GA4(Googleアナリティクス4)のイベントとは、サイトの上で起きた出来事の記録です。ページが表示された、スクロールした、フォームに触れた、といった出来事が1件ずつ名前つきで記録されます。イベント数は、Googleのヘルプの言葉では「ユーザーがイベントをトリガーした回数」です。GA4ではページの表示もイベントとして数えるので、イベント数の合計は「何かが起きた回数の総数」で、それだけでは良し悪しを判断できません(2026年10月時点のGoogleのヘルプによる)。
キーイベントは、そのイベントの中から「事業にとって大事な出来事」として印を付けたものです。ヘルプでは「ビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測定するイベント」とされ、収集したどのイベントでもキーイベントにできます。印は自動では付きません。フォームの送信を記録していても、印を付けなければキーイベントは0のままです。当社のサイトがまさにその状態でした。この記事では、当社のイベントの一覧を例に、どれが何を数えているか、イベント数の読み方、キーイベントの付け方と考え方を順に書きます。
Googleアナリティクスのイベント数とは:1回の訪問で何が数えられるか
例で言うと、初めて来た人がサイトを開いて3ページを読んだ場合、ページが読み込まれるたびに記録される page_view だけで3と数え、訪問の開始の session_start と、初めての訪問の first_visit がそれぞれ1件加わります。ページの最下部近くまで読めば、そのページごとに初めての1回だけ scroll も加わります(アナリティクス ヘルプ「自動的に収集されるイベント」「拡張計測機能イベント」)。つまりイベント数の合計は、訪問者の数でも問い合わせの数でもなく、こうした記録をすべて足した回数です。イベント名ごとの回数は「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」の表で確かめられ、下に載せた当社の一覧では、合計1,477のうち問い合わせのフォーム送信(generate_lead)は2でした。
イベント・イベント数・キーイベントの違い
| 用語 | ヘルプの説明(抜粋) | ひとことで |
|---|---|---|
| イベント | ウェブサイトまたはアプリ上での特定のインタラクションや事象を測定 | 出来事の記録 |
| イベント数 | ユーザーがイベントをトリガーした回数 | 出来事が起きた回数 |
| キーイベント | ビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測定するイベント | 大事な出来事として印を付けたもの |
以前のGA4では、キーイベントにあたるものを「コンバージョン」と呼んでいました。今のGA4で「コンバージョン」と言うと、Google広告の成果の計測に使うものを指します。ヘルプでは「イベント → キーイベント → コンバージョン」の順に、キーイベントをもとにGoogle広告でコンバージョンを作る、という関係で説明されています。
イベントは4種類ある
ヘルプ「イベントについて」では、イベントを次の4つに分けています。
- 自動収集イベント:GA4を入れただけで記録されるもの(初めて来た、訪問が始まった、など)。
- 拡張計測機能イベント:GA4の設定で「拡張計測機能」をオンにすると記録されるもの(スクロール、外部リンクのクリック、フォームの操作など)。コードの変更は要りません。
- 推奨イベント:名前と中身がGoogleによって決められているが、自分で送る設定をするもの。ヘルプでは、推奨イベントは「自動的に送信されることはありません」とされています。
- カスタム イベント:自分で名前を決めて送るもの。ほかに合うものがないときだけ作るよう、ヘルプでは勧めています。
当社のイベント一覧で見る:どれが何を数えているか
当社のサイトのGA4を、2026年10月8日に「過去28日間」(9月11日〜10月8日)で見たイベントの一覧です。イベント数の合計は1,477、キーイベントは0でした。
| イベント名 | 回数/人数 | 種類 | 記録される出来事 |
|---|---|---|---|
| page_view | 534/111 | 拡張計測 | ページが表示された |
| user_engagement | 356/41 | 自動 | ページが前面に1秒以上表示された |
| scroll | 234/30 | 拡張計測 | ページの最下部近くまで初めてスクロールした |
| session_start | 221/110 | 自動 | 訪問(セッション)が始まった |
| first_visit | 109/109 | 自動 | 初めてサイトに来た |
| form_start | 10/10 | 拡張計測 | その訪問で初めてフォームを操作した |
| click | 9/3 | 拡張計測 | 外のサイトへのリンクを押した |
| generate_lead | 2/2 | 推奨 | 問い合わせのフォームを送信した |
| email_click | 1/1 | カスタム | メールアドレスのリンクを押した |
| view_search_results | 1/1 | 拡張計測 | サイト内検索の結果を見た |
「記録される出来事」は、ヘルプ「自動的に収集されるイベント」「拡張計測機能イベント」「[GA4] 推奨イベント」の説明をもとに短くしたものです。email_click はGoogleが名前を決めているイベントではなく、サイトの側の設定で送っているカスタム イベントです。generate_lead も推奨イベントなので、自動では送られません。フォームやメールの合図を送る仕組みはGA4で問い合わせを計測するに書いています。
読み違えやすいものが2つあります。
- click は「サイト内のクリック」ではない:ヘルプでは「ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックするたび」に記録されるものです。サイト内のボタンやメニューを押した回数ではありません。当社の9回は、外のサイトへのリンクが押された回数です。
- form_start は「送信」ではない:フォームに初めて触れた(入力を始めた)ことの記録です。送ったかどうかは分かりません。当社の一覧には、拡張計測機能の form_submit(フォームの送信)が出ていません。理由はこのデータだけでは確定できません。代わりに推奨イベントの generate_lead が記録されているので、送信の数はこちらで見ます。
イベント数は「何と比べるか」で読む
当社の1,477のうち、page_view、user_engagement、scroll、session_start、first_visit の5つで1,454(約98%)を占めています。どれも「来た」「開いた」「読んだ」の記録です。つまり、イベント数の合計は、ほとんど訪問と閲覧の量で決まります。イベント数が増えても、問い合わせに近い出来事が増えたとは限りません。
読むときは、合計ではなく、問い合わせまでの段階ごとのイベントを並べて比べます。当社の28日間を並べると次のようになります。
| 段階 | 人数 |
|---|---|
| お問い合わせのページ(/contact/)を見た | 20人 |
| フォームを操作し始めた(form_start) | 10人 |
| フォームを送信した(generate_lead) | 2人 |
段階ごとに人数が細っていく様子が見えます。たとえば、触れた人に比べて送った人が極端に少ない状態が続くなら、フォームの項目や確認画面に、途中でやめたくなる理由がないかを疑います(フォームの項目の考え方は問い合わせフォームの項目と作り方に書いています)。
ただし、当社のこの数字には注意が要ります。この期間はサイトの作り直しの最中で、当社や関係者が確認のために開いた分が多く含まれていると当社はみています。社内の閲覧を除く設定はしていません。generate_lead の2件が実際の問い合わせか、動作確認のための送信かは、このデータだけでは区別できません。ですから、上の表から「20人中2人が問い合わせた」とは読めません。実際の件数は受付の記録で数え、GA4の数字はその横に並べて使います。考え方は問い合わせの数え方に書いています。
もう一つの比べ方は、同じイベントを前の期間や経路ごとに並べることです。たとえば「セッションあたりのイベント数」は当社の合計で6.56でしたが、この数字も単独では意味がありません。検索から来た訪問とそれ以外で比べる、前の月と比べる、といった使い方をします。訪問の数え方はGA4のセッションとはに書いています。
よくある設定漏れ:送信の記録はあるのにキーイベントが0
当社のGA4は、フォーム送信の推奨イベント generate_lead が記録されているのに、キーイベントが0でした。送信の合図を送る設定はしたものの、GA4の側で「これは大事な出来事だ」という印を付けていなかったためです。推奨イベントは名前がGoogleの決めたものでも、キーイベントの印は自分で付ける必要があります。
この状態を放っておくと、次のことが起きます。
- ホームやレポートの「キーイベント」の欄が0のままで、どの経路・どのページから送信が出たかを、キーイベントの列で見られない。
- 「セッション キーイベント レート」(キーイベントが起きた訪問の割合)が使えない。
- エンゲージのあったセッションの条件の一つ「キーイベントが発生する」が働かない。
- Google広告を使うとき、GA4の送信の記録をもとにコンバージョンを作る方法が使えない(GA4のキーイベントが元になるため)。
そして、後から印を付けても過去の分はさかのぼりません。ヘルプには「イベントにキーイベントとしてマークを付けると、作成時点以降のレポートに反映されますが、過去のデータは変更されません」とあります。当社の2件の generate_lead も、今から印を付けてもキーイベントには数え直されません。直すのに費用も手間もほとんどかからないので、気づいた日に直すのがよい設定です。
キーイベントに指定する手順
ヘルプ「イベントにキーイベントとしてマークを付ける」による手順です。マーケティング担当者以上の権限が必要とされています。権限の種類はGA4の権限付与とユーザー追加に書いています。
すでに記録されているイベントに印を付ける
- GA4の左下の「管理」を押す。
- 「データの表示」の中の「イベント」を押す。
- 「最近のイベント」の一覧か検索で、generate_lead など印を付けたいイベントを探す。
- イベント名の横にあるスター(星)のアイコンを押す。
「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」の表からも、行の右端の3つの点のアイコンから印を付けられます(ヘルプ「[GA4] イベント レポート」による)。
まだ一度も記録されていないイベントに、先に印を付ける
電話番号のタップなど、設定したばかりでまだ一覧に出ていないイベントもあります。ヘルプでは、先に印を付けておけば、記録された時点でキーイベントとして扱われるとされています。
- 「管理」→「データの表示」→「イベント」を開く。
- 「+ イベントを作成」を押す(このボタンが出ないときは、権限が足りない可能性があります)。
- イベント名を、サイトから送る名前と一字違わず入れ、「キーイベントとしてマークを付ける」の切り替えをオンにする。
- キーイベントの値とカウント方法を選び、「作成」を押す。
付けたあとに確かめる
ヘルプによると、通常のレポートに出るまでには最大24時間かかります。リアルタイムのレポートなら、キーイベントが起きてから数分で出ます。自社のフォームから「計測の確認です」と書いて一通送り、「レポート」→「リアルタイム」の「イベント名ごとのキーイベント数」のカードに generate_lead が出るかを見てください。テストの送信も1件と数えられるので、受付の記録には「確認用」と残しておくと、あとで数字を並べるときに迷いません。
何をキーイベントにするか:問い合わせに一番近いものに絞る
キーイベントは標準のプロパティで30個まで指定できます(ヘルプによる)。数に余裕はありますが、小さな会社のサイトでは、問い合わせが届いたことに最も近い出来事だけに絞ることを当社は勧めます。
| イベント | キーイベントに | 理由 |
|---|---|---|
| フォームの送信(generate_lead など) | する | 問い合わせが届いたことに最も近い |
| 電話番号のタップ | する(別に読む) | 電話の多い業種では欠かせない。ただし押しただけで、つながったかは分からない |
| メールアドレスのリンク | どちらでも | メールの画面が開いただけで、送ったかは分からない |
| フォームの操作開始(form_start) | しない | 入力を始めただけ。段階の比較に使う |
| スクロール、ページ表示、外部リンクのクリック | しない | 成果ではなく、閲覧の記録 |
スクロールなどをキーイベントにすると、困ることがあります。キーイベントが起きた訪問は「エンゲージのあったセッション」に数えられるので、ほとんどの訪問がそれに当たり、エンゲージメント率で読み分けられなくなります。キーイベントの欄も「成果」の数字ではなくなります。成果に近いものだけを印にしておけば、キーイベントの数字を見ただけで「送信や電話のタップが何回あったか」が分かります。エンゲージメント率の読み方はGA4のエンゲージメント率と直帰率に書いています。
カウント方法は「イベントごとに1回」のままでよい
キーイベントには数え方が2つあります。ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」によると、「イベントごとに 1 回」(推奨)は起きるたびに数え、「セッションごとに 1 回」(従来版)は1回の訪問の中で何度起きても1回と数えます。以前のアナリティクスの目標から移したものを除き、既定は「イベントごとに1回」です。
同じ人が念のため2回送ったような場合、「イベントごとに1回」では2件になります。それでも、問い合わせの件数は受付の記録で数えると決めておけば、GA4の数え方を変える必要はありません。変えても、変えたあとに起きた分にしか効かない点にも注意してください。
放っておいてよいイベント、確かめたほうがよいイベント
| 見えたこと | 判断 |
|---|---|
| 知らない英語の名前のイベントがたくさんある | 多くは自動・拡張計測のもの。放っておいてよい |
| イベント数の合計が増えた・減った | 訪問の増減でほぼ決まる。セッションの増減と並べて見る |
| 送信のイベントはあるがキーイベントが0 | 放っておかない。今日、印を付ける |
| フォームの問い合わせが来ているのに送信のイベントが0 | 送信の計測が動いていない。テスト送信とリアルタイムで確かめる |
| 送信のイベントが受付の記録より多い | テスト送信、二重送信、営業の売り込みが混ざっていないか見る |
送信の合図をまだ送っていない場合は、キーイベントの印を付ける前に、サイトの側で合図を送る準備が要ります。当社のサイト(WordPress)での入れ方はGA4で問い合わせを計測するに書いています。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るまでを引き受けています。イベントやキーイベントの設定は、そのための数え方の土台です。「GA4は入っているが、問い合わせをどう数えているのか誰も説明できない」という状態でしたら、相談するからお知らせください。設定の確認から一緒に進めます。
参考にした公式の説明
- アナリティクス ヘルプ「イベントについて」(イベントの定義と4つの種類)
- アナリティクス ヘルプ「[GA4] イベント レポート」(イベント数の定義)
- アナリティクス ヘルプ「自動的に収集されるイベント」
- アナリティクス ヘルプ「拡張計測機能イベント」
- アナリティクス ヘルプ「[GA4] 推奨イベント」(generate_lead)
- アナリティクス ヘルプ「キーイベントについて」
- アナリティクス ヘルプ「Google アナリティクスのコンバージョンとキーイベント」
- アナリティクス ヘルプ「イベントにキーイベントとしてマークを付ける」
- アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」
- アナリティクス ヘルプ「[GA4] Google アナリティクス 360」(キーイベント数の上限:標準プロパティは30)
- アナリティクス ヘルプ「[GA4] エンゲージメント率と直帰率」
※定義と画面の名前は、2026年10月時点のGoogleのヘルプによるものです。GA4の画面や表示名は変わることがあります。当社の数字は、2026年10月8日に当社サイトのGA4で「過去28日間」を見たものです。