ClaudeでWordPressのホームページを作り、運営するには、WordPressにプラグイン「AI Engine」(Meow Apps社)を入れてMCPの機能を有効にし、Claudeの「コネクタ」にサイトのアドレスを登録して、WordPressにログインして承認します。つながると、Claudeとの会話から記事や固定ページを作り、下書きとして保存し、公開することまでできます。
当社のサイトも、WordPressにAI EngineのMCP機能を入れ、Anthropic社のAI「Claude」から記事・固定ページの作成、下書き保存、公開、設定の読み取りを行っています。記事の中身はAIに調査と下書きをさせ、公開は人が読んで明示に了承してから行っています。ChatGPTなど別のAIでホームページを作る場合の手順は、ChatGPTでホームページを作る方法:できること・できないことと公開までの手順にまとめています。
つなぐ前に決めておくことは3つです。①戻せるようにバックアップを取る。②どのユーザーで承認するかを決める(Claudeは、承認したユーザーの権限でサイトを操作できるため)。③AIに触らせる機能の範囲を決める。手順と画面の名前は、2026年10月時点のMeow AppsとAnthropicの公式の説明によるもので、表示は変わることがあります。
MCPとAI Engineで何ができるか
MCP(Model Context Protocol)は、AIが外の道具やデータにつながるための共通の決まりで、Anthropicが公開した開かれた規格です。AI Engineは、WordPressを、このMCPでAIから操作できる状態にするプラグインです。
WordPress.orgのプラグインページによると、AI Engineのプラグイン自体は無料で、MCPのサーバー機能も月額なし・利用上限なしで使えると書かれています。プラグインやテーマ、データベースの操作など、追加の道具の一部は有料版(Pro)の機能です。Meow Appsの説明では、記事・固定ページ、メディア(画像など)、カテゴリーやタグの操作を含む30以上の道具がClaudeから使えるようになります(2026年10月8日確認)。
当社が実際にClaudeに任せているのは、次の作業です。
- 記事・固定ページの作成と、下書きとしての保存
- 既存のページの読み取り(本文、題、設定)と一覧づくり
- 人が了承したあとの公開
- 見た目の確認のための画面の撮影(WordPressの外で、ブラウザを動かして行います)
「AIにホームページを作らせる」方法には、この形のほかに、作成サービスのAIや対話AIでコードを書かせる方法もあります。3つの違いはAIでホームページを作る方法で比べています。
つなぐ前に決める3つ:バックアップ、承認するユーザー、触らせる機能
Meow Appsの説明には、MCPでつなぐと、Claudeが記事・プラグイン・テーマ・設定を作成・変更・削除できるようになる、と警告があり、「まずテスト用のサイトで始め、本番のサイトでは慎重に」と勧めています。当社が導入前に決めておくべきだと考えるのは、次の3つです。
バックアップ:本文はリビジョンで戻せても、設定は戻せない
WordPressには「リビジョン」(過去の版の記録)があり、記事や固定ページの題・本文・抜粋などは、保存のたびに記録が残ります。WordPressのドキュメントでは、設定サイドバーの「投稿」または「ページ」のタブで「リビジョン」の横の数字を押すと過去の版の比較画面が開き、戻したい版を選んで復元できると説明されています。
ただし、リビジョンが記録するのは記事や固定ページの中身です。プラグインの追加や削除、テーマや設定の変更は、リビジョンでは戻せません。サーバーの管理画面かバックアップ用のプラグインで、ファイルとデータベースの両方のバックアップを取り、戻し方を一度確かめてからつなぎます。サーバー会社がテスト用の複製サイト(ステージング)を用意しているなら、まずそちらでつなぐのが無難です。
承認するユーザー:Claudeは、そのユーザーにできることができる
Claudeから接続するときは、OAuth(パスワードを渡さずに、ログインと承認だけで利用を許す方式)が使われます。Meow Appsの説明では、Claudeは承認したWordPressのユーザーの権限で動き、承認の画面にはユーザーの権限と、どのアプリが求めているかが表示されます。
つまり、管理者のアカウントで承認すれば、Claudeは(有効にした機能の範囲で)管理者と同じことができます。記事を書かせるだけなら、管理者の権限までは要らないはずです。どのユーザーで承認するかが、そのまま「AIに渡す権限」を決めることになります。ただ、管理者以外のユーザーで承認したときにどの道具が使えるかは、AI Engineの版や設定で変わりうるので、テスト用のサイトで確かめてから本番でつなぐのが確かです。管理者・編集者・投稿者など、WordPressの権限ごとにできることの違いは、WordPressのユーザー権限にまとめています。
触らせる機能:最初は「WordPress」だけで足りる
AI EngineのMCPの設定には「MCP Features」という欄があり、どの機能の道具をAIに見せるかを選べます。「WordPress」(記事・固定ページなど)が最初からオンで、プラグイン、テーマ、多言語化のPolylang、ネットショップのWooCommerceなどを足せます(WordPress.orgのプラグインページでは、プラグイン・テーマなどの管理の道具は有料版の機能とされています)。記事と固定ページを作るのが目的なら、プラグインとテーマはオフのまま始めるのが安全です。
つなぐ手順(2026年10月時点の公式の説明による)
WordPressの側
- 管理画面の「プラグイン」から新規追加の画面を開き、「AI Engine」を検索してインストールし、有効化します。
- 管理画面の「AI Engine」から「Settings」を開き、「MCP」のタブに進みます。
- 「Enable MCP Server」をオンにします。Claudeとつなぐ(OAuthで承認する)だけなら、必要なスイッチはこれ一つだとMeow Appsは説明しています。
- 「MCP Features」で、使う機能だけをオンにします。
- 接続先のアドレスを控えます。形は https://(自社のドメイン)/wp-json/mcp/v1/http です。
Claudeの側
AnthropicのヘルプではPro・Maxのプランの場合、次の手順です。無料のプランでは、追加できるカスタムコネクタ(自分で登録する接続先)は一つまでです。TeamやEnterpriseのプランでは、組織の管理者が追加し、メンバーはそれぞれ「Connect」でつなぎます。
- Claudeの「Customize」から「Connectors」を開きます。
- 「+ Add」を押し、「Add custom connector」を選びます。
- 名前(例:自社サイト)と、控えておいたアドレスを入れて「Continue」を押します。
- 検出された認証の設定を確かめて「Continue」を押し、認証の方法を選んで「Add」で追加します。
- ブラウザでWordPressのログイン画面が開くので、ログインします。承認の画面に表示されたユーザーと権限を確かめてから「Approve」を押します。
Claudeのデスクトップアプリでも同じようにコネクタとして追加できます。画面の名前はアプリの版によって違うことがあります。Claude Codeのような開発者向けの道具からつなぐ場合は、OAuthではなく、AI Engineの設定で作る「Bearer Token」(接続用の合言葉)を、HTTPのヘッダーに入れて使う形です。設定の項目名は版によって変わることがあります。
つながったかを確かめる
- Claudeの会話の左下の「+」から「Connectors」を開き、追加した接続先がオンになっているかを見ます。
- まず読むだけの依頼をします。例:「自社サイトの最近の投稿を5件、題と状態(公開・下書き)だけ一覧にしてください。」
- 次に「この内容で、下書きとして投稿を1件作ってください。公開はしないでください。」と頼み、WordPressの「投稿」一覧の「下書き」に入ったかを確かめます。
- 試しに作った下書きは、管理画面から人が消します。
つながらないときは、サーバーのファイアウォールやセキュリティ用のプラグインが /wp-json/ で始まる通信(WordPressのREST API)を止めていないか、キャッシュの仕組みがこのアドレスの通信まで保存していないかを確かめます。Anthropicのヘルプによると、Claudeは利用者のパソコンからではなくAnthropicのクラウドから接続するので、接続元を限っているサーバーでは、Anthropicの接続元を許可する設定が要ります。古い解説記事にある、Node.jsの中継スクリプト(mcp.js)とSSEという接続先を使う方法は、Meow Appsが非推奨とし、2026年7月に取り除く予定と書いていたものなので、今から使うのは避けます。
認証情報の扱い:トークンやアプリケーションパスワードは「合鍵」
AIとWordPressをつなぐときの認証情報は、サイトの合鍵と同じです。持っている人は、それに与えられた権限でサイトを操作できます。
- OAuthで承認した接続は、AI Engineの設定の「Connected Apps」に、ユーザー、承認した日、最後に使われた日とともに一覧で出ます。使わなくなった接続は、ここから取り消せます。担当者が替わったときや、しばらく使っていないときに見直します。
- Bearer Tokenは、会話に貼り付けたり、共有の資料に書いたりしません。Meow Appsの説明では、このトークンでつないだ道具はサイトの管理者と同じ範囲を操作できるとされているので、管理者のパスワードと同じ扱いにします。Meow AppsはトークンをアドレスのURLに含める方法も紹介していますが、URLは記録に残りやすいので、当社は勧めません。
- AI Engine以外の道具でAIとWordPressをつなぐ場合、WordPressの「アプリケーションパスワード」が使われることがあります。WordPressの開発者向けの説明によると、アプリケーションパスワードはユーザーの編集画面で作成と取り消しができ、それを使った操作はそのユーザーとして行われます。最後に使われた日も表示されるので、使っていないものは取り消します。
Anthropicのヘルプは、カスタムコネクタはAnthropicが検証したものではないとして、信頼できる接続先だけをつなぐこと、Claudeが道具を使う前の確認を注意して読むこと、「Allow always」(常に許可)は無人で動かしてよいと信頼できる道具にだけ使うことを勧めています。悪意のある接続先が、AIに意図しない操作をさせる指示を紛れ込ませる手口(プロンプトインジェクション)にも触れています。当社の見立てでは、自社のサイトでも、コメント欄や問い合わせの内容など外の人が書いた文章をAIに読ませる場面では、この点に気をつけておく必要があります。
当社の流れ:下書きから公開まで
当社がClaudeとWordPressで記事や固定ページを作るときの流れです。
- 何を作るか(誰のどんな疑問に答えるページか)を人が決めます。
- Claudeに調査と下書きをさせ、WordPressに下書きとして保存させます。数字や固有名詞は出典を確かめ、作り話の事例や数字は入れません。
- 別のAIに校閲させます。数字の出どころ、根拠のない言い切り、事実と推測の混同を見させます。
- 見た目は、AIがブラウザ(Playwright という、ブラウザを自動で動かす道具)で320〜1920pxの複数の画面幅を撮影し、横のはみ出しやエラーがないかを確かめてから反映します。
- 最後に人(当社)が、読者の側から読んで確かめます。
- 公開します。AIに本番のサイトの公開操作をさせると、AIの側の安全確認で止まることがあるため、人が明示に了承してから公開する流れにしています。
- 差し替えた場合も、リビジョンから差し替え前の版に戻せるようにしています。
当社のトップページや下層ページの見た目(山を登る構成や動き)も、AIに組み立てさせ、モックを何度も作り直して決めました。決めたのは人です。AIは案を速くいくつも出せますが、どれを採るかは、事業の方針を知っている人が決めるものだと当社は考えています。
AIに任せること、任せないこと
| 作業 | 任せるか | 理由 |
|---|---|---|
| 下調べと下書き | 任せる | 速く、量を出せる。ただし出典は人が確かめる |
| 既存ページの読み取りと一覧づくり | 任せる | 読むだけなら、サイトを壊すことがない |
| 表記や構成の点検、画面幅ごとの撮影 | 任せる | 決まった項目を漏れなく見る作業に向く |
| 見た目のモックの作り直し | 任せる | 案を何度も出させられる。採るかどうかは人が決める |
| 何を作るか(コンセプト、読み手、題)の決定 | 任せない | 事業の方針そのものだから |
| 料金、約束、表現など事業者としての判断 | 任せない | 結果に責任を持つのは事業者だから |
| 事実確認の最終責任 | 任せない | AIの文章は、調べた事実とは限らないから |
| 本番の公開 | 人の了承のあとに限る | 公開した中身は、読まれたあとに取り消せないから |
プラグインの追加や削除、テーマの切り替えのように、サイト全体に響く操作もAIからできる場合がありますが、当社は人が確かめてから行う作業と考えています。リビジョンで戻せない種類の変更だからです。
品質の確かめ方:AIの文章をそのまま公開しないために
AIに書かせた文章で、当社が公開前にいちばん気にしているのは、誤字より数字の出どころです。公開前の点検の順番は記事の公開前チェックは、誤字より先に「数字の出どころ」を見るに書きました。AIを使う場合は、そこに次の3つが加わります。
- 別のAIの校閲:下書きを書いたAIとは別のAIに、「本文の数字と固有名詞を一覧にし、それぞれ出典が本文にあるかを示してください」「事実として書かれているが、推測にすぎない文を挙げてください」と頼みます。書いたAIに自分で見直させるより、見落としが表に出やすいと当社は考えています。
- 人の最終確認:検索してきた読み手として読み、冒頭で答えが分かるか、事業者が約束できない表現がないかを見ます。
- 画面幅ごとの撮影:スマートフォンの狭い幅で表が横にはみ出していないか、ボタンが押せる位置にあるかを、撮影した画面で見ます。
AIで作ったページに特有の注意点(著作権、広告の決まり、Googleの検索での扱い、入力してはいけない情報)はAIで作ったホームページの注意点に、AIへの頼み方はAIでホームページを作るときの指示の書き方にまとめました。
自社で導入するか、決める前に確かめること
ClaudeとWordPressをつなぐのが向くのは、記事や業務ごとのページを書き足していくサイトで、メニューやフッターがテーマの側で共通になっている場合です。ページごとに手で組んだ作りでは、AIに直させても全ページの手直しが残ります(制作会社しか直せないのは、ページごとに作られているから)。
次のどれかに当てはまるなら、つなぐ前に整えるほうが先です。
- バックアップがない、または戻し方を誰も知らない。
- 管理者のアカウントを何人かで使い回している。
- 公開前に中身を読む人がいない。
- サーバーやWordPress、プラグインの更新を誰も見ていない。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを引き受けています。当社自身も、AIで下書きし、人が読んでから公開する形でサイトを運営しています。自社でつなぐか、運営ごと任せるかを決めかねている場合は、相談するから今のサイトの状況をお知らせください。進め方は進め方に載せています。
参考にした公式の説明
- Meow Apps「How To: Connect Claude to WordPress with MCP」(英語)
- Meow Apps「How To: Connect Claude Code to WordPress with MCP」(英語)
- WordPress.org「AI Engine」プラグインページ(英語)
- Claude ヘルプセンター「Get started with custom connectors using remote MCP」(英語)
- WordPress.org ドキュメント「Revisions」(英語)
- Make WordPress Core「Application Passwords: Integration Guide」(英語)
※手順と画面の名前は、2026年10月8日に各社の公式の説明で確かめたものです。AI EngineとClaudeの画面は更新で変わることがあります。