WordPressのコメントを止めるには、場所が3つあります。これから書く投稿は「設定」→「ディスカッション」で、すでにある投稿と固定ページは一覧画面の「一括操作」→「編集」で、1件だけなら編集画面の「ディスカッション」で止めます。
気をつけたいのは、「設定」→「ディスカッション」のチェックを外すだけでは、すでに公開している投稿のコメント欄は開いたままだということです。この設定は「新しい投稿」に効くもので、投稿ごとの設定で上書きされます(2026年10月時点のWordPress.orgの公式ドキュメントによる)。メディア(添付ファイル)のコメントも別の場所で止めます。全部を一度に止めたいなら、コメントを無効にするプラグインを使う方法もあります。
会社のサイトでコメントを使って問い合わせを受けていないなら、止めて困ることはほとんどありません。止めたあとに「コメントは受け付けていません」のような一文が残るのは、すでに付いたコメントがあるためで、放っておいても害はありません。以下、止める理由、場所ごとの手順、止めたのにコメント欄が残るときの確かめ方の順に書きます。
会社のサイトでコメントを止める理由:スパムと、返事をする人がいないこと
一つ目はスパムです。Googleは検索のスパムに関するポリシーで、「ユーザー生成スパム」の例として「ブログへのスパムコメント」を挙げ、「多くの場合、サイト所有者はスパム コンテンツが追加されたことに気づいていません」と書いています。広告やほかのサイトへのリンクを並べたコメントが承認されたまま残ると、会社のページにそのまま載ってしまいます。コメント欄のスパムも含め、自社サイトが悪用される場合の見分け方と対処は、SEOポイズニングとは:検索結果の偽サイトと、自社サイトが悪用されないためにに書いています。
当社のサイトも例外ではありませんでした。2026年10月に管理画面の「コメント」を開くと、承認待ちのコメントが53件たまっていました。見た範囲(新しい順に20件)は、英語の短いほめ言葉や外国語の宣伝ばかりで、問い合わせにあたるものは一つもありませんでした。記事の下にコメント欄があるだけで、誰も読まない承認待ちがこうして積み上がっていきます。
二つ目は管理の手間です。コメントを受け付ける以上、届いたものを読み、承認するか、スパムに回すかを誰かが決め続けることになります。迷惑コメントを自動で振り分けるプラグインのAkismetは、WordPress.orgのプラグインページで、利用に要るキーは個人のブログなら無料、事業や商用のサイトには有料の契約が用意されている、と案内されています。会社のサイトでコメントを残すなら、この手間と費用も含めて考えることになります。
三つ目は、受け取ったあとの扱いです。会社のサイトに来る人の質問は、料金や日程など、その人だけの用件であることが多いと当社は見ています。それを誰でも読めるコメント欄で受けると、返事を書きにくく、記録も残しにくくなります。用件は問い合わせフォームで受け、何度も聞かれる質問はページに先に書いておく方が、書く側も読む側も楽です。フォームで最初に聞く項目は問い合わせフォームの項目と作り方に、よく聞かれる質問の載せ方はよくある質問(FAQ)ページの作り方にまとめました。
反対に、読者との意見のやり取りそのものが目的のブログで、返事を書く人も決まっているなら、止めずに承認制で続ける選択もあります。
どこで止めると、どこまで止まるか
止める場所ごとに、効く範囲が違います。先に全体を見ておくと、「設定を変えたのにコメントが届く」という取りこぼしを防げます。
| 止める場所 | 効く範囲 | 効かない範囲 |
|---|---|---|
| 設定→ディスカッション | これから作る投稿 | すでにある投稿、付いているコメントの表示 |
| 一覧の一括編集 | 選んだ投稿・固定ページ | メディア、付いているコメントの表示 |
| 編集画面のディスカッション | その1件 | ほかの投稿 |
| メディアの編集画面 | その添付ファイル | ほかの添付ファイル |
| コメント無効のプラグイン | 投稿の種類ごとにまとめて(メディアを含む) | 付いているコメントは別の操作で削除 |
固定ページは、もともとコメントが閉じた状態で作られます。WordPressの開発者向けの公式リファレンスでは、新しく作るときのコメントの既定値を決める仕組み(get_default_comment_status)が、固定ページについては「closed(閉じる)」を返すように書かれています。ただし、テーマやプラグインがこの動きを変えている場合や、過去に手で開けた固定ページもあるので、次の一括編集で固定ページも一度確かめておくと安心です。
これから書く投稿のコメントを止める(設定→ディスカッション)
管理画面で次のように進みます(画面の表示はWordPressのバージョンによって少し違うことがあります)。
- 左のメニューの「設定」から「ディスカッション」を開きます。
- 「デフォルトの投稿設定」にある「新しい投稿へのコメントを許可する」のチェックを外します。
- 同じ欄の「新しい投稿に対し他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける」のチェックも外します。ほかのサイトが自社の記事にリンクしたことを知らせる仕組みで、外さないとコメント欄に通知が並ぶことがあります。
- 同じ欄の「投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる」は、送る必要がなければ外します。
- 画面の一番下の「変更を保存」を押します。
この欄の下には「個々の投稿は、この設定を上書きできます。ここでの変更は、新しい投稿にのみ適用されます。」という説明が出ています(当社のサイトの日本語の画面で確かめた表示です)。つまり、ここで止めても、すでにある投稿にはそれぞれの設定が残ります。すでにある投稿は、次の一括編集で止めます。
同じ画面の「他のコメント設定」には、「古い投稿のコメントを自動的に閉じる」という項目もあります(日数を入れて使います)。公式ドキュメントによると、指定した日数より古い投稿のコメント欄を閉じ、承認済みのコメントは表示したまま残す設定です。一括編集の取りこぼしを防ぐ補助として、短い日数で有効にしておく使い方もできます。
すでにある投稿・固定ページをまとめて止める(一括編集)
公式ドキュメントでは、投稿一覧と固定ページ一覧の「一括編集」で、コメントの許可とピンの許可(リンク通知の受け付け)をまとめて変えられると説明されています。
- 「投稿」→「投稿一覧」を開きます。
- 画面右上の「表示オプション」を開き、1ページに表示する件数を、投稿の数より大きくして適用します。件数が多いと画面が重くなるので、数百件あるなら100件ずつに分けて進めます。
- 一覧の見出しの行にあるチェックボックスにチェックを入れ、表示している投稿をすべて選びます。
- 「一括操作」から「編集」を選び、「適用」を押します。
- 開いた欄で「コメント」を「許可しない」に、「ピン」も「許可しない」にします。ほかの欄は「変更なし」のままにします。
- 「更新」を押します。2ページ目以降があれば、同じ操作を繰り返します。
- 「固定ページ」→「固定ページ一覧」でも、2〜6と同じ操作をします。
一括編集で触るのはコメントとピンの欄だけにしてください。投稿者や状態の欄を誤って変えると、全件に反映されます。1件だけなら、一覧でタイトルにマウスを重ねると出る「クイック編集」から、コメントを許可するチェックを外して「更新」を押す方法でも止められます。
1件ずつ止める(編集画面の「ディスカッション」)
ブロックエディター(いまの標準の編集画面)では、投稿を開き、右側の設定の欄(「投稿」のタブ)にある「ディスカッション」の項目で止めます。公式ドキュメントでは、コメントを受け付けるときは「開く」にすると説明されています。止めるときは開いていない側(「閉じる」など)にして、投稿を「更新」します。表示はバージョンによって、選ぶ形のこともあれば、「コメントを許可」のチェックのこともあります。
ピンバックとトラックバックの設定も同じ場所にあります。公式ドキュメントには、この機能は投稿だけのものと書かれています。
旧来の編集画面(クラシックエディター)を使っているサイトでは、編集画面の下の方にある「ディスカッション」の箱で「コメントの投稿を許可する」のチェックを外します。箱が見えないときは、右上の「表示オプション」で「ディスカッション」にチェックを入れると出てきます。
添付ファイル(メディア)のコメントを止める
WordPressでは、アップロードした画像やPDFにも「添付ファイルのページ」が作られ、そこにコメント欄が出ることがありました。WordPressの開発チームの告知によると、WordPress 6.4からは、新しく作ったサイトでは添付ファイルのページが最初から無効で、開くとファイルそのものへ転送されます。一方、それより前から使っているサイトは、更新しても添付ファイルのページが有効なまま残ります。
自社のサイトがどちらかは、「メディア」→「ライブラリ」で画像を一つ開くと分かります。添付ファイルのページを見るリンクがあり、開くとサイトのデザインの中に画像が表示されるなら、ページが有効です。ファイルだけが開くなら、ページは無効で、コメントの心配はありません。
有効なサイトで止めるには、次のようにします。
- 「メディア」→「ライブラリ」で、止めたいファイルの「編集」画面を開きます(一覧の表示をリスト形式にすると「編集」のリンクが出ます)。
- 右上の「表示オプション」で「ディスカッション」にチェックを入れます。公式ドキュメントでは、この箱は最初は隠れていることがあると説明されています。
- 「ディスカッション」の箱で、コメントとトラックバック・ピンバックを許可するチェックを外し、「更新」を押します。
添付ファイルは1件ずつしか止められないので、画像が多いサイトでは手間がかかります。その場合は次のプラグインで、メディアをまとめて止める方が現実的です。
プラグインでまとめて止める(Disable Comments)
WordPress.orgのプラグインディレクトリにある「Disable Comments」(WPDeveloper社)は、投稿・固定ページ・メディアなど、投稿の種類ごとにコメントを止められるプラグインです。2026年10月8日に公式ページを確かめた時点で、有効インストール数は100万以上、最新版の公開は2026年9月1日でした。公式ページに書かれている主な機能は次のとおりです。
- サイト全体のコメントの設定を上書きして、コメントを止める。
- 投稿・固定ページ・メディアのうち、どれでコメントを許可するかを選ぶ。
- 管理画面のメニューと上部のバーから「コメント」へのリンクを隠す。
- XML-RPCとREST API(外部のプログラムからWordPressを操作する入口)経由のコメントも止める。
- 付いているコメントを種類ごとに削除する。
削除の機能には注意が要ります。公式ページのよくある質問には「元に戻せない」と書かれ、プラグインを止めても削除したコメントは戻らないとされています。消す前に、本物の問い合わせやお客様の声が混じっていないかを確かめてください。
プラグインを一つ入れると、更新を見る対象が一つ増えます。投稿と固定ページだけなら、ここまでの標準の手順で止められます。プラグインが向くのは、添付ファイルのページが有効で画像が多いサイトや、管理画面の「コメント」のメニューごと消して、担当者が迷わないようにしたい場合です。プラグインの更新の順番はWordPressのアップデート手順にまとめています。
止めたのにコメント欄が残る・コメントが届くとき
「コメントは受け付けていません」と出る、付いたコメントが表示されたまま
コメントを止めても、すでに承認されたコメントは消えません。WordPressのテーマの作り方の公式手引きにある見本では、コメント欄の部品を「コメントが開いているか、コメントが1件以上あるとき」に読み込み、閉じていてコメントがあるときは「Comments are closed.」(日本語のサイトでは「コメントは受け付けていません。」のような文)を出す書き方になっています。多くのテーマがこの形に沿っているので、古いコメントが残っている投稿では、コメント欄と一文が表示され続けます。
表示を消したいなら、管理画面の「コメント」で該当するコメントを「ゴミ箱」に移すか、迷惑なものなら「スパム」にします。残しておきたいお客様のコメントなら、一文が出ていても放っておいてかまいません。
テーマが自分のコメント欄を出している
テーマによっては、コメント欄の表示をテーマの設定で切り替えるものがあります。ブロックテーマ(サイト全体をブロックで組むテーマ)では、投稿のテンプレートに「コメント」ブロックが入っていることがあり、コメント欄の見た目はそこで決まります。WordPressの設定でコメントを止めても枠や見出しが残るときは、テーマの説明書で「コメント」の表示の設定を探すか、サイトエディターで投稿のテンプレートを開いてコメントのブロックを確かめます。テンプレートを触るのが不安なら、表示が残っていても受け付けは止まっているので、急ぐ必要はありません。
止めたはずなのに新しいコメントが届く
次の順に確かめます。
- 届いたコメントがどのページに付いたかを「コメント」の一覧で見ます。
- そのページが一括編集の対象から漏れていないか(2ページ目以降の投稿、固定ページ、下書きから公開したもの)を見ます。
- 添付ファイルのページに付いていないかを見ます。
- 種類が「ピンバック」や「トラックバック」なら、リンク通知の受け付けを止め忘れています。一括編集の「ピン」の欄で止めます。
なお、お問い合わせフォームに届く迷惑メールは、コメントとは別のものです。コメントを止めても減りません。当社のサイトでは、お問い合わせフォーム(Contact Form 7)の迷惑メール対策にAkismetを使っています。フォームの作り方と、メールが届かないときの確かめ方はWordPressのお問い合わせフォームに書きました。
止める前に一つだけ確かめること:承認待ちのコメント
止める前に、「コメント」の一覧で「承認待ち」を開いてください。当社のサイトの53件は宣伝ばかりでしたが、サイトによっては、コメント欄が問い合わせの代わりに使われていて、返事をしないまま埋もれていることがあります。電話番号やメールアドレスが書かれたコメントは、公開すると個人情報がサイトに載ってしまうので、承認せずに内容を控えてから連絡し、そのあとでゴミ箱に移します。
コメントを止めるのは、サイトの守りの一部です。管理者のアカウントやプラグインの整理など、ほかにやることはWordPressのセキュリティ対策に、更新が止まったプラグインが狙われる理由と、自社のサイトが当てはまるかの確かめ方はWordPressの脆弱性とはに並べています。
当社は、ホームページの運営に加わり、問い合わせが来るところまでを見る形で仕事を引き受けています。コメントやフォームのように、問い合わせの入口がどこにいくつあるのかの整理もその一部です。自社のサイトで何から手を付けるか決めかねているときは、相談するから今の状況をそのまま書いてお送りください。
参考にした公式の説明
- WordPress.org「Settings Discussion Screen」(英語)
- WordPress.org「Comments in WordPress」(英語)
- WordPress.org「Posts Screen」(英語)
- WordPress.org「Pages Screen」(英語)
- WordPress.org「Page / Post Settings Sidebar」(英語)
- WordPress.org「Edit Media」(英語)
- Make WordPress Core「Changes to attachment pages」(英語)
- WordPress Developer Resources「get_default_comment_status()」(英語)
- WordPress Theme Handbook「Comment Template」(英語)
- WordPress.org プラグイン「Disable Comments」(英語)
- WordPress.org プラグイン「Akismet」(英語)
- Google 検索セントラル「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
※WordPressの画面の名前と手順は、2026年10月8日にWordPress.orgの公式ドキュメントで確かめたものです。日本語の表示はバージョンによって少し違うことがあります。