順です)。
先に知っておいてほしい注意が二つあります。一つは、GA4のタグをサイトに直接入れたまま、GTMでもGA4のGoogle タグを動かすと、同じページの表示を二重に数えるおそれがあることです。移すときは、古いタグを外す作業と、GTMの公開を続けて行います。もう一つは、小さな会社のサイトでは、GTMを使わなくても困らない場合が多いことです。使うかどうかの見分け方から書きます。
始める前に:自社にGTMが要るかを見分ける
Googleのデベロッパー向けの案内「Google タグとタグ マネージャー」では、ページの表示やスクロールなど既定の数字だけが要るならGoogle タグを一度入れれば足りる、GoogleとGoogle以外のタグを管理する必要がある担当者にはタグ マネージャーが合う、と整理されています。これを小さな会社に当てはめると、当社の見立ては次のとおりです。
| こういう状態なら | 当社の見立て |
|---|---|
| 入れているのはGA4だけで、広告のタグはない | GTMなしで足りることが多い |
| GA4の拡張計測機能(設定を足さずにスクロールやフォームの操作などを数える機能)とフォーム側の仕組みで、問い合わせの送信がすでに数えられている | GTMなしで足りる。キーイベントの印だけ確かめる |
| サイトを触るのは社内の1人だけで、計測の設定はめったに変えない | GTMを足すと、設定を見る場所が増えるだけになりやすい |
| 電話番号のタップや、特定のボタンの押下を数えたい | GTMを使うと、テーマのファイルを触らずに足せる |
| Google広告やほかの広告のタグを複数入れる予定がある | GTMにまとめると、どこに何が入っているかが一覧で分かる |
| 制作会社や外の担当者に計測の変更を頼むことがある | GTMの「バージョン」で、誰がいつ何を変えたかが残る |
迷ったときは「GA4のほかに、数えたいものや入れたいタグが具体的にあるか」で決めてください。具体的なものがないなら、GA4を直接入れた形のままにして、まずはGA4の設定方法に書いた設置直後の設定を済ませるほうが、数字はすぐ使えるようになります。GTMはあとから入れても間に合います。
GTMで出てくる言葉:タグ・トリガー・変数・コンテナ
GTMの画面は、四つの言葉が分かれば読めます。
| 言葉 | 何にあたるか | この記事での例 |
|---|---|---|
| コンテナ | サイト1つ分のタグの入れ物。「GTM-」で始まるIDが付く | 自社サイト用に1つ |
| タグ | GA4などにデータを送る部品 | Google タグ、GA4 イベントのタグ |
| トリガー | タグを動かすきっかけ | ページの読み込み、フォームの送信、リンクのクリック |
| 変数 | トリガーの条件に使う値 | Click URL(押されたリンクの行き先)、Form ID |
GA4が「数えて表にする側」、GTMが「サイトの中でいつ何を送るかを決める側」です。GTMを入れても、数字を見る場所はこれまでどおりGA4です。
手順1:アカウントとコンテナを作る
- パソコンのブラウザで tagmanager.google.com を開き、Googleアカウントでログインします。
- 左上の「アカウント」タブを開き、右上の「アカウントを作成」を押します。
- 「アカウントの設定」で、アカウント名(社名で構いません)と国を入れます。
- 「コンテナの設定」で、コンテナ名とコンテナの種類を選びます。種類は「ウェブ」です。ヘルプでは、ウェブサイト用のコンテナ名はサイトの最上位のURL(例:www.example.com)にするよう案内されています。
- 「作成」を押し、利用規約に同意します。
コンテナはサイト1つにつき1つで足ります。ヘルプにも、ページごとにコンテナを用意する必要はないとあります。
ここで決めておきたいのは、どのGoogleアカウントで作るかです。GA4と同じで、制作会社の担当者のアカウントで作ると、契約が終わったあとに自社で中身を見られない、直せない、ということが起きます。会社として管理しているGoogleアカウントで作り、外の担当者にはあとから加わってもらう形にしてください。GA4の側で外の人に渡す権限の考え方はGA4の権限付与とユーザー追加に書いています。
手順2:コンテナのコードをサイトの2か所に貼る
コンテナを作ると、サイトに貼るコードが表示されます。あとから見るときは、「ワークスペース」タブで「GTM-」で始まるコンテナIDを押すと、「Google タグ マネージャーをインストールする」の画面にコードが出ます。
コードは二つに分かれていて、貼る場所が違います。
- 一つ目:各ページの <head> の開始タグの直後。ヘルプでは、head のできるだけ上のほうに置くよう案内されています。
- 二つ目(noscript で始まる短い方):<body> の開始タグの直後。
WordPressのサイトなら、入れ方は主に次の三つです。どれか一つに絞ってください。
| 入れ方 | 気をつけること |
|---|---|
| Site Kit by Google(Googleが作っているWordPressのプラグイン)の Tag Manager の機能 | Site Kit の説明書では、Site Kit がコードを置く設定(英語の説明書では「Let Site Kit place code on your site」)があり、切ると自分でコードを入れる必要があるとされています |
| 子テーマ(親テーマの更新で消えない上書き用のテーマ)にコードを書く | head と body の2か所に入っているかを確かめる。親テーマに書くと更新で消える |
| テーマやプラグインの「head にコードを追加」する欄 | head の欄しかない場合、二つ目のコードを置く場所が別に要る |
貼ったら、コードの画面でサイトのURLを入れて「テスト」を押すと、コンテナが入っているかを確かめられます。キャッシュ(表示を速くするための保存)を使っているサイトでは、古いページが配られたままで「入っていない」と出ることがあるので、先にキャッシュを消してください。消す場所と順番はWordPressで変更が反映されないときにまとめています。
この時点ではまだ、コンテナは空です。コードを貼っただけでは、GA4には何も送られません。
手順3:GA4の「Google タグ」をGTMで作る
- コンテナを開き、「ワークスペース」タブの左側で「タグ」を押し、右上の「新規」を押します。
- タグに名前を付けます(例:「Google タグ GA4」)。
- 「タグの設定」で、タグの種類に「Google タグ」を選びます。
- 「タグ ID」に、GA4の測定ID(「G-」で始まる番号)を入れます。測定IDは、GA4の「管理」→「データ ストリーム」→自社サイトのストリームを開いた画面の最初の行にあります。見つからないときの確かめ方はGA4の設定方法に書いています。
- 「トリガー」で「初期化 – すべての初期化イベント」を選びます。
- 「保存」を押します。
ヘルプによると、このGoogle タグは、GA4が自動で集めるイベントと、拡張計測機能のイベントを送ります。ページの表示、スクロール、外部サイトへのリンクのクリックなどは、このタグ一つで、GA4に直接入れていたときと同じように数えられます。拡張計測機能のオン・オフはGTMではなく、GA4のデータストリームの設定で決まります。
「保存」は、GTMの中に下書きとして残すだけです。サイトに反映されるのは、手順5の「公開」のあとです。
GA4を直接入れているサイトでは、二重計測に気をつける
いちばん起きやすい失敗がこれです。テーマの入力欄やSite Kit、header.php などでGA4のタグ(gtag.js)を直接入れているサイトに、GTMでも同じ測定IDのGoogle タグを入れると、同じページの表示を2か所から同じ測定IDに送ることになり、GA4ではページビューが実際より多く出ます。
いま何が入っているかの確かめ方
- 自社のトップページで右クリックから「ページのソースを表示」を選び、「gtag」「G-」「GTM-」を検索します。「gtag/js?id=G-」のような行があればGA4が直接入っています。「GTM-」があればGTMのコンテナが入っています。
- WordPressなら、Site Kit でアナリティクスがつながっていないか、テーマの設定に測定IDが入っていないかを見ます。Site Kit は、ほかの方法で同じサービスのコードが入っていると、つなぐときに知らせてくれると説明書にあります。
- 「GTM-」が二つ見つかる場合は、前の担当者が作った別のコンテナが残っている可能性があります。どちらを使うかを決め、使わない方は外します。
移すときの順番
Googleのデベロッパー向けの案内「Google タグ マネージャーに移行する」では、GTMの中でタグとトリガーを先に作っておき、公開はせずに待つ、最後に古いタグの削除とコンテナの公開を数分のうちに続けて行う、という順番になっています。案内には、古いタグを先に消すとデータに小さな空白ができること、公開を先にしてすぐ古いタグを消す順だと、空白はできないかわりに軽い重複が一度起きうることが書かれています。
- GTMでGoogle タグとトリガーを作り、プレビューで動くことを確かめる(まだ公開しない)。
- サイトから、直接入れていたGA4のタグを外す(テーマの欄を空にする、Site Kit のアナリティクスのコードを置く設定を切る、など)。
- 続けてGTMで「公開」する。
- ページのソースで「gtag/js?id=G-」が消え、「GTM-」だけが残っているか、GA4のリアルタイムに自分のアクセスが出るかを確かめる。
Site Kit を使っている場合、Site Kit の説明書は、GA4はGTMの中ではなく Site Kit のアナリティクスの機能で入れることを勧めています。Site Kit でGA4を入れたままGTMも使うなら、GTMの側にはGA4のGoogle タグを作らず、広告のタグなどほかの用途に使う、という分け方もあります。どちらにしても、GA4の基本のタグを入れる場所は一か所にします。
手順4:問い合わせにつながる動きをトリガーで数える
GTMを入れる理由になりやすいのが、フォームの送信と電話番号のタップです。どちらも「トリガーを作る」→「GA4 イベントのタグを作ってそのトリガーにつなぐ」の二段で設定します。
フォームの送信を数える
- 「トリガー」で「新規」を押し、「トリガーの設定」で「フォームの送信」を選びます。
- 「このトリガーの発生場所」で「一部のフォーム」を選び、条件を入れます。ヘルプでは、特定のURLなどで場所を絞ると動作が軽くなるとされています。例:「Page URL」「含む」「/contact/」。
- 「妥当性をチェック」は、オンにすると、フォームが正しく送信された場合だけ動きます。オフだと、送信しようとした時点で動きます。入力漏れで送れなかった分まで数えないよう、当社はオンで確かめることから始めます。
- 「タグの配信を待つ」は、オンにすると、タグが送り終わるか時間切れになるまで送信を少し待たせます。オフだと、送り終わる前に次のページへ移ってしまうことがあるとヘルプにあります。
- 保存したら、「タグ」の「新規」で、タグの種類に「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選びます。「測定 ID」にGA4の測定IDを、「イベント名」に generate_lead を入れ、トリガーに今作ったフォーム送信のトリガーを選んで保存します。
generate_lead は、GA4で問い合わせの送信などに使う名前としてGoogleが決めている「推奨イベント」の一つです。ヘルプでは、決められた名前を使えば推奨イベントになり、それ以外の名前はカスタム イベントになるとされています。
気をつけたいのは、フォームの作りによってはこのトリガーが反応しないことがある点です。ヘルプには、どの作りのフォームで反応しないかは書かれていません。当社は、手順5のプレビューで実際に一通り送ってみて、このタグが動くかどうかで判断します。動かない場合は、送信後に開く完了ページ(例:/thanks/)があれば、トリガーの種類を「ページビュー」にして「Page URL」「含む」「/thanks/」で数える方法に切り替えます。また、フォームのプラグインやSite Kit などがすでに generate_lead を送っている場合は、GTMでも送ると二重になります。GA4の「イベント」の一覧に generate_lead がすでに出ていないかを、先に見てください。
電話番号のタップを数える
スマートフォンで電話番号を押すと電話がかかるリンクは、行き先が「tel:」で始まります。これを条件にします。
- 先に、条件に使う「Click URL」を使える状態にします。左のメニューの「変数」を押し、「組み込み変数」の「設定」を押して、Click URL にチェックを入れます。
- 「トリガー」の「新規」で、「トリガーの設定」から「クリック」の「リンクのみ」を選びます。「リンクのみ」は、a 要素(ふつうのリンク)のクリックだけを数える種類です。
- 「このトリガーの発生場所」で一部のクリックを選び、「Click URL」「含む」「tel:」と入れて保存します。
- 「Google アナリティクス: GA4 イベント」のタグを新しく作り、「イベント名」に自社で決めた名前(例:tel_click)を入れ、このトリガーにつなぎます。電話のタップには推奨イベントの名前がないので、カスタム イベントになります。
数えられるのは「押した」ことまでです。電話がつながったか、話が問い合わせになったかは分かりません。パソコンで押されても数えられます。電話の件数そのものは、受付の記録と並べて読んでください。
イベントを送れるようになったら、GA4の側で generate_lead などに「キーイベント」(大事な出来事として別に数えるための印)を付けます。付け方と、どれに付けるかの考え方はGA4のイベント数とはに書いています。印を付けないと、送信は記録されていてもキーイベントの欄は0のままです。
手順5:プレビューで確かめてから公開する
プレビュー
- 「ワークスペース」タブの右上の「プレビュー」を押します。新しいタブで Google Tag Assistant(タグの動きを確かめるGoogleの道具)が開きます。
- 自社サイトのURLを入れて「接続」を押します。別のウィンドウでサイトが開き、右下に「接続済み」と出ます。サイトの表示が崩れる場合は、「URL にデバッグ シグナルを含める」をオフにして接続し直します。
- 開いたサイトでページを移動し、問い合わせフォームから「動作確認です」と書いて一通り送り、電話番号のリンクも押してみます。
- Tag Assistant の画面で、Google タグとそれぞれのイベントのタグが動いたかを見ます。GA4の側でも、リアルタイムのレポートや DebugView で、送ったイベントが届いたかを確かめられます。
プレビューの画面は、プレビューを始めたブラウザ(と共有した人)にしか出ません。ヘルプにも、サイトに来ている通常の人には表示されないとあります。ただし、テストで送ったフォームはふつうの問い合わせとして届き、GA4にも1件として記録されます。受付の記録に「確認用」と残しておくと、あとで数字を並べるときに迷いません。
公開
- 「ワークスペース」タブの右上の「送信」を押します。
- 「送信の設定」で「バージョンの公開と作成」を選びます(「バージョンを作成」は、保存だけで公開しません)。
- バージョンの名前と説明を入れます。例:「GA4 Google タグ・問い合わせ送信と電話タップ 追加」。あとで見返したときに何を変えたかが分かる書き方にします。
- 右上の「公開」を押します。
公開のあとに不具合が見つかったときは、「バージョン」の画面で、戻したいバージョンの「アクション」から「次に公開」を選ぶ(またはそのバージョンを開いて「アクション」から「公開」を選ぶ)と、前の状態に戻せます。バージョンの名前と説明を丁寧に書いておくと、この戻し作業で迷いません。
よくあるつまずきと、見るところ
| 起きていること | まず見るところ |
|---|---|
| 設定したのにGA4に何も出ない | 「保存」だけで「公開」していないことが多い。「バージョン」の画面で最新が公開されているかを見る |
| GTMに替えたらページビューが倍近くになった | 直接入れたGA4のタグが残っている。ページのソースで「gtag/js?id=G-」を探す |
| トリガーの条件に Click URL が出てこない | 「変数」→「組み込み変数」の「設定」で有効にしていない |
| フォームを送ってもタグが動かない | フォーム送信のトリガーが反応しない作りの可能性。完了ページで数える方法を試す |
| generate_lead が送信の数より多い | GTMとフォームのプラグインの両方から送っていないか、テスト送信が混ざっていないか |
| GTMの管理画面に入れる人が社内にいない | コンテナが外の人のGoogleアカウントにある。会社のアカウントを加えてもらう |
当社は、ホームページを作って終わりにせず、問い合わせが来るまで手を入れ続ける仕事をしています。計測はその土台ですが、GTMを入れること自体が目的ではありません。「GTMとGA4の両方が入っているらしいが、どちらで何を数えているか分からない」という状態から整理する場合の手順は、当社の進め方のページに書いています。
今日、自社で確かめられること
- 自社のトップページのソースで「gtag」「G-」「GTM-」を検索し、GA4が直接入っているか、GTMが入っているか、両方かを書き出す。
- GTMが入っているなら、tagmanager.google.com でそのコンテナを開けるGoogleアカウントが社内にあるかを確かめる。
- GA4の「イベント」の一覧で、generate_lead などフォーム送信のイベントがすでに記録されているかを見る。記録されていれば、GTMで同じものを足す必要はない。
- この記事の最初の表で、自社が「GTMなしで足りる」側か「GTMを使うと楽になる」側かを決める。
- GTMを使うと決めたら、まずプレビューまでを進め、公開は古いタグを外す作業と同じ時間帯にまとめて行う。
手順と画面の名前は、2026年10月時点で次の公式の説明を読んで確かめたものです。GTMとGA4の画面は変わることがあります。
- タグ マネージャー ヘルプ「1. アカウントとコンテナを作成する」(続く「2. ウェブコンテナをインストールする」「3. Google タグ マネージャーでタグを追加する」「4. タグを検証して公開する」も含む)
- タグ マネージャー ヘルプ「タグ マネージャーで Google アナリティクスを設定する」
- タグ マネージャー ヘルプ「タグ マネージャーで Google アナリティクス イベントを設定する」
- タグ マネージャー ヘルプ「フォーム送信トリガー」・「クリック トリガー」
- タグ マネージャー ヘルプ「コンテナのプレビューとデバッグ」・「公開、バージョン、承認」
- Google for Developers「Google タグ マネージャーに移行する」・「Google タグとタグ マネージャー」
- Site Kit by Google の説明書:Tag Manager(英語)